月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ
2011年09月27日
札幌刑務所・拘置支所が施設内部を公開
札幌刑務所(札幌市東区・米谷和春所長)と同拘置支所(同・佐藤一之支所長)は27日午前、報道陣に施設内部を公開した。道内の刑務所など矯正施設を監督する札幌矯正管区の「定期公表」の一環で、北海道司法記者クラブに加盟する新聞・通信・放送各社のほか、記者クラブ非加盟の本誌編集部から2人が参加した。札幌刑務所は今年、本誌9月号の取材に応じて工場や居室などの内部を公開しているが、報道各社に広く対応するのは昨年同時期の施設公開以来1年ぶり。同日は司法記者クラブ加盟社から刑場の公開を求める要望も寄せられ、刑務所の米谷和春所長(57)が「厳粛な刑を執行する場でもあり、一施設長の判断では対応できない」と答える一幕があった。
札幌刑務所は明治3(1871)年に、同拘置支所は明治13(1880)年に開設した。拘置支所は2001年に新築し、刑務所は現在改修中(終了2012年めど)。ともに札幌矯正管区と同じ敷地内(札幌市東区東苗穂2‐1)に建ち、収容者の食事の献立がほぼ同じであるなどの共通点がある。
札幌刑務所の定員は2498人で、27日時点の収容者は1410人(56.4%)。犯罪傾向が進み、かつ刑期の短い「B指標」の受刑者を収容しており、多くが覚醒剤取締法違反(約34%)や窃盗(31%)での服役で、刑期は平均3年4カ月。道外の多くの矯正施設と同様に高齢化が進んでおり、60歳以上の受刑者が約15%を、65歳以上が7%ほどを占めている。平均年齢は45歳7カ月。
刑事裁判の被告人・被疑者を収容する拘置支所は、定員322人。27日時点の収容数は258人(80.1%)で、同日は裁判出廷が9件あった。年間では1880件に上り、裁判員裁判への出廷数はこれまで延べ55件。施設内に刑場を有しているが、執行場所や収容中の死刑囚の人数などは「公開できない」としている。
以下、撮影が認められた部分を、報道陣への公開順に写真で採録する。札幌刑務所の米谷所長は、このたびの公開の目的について「可能な範囲で透明化をはかり、刑務所・拘置支所の業務を知っていただきたいと考えた」と話している。(ん)
札幌刑務所共同室
札幌刑務所共同室
拘置支所
拘置支所
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