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小沢一郎氏裁判 13回公判 《後》/(25)裁判官の質問〜(29)裁判長、弁護士の質問

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小沢一郎氏裁判 12回公判/〈NHK 前〉「4億円原資は両親からの不動産や現金の相続、印税、議員報酬」2012-01-10
小沢一郎氏裁判 12回公判 NHK/(1)秘書との関係は〜(11)秘書の裁量2012-01-10
小沢一郎氏裁判 13回公判 《前》/4、5億円の現金を手元に置くのは以前からそうしていた/(12)〜(16) 2012-01-11
小沢一郎氏裁判 13回公判 《中》/(17)供述の変遷〜(24)調書の内容 2012-01-11

小沢氏裁判(25)裁判官の質問
(NHKニュース)1月11日 20時42分
(裁判官)秘書との関係についてですが、収支報告書や資産公開について提出した内容を把握したうえで正しいと言っているのではなくて、内容を把握せずに正しいということ?
(小沢元代表)はい。資産の報告については把握していました。
(裁判官)というのは?
(小沢元代表)はい。沖縄の土地を買ったときもそれを報告しました。
(裁判官)新たなことがあれば、あなたから情報提供をしていたということ?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)収支報告書を把握していないというのは国会議員が多忙だからというのもあるのですか?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)あなたは今は把握していないということですが、最初からこういうスタイルだったのか、それともある頃から把握しなくなったのですか?
(小沢元代表)報告書については最初から関与していませんでした。大多数の議員がそうだと思います。
(裁判官)大きな役職についている人だけじゃなく、初当選の議員とかもそうですか?
(小沢元代表)そうだと思います。政策秘書が導入されたので、政策秘書のたぐいに任せる人が多いのではないかと思います。これは推測ですが。
(裁判官)弁護士や指定弁護士からの質問で、検察の取り調べで「無断」というのはちょっと違うというのがあったが、収支報告書の作成を任せていたが把握していない、これは無断とも違う?
(小沢元代表)無断という単語の響きは、秘書との関係を示すのに適切ではありません。任せていたこと、判断裁量でやっていたというほうが適切なのでそういった。
(裁判官)秘書のやったことの責任を代議士が責任を問われるという意識は持っていますか?
(小沢元代表)基本的に法律に違反するたぐいの行為を、選挙のことなんかありますけれども、特に私の場合、無理するなと、表現はあれだが、法律に反することをしてまですることないというのは常々話していますし、私自身そう思っていますし、きちんと筋道を通ったことをしないといけないと自分自身をいさめています。
(裁判官)秘書の裁量に任せているというのは分かりますが、4億という大きな取り引きでも秘書に任せていて不安はないですか?
(小沢元代表)この法廷で申す1つの例としては、選挙の際に同志への支援を行ったが、そのトータルは4億4000〜5000万円になると思います。それらを候補者に渡すことはすべて秘書に任せていますので、本当に信頼して任せているという関係です。
(裁判官)個人資産を管理する秘書はいますか?
(小沢元代表)いません。
(裁判官)例えば自宅の光熱費の支払いとか細々したことは誰がやっているのですか?
(小沢元代表)そういうたぐいは、たぶん最初に自分の口座で自動引き落としになっているので、いちいち振り込みは必要なかったと思います。
(裁判官)平成16年10月ごろ、石川さんに4億円を渡したときのあなたの考えを改めて聞きます。秘書寮を建てる不動産として購入するとなると、本来、陸山会の政治資金でやるものだが、個人資産を出す気持になったのはなぜですか?
(小沢元代表)一つは秘書が十数人いて、結婚適齢期が3人、家族も増えるとのことで、身近なところに寮をという気持でありました。ただ、最初から個人のお金でという意志はまったくなく、政治団体で購入すべきものと頭では分かっていたが、運転資金に困るというので、じゃあと手持ちがありましたから、自分が用立てることになりました。
(裁判官)あくまで一時的なものという認識でいい?
(小沢元代表)寄付するというものではなかったと思います。
(裁判官)4億という巨額の金額を用立てることに一般国民がすぐに飲み込めないということでの質問ですが、いつ返ってくるのかなどについて気にはならないのですか?
(小沢元代表)書生から秘書の話を話しましたが、その意味は私からすれば家族同様の気持を持っている連中ですから心配はまったくしていませんでした。
(裁判官)いずれ戻してもらえるとの見通しでしたか?
(小沢元代表)はい、いずれは戻してもらえると思っていました。
(裁判官)4億はあくまで土地取得のために限った話との認識?
(小沢元代表)はい。
(裁判官)陸山会で一般的に使っていいということではない?
(小沢元代表)はい、そうです。
(裁判官)石川さんもそう理解していた?
(小沢元代表)分かっていると思います。そもそも運転資金に困るというから用立てるという話であり、その趣旨は分かっていたと思います。
(裁判官)石川さんと大久保さんが頼んできたのは、その経緯から?
(小沢元代表)経緯というか実情として出すと困ると、それなら「じゃあ」となったと思います。
(裁判官)石川さんや大久保さんが、あなたの個人資産がどれくらいあるか知識あったと思いますか?
(小沢元代表)具体的にはないと思うが、私がずっと使ってきた銀行の通帳のことに関しては、およそ分かっていたと思います。歳費もその他も、大体分かっていたと思うので。
(裁判官)元赤坂タワーズの金庫に、どれくらいの余剰金額があるか話をしたことは?
(小沢元代表)ありません。彼らが私のところで仕事を始めたときには自宅の売却も終わっており、そのことも知らないし、その当時いれば知り得たかもしれないが、僕がいくら持っていたかは知らなかったと思います。
(裁判官)大久保さんや石川さんが、あなたに期待する事情は?望みがなければ相談しないと思うが?
(小沢元代表)具体的にいくらとかは全然知らないと思うが、報告すればなんとか返事があるのではないかとのことは思っていたかもしれません。

小沢氏裁判(26)手形のサインは
1月11日 21時3分
(裁判官)場面が変わります。日付けは記憶がないということですが、平成16年10月29日に銀行から4億円の融資を受けた際に書類にサインをした場面です。このとき、あなたの法廷での答えだと、預金を担保にして金を借りるんだなと思ったということですが、それでよろしいですか?
(小沢元代表)手形にサインをしたわけですので、そういうたぐいのことだとは頭の中にありました。
(裁判官)その際の石川議員とのやりとりについては?
(小沢元代表)記憶にありませんし、たぶんほとんど会話はなかったと思います。
(裁判官)ただ無言でサインをしてくれというのは、不自然だと思います。最低限の説明はあったのではないですか?
(小沢元代表)無言というのはありえません。ただ、私の記憶にあるイメージでは、石川と銀行の担当者が一緒に来たような記憶があります。石川が「そうじゃない」というのであれば、違うのかもしれませんが。金を私が出して、それに基づく手続きだということはすでに分かっていましたので、どういうことばを交わしたかは覚えていませんが、簡単なものだったと思います。
(裁判官)融資が陸山会の名義なのか、個人の名義なのかについての認識はありましたか?
(小沢元代表)当時は分かりませんでした。今はいろいろ聞いているので分かりますが。
(裁判官)平成16年10月29日の当時、預金の名義について認識していましたか?
(小沢元代表)聞いていないというか、覚えていません。
(裁判官)例えば石川さんから説明はされたが、聞き流してしまったということではないのですか?
(小沢元代表)その可能性は薄いと思います。これは石川が任されたことですので、そういうことは考えられません。
(裁判官)細かいことは、あなたに説明しないということですか?
(小沢元代表)任せた以上は自分の判断でやれという私の気質を石川はよく知っていますので、細かいことを報告する必要はないと意識していたのだと思います。
(裁判官)そうした意識はあなたの認識ですか?それとも石川さんもそう思っていたということですか?
(小沢元代表)石川も私も両方そういう認識だったと思います。
(裁判官)約束手形にサインをして銀行から4億円の債務を負い、陸山会に貸し付けることになるということは漠然と認識していましたか?
(小沢元代表)私が用立てた金を活用してやることは当然分かる。方法論として銀行と話したうえでそうなっただけのことですので、深く理詰めで考えたことはありませんでした。
(裁判官)普通だと4億円を借りる手形に署名をするとなれば、慎重になると思いますが、それも秘書との信頼関係があったので、任せていたということですか?
(小沢元代表)相手が銀行ですから。そういう意味では変な工作はないと私は思っていますし、銀行と信頼する秘書がやることですから、何の疑念もありませんでした。
(裁判官)平成17年3月に平成16年の収支報告書が提出されますが、この内容については把握していないということですね?
(小沢元代表)そうです。
(裁判官)この報告書に4億円の貸付だけが計上されていることが今は分かると思いますが、今、石川さんからそういう経理処理を相談されたら、あなたはどうしますか?
(小沢元代表)それは仮定の話ですけれど、私は法律的なことは分からないし、石川や池田が職務でまかされていたことですので、公正にやっていると思っています。
(裁判官)法律に従うことを前提に「よし」となるいうことですか?
(小沢元代表)中身は詳しく知りませんし、中身まで聞く間柄でもないですし、任せた立場のうえでもないことです。石川からこういう形で報告するとあった場合には石川の判断でやるということになると思います。
(裁判官)例えば8億円分の貸付を記載して提出したいと言われたらどうしていましたか?
(小沢元代表)8億円と聞こえてきますが、私としては用立てたのは4億円ですし、あとは分かりません。
(裁判官)逆に4億円だと言われれば腑に落ちることになる?
(小沢元代表)中身については想像しておりませんでした。私の頭と行為は陸山会に4億円用立てたということで、あとは担当者が行うことで考えたこともありません。
(裁判官)今、改めて考えたらどうかということですが、8億円ならばどうですか?また4億円ならばどうですか?
(小沢元代表)私は融資の仕組みとか分からないわけで、担当者の考えることですので、事実行為として4億円用立てたとしか答えようがないです。
(裁判官)これも記憶があるかどうかですが、平成17年10月に銀行に4億円返済のために取り崩して支払ったことがあると思いますが、どの程度の記憶ですか?
(小沢元代表)まったく意識としては薄れておりました。確かに先ほど指定弁護人に見せられたのは自分がサインした手形だと思います。しかし、記憶としてはその経過はありません。
(裁判官)もし石川さんから、あなたからの個人的な4億円を土地の購入に使ったと書かなければいけない、収支報告書でも資産報告書でもいいんですが、と相談されたらどう答えましたか?
(小沢元代表)自分の資金なので人に知られても一向にかまいません。何に書くかは別にして、公にするということは一向にかまいません。

小沢氏裁判(27) 融資の認識は
1月11日 21時3分
(裁判官)収支報告書に関する秘書らの報告の点ですが、そうしますと年末にあなたのほうから「うまく回っているか」と尋ね、それに秘書が答えていたということですね。
(小沢元代表)はい。
(裁判官)あなたは秘書にお任せして報告を受けていなかったと供述していましたが、お任せしたものは報告を受けていないのですか?
(小沢元代表)私の考えでは、秘書や議員にこの件は任せたということについては、そのものの判断、裁量にまかせる。でなければ、物事がうまく進まないと考えていますので、その主義でやってきました。報告や細かい数字の報告は受けていません。政治活動に必要な政治資金がうまく回っていれば問題ないということだと思います。
(裁判官)石川さんが作ったノートに先生にお伺いを立てる、報告という記載がある。一切、任せていたのではなくて、この点についてとか、留保をつけて任せていたことはありませんか?
(小沢元代表)ないです。あるとすれば、彼のほうから私のほうに問い合わせたことがあったのかなと思います。
(裁判官)政治団体の代表と個人と別の人格だということですが、その別の主体であるのに貸し借りについての理解がないというのは理解できないのですが?
(小沢元代表)別人格は間違いないですが、実態として代表の私と個人の私は同一人物です。期日を決めてというたぐいのような意識はまったくなかったということでございます。
(裁判官)主尋問では石川さんが持参した融資申込書と手形に署名して、融資の形でと理解と供述していたが、反対尋問では仕組みは分からなかったと供述している。当時の認識としては融資と理解していたのですか?
(小沢元代表)はい。基本的には任せていたので分かりませんが、手形が来るのだから分かっていたと思います。
(裁判官)どのような認識だったのか、もう一度話して下さい。
(小沢元代表)どういう仕組みかは知らないし、報告を受けていないので分かりませんが、手形を書くのだから私に支払い義務が生じる。以前も自分が借受人になった例があるので、そういう形だろうと思った。深くは考えていません。
(裁判官)以前も預金担保融資で二重に原資が。以前も同じようなことがあったのですか?
(小沢元代表)自分で手形を書いて形のうえで支払い義務者になり、自分を通してということが前にもあったので疑問はなかった。
(裁判官)4億円のうえにさらに融資で金を借りるという理解ですか?
(小沢元代表)全然違います。私が出したのは4億円。8億円との話もあるが4億が8億になるわけはないので。どういう形か分からないが、いろいろ利用してそうなったのだろうと。
(裁判官)やりとりはなかった?
(小沢元代表)なかったと思うが、絶対になかったかというと否定する根拠はない。覚えていない、記憶にないと言い換えてもいいと思います。
(裁判官)記憶にないということですか?
(小沢元代表)実態として同様。あえて峻別しろといわれれば記憶にないということです。
(裁判官)2億円の返済について、池田さんから署名を求められたことも記憶がないとのことですが、利息の話を聞いてもったいないと思ったというのも記憶はありませんか?
(小沢元代表)記憶にない。記憶にありません。
(裁判官)石川さんから10月に話を聞いて、融資申込書や手形に署名したあと、本件土地や秘書寮のことを秘書から報告を受けたのはいつ、誰からですか?
(小沢元代表)報告はありません。土地の購入が目的ではなく、秘書の寮を建てるのが目的ですから。4億円というのも4億数千万の土地に建物を建てれば、そのくらいとの粗々の話ですから。その後の推移は分かりません。

小沢氏裁判(28)“私の責任”
1月11日 21時36分
(裁判官)土地に建物が建つまで秘書から経過報告はなかったのですか?例えば建築が始まったとか登記されたとか。
(小沢元代表)報告というよりも建物ができれば秘書が住むからそういう現象で分かります。引っ越しとか。
(裁判官)石川に4億円を渡したあと、お任せになっていたと言うが、秘書に全面的に任せていた場合、仮に秘書が不相当なことをして大きな損失が出たりとか、誤って違法なことをやって監督責任に問われるおそれがあるのでは?
(小沢元代表)秘書がそういうことをやるのはまったく頭になかった。何か不祥事が起きたとか、金がなくなったとか、持って行ったとか、自分の範ちゅうのことで、自分が使っていた人間なので不徳の致すところというしかない。私の責任のことだと思います。
(裁判官)収支報告書の提出前に見て、確認したり口頭で報告を受けていなかったというが、政治団体の責任者が責任監督を怠ったら処罰される。政治資金規正法も記入に誤りがないよう求めていることに議員の立場では天下国家だけではなくて、政治団体の代表者としての責務もあるが?
(小沢元代表)当然あると思います。ただ、実態論として、ややこしい事務ではなくて、この人物なら正確にやれるとしてやってもらっているので、いちいち注意はしなかった。
(裁判官)その程度のものだからいったん目を通すとか口頭で報告を受けるとか、煩雑なことではないと思うが?
(小沢元代表)自分の責任を逃れるために言うわけではないが、収支報告書に目を通す議員はほとんどいないと思う。しっかりやれとお叱りを受けるかもしれないが、いちいち目を通す必要はないという意識だった。
(裁判長)石川さんに4億円を用立てると答えたときに、いつごろ用立てるとか話をしたのですか?
(小沢元代表)まったくしていません。手持ちがあったので、必要なときにもらえると。
(裁判長)石川さんらもそういう認識か?
(小沢元代表)僕が用立てるといったから彼らもそういう認識だったと思います。
(裁判長)売買が10月5日に決まって、10月29日に実行することになっていた。石川さんは10月29日には少なくとも代金が必要なことを知っている。代金が必要になる時期について、石川さんから話はなかったか?
(小沢元代表)ありません。私が了解した以上、大丈夫だと彼らは思っているから。
(裁判長)陸山会が不動産を買うかどうか、最終的には小沢さんの決済が必要か?
(小沢元代表)はい。
(裁判長)購入にゴーサインを出したあと、不動産を契約した報告も一切なかったか?
(小沢元代表)はい。
(裁判長)秘書は報告するとも考えられますが?
(小沢元代表)報告しない理由は考えられませんが、用立てるといったことを彼らは分かっているので、あとは任せるということですので、それを彼らは十分分かっているということです。
(裁判長)不動産契約の実行については報告を受けていないですか?
(小沢元代表)そういう記憶はありません。
(裁判長)銀行の融資の書類について一点確認したいことがあります。小沢さんの個人名義で融資を受けることは分かっていましたか?
(小沢元代表)はい。手形に名前を書いたので。
(裁判長)どうして陸山会で融資を受けないのか、疑問に感じませんでしたか?
(小沢元代表)それは感じませんでした。任せていたことと、自分自身手形を書いて債務者になったこともあり、何も疑問を感じませんでした。
(裁判長)年末に政治団体の経理状況について報告を受けているということですが、時間はどのくらい?
(小沢元代表)ほんのわずかの数分のことと思います。
(裁判長)陸山会以外にも各団体分の報告を受けるのですか?
(小沢元代表)トータルとしてうまくいっているかどうかの会話があります。
(裁判長)各年末ともそういう方法でやるのですか?石川さんか、池田さんに変わったが?
(小沢元代表)池田になったときにあいまいなところがあったので、そのときには「それくらいは分かっていないとダメ」と言って、その結果、彼が再計算したのでしょうが、メモにして持ってきたことはありました。
(裁判長)それは池田さんに代わって最初の年?
(小沢元代表)最初か2年目か分かりません。
(裁判長)年末の報告の際に別のこと、団体が個人分を立て替えた分の報告することがありますね。それは時間はどのくらいかけるのですか?
(小沢元代表)たいした時間ではない。飲食代や出張代など、個人で支払うべきものと後援会で払うべきものとを分別して、私の分は私がお金を出すと、そんなに長時間かけることもなかった。
(裁判長)1年分やるわけですか?
(小沢元代表)1年か、半年かは分かりませんが。
(裁判長)大久保さんが陸山会の会計責任者だという認識はありましたか?
(小沢元代表)はい。
(裁判長)会計事務について大久保さんが、どういう役割か、一切関与していないという認識を持っていたのですか?
(小沢元代表)本人と話していたわけではありませんが、たぶんやっていないという認識はありました。実務は石川か池田だろうと思っていました。
(裁判長)以前からそういうことになっていたのですか?
(小沢元代表)そうなっていたことが多かったと思います。
(裁判長)収支報告書は、最後に会計責任者が署名することになっていますが、大久保さんではなく、石川さんや池田さんが書いていたということがあったといいますが、どう考えますか?
(小沢元代表)この間、それを示されて分かりましたが、決していいことだとは思いませんが、実態としては公正にできていれば、それほど、とがめだてすると言うことではないという認識です。

小沢氏裁判(29)何ら不正ない
1月11日 21時36分
(裁判長)確認書の件ですが、土地を購入した際ではなく、あとで作らせたという認識だということでよろしいですね?
(小沢元代表)はい。
(裁判長)その際、担当者にどういう指示をしたのですか?
(小沢元代表)「最初から作ることになっていたのに、なんで作っていないのか」ということは言ったと思います。
(裁判長)確認書は、関係団体と個人の資産をしゅん別するものですよね。秘書を厳しく叱責するようなことはありましたか?
(小沢元代表)叱責というほどではないですが、なんで作っていないのかということは言っただろうと思います。ただ、確認書は疑念を持たれないように、われわれが積極的に作ったものですので、作っていないことが分かった段階で作ってもいいものですので、忘れていたからといって厳しく叱責するものではありません。
(裁判長)今回の事件では、平成22年1月に石川さんが逮捕され、その前にも陸山会を巡って様々な報道がありましたが、それは把握していましたか?
(小沢元代表)まぁ、まぁ。
(裁判長)報道されたときには石川さんから経理処理の方法について報告は受けていないということでしたが、報道のあと、石川さんを呼んで経理処理について詳しく説明を求めたことはありませんでしたか?
(小沢元代表)一連の事件については、私も事務所も何ら不正はありませんし、なぜこうなるのかと強く思っていました。収支報告書に関しても石川や池田がきちんと正確に報告していると信じていましたし、そのことについては、弁護士ときちんとやっていると報告を受けていましたので、やましいことはありませんし、特別、石川や池田を呼んだりはしませんでした。
(裁判長)今回の事件で、石川さんたちが、政治状況を考慮して深沢の土地の登記を平成16年から平成17年にずらしたと証言しています。深沢の土地の登記をずらすという秘書の行動についていまはどう思っていますか?
(小沢元代表)私も秘書も申し上げましたが、彼らは彼らなりに、少しでもマイナスにならないように、よかれと思ってやったことだと思います。収支報告書についても、きちんとやっていますので、彼らに対して叱るというたぐいの感情は持っていません。最後に、小沢元代表側の弁護士と検察官役の指定弁護士がそれぞれ質問しました。
(弁護士)総選挙の際に、同志の議員に500万円ずつ渡したと証言されていますが、領収書はもらっていますか?
(小沢元代表)もちろんです。きちんともらっています。
(弁護士)それは、陸山会宛の領収書ですか?
(小沢元代表)そうです。
(弁護士)小沢さんは、経理や会計の経験はあるのですか?
(小沢元代表)ありません。
(弁護士)それでは収支報告書を見て正しいか、間違っているか判断できるのですか?
(小沢元代表)私は書式もわかっていませんので、ポンと見せられても分かりません。
(弁護士)深沢8丁目の土地は、平成17年1月に本登記がされました。確認書を後から作ったのは平成19年2月、そして平成22年4月に検察官から調べを受けましたよね?今から考えると、5年前の土地購入について、3年前に確認書を作ったということです。それを正確に思い出せたのですか?
(小沢元代表)私の頭の中には、1つは、確認書を念のために作ろうということでスタートした。確認書があるものという意識が頭の中にはあったと思います。あとになって、公開するとき作っていないものがあることが判明したので、そのときに作ったものもあったわけでございまして、そのへんの年月日、行動についてはっきりした記憶はなかったと思います。
(弁護士)確認書は、権利とか義務とか発生するものではないから、あえて特別ごまかすという意識はないのではないですか?
(小沢元代表)確認書は契約書でちゃんとやっているもので、作る必要はないが、念には念を入れて私どもの積極的な努力でやろうということで確認書を作ろうということを始めたわけで、自分としては、その都度できているものと思い込んでいましたが、たまたま作っていないものもあるということで、公開のときに作っていました。それを忘れていたというのは、その時点ですぐ作ればよかったが、きちんとしてくれていれば、とやかく言われる筋合いはないと思っています。
(指定弁護士)あなたの銀行の口座の預金の出入りが尋ねられている。個々のものに記憶はありますか?
(小沢元代表)具体的行為の記憶はありませんが、そこからかなりの額の金額を引き出したのは覚えています。
(指定弁護士)弁護士に開示している出入金の元帳示します。口座番号分かりますか?
(小沢元代表)分かりません。
(指定弁護士)16年10月の分を見てもらえば分かると思います。
(弁護士)小沢元代表本人が見たこともない書類を、証拠申請されていない、公判前整理手続きで出ていない書類を出すことは、賛成していない。
(指定弁護士)では、弁護士が不同意なのであれば撤回します。
(裁判長)それでは終わりました。元の席に戻ってください。
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小沢一郎氏裁判/検察の「小沢許すまじ」の執念に始まり、マスコミを引き連れ、起訴にまで持ち込んだ2012-01-12
 小沢一郎元代表への被告人質問でヤマを越した「陸山会事件」の持つ意味と露呈した刑事司法改革の難しさ
現代ビジネス「ニュースの深層」2012年01月12日(木)伊藤 博敏
 読まされる方も報道する方も、いささか食傷気味だった「陸山会事件」が、10日、11日の両日、行われた小沢一郎元民主党代表への被告人質問でヤマを越した。
 事件発生から3年が経過、最初は小沢事務所の巨大裏ガネ疑惑を追及していたが、途中で諦め、最後は秘書宅取得資金の4億円が政治資金規正法違反にあたるか否かを問う事件となった。
 小沢一郎という日本を左右する大物政治家の「政治とカネ」に関する事件だけに、意味がないとは言わないが、検察の「小沢許すまじ」といった執念から始まり、マスコミを引き連れ、ようやく起訴にまで持ち込んだという背景を考えれば、「小沢叩き」に与する気が失せる。
 むしろ国民は、検察が主導してきた刑事司法が、特捜検察の制度疲労によって改革の時を迎えているだけに、「陸山会事件」は、その岐路を象徴する事件だと理解すべきではないだろうか。
 実際、「小沢逮捕」にかける検察の執念は異様だった。その"見立て"が間違っていたことは、12月16日、第10回公判で法廷に立った前田恒彦元大阪地検特捜部検事(証拠隠滅罪で実刑確定)が、「私が裁判官なら無罪判決を書く」と述べたことでも明らかだ。
 検察に切られ、地位と身分を失った前田元検事に怖いものはない。前田元検事は、「初日に主任検事から『特捜部と小沢の全面戦争。小沢をあげられなかったら特捜部の負けだ』と言われた」といい、当時、「4億円は複数の企業からもらったという"妄想"を抱く幹部がいた」と、辛辣に批判した。
 つまり、「小沢逮捕ありき」で捜査は進み、裏ガネがあると"妄想"した検察幹部によって、事件が組み立てられていった。「小沢公判」に先立つ「秘書公判」で、検察が水谷建設からの1億円の裏ガネを立証したかったのは、事件に関係はなくとも、「小沢事務所はクロ」と印象付けたかったからだ。
 特捜検察が手がける事件の多くが「強引なシナリオ捜査」で仕掛けられると指摘されてきたが、検察の"身内"がそれを暴露したことになる。
 小沢元代表は、検察には起訴されなかったが、検察審査会に強制起訴された。それは、強引に取られた調書によって審査員に「おかしなカネ集めをする事務所」という意識が刷り込まれていたからだと主張した。
 10月の初公判の「意見陳述」で、「本件が特に許せないのは、国民の負託を受けていない検察が、議会制民主主義を踏みにじり、国民主権を冒涜したことだ。(中略)恣意的な権力行使が許されるなら、民主主義国家とはいえない」と、小沢元代表は検察をののしった。当否はともかく"怒り"は理解できる。
 しかし、だからこそ「検察改革」なのである。取り調べの全面可視化も含め、検察は変わろうとしている。前田元検事が犯した大阪地検特捜部事件と合わせ、東京地検特捜部の「陸山会事件」は、明らかな行き過ぎであり捜査の失敗。その修正は始まっている。
 まず検察は、特捜部が手がける独自捜査を少なくし、「ノルマに縛られない捜査」を目指すことになった。むしろ国税当局、公正取引委員会、証券取引等監視委員会など外部と連動、時には警視庁と組む。
 同時に、有罪率100%を目指し、強引な自白調書を散るような取り調べはしない。調書至上主義からの脱却。また、全面可視化を目指すことも決めており、白黒は法廷でつければいいと考えるようになった。
 その分、有罪率は低下するが、起訴すればほとんど有罪。有罪率99・9%という数字が間違っていたのであって、裁判所は、検察側最終弁論で判決文を書くような"手抜き"が許されなくなる。
 検察が無理をしないということは、裁判所に被告が否認している案件が数多く持ち込まれるということだ。裁判官は、有罪を前提に量刑だけ決めればいいというこれまでの刑事司法から一転、自分の頭で公判資料を読み込み、尋問をし、自ら判断を下さねばならなくなった。
 「陸山会事件」の秘書公判で、東京地裁の登石郁朗裁判長は、特捜部の強引で恣意的な捜査を批判、供述調書の主要部分を認めず、「検察に対立するのか」と、訴訟指揮の評判は悪かった。しかし、「反検察」だったわけではない、裁判所もまた変わろうとしていた。
 それは、検察と"癒着"することで成り立つヤメ検弁護士の世界にも変化をもたらす。ヤメ検と言えば、罪を認めさせる代わりに、保釈を早くし、執行猶予判決を取ることが主な"役割"だった。だが、それは正しい刑事司法の姿ではない。
 争うべきは争う---。そう発想する人権派弁護士への依頼が増え、小沢元代表に就いたのが、冤罪の村木厚子事件で無罪を勝ち取った弘中惇一郎弁護士であるところに、それは表れている。
 司法マスコミもそうである。裁判所にタダ同然で記者クラブを置き、検察と一体となって報じていればいい記事、社内で評価の高い記事が書けていたのだから、検察と一心同体だった。だが、村木事件と小沢事件を経て、ネットジャーナリズムが雑誌ジャーナリズムと連帯、「検察べったりの司法マスコミ」を批判するようになった。
 検察自身が、制度疲労を認め、変革しようとしているのだから、司法マスコミも自立しなくてはならない。かつては考えられないことだが、検察批判、裁判批判が堂々と論じられるようになった。
 そういう意味で、「陸山会事件」は、法曹3者に司法マスコミも加えた刑事司法の関係者が、自立を始めるきっかけとなった事件であり、公判だと位置づけられよう。
 むろん素人を裁判に巻き込む裁判員裁判と合わせ、定着は容易ではない。自立を目指していた秘書公判の登石裁判長は、結局、検察の主張通りの判決を下したし、司法マスコミは横一線で形式犯に過ぎない「陸山会事件」を、微に入り細に入り報じ、「なぜ、いつまでも裁判が続いているのか」という、国民の声には答えていない。
 それだけ刑事司法改革は難しく、検察がすべてのシナリオを描く司法を郷愁する向きもある。だが、回り始めた歯車は元に戻せない。国民も含め、それそれが自分の頭で刑事事件を考えるしかなく、そうすることが、冤罪を生む強引な捜査からの決別になると信じたい。
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小沢一郎氏裁判/国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言う特捜=国民主権を認めない組織〈検察〉2011-12-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏 初公判 全発言/ 『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
「小沢裁判」は小沢を抹殺するために行われている政治裁判/ 「国家権力」という化け物と、我々は戦っている2011-12-24 |
「小沢一郎氏 裁判」=検察官による「虚偽捜査報告書作成事件」 郷原信郎氏2011-12-21 |
小沢一郎氏裁判/“はぐれ検事”前田恒彦・元検事の爆弾証言でハッキリした「検察審は解散が必要」2011-12-21
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈後〉前田恒彦元検事「私が裁判官なら小沢さん無罪」「検察、証拠隠しあった」2011-12-17
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈前〉/前田恒彦元検事「上司から『特捜部と小沢の全面戦争だ』と言われた」


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