災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声 なぜ政府は現場が活動しやすいように手を打たないのか
JB PRESS 2011.04.14(Thu)藤井源太郎(現役自衛官)
美化することなく、英雄扱いすることなく、感謝も、慰労も求めておりません。ただただ、被災者の安心と被災地の復興のために必要な装備と、活動に対するご理解をいだたきたくて、国民の皆様にお伝え致します。
1.被災地の実情
多くの被災者は、想像を絶する悲しみや心身の苦痛を伴いながらもなお、冷静さを保って不自由な生活に辛抱されておられます。
しかしながら、被災地の現実は、きれいごとや美談ばかりではありません。
被災地では、地震および津波発生以来、避難者の自宅への不法侵入による窃盗や、ドラッグストアやスーパーからの商品窃盗、銀行その他のATMや金庫の破壊および盗難、車両の給油口をバールでこじ開けてのガソリン窃盗なども発生しています。
被災者に生活物資を法外な値段で売りつける輩
また、地元住民ではない人たちが自警団の目や警察の巡回をかいくぐって窃盗行為を行ったり、東京ナンバーの車両が、避難所周辺でロウソクやガスコンロ・ボンベなどの生活物資を法外な値段で売るような人もいます。
捜索活動中に、バールなどでこじ開けられた金庫の残骸が多数発見されています。被災地では、マグロやサバ、特にイカの腐敗臭が非常に強くなっています。ご遺体の腐臭もあります。
1カ月を経過して、今後ますます腐敗臭は強くなります。それは、自衛官の心身のストレスを高め、疲労させます。そして、泥は乾き、ご遺体の捜索、収容作業がますます困難になっています。
津波の影響で、泥の上にがれきがあったのですが、がれきを撤去しても、その下の泥が日を追うごとに乾いて、ご遺体を隠してしまっているからです。
一方、沿岸部では、海上自衛隊の掃海隊群が中心となって、ご遺体の捜索が行われています。その主体は、海の中で発見された不発弾や機雷等爆発物の水中処分(Explosive Ordnance Disposal:EOD)を任務とする水中処分員です。
少し力をかけただけでボロボロになる遺体
こちらも、津波で流された木片や浮遊物といった障害物を除去しながら、捜索しています。特に、3週から5週目の間に、多くのご遺体は海中で膨張するため浮き上がってきます。そのため、地引き網より編み目の細い網で、慎重に収容します。
少しのテンションでもぼろぼろになるので、丁寧に、丁寧に、棺やご遺体袋へ納めます。
車から脱出できなかったご遺体や自宅ごと流され家から出られなかったご遺体は、なかなか浮上しませんので、極めて困難な収容作業となっています。
しかし、このEOD員も、自民党時代から続く連年の人員削減、すなわち部隊の近代化、集約化と称する削減により、隊員数が少ないのです。
横須賀、呉、佐世保にわずか4個隊(30隻)しかおらず、掃海隊が交代でことに当たっているものの、連日数度の捜索により隊員個々の疲労が蓄積しています。
それでもなお、「我々は艦艇に戻れば温食、お風呂がある。現地で冷たい食事して、毛布にくるまって寝ている陸・空自の方が大変だ」という他部隊を労(いたわ)る言葉を発してくれます。
いずれも梅雨が始まり作業が困難になってしまう6月までが勝負と、日々全力で作業に当たっています。
2.相変わらずの装備品不足
泥濘(ぬかるみ)や水位の高い場所で作業する場合、防水ツナギ(胴付き長靴)を履いて行うのですが、このツナギの靴部分は軽易なゴム製になっており、非常にタイトなため半長靴を履いたままでは履けません。
そのため、半長靴なしで胴付き長靴を履きます。その結果、がれきが散乱している現場では、釘などが長靴のゴムを貫通して足裏に刺さるという負傷事故が多数発生しています。
ケガをしても抗生物質がない!
なお、その胴付き長靴すら需品在庫が少ないため、民間から買い上げています。加えて、現場に随行している衛生班には抗生物質が不足しており、十分な衛生が行えておりません。
原子力災害用では、ヨウ化カリウム剤が不足しています。陸自の福島駐屯地や空自の百里基地に集積されているものの、原子力災害派遣部隊は各部隊1000錠ずつ用意して派遣隊員に持たせることになっています。
しかし、部隊ごとに製薬会社と調整するため交渉が難航しており、いまだ購入に至っておりません。今後、福島第一原発付近でのご遺体捜索や、がれき等の除去作業を行ううえで、薬剤の不足が予見されます。
防衛大臣は、中期防衛力整備計画において約1000億円の予備費(安全保障会議の承認を得て支出し得る予備的経費)を持っています。
その予備費を、今こそ現場が渇望している最低限の装備や薬剤などの購入費として活用することはできないものでしょうか。
私物の携帯電話で連絡を取り合う隊員たち
自衛隊の行動は編制単位部隊(いわゆる○○中隊や○○隊)毎で行われます。その下に、小隊や分隊、班があります。被災地で活動する場合、中隊長や隊長の指揮の下、小隊に別れて作業を行います。
部隊間の連絡は野外通信用の携帯無線機を使用するのですが、小隊に1台、分隊にはなしというのが当たり前になっています。
小隊以下はどのように連絡を取っていると思いますか?
それは隊員の私物携帯(通信料ももちろん隊員負担)です。電波が通らない所では、伝令を走らせるか大声で呼ぶのです。
肝心の携帯無線機の周波数帯も、警察、消防、国交省が良いところを押さえているため、防衛省の割り当て区域は、伝播(でんぱ)能力の低い周波数帯です。ちょっとした障害物で電波が届かないとか、この位置から少しずれると電波が入らないということが多いのです。
懐中電灯も自衛隊員の私物
こういった非常事態の場合においては、実際の活動状況を踏まえたうえで、伝播能力の高い周波数帯の割り当てを再検討して頂きたいです。
東北の夜は早く、夕方になると暗くなります。その際、懐中電灯やヘッドライトを使用しますが、これもほとんど隊員の私物です。
官品は、懐中電灯で約30人の小隊で5個程度、ヘッドライトの支給はなし。LEDライトは、100人以上いる各中隊で5個程度。私物用の電池も、隊員が自腹で購入しており、官品補給はありません。
海上自衛隊や米海軍のほか、民間船による海上輸送も始まりましたが、荷揚げ作業に用いる施設器材が不足しています。
また、被災地では、がれきと車両などの除去を行っていますが、がれき除去の進捗に比べ、車両などの除去が圧倒的に捗っておりません。陸海空自の築城施設器材を動員して作業に当たっていますが、不足しているからです。
民間の建設機械を貸与してほしい
クレーンを例に取ると、施設部隊や後方支援部隊に、トラック・クレーン、重装輪回収車、簡易クレーン付き3.5トントラックなどがあります。
しかし、簡易クレーンは軽量物しか運べませんし、重装輪回収車は重量物を持ち上げられてもその速度は極めて遅いので、やはりトラック・クレーンが適しているのですが、台数がそんなにありません。
自衛官は大型自動車、トラック・クレーン、玉かけ、フォークリフトなどの免許を持っている隊員が多数おります。
現場に必要な築城建設器材を、民間から借り上げてでも用意して頂ければ、被災地の方々へ迅速に救援物資を運ぶことができます。
政府にあっては、是非、防衛省を超えた施設器材等の管理換えを英断して頂きたいです。3.5トントラックも不足しており、現場では高機動車を使用しています。
自衛隊に災害救助の予算はほとんどない
しかしこの高機動車も問題です。トヨタ自動車が開発した650万円の車両なのですが、雨天時にはメーター類や器材をビニールシートで覆って走行しなければなりません。
また、頼みのランフラットタイヤもがれきでパンクしやすく、パンクすればわずか40キロ程しか走行できません。
原子力災害やテロ対策は、空港、港湾警備と同じで、防衛省ではなく、警察の所掌業務であり、警察に予算がついています。
放射線や放射性物質災害やテロ対策についても、警察と消防に予算がついており、防衛省にはCBRNテロ対策名目で、主に生物、化学兵器対策でしか予算はついていません。
そのため、放射線防護服や除染車、無人機などの装備は、警察、消防の方が充実しているのです。
放射線防護服も絶対的に不足
自衛隊の化学防護衣は、化学部隊を除いて、陸自では100人当たり10着程度しか配分されていませんし、海空自についても航空機救難(航空機事故)や基地警備に当たる隊員用にわずかしかありません。
自衛隊の大型消防車は、消防庁と違い、基地、空港内だけの運用で長距離走行を意図していませんし、20年選手が多く老朽化しているため、フェリー輸送する際船着き場へ着くまでに故障しています。
自衛隊は戦う組織だから、自衛隊の方が何だか良い装備を持っていると思うのは、幻想にしか過ぎません。
隊員は、使命感を持って任務の完遂に取り組んでいますが、政府にあっては、現場の隊員個人の努力に頼りすぎず、長期化を見越して現場に必要なものを用意して頂きたいです。
3.10万人体制に問題あり
極東情勢が緊張している今、国防が「主たる任務」でありながら、「従たる任務」である災害派遣に10万人体制で取り組むことが真に妥当であるか、この疑問は前回皆さまにお伝えいたしました。
震災後、ロシアや中国は我が国の防衛体制に穴がないか、たびたび確認に来ています。誤解がないように強調したいのですが、10万人すべてが現地へ行っているというわけではありません。被災地にいて実働している人員は陸海空すべてで3万人程度です。
そのほか、各基地、各駐屯地、市ヶ谷などを含む指揮所、指揮通信システム維持、空輸、陸送、海上輸送、補給要員などを全て含めての10万人体制です。
戦力投射能力(パワー・プロジェクション・アビリティー)という観点から見ると、災害派遣、原子力災害派遣において早々に10万人体制を確立したことは、他国からの高い評価からも分かる通り、それ自体が抑止力になっています。
10万人体制の結果、交代部隊が確保できない
ですが、10万人体制の問題は、2つあります。まず交代部隊がほとんど確保できないという点です。
今、3週間現地勤務して、1週間原隊(げんたい)復帰(休暇)、その後また3週間勤務・・・と、同一部隊、同一隊員が行っています。
警察や消防は、約1週間ごとに交代していますが、自衛隊では10万人体制維持のため、交代要員が確保しづらい状態になっています。
これから、今まで以上に酷い光景を見て、匂いを嗅ぐことになります。
1次派遣中に陸上自衛隊でも死者が出ました。災害派遣中に大量のご遺体を見て、いたたまれなくなっての自殺です。殉職と言ってもいいでしょう。また、50代陸曹長が病死しました。こちらも、殉職と言えます。
陸路で東北と九州を何度も往復する自衛隊員
同様に、薬の欠かせない持病があるにもかかわらず、災害派遣に押っ取り刀で派遣されたため、薬がなく体調を崩す隊員が出る危険性もあります。
2番目に、輸送機や輸送トラックが不足しています。空自の輸送機の多くが老朽化し退役しつつあるため、空中給油機なども使用しているのですが、それでも機体が足りません。トラックに関しても、物資とともに隊員も輸送しているため、絶対数が足りません。
このような状況でも、民航機や民間鉄道を使用させてもらえません(空自の場合、空輸困難な場合に限り一部鉄道利用可能)。
例えば、宮城県に展開している陸自は西方総監隷下が多いのですが、2日かけてトラックや高機動車で九州の原隊に戻り、6日ほど休んで、また2日かけて陸路被災地へ向かっています。運転する隊員も、作業に当たっています。
このあたり、10万人体制を政治力で敷いたのですから、予算どうこうではなく、輸送、補給といった、民間力を活用できる点についても政治力を発揮して頂きたいです。
4.装備品は能力に適した使い方を(74式戦車と無人機の例)
装備品は、能力(性能)に合わない使い方(運用)をしようとすると、現場は混乱し、遊兵(ゆうへい)ができてしまいます。
提案なのですが、74式戦車は、原発敷地内のがれき除去では無く、投光器(サーチライト)として使用した方が効果的だと思います。
74式戦車は、砲塔横に脱着可能なアクティブ(自ら発する)式赤外線/白色光投光器が付いています。
この投光器は、戦車主砲の横に装着するもので、夜間戦闘を可能にするための装置なのですが、白色光線を出すことも可能で、その性能は3000メートル先でも新聞がはっきり読める明るさです。
このアクティブ式赤外線/白色投光器装着の74式戦車は、1991年2月の長崎県雲仙普賢岳再噴火および溶岩ドーム形成の際は待機のみでしたが、2011年1月の鹿児島県新燃岳(しんもえだけ)噴火の際には、火山活動調査のため、投光器で噴火口を照射しています。
喧伝されたブルドーザーには向かない74式戦車
同じく鹿児島県桜島についても、投光器で噴火口を照射しています。
2011年3月21日(月)早朝、74式戦車2両がJヴィレッジに到着しましたが、そのまま待機し続けており、使われておりません。
ニュースでは、「原発所内がれき除去のため、74式戦車を投入。74式戦車は、放射線や放射性物質への防護能力が高く、ブルドーザーとして使える」と盛んに解説されていました。
74式戦車の放射線および放射性物質への防護能力とは、以下の3点のことであって、対核兵器戦闘ができるということではありません。
1に、装甲が厚い。2に、水上走行のために完全気密の作りになっている。3に、車内への空気取り入れ口に活性炭フィルターを装着している。
カタログデータ上はそうなのですが、装甲が厚いのは一部のみ。老朽化やサビ等により気密性は損なわれています。活性炭では放射性物質を完全に除去できません。また、ブルドーザーとしての能力はほとんどありません。
強力なサーチライトを生かすべし
今回投入された74式戦車は、「ドーザーアタッチメント」を装着しています。これは、上下可動式であり、戦車自身が隠れる掩体壕を掘り、盛り土するためのものです。走行時に、小さながれきを除去することも、一応可能ではあります。
しかし、大きな配管や電柱などを除去することはできませんし、横方向などの複雑な動きはできません。
また、臨時の電源や通信回線が地面上に敷かれているため、それらを断線する危険性もあることから、視界が得られない74式戦車の出番は、恐らくないでしょう。
それよりもむしろ、窃盗や不法領得が横行しており、電気も通っていない被災地に戦車を各所に配置して、白色光投光器による夜間照明を行った方が、治安の維持に活用できると思います。
米空軍は、高々度無人偵察機RQ-4Bグローバル・ホーク2機を投入。米陸、海軍は小型垂直離着陸無人偵察機RQ-16タランチュラ・ホークを投入しています。
米軍に頼らず自前の情報収集力を
平成23年度予算で高々度滞空無人機の調査費が計上され、ノースロップ・グラマン社が熱心に売り込んでいるRQ-4Bから、福島第一原発の凄惨な映像データがもたらされました。
一方、陸自には、民間でも農薬散布実績のある富士重工業製の遠隔操縦観測システム(FFOS)やイラク復興支援での運用実績のあるヤマハ製無人ヘリコプターシステムが、方面特科隊(昔の砲兵、りゅう弾砲や対艦ミサイルなどを保有)等の観測用として配備されており、すぐに使えます。
これらの無人機システムを、原発所内や被災地で運用すべきだと思います。我が国における大震災、原子力災害にもかかわらず、同盟国から情報を得ている現状は、やはり問題だと思います。
それに、「トモダチ作戦」の費用は半分以上が我が国負担になるため、真に必要な点以外で依存しすぎるのは良くありません。
米軍並みの高精度ではないとはいえ、我が国自身の手で、無人機を運用し情報を得て、爾後の対策に活用することは重要なことだと思います。
また、被災地での無人機巡回は、74式戦車の投光器とともに、横行している窃盗等の不法行為への抑止力になると思います。
5.隊員の生活例
5時起床、18時捜索終了、作戦会議やミーティングなどで23時頃就寝。物資輸送については、交代制で夜間も行っています。4日に1度の入浴(片道3時間)。多くの場合、洗濯は入浴を早めに切り上げて行います。
食事は、ほとんど1日2食です。当初は乾パンばかりだったのが、除々に冷たい缶飯になり、たまに温食が出ます。週に1度の休日は、入浴とほとんど疲れて眠るだけ。
国家、国民の一大事に派遣される時、最初、士気は高いものです。しかし士気は弓矢と一緒で、最初は勢いよく放たれますが、弓なりに失速するものです。
士気も日を追うごとに、見たくないものを見て、嗅ぎたくない匂いを嗅いでいると衰えていきます。
そんな士気が衰えてきた時に、隊員を奮い立たせるのは、堅確な意志を体現した指揮官の姿であり、熱誠を込めた言葉なのです。堅確な意志と熱誠を込めた言葉によって、衰えた士気は振作されます。
我々自衛官は、国民の皆様から感謝されればもちろん嬉しく思います。ですが、そのためにやっているのではありません。
現場で活動する自衛官のためにお願いしたいこと
自衛官は国民の生命と財産を守ることが任務であり、使命であり、当たり前のことなのです。また、こういう文章を書く理由は、感謝してほしいのではなく、理解して、活動を支援して頂きたいからです。
今回の自衛隊災害活動においてさえ、マスコミには心ない発言をしたり、作業をしている隊員に心ない発言を浴びせる方がおります。
また、周波数割り当てや装備品等、他省庁で持っているものを貸与して頂くといった支援が必要なことを理解して、その気運を高めて頂きたいのです。
そして、疲労を忘れさせ、士気を奮い立たせる、隊員の心に響く指揮官の意志と態度が必要なのです。隊員の士気を維持し続けているのは、次のような某中隊長の言葉なのです。
「被災者や行方不明家族のおられる方々が、固唾をのんで見守る中での作業は辛いものがある。しかし、崇高な使命を達成できるのは我々しかいない」
「現地での作業で見せた諸官の行動は間違っていない。何かあれば、私が責任を取るから、存分に作業に当たってほしい」
「避難所などで被災者が心身疲労しており、真に必要な救援物資の到着を待っている。被災者に会ったら、何が必要か、何が不足しているか、どうしてほしいか、少しでも情報を取ってこい。ただで帰ってくるな」
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中日春秋
2011年4月15日
太平洋戦争の末期、米側でマリアナ沖海戦を戦ったのは、スプルアンス率いる第五艦隊。レイテ沖海戦は、ハルゼーが指揮官を務める第三艦隊だ▼こういうと、あたかも二つの艦隊のように思えるが、作家の半藤一利さんによれば、艦隊は一つだけ。使う艦船は同じで、休暇の時期が来ると、司令部と参謀がそっくり入れ替わる交代制をとっていたのだという▼これに対し、日本軍には休暇制度がなかった。半藤さんは言う。<三年半以上の戦争を休暇なしでやるというのは、狂気の沙汰としか考えられません>(江坂彰氏との共著『撤退戦の研究』)▼当然、休暇制度の有無だけで、あの戦争の帰趨(きすう)が決まったわけではない。けれど、長期戦を戦う上で「休む時間」が重要なポイントであることは確かだろう▼福島第一原発で、ぎりぎりの危険な仕事を続けている人たちの疲労が気になる。先日も「作業員の体力、気力は限界に近い」と語る原発作業員の記事を読んだ。被災者救援や、救援に関連するさまざまな分野で休みなく働いている人たちにも同じことはいえる。そして、被災者自身にも▼それどころではない状況も無論、続いている。でも、どうかできる部分では、システムとして、あるいは個人レベルで「休む時間」の確保を意識してほしい。戦争ではないが、この国は、間違いなく長期戦の最中(さなか)にあるのだから。
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◆福島第一原発:報道をはるかに超える放射能 死を覚悟する自衛官2011-03-18 | 地震/原発
◆福島第一原発「被曝覚悟で闘う現場作業員たち」2011-04-08 | 地震/原発
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災害派遣、現場自衛官から上がる悲痛な声/戦争ではないが、この国は間違いなく長期戦の最中にある
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