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小沢一郎氏裁判 12回公判 NHK全/(1)秘書との関係は〜(11)秘書の裁量

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小沢氏裁判(1)秘書との関係は
NHKニュース1月10日11時46分
 政治資金を巡る事件で強制的に起訴された、民主党の小沢元代表本人への被告人質問が、午前10時前から東京地方裁判所で始まりました。濃紺のスーツにネクタイをした小沢元代表は、法廷に入ると裁判官に一礼し、弁護士の横に座りました。まず、小沢元代表の弁護士が秘書との関係について質問しました。法廷での主なやり取りの概要は次のとおりです。
[弁護士]小沢さんにとって、秘書はどのような存在か?どういうことを期待している?
[小沢元代表]政治活動は1人ではできない。手助けをするスタッフが必要です。政治家と秘書との関係は、他の違った世界、例えば官公庁とか民間企業などのように、規律されている関係ではなくて、全く人間の信頼関係で成り立っている。秘書は政治活動の手足となると同時に、機会によっては秘密を知ることになるので、お互い信頼関係のなかで仕事する間柄です。
[弁護士]秘書は政治団体の仕事もするか?
[小沢元代表]はい。
[弁護士]平成16年〜19年ごろ、大久保元秘書を陸山会の会計責任者に選任したのは小沢さんか?
[小沢元代表]年月日までは分かりませんが、そうです。
[弁護士]大久保元秘書は会計に携わっておらず、収支報告書の作成にも関与していなかったのは事実か?
[小沢元代表]そのとおりだと思います。
[弁護士]そのような人を会計責任者にしたことに問題はないのか?
[小沢元代表]責任者にしても問題はない。それは私の事務所だけではない。俗に世間で経理担当とか金庫番と呼ばれる人は多くいるが、私の事務所では、そういう人は40数年経っているが、一人もいません。それは主として金銭の出入り、収入と支出を記載して、1年のまとめを報告するだけの単純な事務作業です。私の事務所では、その時々によって部署替えをしますが、順繰りに経理担当になってもらっていた。法改正で議員本人が代表になり、会計責任者はその次に位するものなので、大体年長者をあてていたので、大久保(元秘書)だったと思います。
[弁護士]秘書の方にはどの程度任せていたのですか?
[小沢元代表]私の仕事のことを言えば、それ以外ということになります。私は専ら政治のことに集中して活動をしていましたから、それ以外の経理の問題であれ、陳情の世話をしたり、連絡をしたりという仕事があるわけですが、地元での私に代わっての政治活動、あとは立場上、自分の選挙というよりも、全国の仲間の応援に行って、少しでも手助けするのと、私の政治の大きな仕事以外はすべて任せておりました。
[弁護士]政治団体のことも任せていたのですか?
[小沢元代表]はい、そうです。
[弁護士]事務的なことでも、重要なことは報告させていたのではないですか?
[小沢元代表]私は、任せたことについては、一切、彼らの自主的判断で仕事をしてもらうようにしています。任せた仕事をいちいち検証し、干渉していたのでは回りませんし、私の関心は、口はばったいですが、天下国家の話でありまして、それに全力を集中する日常を送っているつもりであります。
小沢氏裁判(2)土地取引について
NHKニュース1月10日12時4分
[弁護士]平成16年9月終わりから10月にかけての本件土地取引について、全体としてどの程度の記憶があるのでしょうか?
[小沢元代表]その当時は、秘書の数が外国人も含め、大勢になっていたと思います。さらに、若い人たちが同じくらいの時期に3人くらい結婚するということだったと思います。そういうなかで、彼らの寮も必要だなということで、購入の話が進んだと思います。
[弁護士]その後の契約やお金の支払い登記とかについて記憶はありますか?
[小沢元代表]私は、世田谷区深沢8丁目によい土地が見つかったという報告を受けたと思います。その土地を購入することに合意したと思います。いざ買うという段階になって、大久保元秘書からか石川議員からか、事実関係ははっきりしませんけども、「購入の代金は、全部の政治団体の金を使えばあるが、そうすると団体の政治活動の運営に支障を来します」という話だったと思います。それで、自分の手元の金を用立てようということになったと思います。あとは、売り主とどうするかは、担当のことなので、土地の購入資金がないということに対して、手元の資金を用立てようと思って出した。その段階で、私の行為というか、作業はすべて済んだわけで、その他の実務的なことは、一切、任せておりましたので、分かりません。
[弁護士]土地の購入にいくらかかると聞いていましたか?
[小沢元代表]いくらくらいという明確な数字を、誰が、どう言ったかは分かりませんが、土地を購入し、寮を建てると、建築費を入れると、あらあら4億円くらいと聞いたと思います。
[弁護士]お金を出すとき、どんな情景だったと記憶していますか?
[小沢元代表]それはもう、全く記憶しておりません。たまたま自分自身の手持ちのお金があったので、そうなったと思います。
[弁護士]小沢さんが不動産購入代金を出すのではなく、代金は政治団体が出して、小沢さんは政治団体の運営費を出すということは考えなかったのか。不足する分を出そうとは思わなかったのですか?
[小沢元代表]後になって思えば、そういう選択肢もあったと思います。検察官の事情聴取のときも同じ話がありましたが、言われてみれば、なるほどそうだなと思いましたが、当時はこのくらいだと、じゃあ手元にあるものを用立てようと、単純に思っただけです。
[弁護士]その際、「ちゃんと戻せよ」と言った記憶はありますか?
[小沢元代表]ことばは記憶にないが、政治団体に寄付したわけではないので、いずれ返してもらうというか、戻るのは当然だと思っていたと思います。
[弁護士]資金を用立てる話があったのはいつですか?
[小沢元代表]覚えていません。
[弁護士]平成16年10月ごろではないですか?
[小沢元代表]この公判を通じて、10月うんぬんとあったので、そのころだったかなと思いますが、自分の記憶としては全く分かりません。
[弁護士]売買契約ができたという話は聞きましたか?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]石川議員に現金4億円を手渡したのですか?
[小沢元代表]はい。それは渡したと思います。
[弁護士]資金を出すやり取りからどのくらい経過してから渡したのですか?
[小沢元代表]自分自身の記憶はありません。
[弁護士]石川議員に現金で渡したのですか?
[小沢元代表]現金で所有していたので、現金で渡したと思います。
[弁護士]4億円は、10月12日ころ、元赤坂タワーズで石川議員に渡したのですか?
[小沢元代表]はい。 あ
小沢氏裁判(3)4億円出どころは
1月10日 13時10分 
[弁護士]手元にあった4億の現金は、どういうことから小沢さんの手元に存在したのか?
[小沢元代表]私の場合、現金でずっと以前から所有していました。元の現金の多くは、両親からの不動産と現金の相続により取得したものです。自分で本を出して、印税などの収入もかなり得ました。40数年間、議員報酬も得ていました。自分なりにそれなりの現金を持っていました。
[弁護士]相続した不動産はどこの不動産か?
[小沢元代表]1か所ではなく、40何年も前の個人的なことなので、言う必要もないと思いますが、文京区湯島の自宅、ほかに都内の土地、また、水沢の自宅等々でございます。
[弁護士]湯島の自宅を売って、世田谷のを買って、差額が手元に残ったか?
[小沢元代表]はい。たまたまバブルのはしりで、湯島は母の意向で転居したが、高く売れました。世田谷はまだそれほど高い値段ではなかったので、相当額の資産が残りました。
[弁護士]それの差額は手元に置いていた?
[小沢元代表]はい、あります。
[弁護士]それ以外は?
[小沢元代表]ある銀行に預金していたもので、金融危機のときに解約して、そのときのお金を手元に置いていた。それと合わせて、親から譲り受けたものと合わせて手元に置いていました。
[弁護士]それは、小沢さんがみずから銀行で、それらの資産について精査しようとしましたか?
[小沢元代表]はい。手持ちのお金だったので、この事件が起きて、事情を話すことになったので、手元のものは、客観的に話すことは不可能なので、金融機関に何か記録が残っていないか、調査を要請したが、古いことなので記憶にないと言われた。それでも頼んで、断片的に情報を入手した。しかし、入金出金欄にあるもので、私にも分からないものが多く、金融機関に聞いても分からないことが多かった。また、それでも、最小限自宅の売買で最後に残ったお金は、銀行の帳簿にもあったし、私が病気になったあとに家族名義で作った口座にあったお金は確認できた。それは、世間で知られているものよりも多いものです。
[弁護士]小沢さんはそれらの銀行関係の書類を持っていたんですか?
[小沢元代表]何十年も前のことなので、私の記憶はまったくございません。
[弁護士]検察の捜査でそのようなことを聞かれたか?
[小沢元代表]検察の捜査では、資料だけでなく、銀行なども捜査したような口ぶりだった。それは強制したような感じで言われた。
[弁護士]検察は具体的なことを聞いてきたのですか?
[小沢元代表]どこで受け渡しがあったのかとも聞かれた。最終的に「ここじゃなかったんですか?」などというように、現実に受け渡した行員の話もとってきた、というようなことを言われたので、「ああそうか」と言ったと思います。
[弁護士]検事から、不正に秘匿した金とは、聞かれませんでしたか?
[小沢元代表]ありました。それが目的で聴取をしたと感じました。
[弁護士]金のやり取りについては、いわゆる不正な金が入っていたり、入るあてがあったのではという類の質問をされました?
[小沢元代表]検事はおかしな、ばかげた推論をするものだと思いました。ゼネコンからそのような不正な金は一切もらっていないと言いました。何問か質問がありましたが、私はそんなこと全くありませんと答えました。水谷建設の話も出た記憶がありますが、「私の秘書ももらったこともないと確信しています」と検事にも答えたと記憶しています。
[弁護士]検事が調べても、不正な金が何も出なかったのか?
[小沢元代表]私と家内の資産、ほとんどすべてを調べ尽くしていると感じた。(前田元検事の)証言で、ゼネコンを捜査しても何の不正な金もないと証言しています。いずれにしても、そのような不正な金は一切もらっていないと答えました。私の答えに、検事は特別の反論はありませんでした。
[弁護士]ゼネコンからの金はもらってないのか?
[小沢元代表]はい。
[弁護士]新進党の解体など、政党の離合集散の過程で、残った金が小沢さんの手元に来て、それが4億の原資になったということはあるか?
[小沢元代表]政党の金はすべて公金なので、そのような個人でどうこうできるものではないと思います。
[弁護士]実際は?
[小沢元代表]新進党で100億以上の金があった。各グループ、党は人数に応じて公正に分配しました。
[弁護士]自由党が合併したあとは?
[小沢元代表]持参金を持っての合併でもないという意見があったので、同じ志を持つ同志のために使うことになりました。私自身は個人で一切、手をつけていません。
小沢氏裁判(4)銀行融資について
1月10日 13時45分 
[弁護士]4億円を石川議員に渡したあと、平成16年10月29日ころに、石川議員が元赤坂に来て、銀行への融資申込書と手形を持ってきて、署名したということはありますか?
[小沢元代表]はい。署名したことは事実ではありますが、場所はそこじゃなかったかなというイメージです。サインはしました。
[弁護士]場所は?
[小沢元代表]チュリス赤坂ではなかったかなと。また、銀行員も一緒ではなかったかなと。正確ではありませんが。
[弁護士]石川さんは、どのような説明をしていましたか?
[小沢元代表]別に説明はなかったと思います。世田谷区深沢8丁目の土地を購入することだろうと。お互いにそう思っていましたので。私は金を用立てて、土地を買う了解をし、金が足りないというから、手持ちの金を出して、そこで終了。手続きや契約は、すべて担当者の裁量の問題で、そのときも特別な話はしませんでした。
[弁護士]石川さんからことばは?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]銀行関係で必要な書類だとは理解していましたか?
[小沢元代表]それは、金融機関のあれだと。
[弁護士]金額は覚えているか?
[小沢元代表]正確に覚えてないですね。
[弁護士]前の融資とのつながりは?
[小沢元代表]以前も融資の形でやるようにあって、銀行と話がついたんだろうなと思いつき、そのときにも手形を債務者として書いたことがあったと思うので、何の確認もなく、何の疑問も抱きませんでした。
[弁護士]渡した4億円は、どう利用されたと思いますか?
[小沢元代表]任せていたので、どう利用されてもよいのですが。手形に私がサインするということで、融資は私が用立てた4億円を元にしてやるのかなぁと、ほんの軽い認識だったと思います。
[弁護士]預金担保ということは分かっていましたか?
[小沢元代表]たぶんそうかなと感じたということです。
[弁護士]そのときに、石川さんに何のために必要なのかとか、説明を求めたことはないのですか?
[小沢元代表]はい、ありません。私のところには、買うということと、足りなくなるので私が用立てて出したということで、あとは担当者の仕事ですので、彼らから報告もありませんし、私から聞くこともありませんでした。
[弁護士]ほかのことでも報告はないのですか?
[小沢元代表]彼らも、私の関心事はそのようなことではありませんので、私が聞きたがっていることではないという感覚は持っていたと思いますし、任された仕事についての、私の従来からの考えを理解していたと思います。
[弁護士]融資が不動産購入のためのものだと思いましたか?
[小沢元代表]そのことだと思いました。
[弁護士]石川さんがいた時間はどのくらいですか?
[小沢元代表]ほんの一時だったと思います。私がサインして、それで終わりだったと思います。
[弁護士]そのときに、不動産売買について説明は?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]無事決済したとか、登記を延ばすとか、そういう話もなかったですか?
[小沢元代表]はい。それらはすべて彼らの裁量の範囲内でやることですし、私もそう思っていましたから、彼らもそれで進めたと思います。
[弁護士]平成17年10月ごろに、池田元秘書が銀行に対する融資申込書と手形を持ってきて、署名を求めたことはありましたか?
[小沢元代表]その件はまったく覚えておりません。
[弁護士]平成18年に入ってから、銀行からの借り入れの利息について、池田元秘書に尋ねたことはありましたか?
[小沢元代表]そのような経緯はなかったと思います。
[弁護士]利息がもったいないから早く返せと言ったことはありましたか?
[小沢元代表]ないと思います。
[弁護士]収支報告書では、平成17年分について、小沢さんからの借り入れが4億円から2億円に減り、陸山会の定期預金も4億円から2億円に減っていましたが、それは気付いていましたか?
[小沢元代表]いえ、分かりませんでした。
[弁護士]預金担保による融資という方法は知っていましたか?
[小沢元代表]はい。分かっております。
[弁護士]どういうものですか?
[小沢元代表]現実に、金融機関は長い期間のつきあいがある相手なら融資してくれると思いますが、現実には預金担保で融資するのが普通だろうと思っておりました。借りるほうにしてみれば、金利が担保だと安くなるので、そういう理解はしていたと思います。
[弁護士]本件でなぜ定期預金担保にしたかは分かりますか?
[小沢元代表]全く分かりません。
小沢氏裁判(5)虚偽記載の指示は
1月10日 14時38分 
[弁護士]収支報告書は3月末に提出するものですが、それを出す前に、小沢さんが見て確認することはありますか?
[小沢元代表]今まで一度もありません。
[弁護士]どうしてですか?
[小沢元代表]基本的には担当者に任せておりまして、彼らがきちんとした報告書を作っていると思っていたからです。もう一つは、最終的には国民に付託されるという意味で重要ですが、収入と支出というものを1年間トータルで報告するだけでいいものでありまして、法廷で専門家の方がおっしゃっていたように、単純なものです。私としては、秘書がそのような事務的なものは完璧にやっていると思っているので、今まで収支報告書を見たことはありません。
[弁護士]収支報告書とは別に、収支を報告させていましたか?
[小沢元代表]原則として、年末にだいたいのトータルのことを報告すると、経理担当者との間でなっていたと思いますが、現実には資料といいますか、数字、資料を持って説明されたということは、石川(議員)の場合もありません。単純な計算でありますので、政治団体がうまくいっているかどうかというたぐいの会話は交わしていると思いますが、その程度のことで毎年終わっていると思います。
[弁護士]石川議員が数字をまとめた資料を作っていましたか?
[小沢元代表]そこまでちゃんとやっていたか、聞いてないから分かりませんでした。本人の証言で、計算していたと聞いたように思いますが。彼らがトータルの計算書を作っていたことは知りませんでした。
[弁護士]本人とは誰ですか?
[小沢元代表]石川(議員)です。
[弁護士]収支報告書を直接見ていないにしても、内容や特別重要なことについて報告させていたのですか?
[小沢元代表]ありません。特別重要なことはありません。収入や支出を1年間まとめて報告するだけですので。
[弁護士]きょうまで一度も説明を受けていないということですか?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]年末に個人的経費を精算するということはありましたか?
[小沢元代表]ありました。
[弁護士]具体的にどのようなものですか?
[小沢元代表]毎日のように会合があったり、出張したりというのがあるので、それは政治団体で公に出してもよいと思うものと、これは個人で出そうというものがあるので、それを政治団体で立て替えていた場合には、年末に個人としての分を政治団体に返還する作業をしていました。
[弁護士]金額はどのくらいですか?
[小沢元代表]1000万前後だったでしょうか。
[弁護士]小沢さんが、石川議員や大久保元秘書、池田元秘書に対して、平成16年分の収支報告書に用立てた4億円を載せないようにと指示をしましたか?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]逆に、石川議員、大久保元秘書、池田元秘書から記載しないでおいたと報告はありましたか?
[小沢元代表]それもありません。
[弁護士]平成16年分の収支報告書に載せないと指示しましたか?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]石川議員、大久保元秘書、池田元秘書から、平成16年の収支報告書には載せず17年にずらしたと報告はありましたか?
[小沢元代表]ありません。
[弁護士]指示や報告はないという証言ですが、それは絶対にないという意味なのか、あったかもしれないが覚えていないという趣旨ですか?
[小沢元代表]ないと思います。
小沢氏裁判(6)捜査の影響は
1月10日 14時38分 
[弁護士]収支報告書というのは、総務省に提出したあと、公開されるものですが、記載されたことがマスコミに取り上げられることもあるということですか?
[小沢元代表]あると思います。
[弁護士]どういうことが取り上げられますか?
[小沢元代表]それは人によって違うが、私の場合、何のことでもいろいろと批判の記事が出る。常に攻撃の的になっていたので、ほかの人なら批判されないことでも、私の場合常にマスコミの批判の的になっていました。
[弁護士]批判は政治活動に影響はありましたか?
[小沢元代表]あったと思うが、そのようないわれない批判を乗り越えてきました。有権者も真実をだんだんに理解してくれるようになったと思います。
[弁護士]本件土地がマスコミに取り上げられると困ると思いましたか?
[小沢元代表]特別困るとは思っていませんでした。
[弁護士]何か、不当なことをしているとは思っていましたか?
[小沢元代表]不動産購入はたくさん例があることです。
[弁護士]そうすると、釈然とはしないが、特別困ったことはなかったということですか?
[小沢元代表]私自身はいわれなき批判と何十年と戦ってきたので、それで臆することはありません。しかも何ら不正なことはしていません。
[弁護士]土地の購入をやめようとは思わなかったのですか?
[小沢元代表]理由なき批判にいろいろ屈していたのでは、天下国家の政策論についても、こうあるべきと、政治家として考えたことはどのような批判があっても貫かないといけないというのが私の生きざまで、それによって左右されることはありません。
[弁護士]不動産購入への批判の受け止め方ですが、小沢さんと秘書では違うということがありますか?
[小沢元代表]秘書の立場では、批判を緩和したい、マイナス面を避けようという配慮があるかもしれません。そういう点では、私とは若干違う状況にあろうかと思います。
[弁護士]当時の政治状況を前提にして、陸山会に4億円を貸し付けたことを報告書に載せたくない事情はあったんでしょうか?
[小沢元代表]いいえ、特別ありません。
[弁護士]4億円を隠す事情はあったんでしょうか?
[小沢元代表]私自身はありません。
[弁護士]収支報告書に載せる時期を1年ずらしたいという事情は?
[小沢元代表]私自身としては、そのようなことは感じていません。
[弁護士]平成16年と17年に明らかになることで、事情が違うことはありますか?
[小沢元代表]私自身は、そういうことは全くありませんでした。
[弁護士]小沢さんとしては、全く考えなかった?
[小沢元代表]はい。
[弁護士]西松建設事件当時の日本の政治状況はどうでしたか?
[小沢元代表]最初の意見陳述でも申し上げましたが、総選挙が間近で、政権交代が起こる可能性が大きいと言われていた状況だったと思います。
[弁護士]そうしたなかの捜査で、影響がありましたか?
[小沢元代表]私どもとしては、突然のことで、いわれなき追及でしたが、マスコミを中心に、2〜3か月にわたって連日の報道でした。したがって、せっかく長年かけて頑張ってきた政権交代ができなくなってはいけないということで、私は5月の連休明けに代表を辞任しました。
[弁護士]陸山会事件の捜査が行われていた当時の政治状況は?
[小沢元代表]政権交代のあとで、鳩山内閣で党の幹事長をさせていただいていた。同時に鳩山さん自身の問題もあって、そのときには参議院選挙を間近に控えており、衆議院選挙で圧勝させていただいた勢いで、何としても参議院選挙も過半数を取らないといけない。私たちの問題でそれができなくなるのでは、何とも残念。ここは2人とも身を引こうと、辞めたと思います。
[弁護士]その結果、参議院選挙はどうなりましたか?
[小沢元代表]私たちが身を引くことで、菅さんに代わり、支持率が急回復したが、菅さんがどういうことか、消費税やTPPの話をみんなに諮ることなく持ち出した結果、参議院選挙は惨敗しました。
小沢氏裁判(7)協議や報告はない
1月10日 15時47分 
午後からは、検察官役の指定弁護士が小沢元代表への質問を行っています。法廷での主なやり取りの概要は次のとおりです。
[指定弁護士]平成16年分と17年分の収支報告書に関してお尋ねします。平成16年分と17年分の収支報告書の作成につき、協議をしたり、報告を受けたりしたことはありますか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]それは、報告を受けた事実が絶対にないという意味か、それとも報告を受けたかもしれないが、その記憶がないということですか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]収支報告書を作成するための会計処理について、平成16年と17年分について協議をしたり、報告を受けたことは?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]それも絶対にないということか、記憶がないのか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]平成16年分、17年分以外について聞きますが、作成にあたって協議や報告は?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]それも絶対にないのですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]平成16年、17年分の収支報告書について、裁判が始まったあとの現在、内容を見ていないですか?
[小沢元代表]見ておりません。
[指定弁護士]裁判が始まってからも?
[小沢元代表]はい。担当がきちんとしていると思いますので。
[指定弁護士]記者会見で、収支報告書は「間違いがあっても、訂正をすれば足りる」ということを話されているが、その訂正の要否を判断するために、見たこともないのですか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]平成16年10月の深沢の土地の契約の締結について、当時、報告を受けていないですか?
[小沢元代表]受けていないと思います。
[指定弁護士]広い範囲で、もう少し時間がたってからでも受けていないですか?
[小沢元代表]個別のことについては報告は受けていません。
[指定弁護士]移転登記が平成17年1月7日になっていますが、1月7日に登記をすることについて、事前・事後に報告を受けていないですか?
[小沢元代表]担当者の裁量の範囲内のことなので、報告を受けていません。
[指定弁護士]10月29日に代金の決済をして、4億円の支払いをしたことについて、報告を受けていないですか?
[小沢元代表]ないと思います。
[指定弁護士]それも絶対にないという意味か?
[小沢元代表]たぶんそうだと思います。
[指定弁護士]本登記が未了のままで仮登記をしたということについては報告を受けていないですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]絶対に受けていないと断言できますか?
[小沢元代表]そう思います。
[指定弁護士]定期預金を担保に銀行から借り入れた4億円で決済をするというスキームについて、存じていましたか?
[小沢元代表]知りません。
[指定弁護士]それも忘れたのではなく、当時からそうだったと断言できますか?
[小沢元代表]サインを求められたときに、現金を担保に融資を受けるのかなと思いましたが。
[指定弁護士]石川議員から説明はありましたか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]10月29日の陸山会への送金はあなたの指示ですか?
[小沢元代表]私は全く知りません。
[指定弁護士]当時そのことを知っていましたか?
[小沢元代表]知りません。
[指定弁護士]渡した4億円を収支報告書に記載するかどうか、石川議員から報告を受けましたか?
[小沢元代表]全くありません。
[指定弁護士]記載するかどうか、収支報告書の提出前に知っていましたか?
[小沢元代表]知りません。
[指定弁護士]それも忘れたのではなく知らなかったのですか?
[小沢元代表]知りません。
[指定弁護士]土地取得の事実を平成17年分の収支報告書に記載することを知っていましたか?
[小沢元代表]存じておりません。
[指定弁護士]報告を受けていないですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]それも報告を受けていないと断言できますか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]平成16年分の資産報告書についてお尋ねします。提出前に内容を確認したことはありましたか?
[小沢元代表]一番最初のころは、私自身の資産ですから話をしていましたが、それ以後はしていません。
[指定弁護士]一番最初というのはいつのことか?
[小沢元代表]存じていません。
[指定弁護士]すみません、聞き方が悪かった、裁判に証拠として提出されている平成16年分の資産報告書についてはどうでしょうか。内容を確認したというのは平成16年分よりも以前の話ですか?
[小沢元代表]はい。前のことだと思います。
[指定弁護士]平成16年分の資産報告書は見ていませんか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]裁判が始まった現在は見ていますか?
[小沢元代表]見ていません。資産が同じなら、そのとおりでいいので。
[指定弁護士]この裁判が始まってから、改めて内容を確認したということは?
[小沢元代表]すみません、資産報告書というのはどれのことですか?国会へのもののことですか?
[指定弁護士]そうです。国会に提出するものです。
[小沢元代表]それは見ておりません。
小沢氏裁判(8)規正法への認識は
1月10日 16時13分 
検察官役の指定弁護士は、政治資金規正法に対する認識などについて質問しました。法廷での主なやり取りの概要は次のとおりです。
[指定弁護士]陸山会についてお尋ねします。これは、平成17年10月に陸山会に転貸しされている2億円を返済し、2億円を借り換えするために、陸山会が銀行に提出したものと思われますが、これは当時の陸山会の規約に間違いありませんか?
[小沢元代表]分かりません。
[指定弁護士]平成17年当時の陸山会の代表者はあなたではありませんか?
[小沢元代表]申し訳ない。分かりません。
[指定弁護士]規約では会計責任者と理事を置くことが定められていますが、平成17年当時の理事が誰かは分かりますか?
[小沢元代表]分かりません。
[指定弁護士]石川さん、池田さんの名前が書かれていますが?
[小沢元代表]知ってはいるが、分かりません。
[指定弁護士]規約では、会計責任者は代表の指示を受け収支報告書を作成するとなっていますが?
[小沢元代表]結果としてそうなっていなかったということです。
[指定弁護士]そういうことではなくて、規約の規定どおり行われていなかったということですか?
[小沢元代表]結果として、指示はしていませんでした。
[指定弁護士]代表者は会計責任者を監督するというのは、規約だけじゃなくて、政治資金規正法の建て前でもないのですか?
[小沢元代表]はい。監督する立場にあることは分かっていました。
[指定弁護士]具体的にはどう監督するのですか?
[小沢元代表]陸山会の経理担当者は、要するに1年間の収支と支出を1年間きちんと記録して、収支報告書を提出するだけの単純作業なので、私はそれを担当者にすべて任せてよい内容だと思います。
[指定弁護士]平成17年だと、誰が経理の実務の担当者ですか?石川さんか池田さんか?
[小沢元代表]石川か池田か分かりません。
[指定弁護士]あなたは、会計責任者の大久保さんが収支報告書作成に全く関与しなくてもよいとしていたのですか?
[小沢元代表]実務を担当するものが法律に沿ってきちんと経理していればよいと思っていました。最終的には代表に責任があり、形式的には会計責任者にも責任はあるが、ふつうに読み書きと計算ができれば十分にできる。実務担当者がきちんとしていると思っていました。
[指定弁護士]私が聞きたいのは、大久保さんが全く関与していないのを、あなたがよしとしていたのかどうかということですが?
[小沢元代表]法改正で、代表が政治家本人となりました。会計責任者はその下の立場に当たるので、秘書の中でも年長者のものをあてていました。実務をやることは期待していませんでした。
[指定弁護士]期待していないというのと、実務を一切やらなくてもよいというのは、ずいぶん違うと思いますが?
[小沢元代表]同じことじゃないですか。それはことばのあやだと思います。
[指定弁護士]あなたは大久保さんに対し、指導や監督は?
[小沢元代表]具体的にしていません。
[指定弁護士]あなたや、あなたの事務所の(収支報告書への)関わり方は、政治資金規正法上ふさわしいと、今でも思っているのですか?
[小沢元代表]ふさわしいかどうか分かりませんが、担当者に任せて十分正確にできる内容でした。お前はいいと思っていたのかどうかと聞かれると、格別いいとはいえませんが、事務的なことであって。収支報告書が大事でないとは言っていませんが、事務的なことは秘書に任せても十分なことで、私は直接関心を持つものではなく、私にはもっともっと関心を持つことがあったということです。
小沢氏裁判(9)不動産について
1月10日 16時41分
[指定弁護士]平成16年の土地購入以前に陸山会が所有していた不動産について尋ねます。不動産の一覧表を示します。私が調べた、陸山会が所有していた不動産のリストなのですが、ここに載っていないものがあるとか、陸山会のものではないということはありますか?
[小沢元代表]うーん、ちょっと待ってください。これは陸山会の所有のものだと思います。現在は違うものもありますが。
[指定弁護士]不動産の購入にあたっては、小沢さんが了解をするのですか?
[小沢元代表]そうですね。
[指定弁護士]購入するかどうか決める前に下見をしたものはありますか?
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]全部秘書が決めたのですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]登記簿の名義は小沢さん個人になっていると思いますが、個人資産と陸山会の資産のしゅん別のために確認書を作ったというのは間違いないですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]深沢8丁目の土地の購入にあたっての確認書です。同趣旨のものは他の物件でも作っているのですか?
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]実際に作るのは、個別に命じてサインをしているのですか?
[小沢元代表]違います。
[指定弁護士]秘書が契約過程で自動的に作るのですか?
[小沢元代表]まず契約書は政治団体できちんと作るように。これは、念のため、確認書を作って疑念を抱かれないように、当初の段階に言っていたと思います。
[指定弁護士]最初に指示したのはいつですか?
[小沢元代表]分かりません。最初のころというのは、一覧表の最初のころですか?
[指定弁護士]はい。購入にあたり、個人資産を一時的にでも用立てたことはありますか
[小沢元代表]ありません。
[指定弁護士]4つの物件は、不動産担保融資で分割返済しています。この取引に記憶はありますか?
[小沢元代表]記憶にありません。
[指定弁護士]これらの物件は不動産担保ローンで買っているが、預金担保融資のほうが金利が安いのに、なぜこのような取引にしたのですか?
[小沢元代表]私に聞かれても分かりません。担当者が銀行と相談して決めたことではないでしょうか。
[指定弁護士]担当者から資金を用立ててほしいという依頼はなかったですか?
[小沢元代表]ないと思います。
[指定弁護士]政治団体名義では資金を貸してくれず、しかたなくて個人名義で借りたんですよね?
[小沢元代表]その物件について記憶はないが、過去にも私が債務者のような形になって借りたという記憶はあります。
[指定弁護士]契約を秘書から提案するのは考えられないのですが?
[小沢元代表]それは銀行との相談では。
[指定弁護士]あなた自身がこうしたスキームに積極的なので、こういう取引になったのでは?
[小沢元代表]そうではない。私に限らず政治家は金融機関からの信用がないので、そのような取引になったのでは。
小沢氏裁判(10)土地購入の経緯
1月10日 20時39分
[指定弁護士]大久保さん、そのほかの人に、土地を探すようにという指示はしたのですか?
[小沢元代表]直接の指示はしていないと思います。ただ、秘書や書生、その家族が増えるので、それぞれが必要性を感じていたと思います。
[指定弁護士]あなたが指示したのではなく、大久保さんから土地の購入の話を持ちかけられたということですか?
[小沢元代表]そのように区切って質問されるとあれですが、必要だという意識は共通で持っていました。
[指定弁護士]探していたというのは、大久保さんが?
[小沢元代表]個別の指示はしていません。共通の意識は持っていただろうと答えただけです。
[指定弁護士]大久保さんが1人で話をしてきたのですか?
[小沢元代表]大久保(元秘書)1人か、石川(議員)も一緒だったのか、記憶にありません。
[指定弁護士]秘書の方から多額の土地を購入する話をするというのが、一般の感覚では信じられないのですが、予算は伝えてあったのですか?
[小沢元代表]伝えておりません。
[指定弁護士]物件を見たことはありましたか?
[小沢元代表]話を聞いてから、散歩の途中で見たことはありました。
[指定弁護士]土地を見て、進めるようにと指示したのですか?
[小沢元代表]「指示」と、指定弁護士はそういうことばを使いますが、いい土地があって、それでよかろうという会話はあったと思います。
[指定弁護士]土地購入の相談をされたという場面と、お金が足りないと言ってくる場面と、2つの場面がありますが、これは別々の場面ですか?
[小沢元代表]別々だと思います。
[指定弁護士]大久保さんと石川さんが来て、お金が足りないと言ったのですか?
[小沢元代表]ということだったと思います。
[指定弁護士]金の相談のことですが、できるだけ具体的に、どのような相談だったのでしょうか?
[小沢元代表]相談というより、現実に、かき集めれば何とか購入できるけれども、土地代金に使っちゃうと、政治団体の運営に支障を来すという趣旨の話だったと思います。
[指定弁護士]だからどうしたいという話はありませんでしたか?足りないから土地購入を断念するとか、借りたいとかそういう話はなかったのですか?
[小沢元代表]具体的には記憶にありませんが、そういう話があったので、私としては、たまたま持っている手持ちの金を活用したらよかろうとなったと思います。
[指定弁護士]石川さんが公判で証言したとき、小沢さんに石川さんから「貸してくれますか」と言ったという証言があるのですが、記憶にありませんか?
[小沢元代表]記憶はありませんが、そういう会話があったかもしれないし、なかったかもしれないし、覚えてません。
[指定弁護士]貸してくれませんかということばが出たとおっしゃっていましたが、そんなやり取りは記憶にありませんか?
[小沢元代表]そうだったかもしれませんが、記憶にありません。
[指定弁護士]いずれにしても、用立てると表明されているのでは?
[小沢元代表]だったと思います。
[指定弁護士]用立てると表明したのはいつごろか、時期は必要では?
[小沢元代表]いいえ、そんなことないと思います。要するに、取り引きに必要ない。
[指定弁護士]「いつでも用立てる」とは言っていませんか?
[小沢元代表]言ってないと思います。
[指定弁護士]契約をする事務担当者は、手付け金や残額を支払う必要がある。いつごろまでにお金が得られるかが分からないと、契約を詰めにくいのでは?
[小沢元代表]そんなことはないと思います。私が手持ちの金を用立てると言ったのだから、彼らもそのように理解したと思います。
[指定弁護士]今の、「手持ちの金」と言ったんですか?
[小沢元代表]と思いました。
[指定弁護士]お金を渡したのは、10月11日ごろ?
[小沢元代表]年月日は分かりません。
[指定弁護士]石川議員の証言や銀行の入金記録を見ると、12日ごろまでには石川議員に現金が渡っている。これを否定する記憶というのはないわけですね。
[小沢元代表]はい。
[指定弁護士]私の最初の質問に、「売買契約が結ばれていたとは聞いていない」と話していたが、10月11日ころ、石川議員にお金を渡すときに、契約を結んだという話はなかったのか?
[小沢元代表]個別の具体的な話は一切なかったと思います。
[指定弁護士]契約の金を受け取るときに、決済がいつか尋ねなくて、石川議員の報告が全くない?私の感覚ではおかしいが。
[小沢元代表]そうではない。用立てると言って、渡すんだということで、私の行為は完結しているのだから、石川(議員)も同じような理解だったと思います。
[指定弁護士]契約を担当する人が、いわばオーナーに対して、どう進んでいるか隠す理由はないですよね?
[小沢元代表]隠す理由はない。
[指定弁護士]契約結んで、農転許可手続きを進めている、代金をいつ、代金に充てるかどうかは別として、取り引きに使う金をあなたから受け取る際、なぜ黙っているのか、おかしい。
[弁護士]異議あり。重複している。
[指定弁護士]重要な所だから。
[裁判長]異議を棄却します。
小沢氏裁判(11)“秘書の裁量”
1月10日 20時39分
[指定弁護士]10月5日に契約書を結んだのは明らか、農地転用の届け出している。12日ごろに、あなたの所に現金を取りにいっているのも明らかだと思う。12日に取りに行ったときに、事務担当者から報告はなかったですよね?
[小沢元代表]隠す必要はありませんが、報告しなきゃいけない必要もありません。政治家と秘書は本当の信頼関係で結ばれなければ成り立たない訳です。報告を受ける物理的ひま、精神的ひまもない。それ以上、関心を持ってやるべき大きな仕事がある。任せたことは自分でやれ、自分の判断でというスタイルでしたから、報告する必要がないと思っていたのではないでしょうか。
[指定弁護士]4億円を深沢の土地購入資金とは分かっていた?
[小沢元代表]はい、分かっていました。
[指定弁護士]それを担保に金を借りるのは、あなたに何らかの認識は?
[小沢元代表]ありません。どういう手続きを取るかは彼の裁量の範囲、事務的な手続きです。
[指定弁護士]石川議員の裁量で決められる?
[小沢元代表]預けた以上、具体的にどうするかは石川(議員)の裁量の範囲です。
[指定弁護士]秘書は、あなたが多額の資金があることが公になることを避けたいと思っていた?
[小沢元代表]とやかく言われることではないと考えていたと思いますが、ただ、メディアに余計な詮索をされることがないほうがよいというのは、秘書としては自然に考えて行動していることではないでしょうか。
[指定弁護士]あなた自身は公になることをいとう気持ちはあったのですか?
[小沢元代表]自分の懐具合を話す意志も、必要もないが、きちんと土地を購入するために、手持ちの現金を用立てしたもので、何らとやかく言われることはない。どっちみち公になる可能性が高く、そうなってもそれを意図的に避けようという気持ちはありませんでした。
[指定弁護士]きょう最後の質問です。石川さんがこの法廷で、巨額の資金を持っていることが公になることを恐れて、多数の口座に入れたと証言しているが、なぜそうしたのか、あなたがこれについて思い当たることは?
[小沢元代表]ですから、秘書の心構えとして、少しでも議員にマイナスにならないようにというのは、この問題だけではなく、あらゆる問題において、そうなのではないかと思います。
[裁判長]きょうはここで終わります。


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