〈来栖の独白〉
坂東三津五郎さんが亡くなられた。衝撃を受け、残念に思う、私もその一人だ。先日2月20日のNHK「美の壺」で、次回、三津五郎さんの出演を予告もしていたので、快癒されていると思い込んでいた。
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番組タイトル:美の壺「粋を持ち歩く、印伝」 ステレオ 字幕放送
チャンネル:BSプレミアム
放送日時: 2015年2月27日(金)午後7:30~午後8:00(30分)
番組HP: http://www.nhk.or.jp/tsubo/
番組内容身近なテーマを中心に3つのツボでわかりやすく観賞指南する新感覚美術番組。今回は「印伝」。輝き、模様の美、粋な和の小物を堪能あれ
案内役:草刈正雄 語り:木村多江
詳細【ゲスト】坂東三津五郎,【出演】草刈正雄,【語り】木村多江
◎上記事の著作権は[NHK ネットクラブ]に帰属します
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坂東三津五郎さん死去 歌舞伎人気けん引
2015年2月23日 中日新聞 朝刊
実力派の歌舞伎俳優で日本舞踊坂東流家元の坂東三津五郎(ばんどうみつごろう)(本名守田寿(もりたひさし))さんが二十一日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。五十九歳。東京都出身。葬儀・告別式は二十五日午後三時から東京都港区南青山二ノ三三ノ二〇、青山葬儀所で。喪主は長男で歌舞伎俳優の坂東巳之助(ばんどうみのすけ)(本名守田光寿(もりたみつひさ))氏。
中村勘三郎さん、市川団十郎さんと人気俳優が相次いで死去した後、次代の歌舞伎界を担う存在として期待されたが、二〇一三年八月に膵臓の腫瘍を公表。闘病を続けていたが昨年十月の東京・国立劇場での舞踊公演が最後の舞台となった。九代目坂東三津五郎の長男として生まれ、一歳で歌舞伎の舞台に初お目見え。一九六二年に五代目坂東八十助(やそすけ)を襲名し初舞台を踏んだ。〇一年に十代目三津五郎を襲名。二十一世紀最初の襲名として注目を集め、家の芸である舞踊「喜撰(きせん)」の喜撰法師や、「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」の曽我五郎などを披露した。同学年の勘三郎さんとともに長年、東京・歌舞伎座の「納涼歌舞伎」公演を主導するなど、歌舞伎人気をけん引した。
NHK大河ドラマ「武田信玄」「功名が辻」をはじめ、映画「武士の一分」「母べえ」、現代劇の舞台などにも多数出演した。
〇六年に日本芸術院賞、〇九年紫綬褒章。著書に「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」「三津五郎城めぐり」など。
■芸の伝承に専心
「歌舞伎の芸というのは先輩たちからの預かり物。しっかり次の世代に譲り渡さないと先輩たちに申し訳ない」。三津五郎さんにはこう、よく聞かされた。
所属していた尾上菊五郎劇団では下積みから始めた。先輩の二代目尾上松緑(しょうろく)さんからは怒鳴られてばかりだったというが、一九八八年、三十二歳のとき「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」の主役・浮世又平を初演したときは、松緑さんがとても丁寧に教えてくれたという。
前年に松緑さんの長男の辰之助さんが四十歳の若さで急逝。「何年もかけて息子の肉体と脳に移してきた芸が突然消えちゃった虚脱感が大きかったと思います。だから何とか僕に移して、孫(四代目松緑)にしっかり伝えてほしいという、無言の意思表示ではなかったか」
「歌舞伎が四百年続いてきたのは、後輩に芸を移すという繰り返しがあったからこそ。僕も後輩から『教えてほしい』と言われれば隔てなく教えます」と話していた。ただ、厳しく教えることが難しい時代になったことを憂えてもいた。
その至芸をもっと、息子の巳之助さんや後輩たちに教えたかったのではないか。早い死が悔やまれる。
城巡りと俳句が趣味で、いつも楽しそうに話してくれた。訪れたことのない城はほとんどないというマニアで、本も出版。中村勘三郎さんの葬儀で、高校生のとき二人だけで城巡りをした思い出を語っていた。
俳句は小学生のとき祖母から手ほどきを受け、二〇〇一年の十代目三津五郎襲名を機に、俳人の黛(まゆずみ)まどかさんを師に本格的に始めた。「俳句を始めて、歌舞伎のせりふや舞踊の歌詞にいかに季語が多く詠み込まれているか初めて分かった。だから商売にも役立っている」
東京・歌舞伎座の新開場で「春光や柿葺落(こけらおとし)の初櫓(はつやぐら)」と詠み、黛さんに褒められたと相好を崩していたのが思い出される。 (藤英樹)
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◇ 坂東三津五郎さんが舞台に戻ってきました 演目は「壽靭猿」 2014-04-18 | 本/演劇…など
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NHK BS「美の壺」次回、坂東三津五郎さんの出演を予告もしていたので、快癒されていると… 〈来栖の独白〉
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