【政治デスクノート】変われぬ、動けぬの小沢氏、「子飼い」がまた去った…
zakzak 2014.10.20
生活の党の小沢一郎代表の政治団体「陸山会」を舞台にした政治資金規正法違反の罪に問われた元小沢氏秘書の石川知裕元衆院議員(昨年5月に議員辞職)に対し、最高裁は9月末、石川氏の上告を棄却すると決定した。
石川氏は、禁錮2年執行猶予3年の刑が確定し、今後3年間は選挙に立候補することができないが、すでに「次の次の衆院選」を視野に動いている。
今年4月、法政大大学院政治学研究科に入学した。石川氏のブログによると、大学院での研究課題は「英国におけるブレア政権誕生までの労働党改革と日本の民主党との比較研究」。英国の労働党が政権獲得するプロセスを学び、政界復帰後の活動に生かしたいということだろう。
法政大大学院入学は、もうひとつの狙いがあった。関係者によると、民主党や同党の支持団体、連合のブレーンである山口二郎法政大教授が大いに関係しているという。石川氏は山口氏を通じて(民主党というよりも)連合との関係強化を図ったというのだ。
石川氏は、大学在学中から小沢氏の書生として住み込み生活を始め、平成17年の衆院選に初出馬するまで同氏の秘書を務めていた。国会議員になってからも小沢氏と行動を共にし、前回の衆院選では小沢氏と大地の鈴木宗男代表が話し合いによって新党大地から立候補した。小沢氏が「右」と言えば右を向き、「左」と言えば左を向く「師弟関係」にあった。
しかし、大学院進学については、石川氏が小沢氏に相談しないまま決めたようだ。小沢氏よりも「山口氏=連合」を重視したといえる。つまり、石川氏は小沢氏から「独立」したのだ。次の次の衆院選を考えれば、そうだろう。生活の党が存続している保証はないし、何よりも小沢氏個人が大きな票を獲得できる時代ではなくなった。それならば、北海道で一定の勢力がある連合との関係を良好にしておきたいところだろう。
子飼いの「小沢離れ」は石川氏にとどまらない。「元祖小沢ガールズ」といわれた太田和美元衆院議員も、生活の党を離党した。維新の党入りを検討している。
太田氏は前回の衆院落選後、昨年の参院選で千葉選挙区から出馬するよう小沢氏に指示され、立候補したが落選した。また、小沢氏が理事を務める日大に進学し、小沢氏への忠節を示していた。
しかし、生活の党関係者によると、太田氏が次の衆院選で出馬を検討している選挙区で、有力者から「生活の党で出るなら対抗馬を立てる。維新に移れば静観する」と突き上げられ、「小沢ガールズのままでは選挙に勝てないと苦渋の決断をした」という。別の生活の党関係者は、「活動費」をめぐって小沢氏とトラブルがあったと証言する。
自民党時代から小沢氏の側近だった藤井裕久元財務相は、最近出版した「政治改革の熱狂と崩壊」(角川oneテーマ21)で小沢氏の政治手法について「政争を繰り返す」「抗争をエネルギーに転化する」と批判する。側近議員らが小沢氏のもとを去る理由についてこう指摘している。
「理由はただ一つ。小沢は自らに完全服従する政治家しか許さない。(略)『小沢に一任』という鉄則を受け入れられない議員、あるいはその厳しさに気付かず、反抗した議員は干された」
自らが小沢氏と決別したのは、消費税率引き上げに同氏が反対したことだと記している。
「小沢も財政破綻を避けるため、消費税率アップと福祉目的化を主張していた。党内対立を勝ち抜くために、小沢がその旗を降ろした時、私は小沢との関係に終止符を打ったのだ」
ちなみに、出版を記念する会が24日、都内で開催される。会の事務局を仕切るのは、現役時代は小沢氏に「秘書」のように使われた米津等史元衆院議員だ。
小沢氏は11日、テレビ東京の番組で、次の衆院選に向けた野党の「統一戦線」結成に改めて意欲を見せた。ただ、「僕の場合は何かやれば批判されるし、今は小さい政党ですから」とも語った。
生活の党は、現職の国会議員に限っても衆院7人、参院2人と、10人に満たない小政党だ。次の国政選挙で他党の協力がない限り現有勢力の維持も困難にある。しかし、小沢氏に野党再編を仕掛けるパワーはなく、「子飼い」の離反はとどまるところを知らない。
小沢氏は映画「山猫」に登場するセリフを好んで使う。
「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない」
このセリフをどう実践していくのか。実践する余力があるのか、という問題もある。(政治部次長 今堀守通)
◎上記事の著作権は[zakzak]に帰属します
............
〈来栖の独白 2014/10/20 Mon. 〉
>「理由はただ一つ。小沢は自らに完全服従する政治家しか許さない。(略)『小沢に一任』という鉄則を受け入れられない議員、あるいはその厳しさに気付かず、反抗した議員は干された」
>党内対立を勝ち抜くために、小沢がその旗を降ろした時、私は小沢との関係に終止符を打ったのだ
藤井裕久元財務相の言葉は、今の私には良く分かる。小沢氏の正体を知ったとき、多くの腹心の友が小沢氏から去っていった。少し前の滋賀県嘉田前知事との顛末を思い出す。選挙に勝つために卒原発の嘉田氏と手を組んだが、都合が悪くなる(使い途がなくなる)と、小沢氏は「お隠れになった」。選挙といえば、岩手から千葉まで、小沢氏の実に無残な仕打ちを私は見た。「小沢一郎の頭には政局、選挙しかない」との批評はよく耳にする。2,3年前までは、そんなことはない、と一笑に付していたが、今の私には、よく分かる。選挙しか念頭にない。が、「選挙」に勝つのは政策によって、である。
◇ 衆議院選挙から1か月 小沢一郎代議士について考える 2013-01-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
〈来栖の独白 2013/01/14Mon. 〉
新年が新政権で迎えられたことは、まず喜ばしい。もう2度とノダ、マエハラ、アズミ、カン、センゴクといった面々の画像にお目にかかりたくない。民主党「ガキっこ」による政治ごっこには食傷である。とりわけ外交能力は極めて低く、中国という覇権国家、ならず者国家に対応できる政権ではなかった。
2009年の小沢一郎氏秘書逮捕以降、私は氏のカテゴリーを設けて弊ブログで考えてきた。検察は氏を2度起訴できず、検察審査会に強制起訴を委ねた格好になったが、控訴審「無罪」確定で幕を閉じた。小沢裁判は元々無理筋のでっち上げであったから当然の帰結だった。そこに蠢いたのは、検察・メディア・政治家・・・あらゆる既得権益集団の「我欲」の姿だった。必ずしも小沢氏を有罪に定めるのではなく、容疑をかけ、刑事被告人に縛るだけで事足りた。「小沢一郎の政治生命を絶つ」という目的は達せられるのだった(そして、そのようになった。2012年12月16日の衆議院選挙で、小沢一郎氏は惨敗した)。
小沢氏は周囲に「近いうちに選挙はある」と言い、公約の1つとして「脱原発」を掲げ、ドイツへ視察にも赴いた。自らの地元岩手県を始めとして、要所要所に民主党候補者に対する「刺客」擁立も進めた。岩手ではそれまでともにやってきた階猛(しな たけし)氏、黄川田徹氏に刺客を立て、野田前総理の千葉でも刺客を立てた。
千葉で野田前総理の刺客として立候補した三宅雪子氏は「党が違えば、ましてや政策が違えば、各党が候補者を出すのは当然の話。民主党も離党者のところに出しているし我が党が突出しているわけではありません」と言われるが、岩手の階氏も黄川田氏も小沢氏に付いて離党こそしなかったものの、消費税増税法案採決について階猛氏は反対票、黄川田氏は棄権であった。小沢氏が選挙で掲げた公約の筆頭は旧党名(『国民の生活が第一』)も示すように、反消費税増税であったはずで、ならば、いかほどの政策の違いというのであろうか。衆院選挙惨敗後の「生活の党」森裕子代表の民主党すり寄りなどを見せられれば、刺客擁立も[日本未来の党]分裂も、その論拠を喪うのである。
やや情緒的に偏するかもしれないが、ドイツへ視察に赴く小沢氏の姿を見れば、選挙を「脱原発」で戦う『国民の生活が第一』からの立候補者、例えば青森の立候補者の苦衷を私は思わずにはいられなかった。また、私の郷里は岡山だが、岡山から鞍替えして千葉で衆院選に立候補が決まった姫井由美子さんの苦難をも思わずにはいられなかった。彼女は参議院議員だったから、今年夏までの議員としての寿命を縮めて、何の縁もないところで立ったのである。なんという過酷であることだろう。
「生活の党」森裕子代表は13日のNHKの番組で「私たちは小沢氏の『自立と共生』の理念の下に集まっている」と発言したという。俄かに『自立と共生』という極めて観念的、抽象的な言葉を繰り出している。これでは「生活の党」と名乗ってはいても、政策が掴みにくい。どの党でも、標榜可能だ。意味はどのようにも取れる。
いま一つ、重要な問題がある。小沢氏は昨年、安倍氏や石原慎太郎氏の言動を「まるで大政翼賛会」と評したが、小沢氏の国家観については疑義を禁じ得ない。2009年、民主党幹事長のとき、氏は団を組んで訪中した。中国の現在の覇権主義は、近年に始まったものではない。用意周到に遅くとも1970年代から練られたものだ。氏は日米の関わりについて、必ずといって「同盟国とは“対等な”国同士のことを言う。日米は対等ではない」と言われる。確かに日米は対等ではない。が、日中について、日米以上に「対等」な関係が結べるだろうか。
アメリカは少なくとも民主主義国家である。が、中国はそうではない。すべての国が民主主義国家になるわけではない。中国は戦略を練りに練って尖閣に揺さぶりをかけ、挑発を繰り返して国連憲章の敵国条項を該当させ日米を分断、日本征服を企んでいる。
2009年からすべての既得権益はマスコミを走狗としてイメージ作戦(政治とカネ)で小沢潰しに走ったが、いま小沢氏が「イメージ」で生き残ろうとしているかに見える。「まるで大政翼賛会」と揶揄する手法だ。
--------
三宅雪子 @miyake_yukiko35
@hana10to5 全く違いますね。党が違えば、ましてや政策が違えば、各党が候補者を出すのは当然の話。民主党も離党者のところに出しているし我が党が突出しているわけではありません。
12年12月29日 午前3:11
--------
「小沢代表」就任に期待 生活・森裕子氏
zakzak 2013.01.13
「生活の党」の森裕子代表は13日のNHK番組で、現在無役となっている小沢一郎衆院議員の代表就任に期待感を示した。「私たちは小沢氏の『自立と共生』の理念の下に集まっている。力を合わせて頑張っていきたい」と述べた。
生活の党は新執行部を発足させる党大会を25日に開く予定、党内では夏の参院選に向け、小沢氏の代表就任を求める声が強まっている。
---------
民主、小沢氏とは距離=生活の「擦り寄り」黙殺
時事通信2013/01/13-15:37
小沢一郎氏率いる「生活の党」が、参院選での野党協力に向け、民主党に秋波を送っている。しかし、同党内には党分裂を引き起こした小沢氏への拒否感や、連携に伴う弊害を懸念する声が強い。小沢氏と近いとされる海江田万里代表ら民主党執行部も、生活側の働き掛けを当面黙殺せざるを得ないのが現状だ。
「この間の経緯はあるが、お互い胸襟を開き、国民の生活が第一という原点に立ち返れば、協力することは可能だ」。生活の森裕子代表は11日の記者会見で、民主党との関係修復に強い期待を寄せた。
小沢氏は今夏の参院選について「ばらばらにやって勝てるわけがないことは、小学生でも分かる」と周辺に語っており、反自民・公明勢力の結集を模索する。昨年12月の参院本会議での首相指名選挙では、生活の議員8人全員が決選投票で海江田氏に投票し、民主党への露骨な「擦り寄り」を示した。
これに対し、民主党内には「引っかき回されるデメリットの方が大きい」(中堅)と、生活との連携に否定的な声が多い。民主党は日本維新の会やみんなの党との連携や選挙協力を目指しているが、生活との連携は小沢氏に反発する議員が多いことから、困難との見方が大勢。生活との連携に動けば、民主党が再び分裂するとの指摘もある。
かつて民主党代表選で小沢氏に担がれた海江田氏だが、「私が『小沢さんと提携する』と言ったことは一度もない」と強調。生活とは距離を置く姿勢を示している。
---------
「100人当選」と小沢氏 嘉田氏、結党経緯語る
産経新聞2013.1.14 12:27
滋賀県の嘉田由紀子知事は13日に大津市であった後援会の新年会で、日本未来の党の結党について、小沢一郎衆院議員から「あなたが出てくれたら(衆院選で候補者が)100人通る」と説得されて決断したと明らかにした。
嘉田知事は「後から思えば信じるべきではなかった」と後悔をにじませ、謝罪したという。多くの候補者が民主党候補と競合したため「小選挙区で通るはずがなかった」と敗因を語った。
昨年11月末に結党を表明した記者会見で嘉田知事は「『この指とまれ』で、今後、候補者を募っていく」と説明していた。
----------
行き着く先は「カネ」 日本未来の党、“野合”1カ月で幕
産経新聞2012.12.28 00:51
「選挙互助会」と揶揄(やゆ)された日本未来の党が行き着いた先は政党交付金の“争奪戦”だった。勝ち取ったのは小沢一郎氏側。交付金の額は1月1日時点の所属国会議員数などに応じて決まるため、年内に政党の体裁を整えなければ、交付はお預けとなる。小沢氏側が主導権を握る形で“衣替え”を急いだのはこのためだ。結党から1カ月。「カネ目当て」の分裂劇への批判は免れない。(松本学)
27日に国会内で行われた日本未来の両院議員総会は約20分間で終了した。
「本物の『脱原発』に向けての第一歩を目指していきたい」
代表の嘉田由紀子滋賀県知事に近い飯田哲也代表代行は会合後、記者団にこう語り、小沢氏側との対立の根深さをうかがわせた。
所属国会議員は27日に離党届を提出した亀井静香氏を除くと16人。小沢氏と小沢氏系議員計15人は名称を変えて存続する「生活の党」に残り、嘉田氏と社民党出身の阿部知子衆院議員が党を追われる形だ。
政党交付金を受け取るには、1月1日時点で(1)所属国会議員が5人以上(2)所属国会議員が1人以上で、国政選挙での得票率が2%以上-のいずれかの条件を満たさなければならない。
存続する「生活の党」は、日本未来が受け取るはずだった平成25年分の政党交付金約8億6千万円(産経新聞試算)の大半を受け取ることができる。嘉田、阿部両氏らが新たな政治団体を結成しても交付金は受け取ることはできない。
気になるのは今後の小沢氏側の動向だ。
日本未来の国会内の控室に27日、就任挨拶のため訪れた民主党の海江田万里代表に、「生活の党」代表に就任する森裕子参院議員は満面の笑みを浮かべて“接近”を図った。
「海江田万里8票プラスさせていただきました!」
日本未来は26日に参院で行われた首相指名選挙の決選投票で、8人全員が海江田氏に票を投じている。森氏のパフォーマンスは、小沢氏側と民主党が手を握る新たな“野合”を想像させるものだった。
-----------------------------------------
◆ 「小沢王国」に挑む 反旗翻した飼い犬たち=階猛/黄川田徹のもとに届いた小沢氏の妻和子夫人からの手紙 2012-08-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
---------------------------------------
◆ 「国民の生活が第一」脱原発で厳しい立場=横山北斗・中野渡詔子・平山幸司議員/国民の多数意見 第一 2012-07-12 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
―――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 小沢一郎妻に「離縁状」を書かせた男 2012-12-24 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
――――――――――――――――――――