検察が小沢裁判で絶対に守りたいモノ
<東京地裁の検察審提出資料開示要求を断固拒否>
検察はどこまで恥の上塗りを続ける気なのか。東京地裁が、民主党の小沢元代表(69)を起訴した「東京第5検察審査会(検察審)」に提出された検察資料の開示を求めたところ、東京地検は照会を突っぱねたのだ。裁判所の要求に検察が従わないなんて、異例中の異例だ。検察は「資料を開示すると、公判に影響を与えかねないと考えた」(検察事情通)らしいが、自分勝手も甚だしい。
裁判所の開示要求は刑事訴訟法にのっとった正当な手続きだし、裁判所だって検察官役の指定弁護士、弁護側双方の主張を「立証」するのに欠かせないと判断したから資料を照会したのである。
小沢裁判では、検察審が「起訴相当」議決を下す決め手になった捜査報告書が田代政弘検事のデッチ上げだったことが発覚。元祖・改ざん検事の前田恒彦受刑者も「裏金授受を否定した建設業者の事情聴取のメモが検察審に提供されなかった。検察の証拠隠しがあった」と証言した。
「東京地検は一切合切の資料を差し出すべきなのに、拒否したということは、よほど隠したい事実があるのでしょう。田代検事だけでなく、当時の吉田正喜特捜部副部長や、主任の木村匡良検事が録取した調書、捜査報告書なども相当ズサンな内容なのでは」(司法ジャーナリスト)
<裁判所が屈すれば、一蓮托生を証明>
小沢弁護団の喜田村洋一弁護士がこう憤る。
「裁判所は裁判におけるアンパイア(審判)です。そのアンパイアが(開示を)命令しているのに拒否するとは聞いたことがありません。これはもう裁判でも何でもありません」
検察から「イヤ」と言われた裁判所が今後、どういう対応を取るのか分からないが、おとなしくヘーコラ従ったらアンパイア失格。日刊デンダイ本紙が再三、指摘した通り、検察とグルになっている証しだ。司法組織が一蓮托生になって、小沢に圧力をかけているとしか思えない。
(日刊ゲンダイ2012年2月8日掲載)
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◆小沢一郎氏裁判/検事の捏造報告書が審査会に/ゼネコンの資金提供否定のメモは提出されず「証拠隠し」2012-02-09 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎被告の裁判「捏造」報告書が審査会に
テレビ朝日ニュース(02/09 20:19)
小沢一郎被告の裁判で、元秘書を取り調べた検事が実際にはなかったやり取りを記載していた捜査報告書が、起訴議決を出した検察審査会に提出されていたことが分かりました。
これまでの裁判で、小沢被告の元秘書を取り調べた検事が、実際にはなかったやり取りを記載した捜査報告書を作成したことが明らかになっています。検察官役の指定弁護士は9日、弁護側に対し、検察が審査会に提出した捜査資料のリストを開示しましたが、この問題の捜査報告書も含まれていたことが分かりました。弁護側は、この報告書が審査会の審査に影響を与えたとみて、起訴の無効を訴えています。また、当時、捜査にあたっていた前田恒彦元検事が、裁判で指摘したゼネコンへの取り調べメモ70通が存在することも明らかになりました。前田元検事は、メモについて「ゼネコンが小沢被告側への資金提供を否定する内容だった」と証言していました。しかし、これらのメモは検察側から審査会に提出されていなかったということです。
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◆『無法検察』小沢一郎氏裁判;証拠開示を地検が拒否/有罪にできなくともメディアを使い世論に断罪させる2012-02-09 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
田中良紹の「国会探検」
無法検察
小沢一郎氏の裁判を巡って、東京地裁から求められていた証拠の開示を東京地検が拒否している事が明らかになった。小沢弁護団の喜田村洋一弁護士は「公文書の照会には回答する義務があるはずで『無法検察』と言われても仕方がない」と批判している。
昨年12月に行なわれた公判で、石川知裕衆議院議員を取り調べた田代政弘検事は架空の捜査報告書を作成した事を認め、それが小沢氏を強制起訴した検察審査会の議決に影響した可能性が指摘されていた。そのため裁判所は検察審査会に送付した資料リストの開示を東京地検に求めたが、東京地検はこれを拒否したのである。
拒否の理由を検察幹部は「検察は訴訟の当事者でなく、裁判に影響を与える証拠を自ら開示できる立場にない」と述べたと報道されている。逃げの一手の屁理屈だが、そもそも検察官僚には国民の税金で養われているという意識がないらしい。民主主義国家では公務員が職務上作成した公文書を勝手に隠蔽する事は許されないのである。
こうした有様を見ていると日本の検察は民主主義とは無縁の所で育成されてきたのではないかという気がする。戦前の治安維持法を支えた思想検事が戦後も追放される事なく君臨した検察の体質は戦前から変わっていないのである。そして戦後最大の疑獄事件とされたロッキード事件で馬鹿メディアが「最強の捜査機関」などと賞賛したため、民主主義国家ではありえない異常な捜査手法が生き続けているのである。
これまで何度も引用してきたが、産経新聞のベテラン司法記者宮本雅史氏が書いた「歪んだ正義」(情報出版センター)には検察幹部の興味深い言葉が色々と紹介されている。宮本氏は当初は「検察=正義」という考えに凝り固まっていたが、故金丸信氏が摘発の対象となった東京佐川急便事件で捜査に疑問を抱く。疑問を検察幹部にぶつけていくうちに杜撰な捜査の実態が浮かび上がってきた。
特捜部は捜査経過を上層部に報告する前にメディアを利用する手法を採っていると検察幹部が宮本氏に打ち明けた。 「最初に政治家ありき」でまず「政治家=巨悪」のイメージを国民に植え付け、摘発する対象を悪いイメージにしたところで捜査に乗り出す。そして検察が描くストーリーに合わせて供述調書を作成する。都合の悪い調書は採用されず、都合の良い調書だけが採用される。
東京佐川急便事件では検察の思い込みとは異なり金丸氏を訴追する事が無理だと分かった。起訴しても裁判で有罪に出来ない。それどころか杜撰な捜査の実態が明るみに出てしまう。しかしメディアを利用して「金丸=巨悪」のイメージを作り上げた検察は振り上げた拳を下ろせない。
そこで検察は「恫喝」によって検察のストーリーを押し付ける事にした。略式起訴の罰金刑という軽微な処分を条件にして検察のストーリーに合った供述に差し替えるよう求めたのである。拒否すれば竹下派の政治家事務所を次々「家宅捜索」すると言って脅した。検察にとって「家宅捜索」はただの脅しで事件にする気はないのだが、「家宅捜索」された政治家の方は決定的に窮地に立たされる。そして検察と戦えば長期にわたり政治活動を制約される。
「検察と戦うべし」との小沢一郎氏の進言を退けて金丸氏は検察との取引に応じた。ところがメディアによって「金丸=巨悪」のイメージは定着してしまっている。軽微な処分に国民の怒りは爆発した。怒りは検察にも向かう。検察庁の建物にペンキが投げつけられ、検察の威信は地に堕ちた。検察は何が何でも金丸氏を逮捕するしかなくなった。無記名の金融債を所有している事を掴んだ検察は金丸氏を脱税で逮捕するが、宮本氏はなぜ無記名の金融債を検察が知りえたのかに疑問を持つ。元検事から検察は永田町の権力闘争に利用されたと示唆される。そして「検察の堕落の原因はロッキード事件にある」と宮本氏は検察幹部から言われるのである。
ロッキード事件で検察が描いたストーリーは、ハワイでの日米首脳会談でニクソン大統領からトライスターの購入を要請された田中角栄総理が、丸紅の檜山広社長から「請託」を受け、全日空の機種選定に影響力を及ぼし、見返りに5億円の賄賂を受け取ったというものである。しかし様々なジャーナリストの取材によって日米首脳会談でトライスターの話などなかった事が明らかになっている。
また全日空は田中総理の働きかけなどなくともトライスター導入に傾いていた事を航空業界に詳しい記者から宮本氏は教えられる。田中角栄氏は丸紅からの「請託」を一貫して否認したが、丸紅の檜山社長は取り調べで「請託」を認めた供述調書を、裁判では「検事から恫喝され、あきらめて署名した」と証言した。
丸紅が田中角栄氏に5億円を提供したのは全日空がトライスター導入を決めてから10ヶ月も経った後で、受け渡しの場所は英国大使館裏の路上など不自然な場所である。宮本氏はロッキード事件を見直しながら、本当に丸紅から田中角栄氏にロッキード社からの賄賂が渡されていたのかに疑問を持つ。宮本氏は事件を担当した検事に疑問をぶつける。すると「ロッキード事件は奥が深いんだ」、「ロッキード事件の追及は検察に対する挑戦になる」と言われる。「ロッキード事件の真相を追及するのはやめろ」と言う訳だ。
そして1993年、田中角栄氏が死亡すると、宮本氏は最高検の幹部から「誰も田中の判決を書きたくなかった。これで最高裁もほっとしただろう」という言葉を聞く。最高裁は田中の死後、検察のストーリーの拠り所となったロッキード社幹部への「嘱託尋問調書」の証拠能力を否定する判決を下した。メディアが東京地検を「最強の捜査機関」と持ち上げたロッキード事件は、事件後17年を経て最大の証拠を否定されたのである。
ところがロッキード事件は国民を「政治とカネ」のマインドコントロールにかけ、国会は国民生活に関わる議論より「政治とカネ」のスキャンダル追及に血道を上げるようになった。国民は国民の代表を「巨悪」と思い込まされ、政治資金規正法を厳しくする事で政治家は政治活動を自ら制約するようになった。情報は専ら霞が関の官僚頼みとなり、情報によって政治家は官僚に支配される。先進民主主義国には見られない政治の構図が続いてきた。
メディアを利用して「政治家=巨悪」のイメージを植え付け、ストーリーに合った供述だけを証拠とし、合わない証拠は隠滅し、また恫喝によって証拠を作り上げる検察の捜査手法は、検察幹部によれば、ロッキード事件をメディアが賞賛したため誰もが問題にすることなく続けられてきたのである。それが「無法検察」を野放しにしてきた。いま国民の目の前にあるのはそうした現実である。国民主権の国を作ろうとするのならこの現実をしっかり直視すべきである。
投稿者: 田中良紹 日時: 2012年2月 8日 22:52
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検察が小沢裁判で絶対に守りたいモノ/裁判所(アンパイア)の命令(資料開示)を拒否とは聞いたことがない
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