死刑存廃で両論併記=法務省勉強会、判断示さず
2012年3月9日10:16 JST.
小川敏夫法相は9日午前の閣議後の記者会見で、死刑制度に関する法務省内の勉強会がまとめた報告書を公表した。報告書は死刑制度の存廃について「哲学や思想に根差したもので、どちらか一方が正しく、一方が誤っているとは言い難い」として両論を併記。世論の賛否が分かれることを踏まえ、是非の判断には踏み込まなかった。法相は勉強会での議論は打ち切り、今後は死刑存続を前提に執行方法などを検討していく方針。
法相は会見で「報告書を死刑制度についての国民的議論の基礎資料にしてもらいたい」と語った。ただ、「議論をしているから執行しないということはない」と述べ、改めて死刑執行に前向きな姿勢を強調した。
報告書は、死刑廃止論の主な根拠として「残虐な刑罰だ」との意見や、「冤罪(えんざい)による執行の恐れ」を列挙。一方、存続論としては死刑制度の「犯罪抑止力」を強調、厳罰を求める被害者感情も挙げた。
[時事通信社]
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死刑 / 小川敏夫法相「議論をしているから執行しないということはない」
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