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毛細血管のように張り巡らされている官僚の天下り先/社保庁〜AIJ/犠牲になるのは若い人たちである

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中日春秋
2012年3月7日
 明らかになってきたのは、まるで毛細血管のように官僚の天下り先が張り巡らされている実態だ。投資顧問会社AIJが預かっていた二千億円近い企業年金資産が消えた問題は、厚生年金基金に大量に天下りしていた旧社会保険庁のOB人脈が背景に浮き上がってきた▼厚生労働省によると、二〇〇九年当時、六百十四の厚年基金があり、三分の二近くの三百九十九基金の理事などに六百四十六人の社保庁OBなどが天下っていた。資金運用の素人たちに「指定席」が数多く用意されていたのだ▼OBの一人は、AIJの実績拡大に深くかかわっていた。かつての社保庁人脈を通じ、高い利回りをうたうAIJの運用委託を勧め、被害を拡大させた。構造的な天下りによる「人災」と言ったら、言い過ぎだろうか▼政府はきのう、一三年度の国家公務員の新規採用数を政権交代前の〇九年度と比べ、四割削減する方針を決めた。消費税率を上げる前に、行政改革に取り組む政府の姿勢をアピールする狙いだろう▼ここでも犠牲になるのは若い人たちである。就職氷河期が続く中、国家公務員は一層の「狭き門」になる。パフォーマンスの陰で多くの学生が泣いている▼基金の運用に失敗しても、天下り官僚は公務員の共済年金から年金を受け取る。恵まれた老後ではないか。学生を苦しめる前に、政府にはやるべきことがある。
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AIJ問題 旧社保庁OBら646人天下り
東京新聞2012年3月6日 朝刊
 AIJ投資顧問(東京)による企業年金資産の消失問題で、厚生労働省は五日、全国の厚生年金基金に天下りした旧社会保険庁(現・日本年金機構)など国家公務員OBの役職員が、二〇〇九年五月時点で六百四十六人に上ったことを明らかにした。
 当時あった六百十四の厚年基金のうち三百九十九基金に国家公務員が天下っていた。六百四十六人の内訳は、理事など役員が四百六十六人、職員百八十人。
 AIJ問題では、年金コンサルタント会社を経営していた旧社保庁OBが天下り人脈を利用し、同庁から転じた基金幹部らにAIJへの投資委託を勧誘するなど、天下りが被害を拡大させたとの見方が出ている。
 厚労省が民主党厚労部門の幹部会議(座長・長妻昭元厚労相)で〇九年当時の調査結果を示した。
 旧社保庁からの天下り役職員をめぐっては、一〇年九月、厚労相だった長妻氏が基金などに対し、任期満了後の後任者は公募で選ぶよう要請。しかしその後、公募の効果は検証されていなかった。
 同幹部会議は、旧社保庁OBが年金コンサルタント会社を設立するなどの「創業型天下り」(長妻氏)についても、実態を調査するよう求めた。
 旧社保庁の天下りをめぐっては、一九九九年八月〜二〇一〇年九月までの約十一年間で、幹部二十三人が全国の厚年基金に再就職していたことが既に判明。厚労省は、さらに天下り職員の詳細な実態調査を進めている。
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 社保庁役人は犯罪人ばかりだったのか 全員逮捕して全貌を解明しろ 
日刊ゲンダイ2012年3月5日
 年金のデタラメ運営なんて彼らには瑣事だ。まだ暴かれていない巨大な犯罪が行われていたに違いない
 AIJの年金資産2000億円消失事件は、単なるサギみたいな話かと思ったら、とんでもなかった。社会保険庁のOBが深く関与。それで信用し、被害に遭った基金が数多くあるのだ。このOBは「虚偽の運用実績は知らなかった」と弁明、自分こそ“被害者”と言わんばかりだが、冗談じゃない。社保庁といえば、全員がフダ付きのような役所だった。そのOBが、またいい加減なことをした。この際、社保庁OBを全員とっ捕まえて、悪さをしていないか、調べてみたほうがいい。
  問題のOBは石山勲氏(74)。社保庁年金担当や厚生省保険局課長補佐を歴任し、2000年に退職。その後、都内の年金基金常務理事を務め、2004年4月にコンサルタント会社を設立した。設立時の出資金のうち、約半分はAIJ側が出資。また顧問料として年間約500万円が石山に支払われていた。
 「石山は社保庁の職員が天下りした各地の企業年金に、『AIJは運用に安定感がある』『優良な委託先』と薦めていました。年に2回、資金運用セミナーも開催。各地の年金担当者数十人を集め、AIJやほかの3社に投資商品のPRをさせていた。石山も『私が厳選した投資会社です』と後押し。すっかり信用して、AIJと年金資金の投資一任契約を結んだところも多かったようです」(経済担当記者)
  AIJのファンドには昨年3月時点で、84もの基金が投資をしているが、業績が拡大した背景には、こうした“天下りネットワーク”の存在があった。その一翼を担ったのが石山なのだが、本人は大手紙やテレビ局の取材に、「AIJは付き合いのある数多い社のうちの一社」「3〜4年前にコンサル契約を解消して以降は連絡をとっていない」と釈明。悪びれるそぶりもないのだから、フザケている。
 「社保庁OBの石山氏がAIJを薦めれば、そりゃ、みんな信用しますよ。被害を拡大させたという点では大きな責任があります。また、投資先は265社もあるのに、なぜセミナーではAIJら4社だけが商品PRをできたのでしょうか。大きな疑問です。AIJは2008年9月のリーマン・ショック後も、高利回りをうたい、業界では不審がられていた。石山氏は正しく運用しているのか、細かくチェックすることも必要でした。人に薦めるだけ薦めて、『後は知りません』というのは無責任すぎます」(年金問題に詳しいジャーナリストの岩瀬達哉氏)
  そんな石山の薦めにホイホイ乗った年金基金には、1999年以降、少なくとも23人の社保庁OBが再就職していた。彼らの年収は約1200万円ともいわれている。
  こうなると、コイツらは一体何なのか。社保庁といえば、「消えた年金」だけでなく、不祥事、悪さがこれでもかと発覚し、潰された組織だ。
 「幹部の収賄、職員の情報無断閲覧、マッサージ器の購入などデタラメの限りが露呈した。これで打ち切りかと思ったら、まだAIJがあったわけです。この調子だと、似たようなケースがいっぱい出てくるかもしれない。運用で大損を出しているのに隠している。そんなデタラメに社保庁OBが関わっている。こういうケースです。この際、全OBを問い詰めることが必要なのかもしれません」(前出の記者)
  経済評論家の荻原博子氏もこう言った。
 「国民は、年金でグリーンピアをつくり天下っていた年金福祉事業団に呆れ、不祥事続出の社保庁に驚き、日本年金機構に衣替えしても、まだこんな不祥事が出てくるのかとア然としている。そこに共通するのは、年金官僚に国民の老後の年金を守ろうという意識が決定的に欠落していることです。国民の老後よりも自分の老後のことしか考えちゃいない。人さまの金を運用しているという責任感も緊張感もない。こうなると、どれだけ我々の年金が食い物にされているのか、わかりませんよ」
  AIJの巨額損失はおそらく、氷山の一角だ。まだかわいい方かもしれない。それだけに全貌解明が急務だ。

 基金に天下り646人 旧社保庁OBがサラリーマンの年金を食い潰す
日刊ゲンダイ2012年3月6日
追及第2弾 許すな!年金シロアリ役人
<自分たちは共済年金だから損失出そうが知らん顔>
  どこまでもフザケたヤツらだ。年金にたかるシロアリの醜悪さは常軌を逸している。食い物にされたのは、AIJに委託した基金だけじゃなかった。
  AIJ投資顧問の巨額損失事件では、旧社保庁OBの天下りネットワークが被害を拡大させたことが明らかだ。「天下りの総数は把握していない」とシラバックレていた厚労省もついに観念したのか、5日になって、旧社保庁など国家公務員OBの「厚生年金基金」への天下り人数を発表した。
  それによると、全国の厚生年金基金に天下りしたOBは、09年5月時点で646人に上る。当時、全国にあった614の厚生基金の約3分の2にそれだけの天下り役人がいたというのだ。これは何も法的な根拠があるわけではない。半ば強制的に役所が押し付けてきたのである。
 「旧社保庁のOBから聞いた話ですが」と前置きして、役人の天下り問題に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏が明かす。
 「基金への天下りは、ほとんどが常務理事か事務長の立場で、年収は1000万円以上。表向きは、基金の側から『業務に精通している人材が欲しい』という書面を役所に出させて、適任者を送り込むことになっていますが、実態は厚労省からの押し付けです。OBの天下りを受け入れない基金には、受け入れるまで徹底的に嫌がらせをしたそうです。年金制度は複雑なうえ、法律がコロコロ変わる。基金向けに毎年、制度説明会が開かれるのですが、逆らう基金には説明に出向かなかったり、届け出を突き返したりする。それで、基金側は、嫌がらせをされないため、運用のプロでもないOBを受け入れざるを得ないのです」
  こうなるとヤクザ顔負けだ。OBを押し付けるために、わざと制度をフクザツにしているようにも見える。
 「ある基金関係者は『ヤクザや総会屋より役所の方がタチが悪い』と嘆いていました。大きな基金になると、6〜7人の理事を押し付けられることもある。そのうえ、基金の運営が適切かどうかを点検・監査する監事の側にもほとんどOBが天下っているので、ナアナアになりがちです」(若林亜紀氏=前出)
  年金を預かる側だけでなく、運用会社もチェックする側にも、およそ年金と名のつくところには必ず天下り役人が巣くっている。しかも、連中は公務員年金だから、厚生年金基金がどれだけ損失を出そうが知ったこっちゃないのだ。サラリーマンにとっては、背筋が寒くなるような話ではないか。いつだって、庶民の年金を食いつぶすのは役人だ。それで連中は平気な顔をしている。
  こんなデタラメがまかり通っていいはずがない。どう考えても、消費税増税の前にシロアリ退治が必要だ。国民をナメるのも、いい加減にしてもらいたい。
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