光市母子殺害 来月最高裁判決
NHK1月31日 17時34分
山口県光市で主婦と幼い娘を殺害した罪に問われ、死刑を言い渡されている元少年について、最高裁判所は、来月20日に判決を言い渡すことを決めました。何の落ち度もない2人の命が奪われた事件で、元少年の立ち直りの可能性について、最高裁がどう判断するか注目されます。
平成11年、山口県光市で主婦の本村弥生さん(当時23)と生後11か月だった娘の夕夏ちゃんが殺害された事件では、当時18歳だった元少年が、殺人などの罪に問われました。裁判は、死刑か無期懲役かを巡って異例の経過をたどりました。1審と2審が無期懲役としたのに対し、最高裁判所は、「特別な事情がなければ死刑にするほかない」として審理をやり直すよう命じ、広島高等裁判所は、4年前、死刑を言い渡しました。今月23日に最高裁で開かれた弁論で、元少年の弁護団は、「被告は犯行当時、精神的に未熟な状態だった」として、死刑にすべきではないと訴えたのに対し、検察は、「死刑にしない特別な事情はない」と主張していました。この裁判で、最高裁判所第1小法廷は、来月20日に判決を言い渡すことを決めました。何の落ち度もない2人の命が奪われた事件で、元少年の立ち直りの可能性など死刑にしない特別な事情があるかどうかについて、最高裁の判断が注目されます。
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◆光市事件 差し戻し審 口頭弁論/広島女児殺害事件 司法官僚が行使する「人事権」の絶大な影響力2012-01-24 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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◆光市母子殺害事件(差戻し)・広島女児殺害事件控訴審裁判長だった楢崎康英氏が山口家裁所長・・・2009-10-14 | 被害者参加・裁判員裁判/強制起訴
山口家裁:楢崎所長、着任会見「市民に利用しやすく」/山口
10月14日14時1分配信 毎日新聞
山口家庭裁判所(山口市)に今月1日着任した楢崎康英所長(60)が13日、着任会見を行った。山口での勤務は16年ぶり2回目で、「市民に利用しやすい裁判所になるよう努める。山口での生活も楽しみたい」と語った。
広島県出身。大阪家裁などで主に少年事件を担当し、88年から93年まで山口地家裁宇部支部で支部長などを歴任。06年から広島高裁判事部総括となり、光市母子殺害事件にもかかわった。
市民の司法参加が進む中、「市民への対応が裁判所のイメージを作る。適正で迅速な裁判と司法サービスを提供したい」と話す。趣味は音楽鑑賞と読書。「一の坂川や瑠璃光寺をまた見られてうれしい」と笑顔を見せた。【藤沢美由紀】〔山口版〕
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/zenbun1.htm
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〈来栖のつぶやき〉2009/10/14
家裁とは・・・。しかも、広島家裁ではなく、(広島管区)山口とは。何があったのだろう。60歳ということだが、定年は65歳だ。光市事件差し戻し控訴審・広島女児殺害事件控訴審判決では、メディア・世論に評価されたと私は受け止めていたが。
追記 2009/10/16Fri.
本日、広島女児殺害事件上告審判断があった。高裁へ差し戻しということである。
楢崎さんには、相手が悪かった。裁判員参加という不合理な制度を推進する大本山に立てついたような格好になった。楢崎さんは精密司法(1審へ差戻し)に「死刑」を展望していたのかもしれないが、最高裁の拙速志向(核心司法)とは相容れなかった、ということか。核心司法によって本件のように、今後いのちを得ること(死刑回避)になるのならいいけれど。
ところで、本件上告審判決報道に際して、おやっと感じたことがあった。2審判決をあれほど自信もって論評(多くは高評)した評論家さんたちだったが---但し、肝心の判決内容、被告人にもたらすであろう不利益(死刑)については、欠落した論評---今回は私の見たところ黙して語っておられないようだ。最高裁の権威、無謬性をひたすら信じ安心しておられるのか。こんなことでは司法改革などできはしない。
昨年だったか、東海テレビ「裁判長のお弁当」に登場した元裁判官下澤悦夫さん。若い頃、「青年法律家協会」に所属し、退会・退官勧告に従わなかったので、地方の家裁・簡裁を転々とさせられ、生涯一裁判官で終わった。「そりゃぁ、上に行きたいって気持はありましたよ。だけど・・・」と語っていた。ご自分の信念を曲げてまで・・、ということだろう。清廉な人格でいらっしゃると感服した。
楢崎さんの場合、高裁刑事部で裁判長まで務めた人である。所長ポストであれ、家裁への異動はどうなのか・・・。存分に腕が振るえるとは思えない。簡裁であっても、同様である。
「裁判官の独立」につき憲法は“良心に従い独立してその職権を行い、日本国憲法及び法律にのみ拘束される”と、謳っている。が、新藤宗幸著『司法官僚』〔裁判所の権力者たち〕(岩波新書)の中に、次のような文脈があった。
“司法官僚は全国の判決や訴訟指揮の情報を集める。それをもとに行使される人事権は全国3500名の裁判官たちに絶大な影響力をもつ。10年ごとの再任の有無、昇級、転勤を司法官僚が決める。事務総局が召集する「合同」と呼ばれる研究会も下級審の裁判内容を遠隔操作する結果を生む。
裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である。必死の訴えをする人々に遭遇したとき、裁判官は全人格的判断をもって救済に当たるべきだ。しかし、人々の目にふれぬところで、裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステムがあるのだとすれば大問題である。
政権交代とは闇を打破る時代のことであろう。本書の提言にかかる裁判所情報公開法などによって司法の実態にも光が当てられ、真の改革が着手されるべきだ。”
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◆「広島女児殺害事件」司法官僚によって行使される人事権は全国の裁判官たちに絶大な影響力をもつ2010-08-07| 死刑/重刑/生命犯 問題
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◆光市母子殺害事件 毎日新聞社の勝訴確定=実名本の著者(増田美智子氏)側の上告を棄却2011-06-09 | 光市母子殺害事件
山口・光の母子殺害:実名本訴訟 毎日新聞社の勝訴確定
山口県光市の母子殺害事件で、被告の元少年(30)=差し戻し控訴審で死刑、上告中=の実名を記した本の著者、増田美智子さん(30)ら2人が「社説で名誉を傷付けられた」として、毎日新聞社に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は7日付で、著者側の上告を棄却する決定を出した。本社の勝訴とした2審判決(10年12月)が確定した。
増田さんらは「(取材した)当事者に知らせることなく出版しようとした」などの社説の記述は事実に反すると提訴。1審の東京地裁判決(10年6月)と東京高裁判決はいずれも前提事実に誤りはないと認定。「社会的に議論のある問題を取り上げ、出版倫理の観点から問題提起している」と社説の公益性を認めた。
◇毎日新聞社社長室広報担当の話
当社の主張が十分に認められた決定と受け止めています。
毎日新聞 2011年6月9日 東京朝刊
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◆光市母子殺害事件実名表記本「利益優先」「増刷行為=決定を待つのが出版倫理ではないか」2009-11-12 | 光市母子殺害事件
社説:光事件実名本 妥当な決定ではあるが
少年事件における出版・表現の自由はどこまで認められるのか。99年に起きた山口県光市の母子殺害事件をめぐり、当時18歳だった被告の元少年(28)を実名表記したルポルタージュ本につい、広島地裁が元少年側の出版差し止めの仮処分申し立てを却下する決定をした。
内容の一部に元少年に対するプライバシーの侵害行為はあるが、出版によって回復困難な損害を受けるとまでは認められない、というのが理由だ。検閲につながりかねない出版物の差し止めは、プライバシー侵害による損害の程度が極めて大きい場合に限定すべきだという従来の司法判断の延長線上の結論であり、妥当といえるのではないか。
元少年は昨年4月、広島高裁の差し戻し控訴審で死刑を言い渡され、上告中だ。今、全国で最も注目される少年事件の被告といっていい。本は元少年の実名(名字)から「■■君を殺して何になる」というタイトルが付けられている。書名自体が、少年時の罪で起訴された者の実名表記を禁じる少年法に違反するため、出版界に波紋を呼び、先月7日の発売時の書店の対応も分かれた。
著者はフリーのライターで、死刑判決以後、元少年と文通や面会を重ねたという。本は、そのやりとりや手紙の引用、元少年の父親や友人ら関係者への取材内容を中心に構成している。題名どおり元少年の死刑判決に懐疑的な内容だが、少年側の弁護団は反発した。原稿を事前に確認させる約束が守られず、内容も元少年の人格権を侵害すると主張した。
決定は、事前に原稿を見せる約束があったとはいえないと判断し、差し止め請求は退けた。だが、今回の出版については、表現の自由が守られたと楽観できないのも事実だ。
決定が「事前確認行為なく書籍を出版したことの是非はともかく」と結論に注釈を付けたように、当事者に知らせることなく出版しようとした行為は、いかにも不意打ち的だ。また、元少年側が先月5日に仮処分を申し立てた後、初版が売り切れると2万部増刷した行為も適切だろうか。決定を待つのがせめてもの出版倫理ではないか。
なぜ実名を書かねばならなかったのか。著者は「少年の実像を知ってもらうのには欠かせない」と説明するが、十分な説得力があるだろうか。これまでの経緯をみると、利益優先との批判はやむを得ない側面もある。
決定は、元少年から著者への手紙や、中学時代の顔写真を掲載した点について、プライバシーを侵害すると認定した。今回の出版については、既に損害賠償を求める訴えが別に起こされている。そちらで十分な審理を尽くしてほしい。毎日新聞 2009年11月11日 東京朝刊