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Ozawa Ichiro Website 小沢一郎 発言・出演記録(2012.02.23〜24) / ◆「インタビュー」「対談」集・・・

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発言・出演記録
朝日新聞単独インタビュー 朝日新聞<23日付け記事>1面
■増税解散なら政界再編 9月までには総選挙に■
 民主党の小沢一郎元代表は22日、朝日新聞の単独インタビューに応じ、野田佳彦首相が進める消費増税について「国民の理解を得られない。賛成できない」と反対を明言した。
首相が増税姿勢を変えずに衆院の解散・総選挙に踏み切る場合は「民主党内閣、民主党自身の終わりだ。選挙前の再編を含め、国家が混乱しない方策を考えなければならない」と強調した。
 小沢氏が反対姿勢を鮮明にしたことで、3月中の消費増税法案の閣議決定を前にした党内手続きやその後の法案採決時の混乱が予想され、今国会は会期末にかけて内閣不信任案への与党内の同調など、緊迫した展開になる可能性もある。
 消費増税反対の理由について「自民党がやってきた制度の延長線上でやってカネが出て来るわけがない。統治機構を含む政治・行政の抜本改革によってムダを省けるといって政権を担ったのに、その努力を全くしないで増税するのは国民の理解が得られない」と指摘。「野田さんが思い直して初心忘れずに努力してもらうことを、最善の策として望む」と述べた。
 首相が消費増税を旗印に衆院を解散することについては「勝手に消費増税を言い出して、意のままにいかないから解散するというのは国民が許さない。支持率も下がっており、(民主党議員を)全員道連れにして自殺する行為だ」との見方を示す一方、「野田さんが解散するしないではなく、国民の支持がなくなると『選挙をやって出直せ』となる。9月までには解散総選挙になる」と述べた。
 小沢氏自身の不信任案同調や新党結成の可能性には「民主党がどうなるかによる。このままでは総選挙で過半数を取る政党がなくなるので、選挙前に(再編を)やらないとダメ。安定した過半数の政権ができる結果を出すようにしないといけない」と語った。
 橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会の公約集「船中八策」については「『決定でき責任を負う統治機構』という主張はまったく同感。旧体制を壊して新しい仕組みをつくるという考えにも共鳴する」と評価した。
 一方、自らの公判で元秘書の供述調書が証拠不採用となったことについては「まだ刑事被告人の立場だ。今の立場で言うことではない」と言及を避けた。
<24日付け記事>17面 オピニオン
 民主党の小沢一郎元代表が衆院の解散・総選挙前の政界再編の可能性に踏み込んだ。消費増税に執念を燃やす野田佳彦首相に再考を促しつつ、折り合えなければ民主党に見切りをつけることも辞さない構えだ。一方で刑事被告人として自らの判決を4月に控える小沢氏。民主党政権は視界不良になってきた。
 ――政権交代から2年半。政治が機能していません。なぜですか。
 「まだ日本では民主主義が定着してない、成熟していないということだ。国民以上の政治家は出ないというからね。2009年8月総選挙での政権交代は変化を嫌う日本国民にとっては大変な決断であり、夢をかけたんだと思う。でも民主党は期待に応えるだけの資質を身につけていなかった。『任重くして』ということかな」
 ――自民党を離党して19年。細川政権で小選挙区制を決めたのは政権交代可能な政治体制をつくることでした。それが失敗だったという指摘があります。
 「それは全くの間違いだね。中選挙区制は日本人的なぬるま湯の仕組みだが、対照的に小選挙区制は一番政権交代のしやすいシステムだ。自分たちの代表を一人選んで自分の意思表示をきちんとするという意味で、その目標と意義は全然変わっていない。民主党から人心が離れている中、まともな政党ならすぐに政権を取れる制度だ」
 ――鳩山政権は8カ月余で倒れました。幹事長として鳩山由紀夫首相に「身を引こう」と説得したのですか。 「そう。どっちかと言えばね。役員会でも『参院選が戦えない』という議論が出てきて、参院の皆さんがわいわいとなったので『とにかく待て。首相と話をする』と言った。我々のこと(政治とカネ)が参院選に悪影響を与えちゃいかんということで、辞めることにした。最終的には『首相の決断』ということにしなければね。残念ながら、辞めても辞めなくても同じ結果だったけれど」
 ――菅政権は参院選で敗北し、「ねじれ国会」でいよいよマニフェスト(政権公約)は実行できなくなりました。
 「それはウソだ。私が自民党幹事長の時も『ねじれ』だった。それでも、野党が一番嫌がるPKO法案を提出し、結果的に成立させた。全部ねじれのせいにしてはいけない」
 ――東日本大震災では地元の岩手が被災しました。すぐに沿岸の被災地に入るべきではなかったですか。
 「それは本質的な問題ではない。情緒論だ。まず復興予算を手当てするのが僕の役割だ。現に知事はしょっちゅう来て、話をしている」
 ――震災3カ月で菅内閣不信任案に賛成しようとした理由は。
 「僕は原発が水素爆発した直後から『メルトダウンしている』『全ての情報を公開しろ』と言い続けてきた。政府が認めたのは何カ月も後だ。そういう隠蔽体質、役所も含めてきちんと整理できなかったのはトップの責任になる。何よりも国政選挙(参院選)に負けたのに辞めなかった。首相が何人目などというのは関係ない。選挙の責任者が負けても居座るのは、議会制民主主義に禍根を残す。これらのことで(菅内閣は)国民の信頼を失っていた」
 ――震災から1年。原発の見直しの機運が失せています。
 「原発はあくまでも過渡的エネルギーだ。新しいエネルギー開発に全力をあげてこなかったことは、我々も反省すべき点だが、今ここで放射能を完全に封じ込めないと日本の将来はない。政府は『収束宣言』を出したが、何が収束したのか。避難した人たちが帰ることができるのかどうかさえ明言しない。こんな無責任な政治はない」
 ――自由貿易論者なのに環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を批判していますね。なぜですか。
 「日米首脳会談の首相発言をめぐって日米で発表が食い違ったように、米国への発言と国内への説明を使い分けてはいけない。両方から信頼を失う。そのこと自体がもはや、交渉の当事者能力がないということを露呈している。難しいことはできるだけ米国に任せた方がいい、という考えが根底にあるからだ。米軍普天間基地の移設問題もそうだが、日本がどういう役割を果たすかを明示しないと米国と対等に話せない。その交渉能力と体制が問題なんだ」
 ――野田佳彦首相は消費増税に突き進んでいます。
 「国民に税負担を強いる前にやることがある。自民党と同じ制度に乗っかったまま、『カネがない。だから増税』では国民は理解しない。税と社会保障の一体改革と言うが、社会保障の青写真は全く示していない。それで消費増税では筋道が通らない。国民は絶対に賛成しない」
 ――でも日本は借金まみれです。どうするのですか。
 「予算編成は自民党時代と同じ各省の積み上げ方式で、政策の優先順位は全く入っていない。補助金と政策経費など優先順位をつけることのできる予算が毎年三十数兆円はある。いらないものを廃止すればよい。統治機構を根本から変えて中央集権体制から地域主権体制へと抜本改革すれば、二重三重の行政のムダを省ける」
 ――首相が消費増税を掲げて衆院を解散するとの見方もあります。
 「全員道連れにして自殺するような行為だ。現実に支持率がどんどん落ちてきたら、やれるものではない。ただ、首相は何とか(消費増税が)いけると思っているのではないか。気楽にしているようだから」
 ――では消費増税法案には反対するのですか。
 「何もせずに消費増税というのは国民の理解を得られない。だから賛成できない」
 ――閣議決定を阻止すると。
 「どう判断するかはそのときだ。消費増税大綱だって(法案化に向けた)条件が付いている。国会はうまくいかないのではないか。野田さんが気付いて、初心を忘れずにもう一度努力してくれることを、私は最善の策として望んでいる」
 ――野党が野田内閣への不信任案を提出したらどう対応しますか。
 「まだ考えていない。そもそも法案さえできてない。ただ、今の姿勢を続ければ国民の支持を完全に失う。リーダーはやっていけない」
 ――野田首相に会ってアドバイスする考えはありますか。
 「僕は助言する立場ではない。(党員資格停止で)党大会にも呼ばれていない。党費だけは払わされているけどね」
 ――仮に選挙になった場合は。
 「やってみたら、惨敗だ。私が先頭に立って戦って勝ち取った政権だから、何とか成功させたいんだが、今年やっても来年やっても、このままでは民主党は勝ち目がない。心配なのは、過半数を取れる政党がなくなることだ。そうなったら、何も決められずに、日本は大混乱に陥る。そこへ大不況が来たら悲劇だ」
 ――それを避けるには。
 「民主党が変わらずに(消費増税へ)突っ込むことになれば、民主党内閣、民主党自身の終わりだ。国家が混乱しない方策を考えないといけない」
 ――どんな方策ですか。
 「野田首相が解散するしないではなく、国民の支持がなくなり、国民が『選挙やって出直せ』となってくる。9月までには解散・総選挙になる」
 ――民主党がダメなら、政界再編を考えるんですか。
 「民主党がどうなるかによる。選挙前にやらないとダメだ。選挙で安定した過半数の政権ができる結果を出すようにしないといけない。とにかく、国民が一番支持できる政権をつくらなければならない。なかなか大変だ」
 ――党を割ることもありますか。
 「歌を忘れたカナリアはいらないんじゃないの。僕らはまだ歌を忘れずに歌っている。野田さんがもう一度考えを変えてピシッとしてくれることを望む」
 ――このところ大阪市の橋下徹市長がすごい勢いです。
 「彼は小泉(純一郎元首相)的な大衆を引きつける力と、小泉氏にはない理念的なものの考え方を持っている。かなりの人物だと思う」
 ――橋下市長率いる大阪維新の会の「船中八策」は。
 「見せてもらったが、『決定でき責任を負う民主主義・統治機構』『自立する個人、自立する地域、自立する国家』という主張は全く同感。我が意を得たりだ。旧体制を壊して新しい仕組みをつくらないと本当の改革ができないという考えも全くその通りだ」
 ――小沢さんのグループが維新の会と連携する可能性はありますか。
 「まだ解散まで少し時間がある。ハハハ」
 ――日の公判で、小沢さんの関与を示す元秘書らの供述調書が証拠不採用になりました。先が見えてきたと思いますか。
 「全部終わってから話す。まだ刑事被告人の立場だからね」
 ――国会での説明責任を果たすべきだという声は根強いです。
 「司法の場にあるのに立法府が干渉するのはおかしい。東京地検特捜部が2年間も強制捜査をやって、徹底的に調べた。国会の質問どころではない。聞きたければ検察庁に行って聞いてもらいたい」
 ――今年70歳を迎えられますね。最後の仕事は何ですか。
 「政権交代で議会制民主主義のレールは敷けたと思っていたが、どうもうまくいかない。民主党がダメでも、自民党がしっかりしてまた政権を取る力があれば、民主党をたたき直してまた挑戦すればいいが、自民党もおかしくなっている。政権党だったからそれらしく見えただけなのか。困ったもんだねえ。政権交代を前提とする議会制民主主義を定着させ、あとは次の世代にたいまつを引き渡す。そのためにいい年して、もうちょっと頑張らなければと思っている」
2012.02.23、24 朝日新聞朝刊
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小沢一郎氏単独インタビュー/増税法案に造反明言/離党は否定/野田首相の解散困難/次期政権で衆院選2012-02-04 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
  共同通信の単独インタビュー
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いま、小沢一郎が考えていること〈国税庁・年金機構廃止、歳入庁創設、宗教法人課税強化〉週刊ポスト3.2号2012-02-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア  週刊ポスト2012 MAR.3.2号

      
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人間・小沢一郎 最後の大構想/「福島県民は霞ヶ関取り巻くデモ起こしてもいいのに」/「最後のご奉公です」2011-12-26
  人間・小沢一郎「最後の大構想」

    
  週刊ポスト2012年1月1・6日号(聞き手・渡辺乾介氏 政治ジャーナリスト)
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小沢一郎/「今年は選挙になる。俺は、やる」TPP、大不況、安全保障、裁かれる不条理/[最後の大構想]後編2012-01-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 

    
 小沢一郎「最後の大構想」後編
 週刊ポスト2012/01/13・20号 レポート/渡辺乾介(政治ジャーナリスト『嫌われる伝説』著者) 
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三宅雪子の対談シリーズ「この人に訊く!」/第1回のゲストは小沢一郎衆議院議員。新春の第一声2012-01-03 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
     

三宅雪子の対談シリーズ 「この人に訊く!」第2回ゲスト 衆議院議員小沢一郎さん[2012年2月2日]2012-02-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア  
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小沢一郎×田原総一朗 徹底生討論 『日本をどうする!』in ニコファーレ〈前〉政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎×田原総一朗 徹底生討論 『日本をどうする!』in ニコファーレ 〈後〉2011-11-20
 〈〉からの続き
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『小沢一郎 語り尽くす』TPP/消費税/裁判/マスコミ/原発/普天間/尖閣/官僚/後を託すような政治家は 2011-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
          

  小沢一郎 すべてを語る TPP、消費税、政治とカネ、原発… 聞き手;鳥越俊太郎(サンデー毎日2011/11/27号)
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WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)2011/5/27 小沢一郎元民主党代表インタビュー「天命に遊ぶ」2011-06-03 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と小沢一郎氏が対談〈全文書き起こし〉2011-07-30 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 

   

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「日本の政治家として一番やってはいけないことは何ですか」「そりゃ、天皇制をいじることだ」 〈悪党?〉2011-10-01
  『悪党 小沢一郎に仕えて』?

     
「チャーチル/復権・・・」裁判闘争を終えた時、小沢一郎はどんな言葉を国民に語りかけるか。2011-09-24 
  『悪党 小沢一郎に仕えて』?
小沢一郎が語った「原発/国家のリーダー(衆愚の中からは衆愚しか)/マスコミは日本人の悪いところの典型」2011-09-19  
 『悪党 小沢一郎に仕えて』 ?
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ニコニコニュース 小沢一郎記者会見 一問一答2011-01-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 ニコニコニュース【速報】小沢一郎記者会見 一問一答 NCN 1月27日(木)18時13分配信
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菅原文太「日本人の底力」 ゲスト小沢一郎:百術は一誠に如かず2010-12-27 | 
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小沢一郎議員 インターネットメディア インタビュー 2010/12/232010-12-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 小沢一郎議員ロングインタビュー全容
掲載月日:2010年12月23日独立系メディア「今日のコラム」
インタビューアー 岩上安身氏・・・
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日本を語ろう フツーの市民vs小沢一郎/最も国民の生命、財産、人権を守るべき裁判所/民主主義国家/2011-10-05
 録画日時 : 2011/10/04 12:24 JST日本を語ろう フツーの市民vs小沢一郎
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関連:この国が恐ろしいのは、総ての権力が同じ方向を向いて走り、正義より自分たちの足元ばかり気にしている点だ2011-10-03
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民主党大会 小沢氏演説=この理念に沿った政治をこの国が渇望しないはずがない2010-09-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 民主党代表選に於ける小沢一郎氏演説
〈前段略〉
 私たちは今、直ちにこの3年間を国の集中治療期間と位置づけ、徹底した改革を断行し、実行していかなければなりません。しかしその改革は明治維新以来140年続く官僚主導の政治を、根っこから国民主導、政治主導に変えなければとても成し遂げられるものではありません。私の頭の中を占めているのはその思いなのであります。
 しかし、私は官僚無用論を言っているわけではありません。日本の官僚機構は世界に冠たる人材の集まっているところであると考えております。問題は政治家がその官僚をスタッフとして使いこなし、政治家が自分の責任で政策の決定と執行の責任を負えるかどうかということであります。
 私は40代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けて参りました。そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一日のごとくほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というのはそういうものであります。
 その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に染みて分かりました。だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみのない政党を作り、政権を変えるしかないという決意をもってこの17年間、政治活動を続けて参りました。
 改めて申しあげます。昨年、政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。この声に応えようと、菅総理大臣始め閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
 しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから絞り出した財源を国民の生活に返すという、去年の衆院選挙マニフェストの理念はだんだん隅においやられつつあるのではないでしょうか。実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット。これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけれども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけではないでしょうか。これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
 私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、(※)地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
 日本人は千年以上前から共生の知恵として、和の文化を築きました。われわれには共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が十分にあります。誰にもチャンスとぬくもりがある、豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた自立した政治家が自らの見識と自らの責任で政策を決定し実行に移さなければなりません。
 そして、霞ヶ関で集中している権限と財源を地方に解き放ち、国民の手に取り戻さなければなりません。そのため、国のひも付き補助金を順次すべて地方への一括交付金に改めます。これにより、地方では自主的な町作りやインフラ整備が可能になります。国、地方を通じた大きな節約効果と、そして地域経済の活性化が期待できます。また、地域での雇用が生み出され、若者がふるさとに帰り、仕事に就くこともできるようになります。
 国民の皆さんにご負担をお願いするのは、ここにいる皆さんがありとあらゆる知恵を絞って、できることすべてに取り組んでからでいいはずであります。そしてそれが、昨年の総選挙で民主党と国民との約束でなかったでしょうか。
 衆議院の解散総選挙はこうした改革に与えられた任期を費やして、その結果を出してからのことであります。官僚支配の140年のうち、40年間、私は衆院議員として戦い抜いてきました。そしてようやく官僚機構と対立できる政権の誕生にかかわることができました。われわれは国民の生活が第一の政治の幕開けにやっとこぎつけたのであります。
 官僚依存の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それはとりもなおさず、政治の歴史を20世紀に後戻りさせることになるからであります。私は代表になってもできないことはできないと正直に言うつもりであります。しかし、約束したことは必ず守ります。
 こう断言できるのは官僚の壁を突破して、国民の生活が第一の政治を実行するのは、最後は政治家の志であり、改革のきずなで結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。そして私自身は、民主党の代表すなわち国の最終責任者として、すべての責任を取る覚悟があります。
 今回の選挙の結果は私にはわかりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。従って最後にもう一つだけ付け加えさせてください。
 明治維新の偉業を達成するまでに多くの志を持った人たちの命が失われました。また、わが民主党においても、昨年の政権交代をみることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
 そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。皆さんのご指示、ご理解をお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。
...........
 ※憲法第13条
 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」


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