上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」:朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由
Business Media 誠2010年08月11日 09時00分 UPDATE
気鋭のジャーナリスト、上杉隆氏、相場英雄氏、窪田順生氏の3人が、Business Media 誠に登場。「政治評論家に多額の資金が渡った」と指摘されている官房機密費問題や、メディアが抱える問題点などについて語り合った。[土肥義則,Business Media 誠]
小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏の「官房機密費」問題が注目を浴びている。当時の官房機密費の取り扱いについて、野中氏は「毎月5000万円〜7000万円くらいは使っていた」と暴露。さらに評論家らにも配っていたが、那覇市内で行われたフォーラムで「持って行って断られたのは、田原総一朗さん1人」と述べた(参照リンク)。
野中氏の発言は一斉に報じられるものの、その後、この問題を追及する主要メディアはほとんどなかった。なぜ新聞やテレビは、官房機密費問題を取り上げようとしないのか。それとも「報道に値する」ものではないのだろうか。Business Media 誠ではジャーナリストの上杉隆氏、作家・経済ジャーナリストの相場英雄氏(時事日想・木曜日連載)、ノンフィクションライターの窪田順生氏を招き、官房機密費やメディアに関する問題を徹底的に語り合ってもらった。全10回に渡ってお送りする。
■政治部は人であらず
相場:主要メディアで官房機密費問題を追及しているところはほとんどないのですが、一般の人にはかなり浸透してきたのではないでしょうか。
窪田:浸透してきましたね。これまで多くの人は、新聞記者やテレビ報道に携わる人のことを「中立な人だ」「正義の象徴だ」と勘違いしていましたが。
相場:確かに。大いなる誤解はあったでしょうね。
窪田:官房機密費の問題では、政治家が政治評論家や主要メディアの解説委員クラスに「お金を渡したのではないか?」という疑いが出ています。しかしヒラの記者にも、政治家は“お年玉”と称して、お金を配っていました。そんなに大きな額ではありませんが、年末や正月にお金を受け取った記者は多いはず。
記者が政治家のために好意的な記事を書けば、当然「ありがとうな」ということになる。そして政治家からメシをおごってもらったりする。それだけならまだしも、やがてエスカレートし、正月にお年玉をもらったりするのかもしれない。
上杉:官房機密費は、政治の問題だけじゃないんですよ。メディアの問題。そもそも官房機密費というのはあって当然だと思う。使い道をオープンにすれば、いろいろな面で「抑止力」になるわけですし。問題は、ジャーナリストがお金をもらったということ。しかもお金の出所は税金なのに。
ボクはこのことを何度も言っているのに、必ず「官房機密費のあり方について」という議論に戻されてしまう。フリーのボクがこの問題を取材していますが、本来であれば新聞やテレビが率先して内部調査しなければいけない。それが“筋”というもの。しかも税金の使い道に関する問題なのに、主要メディアはだんまりを決め込んでいる。記者クラブ問題のときと同様、今回の件についてはそういう動きが全くない。
相場:日本のマスコミは、ものすごく官僚的ですね。
上杉:そうですね。マスコミと思うからダメで、むしろ彼らのことを「官僚」だと思えばいい。
相場:なるほど。分かりやすいですね。
窪田:日本のメディアはジャーナリストではなく、「役人」であれば腹が立たない……ということですね。
相場:ボクには小学校5年生の子どもがいるんですが、なぜか息子のクラスにはマスコミ関係者の父親が多い。でも、父親がマスコミで働いている子どもは肩身が狭いそうで……。
窪田:それはかわいそうですね。
相場:ちなみに、ウチの息子はこのように言っているそうです。「ボクのパパは、元時事通信社の経済部だ。政治部ではない!」と(笑)。
上杉:昔は政治部以外は人にあらずだったのに……隔世の感がありますね。
■朝日新聞のズレ
相場:ボクがいた時事通信社でも、政治部記者の多くは真面目に取材をしていました。しかし偉くなっていくと、社内の権力闘争に明け暮れていくんですよ。そして、それに勝った人間が上に上り詰めていく。
窪田:まさに官僚的ですね。ボクも以前は朝日新聞にいて、そのときにもらった資料や本を探してみました。何か面白いことでも書いていないかな……と(笑)。入社したときに『歴史の瞬間とジャーナリストたち 朝日新聞にみる20世紀』という非売品の本をもらったので、読み返してみました。その本には、朝日新聞の記者が日本の近代化にどれだけ役目を果たしたか、といった内容が書かれていました。
上杉:負の歴史ですね(笑)。
窪田:あらためて驚いたのは開いて1ページ目から、「日露開戦にいち早く布石」という見出しで、当時の朝日新聞主筆・池辺三山が外務省の参事官から、元老と会って「対露強攻策で問題解決を図るよう働きかけてほしい」と頼まれるくだりからはじまっていることです(笑)。
上杉:それって、ものすごくマズイじゃないですかっ!
窪田:元老の山縣有朋が日露交渉に賛成する姿勢をみせたので、開戦論者の外務官僚からすればワラをもすがる思いで頼んだわけですよ。池辺主筆も期待に応え、「いまなさねばならぬのは、断じてこれを行うという決断です」と説得、山縣は頭を垂れて涙を流したと書いてあります(笑)。
要するに、朝日新聞の役割というのは、取材よりも官僚の役にたって政治に働きかけることであるということです。なんせ……1ページ目から書いてあるくらいですから。
上杉:それって、自分たちがジャーナリストではなく、プレイヤーであることを宣言しているようなもの。
相場:じゃあ昔から、読売新聞社のナベツネ(渡辺恒雄)さんみたいな人がいたということですね。
窪田:ですね。事実、この逸話は「これ以降、日本の新聞界に近代的エディターとしての主筆が定着する」と誇らしげにしめくられています。やはり朝日新聞の感覚というのは、世間とズレていると思いました。
上杉:それは朝日新聞だけではないですよ。どこも同じようなもの。
あとメディアには「愛社精神」というヘンなものがありますよね。「朝日人」とか。ちなみにボクがNHKにいたときには「NHKマン」だった(笑)。これってものすごく気持ち悪い。
窪田:気持ち悪いですね。それって昔の「オレは大蔵官僚だ」「ワシは通産官僚だ」といった感覚に近いのかもしれない。
上杉:また彼らは、家族で同じ寮に住んだりしている。そうすると考え方まで似通ってくる。
■クッキーの包装紙に御車代
上杉:小渕政権で官房長官を務めた野中広務さんは「現職の記者に金品を渡したことがない」と言っています。しかしボクが鳩山邦夫さんの秘書をしていたとき、実に多くの政治家が記者にお金を渡していたのを知っています。もちろん鳩山事務所の場合は、官房機密費ではなく、“子ども手当て”だったりしますが(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:鳩山家の子ども手当てに対し、大手メディアが突っ込めないのは多くの人がその恩恵に与っているから。
ところで、官房副長官をした鈴木宗男さんは政治部長懇談会などを開いたとき、必ず「お土産と一緒にクルマ代を渡していた」と言っています。「クルマ代を渡さないなんてありえないだろう」と。ちなみにボクもクルマ代をもらったことがある。もちろんすぐに返しましたが。
相場:実はボクも1度、クルマ代をもらったことがありました。そのときはひっくり返りそうになりましたね。
上杉:ボクの場合、白地の封筒を見せられ、「御車代です」と言われました。相場さんはどのように?
相場:ある業界団体から、クッキーをもらいました。しかしよく見ると、包装紙に封筒がくっついていたんですよ。それがクルマ代。このことをキャップに言ったら「すぐに返してこい!」と怒鳴られました。しかし冷静になって考えてみると、当たり前の対応です。封筒は絶対に開けませんでしたから。
窪田:うっかり封筒を開けてから返すと、イチャモンをつけられるかもしれない。「金額が少ないじゃないか」と(笑)。
相場・上杉:ハハハ。
窪田:また封を切ってから返してしまうと「オレを舐めるな! こんな金額じゃ足りねえ!」などと勘違いされても困る(笑)。
上杉:せめて大きめの紙袋に入れてもらわないと(笑)。
窪田:いやジュラルミンケースに入れてもらって、ゴロゴロ転がしてきてもらわないと(笑)。
上杉:そこまでしてくれるのならちょっと考えてやっても……いや、絶対にないな。
■永田町の感覚
相場:普通の記者であれば、お金をもらったらビックリしますよね。お金をもらったら「ちょっとマズイ」という意識が働きますから。
ボクは経済部だったので、企業の広報から接待されれば、必ずおごり返していました。それが慣習としてありましたから。しかしお金をもらったときには驚きましたね。
上杉:相場さんの感覚は普通ですよ。むしろ永田町の感覚が、麻痺している。政治家はよくこんなことを言います。「ほら“お年玉”をあげるよ。これはね……社会通念上の問題だから」と。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:でも、秘書時代の先輩から聞くと「A社の政治部長に10万円はちょっと少ないかなあ」と思ったりしたそうです。30万〜50万円が多かったので「時事通信だと30万円でいいけど、読売新聞だと50万円かな」といった感じ。そういうことをしていると、永田町の通念が当たり前のように思えてくる。またもらう側の記者も、何の疑問も抱かずに受け取る。しかし一般の人の感覚からすると「なぜ政治家と一緒にご飯を食べただけで、30万〜50万円の大金をもらえるのか?」と思うのが普通ですよね。
相場:永田町の感覚って……相撲界の“ごっつあん体質”に近いのかもしれない。
上杉:ボクの場合、ジャーナリストをする前に政治家の秘書をしていた。つまり配っている側からもらう側になってしまった。実際、ジャーナリストになると政治家の秘書たちがお金を持ってくるんですよ。彼らは平気な顔をして、机の上にお金を置いていく。しかしそのお金をきちんと返せば、相手は2度と渡そうとしません。
受けとろうとしない相手に、何度も何度も渡そうとする人なんていません。なので「自分は断っているのに、政治家が何度も何度も渡しに来る」と言っている人は、過去に1度は受けとっている可能性があるとみてしまう。あと高名な政治評論家に関しては「講演会」を絡めて、500万円くらいが相場でした。しかし、ある別の政治評論家はこんなことを言っていました。「これ金額が間違っていますよ」と。多すぎるんですか? と聞いたところ「これは半分だよ。半分しかない。1000万円だよ」と言ってきた。
窪田:政治評論家の先生って、スゴイですねえ。
上杉:相場さんがいらっしゃった時事通信社にも該当者はいます。『週刊ポスト』に詳細を書いたのでここでは控えますが、その人物にはずっと取材を依頼していた。ところが、いきなり怒鳴ってきましたよ。「そんな不愉快な質問をする奴とは2度と仕事ができない!」「オレの名前を出すな!」と。怒るのではなくて、きちんと説明してくれればいいのに。もしお金をもらっていなければ、怒らずに説明できるはず。自分がそういう立場だったら、きちんと説明しますね。
窪田:そのリアクションを見る限り、“クロ”と疑われても仕方がない(笑)。
上杉:その人物のことはすでに書いたのですが、こうなると他の該当者のこともすべて書かなければいけなくなる。ま、最後には書くかもしれませんが(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:ハッキリ言えば、解説委員や編集委員クラスの名前が挙がっていますが、もっと無名の人でも金品を受け取っている。ボクは今、彼らが内部調査をするのを待っている状態です。しかし何もしなければ、いつかは彼らのことについても書くかもしれません。
窪田:読んでみたいなあ。楽しみにしていますので。
■官房機密費と記者クラブの関係
上杉:官房機密費の問題ですが、メディアの中でも共同通信と時事通信の記者は「接待」を受けやすかった環境にありました。なぜなら通信社は土・日・祝日でも必ず官邸に詰めないといけないから。そうなると政治家も情が移り、渡しやすいんですよ。
また官房機密費の問題は、記者クラブ制度と密接にリンクしている。しかもそれがキモだったということが、取材して分かった。そういう意味でいうと、ボクも鈍感でしたね(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:取材を進めていくうちに「なんでだっ!? なんでこんなことが起こるんだ!?」と思うことがありました。
窪田:記者クラブ問題よりも、触れてはいけなかったことかもしれないですね。まさに彼らの“逆鱗”に触れたといった感じ。
逆に言うと、この問題を触れられたくなかったから、記者クラブで止めておきたかったのかもしれない。
上杉:その可能性は高いですね。
■新聞やテレビは、自民党しか取材してこなかった
相場:あえて名前は伏せておきますが、毎日のようにテレビに出て政治のことを語っているXさん。このことはBusiness Media 誠の時事日想の連載でも書かせていただきましたが(関連記事)、彼は民主党の取材が全くできていない。そんな人が、テレビでコメントすることに疑問を感じますね。Xさんは民主党議員の知り合いがほとんどいないので、ネタ元はすべて現場の記者から。彼のせいで、若い記者たちが泣いていましたよ。頻繁に「何かネタはないのか?」とせっつかれて。
上杉:Xさんのみならず、各社は自民党しか取材をしてこなかった。2009年に政権交代が行われましたが、その1年前に各社は「そろそろヤバイな」ということで民主党の番記者を増やしたりした。ところが人脈がないので、なかなかうまく取材ができない。政権交代したのにもかかわらず、民主党内の話を自民党議員のコメントを使って埋めるという不思議な記事が多かった(笑)。当時からよくお呼びがかかったのが、政治アナリストの伊藤惇夫さん。ボクも鳩山邦夫さんの秘書をしていたので、民主党議員に知り合いがたくさんいた。しかし記者クラブ問題を突っ込んでいたので、主要メディアでは「上杉を出すな!」という号令がかかっていた。なので各社は、伊藤さんのところに殺到したというわけです。他にはずっと民主党を取材していた神保哲夫さん、それに塩田潮さんなどが重宝がられてました。十分うなずける人選です。でも、他の評論家やコメンテーターはひどいものです。民主党の記者会見どころか、民主党取材を一切したことないくせに、「オレは全部知っている」という感じですから。
相場:テレビに出ている解説委員クラスの人は、そもそも取材をしようという気があまりない。部下の記者を使って情報を集めておいて、テレビでしったかぶりしてコメントしている。それって……「記者」と呼べるかどうか。
上杉:そういう人たちは「評論家」にしてもらえればいいのに。
記事で“お返し”してはいけない
窪田:テレビに解説委員の人たちがよく出ていますが、海外ではどのような状況なのでしょうか。
上杉:いますよ。例えばCNNの『AC360』を担当しているアンダーソン・クーパーはジャーナリスト。ジョン・キングはこの前まではジャーナリストでしたが、オバマ選挙後は政治アナリストになりました。アナリストは分析に重心を置き、取材をしなくてもいい。一方のジャーナリストは現場で取材をする。両者の役割は違うが、いずれも取材対象者からお金をもらってはいけない。ボクはニューヨーク・タイムズに1999年から2001年までいましたが、取材対象者から2ドル以上のお金や物品を受けてはいけないという“2ドルルール”がありました。いまではニューヨーク・タイムズのWebサイト(参照リンク)にルールが記載されていて、取材対象者と会食をしたり、ランチを食べたりすることですらNGになっています。クリントン政権のときにロビイストとランチを食べるときに「20ドルを超えてはいけない」というルールができた。それに習って各社も限度額を設定したのでしょう。そしてその額を超えてしまうと、ワイロとみなされる。「取材対象者からお金をもらった記者の記事は信用できない」ということに。
窪田:米国のルールを持ち込むと、日本の記者は全員アウトですね(笑)。
相場:ボクは“即死”(笑)。
窪田:メシを一緒に食べることがダメなんですよね? 日本では、取材対象者とメシを食いに行って“ごっつあんになります”という記者は多い。
上杉:日本には「メシを食わなければ取材ができない」という独特の文化がありますね。もちろんそのときは「対等返し」で、自分の分も支払います。ただ料亭では受けとってくれないことが多いので、必ず料理代金相当のおみやげを渡します。もしそれでも金額が足りなかったら、翌日議員会館などに行って「ありがとうございます」と言って、別の形で必ず返しますよ。そうやってバランスをとるのが、日本型なのかなと思っています。
窪田:一部の企業ではちょっと前まで、企業広報の役割といえば記者に飲ませたり、食わせたりすることでした。
相場:そうですね。広報は記者を“ズブズブ”にしておくことで、もしスキャンダルが出ても記事に手心が加わることを期待しています(関連記事)。
窪田:しかし記事でお返しをするのではなく、日本人的な形で返す方法があるのではないでしょうか。例えばメシをおごってもらえれば、メシをおごりかえすように……。
■“裏懇”で金品を受け取っている記者
上杉:まだ官房機密費の問題が続いていますが、なぜこんなことがまかり通るようになったのかというと、やはり記者クラブ制度が残っていたから。記者クラブがあることで秘密を共有し、いわゆる共犯関係にしてしまう。もはや記者クラブは秘密を漏洩させないシステム……つまり“カルテル”だと言っていい。
そして秘密を共有するだけではなく、そこにお金もからんでいた。ただ記者クラブを開放してしまうと、フリーのジャーナリストが入り込んで秘密をばらしてしまう。だから主要メディアは記者クラブを守りたかったのか……と思わざるを得ない。
相場:ボクは経済部にいましたが、政治部とは温度差のようなものを感じていました。20年ほど前に、日本に外資系企業がやってきましたが、そのころから記者クラブに緩みがでてきました。そして記者クラブがなくなったところもたくさんある。なので政治部記者の話を聞いていると「えっ、永田町ってまだそんなことやってるの?」といった新鮮な驚きがありますね。
上杉:ただ若手の記者で官房機密費をもらっている人はほとんどいません。小泉政権のときに大きく変わりましたから。
相場:なるほど。
上杉:約5億円の官房機密費を騙し取った外務省の元要人外国訪問支援室長・松尾克俊の問題が浮き彫りになってから、ピタッと止まりました(参照リンク)。もちろん“裏懇”などで、金品の提供を受けている人間はごく少数残っていますが……。
相場:そうなると、当時の政治部部長や次長クラスの人が“ズブズブ”だったということですね。
■官房機密費のことは聞いたことがない
上杉:森喜朗内閣くらいまでの幹部クラスはもらっているのではないでしょうか。政治部長、次長、デスク、官邸キャップなど――。
日本外国特派員協会で行われた記者会見で、時事通信社の田崎史郎さんはこのようなことを言っていました。官房機密費問題のことは「50年間、聞いたことがない」と。これには驚きましたね。ボクのようなぺーペーだって「見たことも、聞いたこともある」のに(笑)。田崎さんは政治部記者の中核として活躍されてきたはずなのに、「聞いたこともない」のならどんだけの“モグリ”だよ、という話になってしまう。
田崎さんのみならず、ほかの評論家たちも同じです。政治のことは表も裏も知り尽くしたはずなのに、なぜか官房機密費のことだけは聞いたことがない、となるんですよ。そこだけ知らないなんて……なんともうまくできているというか。
窪田:すごいなあ。官房機密費のお金だけは見えないんでしょうね。
相場:都合の悪いところは盲点になるのかもしれない。
上杉:また会見の席に他のメディアの人もいましたが、その発言が面白かった。ある記者が「今、『週刊ポスト』で連載をしていますが、官房機密費のことを見聞きしたことがありますか?」と質問したところ、「私はもらっていないっ!」と答えた人がいた。
相場:そういう意味で、質問したわけじゃないでしょう(笑)。
上杉:そして田崎さんが「そんなのは50年前の話だ。1回もそんなお金は見たこともないし、デタラメだ」などと言っていた横で、共同通信社の西川孝純(論説委員)さんが「飛行機の中で現金が入っている〈と思わしき〉封筒を渡されたが、『これは受け取るわけにはまいりません』とその場で返却した。それが官房機密費だったかどうかは尋ねてもいないし、知る由もない」と。いきなり論理が破たんしてます(笑)。
相場:確かに論理が破たんしていますね。ないということがウソになっている。
*編集部注:共同通信社・西川孝純さんの発言内容に一部誤りがありましたので、修正いたしました。読者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。(9/21 11:47)
■取材の受け方がヘタ
上杉:読売テレビの岩田公雄さん(特別解説委員)は「そのころの自分は地方にいたので、官房機密費のことは見たことも聞いたこともない。だからそういうことがあることが分からない。『ない』と信じている」と言っていた。さらに以前『週刊ポスト』の取材で、朝日の幹部は「朝日新聞の記者は一切もらっていない」と言い切った。内部調査をしての発言ならばまだしも、それは断定できないのではないか、という感じですが。
窪田:その世代の記者は、取材の受け方がヘタですね(笑)。「もう自分はクロです」と言っているようなもの。
上杉:また政治評論家の三宅久之さんも、『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)という番組の中で、ボクにいきなりこう言ったんですよ。「だいたいこの人はね、デタラメでインチキなんだよ。取材も受けていないのにウソばっかり書いているからね」と。
窪田:もう政治家並みに、ウソをつくのがヘタですねえ(笑)。
上杉:こちらは繰り返し取材を申し込んでいるのに、「取材を受けていない」という人がいます。そして、そういう人に限って「インタビューを受けていない」ことを強調する。しかしこれは間違っていて、正確に言うと「取材を拒否した」だけのこと。ちなみに野中広務さんも安倍晋三さんも、三宅さんもそうでした。彼らに共通していることは取材依頼という入口ばかりを取り上げ、問題の中身については一切語りません。
■普通の関係を超えている
相場:ボクは東北によく取材に行くのですが、自民党候補の若い政治家のポスターに政治評論家の三宅さんが一緒に写っているんですよ。またそのポスターの数がものすごく多い。
窪田:ボクもそのポスターは見たことがありますよ。
相場:あの感覚って、分からないですよね。
窪田:三宅さんは、勢力的にいろいろな政治家と一緒に写っていますよ。
相場:そして三宅さんと政治家の懇親会があったりする。しかしそれって、ものすごく不自然。
ボクは経済部の記者を長くやっていましたが、「○○企業とはソリが合わない」と思うことはよくありました。記者といっても人間なので、それは仕方がないこと。もちろん先方も「○○新聞の○○記者は嫌い」ということはあるでしょう。しかし三宅さんと政治家の関係は、もはや普通の関係を超えてしまっている。
上杉:官房機密費の問題は、お金の出所が税金であること。しかし新聞やテレビはこの問題について、1文字も報じない異常さがある。このことを海外のメディアに話したところ、完全に呆れながら、「普通ならば大キャンペーンを張って、糾弾しているだろう」と言っていました。しかし日本の主要メディアはキャンペーンを行うどころか、全く触れようとしない。なぜ報道しないかというと、自分たちもお金をもらっているからとしか考えられない。お金をもらっていなければ、記事にできるはずですから。
各社は「コンプライアンスは必要」などと言っているんだから、少なくとも内部調査はしなければいけない。
窪田:そうですね。
相場:そもそもコンプライアンスの室長あたりがもらっているかもしれない(笑)。
上杉:いや、もっと上、政治部出身の経営陣がもっとも怪しい(笑)。
官房機密費をもらっている人のリストには20人ほどの名前が並んでいて、最初は「この20人くらいを取材して、それで終わりかな」と思っていた。しかし『週刊ポスト』に書いてみると、いろんな人から電話がかかってくるんですよ。どういった人からかというと、政治家の元秘書が圧倒的に多かった。
そして彼らが言う内容は、ほとんど同じ。テレビを見ていて、一般のコメンテーターやタレントが「政治家は汚い」「政治家には説明責任があるんですよ」と言っても、みんな“まあ仕方がないか”と許せるらしんですよ。しかし主要メディアの解説委員クラスが「政治家はきちんと自分の言葉で説明しなければいけない」と言うと、"カチン"とくるらしいんですよ。散々、お金をたかりに来ていた人たちだから(笑)。
相場:そりゃあそうでしょうね。
上杉:ある地方在住のある元秘書は「許しがたい!」と言って私のことを怒鳴る(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:そして彼の日記帳には、このようなことが書いてありました。「平成○年○月○日、○○記者、○○ホテル、○○万円」と。とにかくこの官房機密費問題で怒っているのは、政治家の元秘書たち。「あの解説委員はなに偉そうなことを言ってるんだ!」「お前だけは言うな!」といった感じで怒っていますね。
窪田:丸川珠代さんが国会でヤジって話題になった「恥を知れ!」という言葉は、まさしくこういうときに使うべきなんでしょうね(笑)。
相場:官房機密費問題では、いまの解説委員クラスが標的になっていますが、その前の世代もすごかったのでしょうね。
上杉:山里会でいうと読売新聞の渡邉恒雄さん自らが政治家のところに行って、「官房機密費をよこせ。そうすればいろいろな問題を抑えてやる」などと言っていたようです。
しかし三法会の人たちは分け前をもらえなかったから、自ら会を作った。つまり官房機密費をもらうシステムを自分たちで作ったわけですよ。
窪田:恐ろしい人たちですね。
上杉:しかし、この問題を取り上げようとすると、メディアからひどい仕打ちを受けますよ。またいつものとおり、「上杉だけは使うな!」という動きならまだしも、「あいつだけは許さん。何とかしろ」と超法規的な声も出ている。だからBusiness Media 誠さんくらいしか出れなくなったんですよ(笑)。
窪田:業界の噂で、記者クラブ問題のときと同じように「上杉を黙らせろ」といった動きがあるようですけど。
上杉:あるテレビ局の幹部は「上杉だけは絶対に許さない、なんとしてでも潰せ」と言っているようですね。ま……記者クラブ問題のときも、散々言われましたが。
窪田:そこで「お前だけには言われたくないわ」という話になりますよね(笑)。
相場:経済界だと本当のことを書いたアナリストが、不要ともいえる税務調査を受けたりします。上杉さんは、このような嫌がらせを受けたりしたことはありますか?
上杉:大手新聞社やテレビは「上杉はうそつきだからは絶対に使うな」という動きになっています。あとは「上杉はインチキだ!」「でたらめだ!」といった噂を流されたりしますが、もとからインチキででたらめな性格を自覚しているんで、なんともないですね(笑)。でも、官房機密費問題の事実が明るみになれば、ボクのネガティブ情報を流した彼らが嘘つきになる。
窪田:どちらが嘘つきか……しばらくすると分かるでしょうね。
■スピン(情報操作)に注意しなければいけない
相場:都内のバーで飲んでいると、ある新聞社の政治部記者からこんなことを言われました。「お前は上杉の友達かっ!」と。
上杉:ハハハ。
相場:ボクは経済部出身なので、「官房機密費問題はどうなっているんですか?」と聞いただけなのに。
窪田:ごく普通の好奇心で聞いても、この問題は彼らの逆鱗に触れるようですね。まるで政治部の記者以外は好奇心を持ってはいけないようですね(笑)。少し心配していることは、細かい部分の間違いを指摘して「上杉の記事はインチキだ」といったことを強調し、根本的な問題をうやむやにするスピン(情報操作)を仕掛けられないかということ。彼らはくだらない方向に話をもっていって、火消しを図ろうとするかもしれない。そうすると、いろんなとこから“上杉スキャンダル”を狙っていると思うんですよ。
上杉:気をつけないといけませんね。ただネットがあることで、随分と助けられています。例えばTwitterでつぶやくことで、多くの人が同調してくれる。こちらからお願いしていないのにもかかわらず、新聞社やテレビ局に抗議の電話をしたり、メールを送ったりしている。
窪田:既存メディアだけであれば、上杉さんのような人は潰されていたかもしれない。
上杉:一瞬で、おしまいですよ(笑)。というか、元々潰れているから(笑)。
窪田:例えば上杉さんが駅のホームに立っていて、後ろからドンと押す人がいても、それを見た人がTwitterでつぶやいたりする。「上杉、押されるなう」と(笑)。
相場:Ustreamで流れるかもしれない。
上杉:以前、テレビのレギュラー番組に出ていたころは、歩いていてもあまり声をかけられたりしませんでした。しかしTwitterを始めてからは、声をかけられることが多くなりましたね。Twitterでフォローしていると、親しみというか存在が近く感じるのかもしれない。「テレビ、毎日見てるわよ」と声をかけられたりする。もう、テレビには出ていないのに……(笑)。
■全国紙がズルイ理由
相場:フリージャーナリストで活躍されている方はたくさんいますが、今の若い世代の人がどこまで通用するのか、と心配しています。言葉は悪いですが、「君、この取材の仕方はないだろう」と思う人をしばしば見かけます。年寄りの戯言かもしれませんが、若い人はもっと"雑巾がけ"をした方がいいと思う。
上杉:簡単に取材ができる、と思っている人が多いのかもしれません。あとはネットで記事を書いていると、その発信元しか見ていない人が増えているような気がします。
ただ記者クラブが崩れてきている中で、30年後、50年後に振り返ってみれば「あのときは過渡期だった」「あのときに日本のメディアも世界標準としてスタートした」と思うのではないでしょうか。
窪田:しかし今は“空白のとき”を過ごしていて、この間に「ジャーナリスト」と呼ばれる人が少なくなっているような気がします。
上杉:その一方で、Webメディアからこれまでにないタイプのジャーナリストが誕生するかもしれない。ネットメディアがもたらしたメリットは、メディアの看板で選ぶのではなく、中身で選ぶ人が増えたこと。必然的に読者のリテラシーが高くなったのではないでしょうか。例えば朝日新聞の主筆を務める船橋洋一さんがネット上で書いても、多くの読者が集まる時代ではない。無名でも記事が面白ければ、中身で人が集まるようになったことは、「健全化の1歩」と言えるのではないでしょうか。
窪田:今後、日本の新聞ってどうなると思いますか? これまで発表報道が中心だったのに、記者クラブに穴が開いてきました。また朝日新聞ですら記者のリストラを始めている。
相場:ボクは地方で取材することが多いのですが、地方新聞は町内の回覧板的な役割を果たしています。これは絶対に必要だと思う。でも在京紙というのは、もう必要ないのかもしれない。
窪田:都会で生活している人にとって、新聞はもういらないかもしれませんね。
上杉:少なくとも全国紙はいらない。例えば米国を見ると、全国紙なんてない。日本の全国紙がズルイのは、自分たちも「全国紙はいらないのでは?」と思っているくせに、気付いてないフリをしていること。ニューヨーク・タイムズ時代のボスだったハワード・フレンチ元東京支局長は、「日本のメディアは砂の中に頭を入れているダチョウだ」と言っています。自分たちは安全だと思っているかもしれないが、このままでは死んでしまうぞ、という意味。砂の中に入れていると頭は安全かもしれませんが、それ以外の部分は敵に襲われるかもしれない。また砂の中にずっと頭を入れていれば、やがて窒息するだけ。フレンチ氏が言うように、日本の新聞はまさに「砂の中に頭を入れているダチョウ」ですね。また日本の新聞は海外の新聞事情を研究して、生き残りを図らなければならない。それなのに見えないフリをしているのは、これまで護送船団に甘やかされたから。その甘えた考えを自ら変えないと、生き残ってはいけない。
窪田:その通りだと思います。毎日新聞は、共同通信社から国内ニュースの配信を受けることになりました。発表モノは共同の記事を使い、自社の記者を独自取材に振り向けるといっています。しかし全国に散らばっている記者を、東京や大阪に集約させようとしている。そうすると、地方からの独自ネタを発信できなくなりますね。
上杉:このままだと、新聞社の立派な建物や輪転機が残って、報道が消えていく可能性がありますね。
■経営と編集は分離されていないと
相場:大手新聞社のトップを見てみると、全員が記者出身(関連記事)。ボクの先輩は組合の幹部団交の席で、このように言っていました。「経営をアウトソーシングをしろ」と。この発言は組合報に掲載されていましたが、「その通り」だなと思いましたね。
上杉:そもそも経営と編集は分離されていないといけないのに、日本の多くのメディアは元記者が経営を行っている。記者が経営を行うということは、サッカー選手が現役を引退して、プロ野球の監督をするようなもの。おかしな話なのに、それがまかり通っている。
窪田:昔から政治部出身の記者が、経営に携わるケースが多いですよね。なぜ政治に少し詳しいだけで、経営を行うことができるのでしょうか。
相場:ただ社内でも「オレは管理職にはならない」「オレは記者一筋でやっていく」という人がいます。しかしこうした発言は社内でものすごい軋轢を生むんですよ。多くの人は管理職をやって、部下のヘタな原稿をチェックしなければいけない。なのに「あいつは何だ!」「我がままばかり言いやがって!」と批判されるわけですよ。
上杉:それこそ官僚体質ですよね。記者というのは専門分野を長く取材することで、権力を監視することができる。しかし日本では1年生記者が、総理大臣にブラ下がったりする。政治家側からすれば、彼らの取材なんておちゃのこさいさいですよ。
窪田:自分の息子くらいの年齢の記者が「どうですか?」と聞かれても、鼻であしらうだけでしょうね。
上杉:例えば自分の会社で行った世論調査について、総理にこのような聞き方をしていますよね。「総理、支持率が○○%になりました。受け止めを?」と。
窪田:そんな質問は、新橋のSL広場でサラリーマンにやればいいんですよ(笑)。
■あらかじめ質問を用意する記者
相場:ボクはブラ下がり取材というのが、あまり好きではありません。なぜならブラ下がるだけでは、たいしたネタが出てくるとは思えないから。しかしテレビなどで記者が話しかけているのを見ていると「お前ら、もっとちゃんと聞けいっ!」と思うことが多い。
上杉:ブラ下がり取材は上司から「こういうことを聞いてこい」と命令されるんですか?
相場:ブラ下がりだけでなく、会見でも命令されます。例えば「朝刊または夕刊で○○という見出しを立てる。閣議後の会見で大臣に対し、○○の質問をしろ」と言われる。そして各大臣のメモが、担当者から回ってくるんですよ。
上杉:会見前に、質問内容を準備しているわけですよね。ボクの場合、質問したいことがあっても、大臣の発言を聞いていて「あれ?」と思うことがある。そして、そのことについて質問する。大臣の言っていることがおかしければ、そこで突っ込みを入れるのが大切。しかしあらかじめ質問を用意している記者は、会見の流れを断ち切って、別のことを聞いたりする。全く関係のない質問をすることによって、“大臣を逃がすことがある”ということを彼らは分かっていない。
窪田:記者クラブに加盟しているメディアの記者は、自分の裁量で質問している感じがしません。もちろんテーマを持って取材している記者もいるとは思いますが、大多数とは思えない。あらかじめ紙面ができていて、キャップに「こういうことを聞いて来い」と言われている記者は「これだけは聞かなければいけない」という束縛感のようなものがありますよね。
相場:昔は「自分はどうしてもこのテーマで書きたい」という記者が多かったように思います。しかし紙面の関係で書けない場合は、ペンネームを使って雑誌などで書いていた。ただ最近では、そうした記者も少ない。
上杉:しかしそのやり方は、アンフェアですよね。多くの政治家は名前を出して堂々と答えているのに、聞いたこともないペンネームで書かれたりする。そしてインタビューした記者に「なんでこんな記事を書いたんだ」と問い詰めても、「自分は知らないです。ボクじゃないです」とはぐらかす。こうしたやり方は卑怯だと思う。
窪田:ということは、雑誌『選択』は卑怯者の巣窟ですね(笑)。
上杉:ハハハ。
窪田:卑怯原稿の塊なのですが、新聞記者的にはちょっとしたステータスになったりしている。「ちょっとオレ……『選択』に頼まれちゃったよ」といった感じで(笑)。
上杉:ボクはニューヨーク・タイムズに入った1999年以来、一度も匿名で書いたことがない。コメントも名前が掲載されない原稿については、一切協力しませんでした。でないと相手も反論のしようがない。なぜこのように対応しているかというと、秘書時代に“汚い”記者を散々見てきたから。
窪田:自分の名前を出さずに匿名で書くという行為は、官僚的なのかなあと思いますね。自分は安全なところにいるのにもかかわらず、「オレにも記者魂があるから、これだけは言わせてくれ」といった人がいる。だったら自分の名前を堂々と出せばいいだけのこと。
上杉:記者が集まっているバーに行くと、そのようなことを言っている人がいますね。ただ当事者が目の前に現れると、静かになったりする(笑)。例えばボクが会見に行くと、普段は気軽に話しているのに無視する人がいる。周囲の目が気になるんですかねえ。
窪田:その人は上司の目が気になるんじゃないでしょうか? 「お前、さっき上杉と何を話してたんだ」と聞かれたりするんで。
上杉:記者クラブ問題のときも多くの人から無視されましたが、今回の官房機密費の方が多いですね。それだけみんな怒っているのかなあ。
上杉×相場×窪田の「ここまでしゃべっていいですか」バックナンバー:
→朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由(1)
→政治家のフトコロから記者にカネ……メディア汚染の問題点とは(2)
→“ブラックなカネ”と記者クラブの密接な関係(3)
→あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理(4)
→主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ(5)
→新聞社の立派な建物が残り、報道が消えてしまうかもしれない(6)
→大臣を逃がしている自覚がない? つまらない質問をする記者たち(7)
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