小沢裁判 石川証言 4億円土地購入「新事実」が続々 弁護士が代われば人間性も変わる
日刊ゲンダイ2011年11月2日
<やっと納得できる預金担保のメリット>
「アタマ詰まってしもうたか」――自分の弁護士にもこう罵倒された情けない姿とは別人だった。1日の小沢元代表の第4回公判に出廷した元秘書の石川知裕衆院議員(38)。小沢最強弁護団による証人尋問は、シドロモドロの場面が目立って裁判官の心証を損ねた自身の裁判とは大違い。喜田村洋一弁護士の好リードにも助けられ、超複雑な約4億円の土地購入プロセスについて、「なるほど、納得」と思える証言が次々と飛び出した。
なぜ不動産購入の際に土地を担保にせず、小沢が用立てた4億円の定期預金担保で融資を受けたのか。このプロセスの核心をめぐって石川は、自身の裁判で「資金を溶かさないため」「利払いは未来への投資」などと、あいまいな説明に終始した。ところが、この日は違った。
「銀行から融資を受ける際、不動産担保に比べて定期預金担保の方が利率が安い。陸山会からみれば安い利率で借りられる」と、初めて具体的なメリットを強調。小沢から「ちゃんと返せよ」と言われた4億円を定期預金として手元に置くことで、「借りた4億円を返せる態勢を(小沢に)示すことがかなうと思った」と理路整然と答えた。
さらに石川は、04年10月12日に小沢から4億円を受け取った時の生々しいやりとりを初めて披露した。
「(現金が)用意できたから取りに来てくれ」
東京・赤坂の陸山会事務所にいた石川に小沢から電話が入った。すぐに車で小沢が休憩に使うマンション「元赤坂タワーズ」の一室に向かうと、キオスクなどで売っているビニールコーティングの紙袋4つに1億円ずつ分けて現金が入っていた。それを2回に分けて事務所にあった台車に載せて車に運んだという。
石川は4億円を複数の銀行口座に「分散入金」した。その理由はこれまで「大金を持っていく姿をいろんな人に見られて変なウワサが立つのは困る」と説明してきた。陸山会のメーン口座は、りそな銀行の衆議院支店で、議員会館の中にある。4億円を台車で運べば、会館内ではいやでも注目される。複数の口座に小分けにして入金したくなる気持ちも、これなら理解できる。
「自身の裁判で石川氏は妙な警戒心と闘争心がムキ出しでしたが、この日は態度が一変。捜査段階で虚偽記載を小沢氏に報告・了承されたことを認めた調書に署名したことも、『自分の弱さだった』『(再逮捕を恐れた)我が身かわいさもあった』と繰り返しました。冷静に事実に向き合う姿勢が感じられ、人間的な成長すら感じました」(傍聴した司法記者)
ヤリ手弁護士は証言者の人間性まで変えてしまうのか……。
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