アルカイダ系組織、犯行認める 仏紙銃撃
日本経済新聞 2015/1/14 20:40
【ドバイ=久門武史】7日にパリで起きたフランス週刊紙銃撃事件について、イエメンを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系の「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が14日、犯行を認める声明を出した。イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したことへの「復讐」だとしている。
同事件で明確な犯行声明が出たのは初めて。AQAPのナセル・アルアンシ幹部がインターネット上の映像で「アッラーの使徒(預言者ムハンマド)の復讐としての作戦」を実行したと述べた。アルカイダ指導者のザワヒリ容疑者の指示に基づくものだったとし「指導部が標的を選び、計画し、資金支援した」と表明した。
容疑者は自動小銃などで武装しており、過激派組織の関与が濃厚とみられていた。ただAQAPはネット機関誌を通じ、個人の判断による「一匹おおかみ」型のテロを奨励している。今回の事件にどの程度の組織的な関与があったかなど、全容はなお不透明なままだ。
事件直後ではなく、1週間たってから犯行声明を出した意図も不明だ。パリでの一連のテロ事件が収束した後に、他の過激派組織や国際社会の反応を見ながら、自らの存在感を誇示しようとしている可能性もある。イスラム過激派ではシリアとイラクの一部を支配する「イスラム国」が昨年来、急速に台頭し、対立関係にあるアルカイダは存在感が以前より小さくなっていた。
14日のAQAPの声明は、立てこもりの末、射殺された容疑者のクアシ兄弟については「イスラムの英雄」と称賛。「ムジャヒディン(イスラム戦士)は預言者のために報復し、イスラムの神聖さを攻撃しようとするすべての者に明確なメッセージを送る」と警告した。
襲撃された仏週刊紙「シャルリエブド」は、預言者ムハンマドに関する風刺画などをたびたび掲載している。
銃撃事件の容疑者は2011年にイエメンに渡航し、武器の扱いの訓練などを受けたとされる。犯行時に自ら「イエメンのアルカイダからきた」と主張したほか、AQAPメンバーが事件は同組織の指示によるものだったと述べていた。
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仏紙銃撃 アルカイダ系組織、犯行認める「イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したことへの“復讐”」
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