中国元の時代はやって来るか!?
The Voice of Russia,2011年10月26日 16:46:14
アフリカでは、ドルにとって先行き暗い時代がやってきそうだ。中国の元が、アメリカ・ドルを押し出し始めているからだ。ケニヤ政府は、自国通貨のレート安定化のため、外貨準備高の一部を元に切り替える考えである事を明らかにした。
そうした意向を持っているのは、何もケニヤばかりではない。9月初め、ナイジェリアがアフリカ諸国では初めて、自国の手持ちのドルの10%を元に替えると発表している。ナイジェリア中央銀行総裁は「米国の投資ランキングの低下と大幅な予算赤字を考慮して、外貨準備の多様化を余儀なくされた」と述べた。ナイジェリアの外貨準備高は、アフリカ諸国としてはかなり多く、330億ドルだ。同国中央銀行総裁は又「我々は中国に、元決済で石油を売却する可能性を検討中だ」と伝えた。
新興国の中でも最大の銀行の一つ南アフリカのスタンダード銀行の予測は、判断基準となりうるものとして参考になるが、同銀行の専門家達は「ナイジェリア、ケニヤや南アフリカに続き、ガーナやアンゴラも貿易決済で、元を採用するだろう。2015年までには、中国・アフリカ貿易高のほぼ4割が、元決済になる」と見ている。
アジアでもすでにいくつかの国々が、自国の外貨準備の中で、ドルの割合を減らし元で補い始めた。例えはタイ中央銀行は、70億元を手に入れ、フィリピンも元を買う用意のある事を明らかにした。 このほど終わった第8回中国・アセアン見本市から判断するに、両者間の相互決済が元に移行する可能性も、遠い将来の事ではないように思われる。アセアン内でそうした雰囲気が広がったのは、アメリカ経済の先行き不安及び欧州で長く続く不況から、新たな金融危機が起こるリスクが高まっている事による。ましてアセアン諸国には、元決済に換えた好ましい例が存在する。この三年、ドル・円・ユーロが激しく変動している中、インドネシア・マレーシア・シンガポール・韓国、さらにアルゼンチン、ベラルーシ、スペインといった国々は、中国との間で、決済でドルを使わず、それぞれの通貨をお互いに交換する合意を結んだ。
今年の夏、アメリカでデフォルトの危機が高まった時、中国は外国企業に対し、中国への直接投資のため、国外で受け取られた元の売上金を使う事を許可した。このように傾向がはっきりしているにもかかわらず、専門家は「元の完全自由化までには、まだ道のりは大変遠い」と見ている。
ロシア金融市場研究所のイーゴリ・コスチコフ研究員の意見をご紹介する―
「元は完全な兌換通貨ではない。レートは明白に調整され、中国当局がそれを行っている。そうしたメカニズムが存在している間は、元が予備通過になるとは、おそらく言えないだろう。一方、中国も通貨メカニズムを最終的な自由化することはない。そんな事をしたら、輸出するのは高くつき輸入については安くなるので、中国経済は激しく落ち込んでしまうからだ。今後10年、中国の元が、予備通貨の地位を占める可能性はないと思う。しかし10年後は、分からない。」
ドルが世界通貨となったのは、アメリカが世界最大の経済大国の地位をイギリスから奪って、10年後のことだった。こうした歴史が、今回も繰り返されるのだろうか?経済専門家達は、8年から10年後には、中国がアメリカを抜き、世界最大の経済大国になると予想している。
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