「イスラム国」宣言半年 恐怖支配続く
NHK NEWS WEB 12月29日 7時58分
イスラム過激派組織「イスラム国」が、国家を樹立したと一方的に宣言してから半年となり、イラクやシリアの支配地域では行政機構を作って国家の体裁を整える一方、多数の市民を処刑するなど恐怖による支配を続けています。
「イスラム国」はことし6月、イラク第2の都市モスルを制圧するなどイラクとシリアで勢力を広げ、指導者のバグダディ容疑者を歴史上のイスラム共同体の最高権威「カリフ」とする「イスラム国家」を樹立したと一方的に宣言しました。
この宣言から29日で半年となりますが、「イスラム国」は28日もイラク北部のティクリット近郊で政府軍と激しく衝突したほか、シリア北部のアイン・アルアラブにも戦車を使って攻撃を仕掛けるなど各地で戦闘を続けています。
また、支配地域から逃れてきた住民などによりますと、「イスラム国」は食料や通信などを管理する省庁を設置しているほか、「宗教警察」と名付けた治安組織を作って住民を監視するなど、国家としての体裁を着々と整えているということです。
一方で、抵抗する住民への弾圧も強めていて、イギリスに拠点を置く人権団体はこの半年間に、シリアだけで1175人の市民が処刑されたとしています。
「イスラム国」に対しては、アメリカなどが空爆に乗り出していますが、組織を弱体化させるには至っておらず、恐怖による支配が続けられています。
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イスラム国:1900人「処刑」 子どもや女性、外国人も
毎日新聞 2014年12月29日 14時17分
シリア人権監視団(英国)は28日、イスラム過激派「イスラム国」がカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を宣言した6月以降の半年間に、シリアで子どもや女性を含む約1900人を「処刑」したとする集計を発表した。
このうちシリア東部でイスラム国と対立したシャイタート部族の住民930人を含む約1200人が一般市民だった。処刑は銃殺や斬首により実施されたという。
イスラム国は市民やアサド政権兵士らの他に、組織のメンバー120人も処刑した。殺害されたメンバーの大半は、戦闘員としてイスラム国に加わりながらその後、自国に戻ろうとした外国人だった。(共同)
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