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報道 実名か匿名か 各社判断/ 光市事件 〈木曽川長良川リンチ殺人事件〉元少年に死刑判決 

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山口・光の母子殺害:元少年に死刑判決 報道、実名か匿名か 各社判断分かれる
  山口県光市の母子殺害事件で元少年(30)に死刑を言い渡した最高裁判決を受け、大半の報道機関は実名で報じたが、毎日新聞など一部は匿名を維持した。少年法が未成年者の犯罪の実名報道を禁じる中、今回も大阪府などで男性4人が殺害された「連続リンチ殺人事件」同様、判断は分かれた。【日下部聡、川名壮志、長野宏美、袴田貴行】
  毎日新聞が在京主要紙、事件が起きた山口県の地元紙、通信社、NHK、民放各キー局など15社に取材したところ13社が実名、毎日新聞や東京新聞、西日本新聞が、匿名だった。
 報道各社の実名・匿名対応とその理由
  実名報道を決断した理由として多かったのは▽事実上の死刑確定で更生の機会がなくなった▽社会復帰への配慮が必要なくなる▽事件の重大性を考慮した−−だった。国家が命を奪う刑罰の対象に誰がなったのかを監視する意味で、実名は必要との意見も根強い。
  一方、匿名とした理由について毎日新聞は21日朝刊で「おことわり」を掲載し、「少年法の理念を尊重した。元少年には今後も更生に向け事件を悔い、被害者・遺族に心から謝罪する姿勢が求められる。再審や恩赦の可能性もないわけではない」との見解を示した。
  これらの判断理由については、各社ともおことわりなどの形で報じている。
  かつては浅沼稲次郎・社会党委員長刺殺事件(60年)の山口二矢(おとや)少年(当時17歳)や、68年に19歳で4人連続射殺事件を起こした永山則夫・元死刑囚など、発生直後から実名報道されたケースもあった。永山元死刑囚については毎日新聞は発生時に「A少年」と表記。71年に本人が獄中手記「無知の涙」を刊行して本名を公表し、1審の途中から実名に切り替えた。
  70年代以降は匿名がほぼ定着していたが、80年代後半〜90年代、凶悪な少年犯罪が相次いだのを機に、週刊誌を中心に実名を掲載するメディアが出始め、06年に徳山工業高専(山口県)の女子学生が少年(当時19歳)に殺害された事件では、少年の自殺後に新聞1社と民放2社が実名と顔写真を報じた(毎日新聞は匿名)。
■報道各社の実名・匿名対応とその理由(●は実名、○は匿名。毎日新聞については文中)
朝日新聞  ● 国家に生命を奪われる刑の対象者は明らかにされるべきだ
読売新聞  ● 更生の機会はなくなる。国家が人の命を奪う死刑の対象は重大な社会的関心事
日経新聞  ● 死刑判決の重大性、更生の機会がなくなることを考慮した
東京新聞  ○ 再審や恩赦があり、更生の可能性が消えるわけではない。少年法の配慮は必要
産経新聞  ● 社会復帰などを前提とした更生の機会は失われる。事件の重大性も考慮
共同通信  ● 更生、社会復帰に配慮する必要がない。国の刑罰権行使を監視する必要がある
時事通信  ● 更生の可能性がなくなったことや事件の重大性などを総合的に判断した
西日本新聞 ○ 再審や恩赦の可能性はあり、現時点では少年法の趣旨を尊重する必要がある
山口新聞  ● 更生、社会復帰に配慮する必要がなくなった
NHK   ● 重大な犯罪で社会の関心が高い。社会復帰、更生の可能性がなくなった
TBS   ● 更生と社会復帰の可能性がなくなる。誰に刑が執行されるかが匿名であってはならない
日本テレビ ● 少年の更生の可能性が絶たれた。事件の社会への影響を踏まえ公益性を優先した
テレビ朝日 ● 更生する機会がなくなった。国家が人命を奪う行為を国民が監視できなくなる
フジテレビ ● 更生の可能性が事実上なくなったことや、事件の重大性などを総合的に判断した
テレビ東京 ● 更生や社会復帰への配慮の必要性が失われた。重大性を総合的に判断した
毎日新聞 2012年2月25日 東京朝刊
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光市事件
光市事件 差し戻し上告審 元少年の死刑確定へ/毎日新聞・中日新聞は、これまで通り匿名で報道します。2012-02-20 | 光市母子殺害事件
木曽川・長良川リンチ殺人事件「少年法が求める配慮の必要性から、中日新聞は3被告を匿名で報道します」2011-03-11 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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