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進まぬ福島再生 悪者になる覚悟なき政治ごっこ 八方美人が復興阻み子供を犠牲にする〜森まさこ氏

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進まぬ福島再生、悪者になる覚悟なき政治ごっこ 未来が見えない。決断できない八方美人が復興阻み子供を犠牲にする〜森まさこ氏
JBpress ずばり勝負2012.03.09(金)
マット安川 今回は自民党参議院議員・森まさこさんが初登場。東日本大震災、東電福島第一原発事故から間もなく1年ですが、いまだ復興進まぬ地元・福島の実態と国のでたらめな対応を聞き、正直絶句しました。
■子どもを犠牲にして平気な日本国。国家として恥ずかしい
森 私は毎週末、また国会が終われば毎日、福島に帰っています。するとみんなに泣かれるんです。それくらい福島の状況は悪い。何も変わっていないどころか、むしろ悪くなっています。
  そして県民が何よりも辛いのは、将来の姿が見えないことです。将来がまったく見えないから、希望を持って暮らすことができない。
  これは人間にとって最も辛いことだということが私は身に染みて分かりました。それで涙が出るんです。その涙を持って国会に帰ってくるという辛い状況です。
  その国会が、まったく動きません。私がいま全精力を注ぎ込んで取り組んでいるのが、「原発被害子ども救済法」です。福島県民はせめて子どもだけでも守ってほしいと思っています。
  原子力は国が国策で進めてきたもので、もちろん自民党にもすごく責任がありますが、国はすべての責任を認めて、放射能を浴びた子どもが将来何かあった時に全力で守ってほしい。
  30年後に急に何かがあった時に、法律がなければ守ることができません。この当たり前の法律がどうして通らないのか。本当に悔しくてしょうがないです。
  野田(佳彦)総理は就任以来、「福島の再生なくして日本の再生なし」とおっしゃってこられた。1月7日に福島県にいらっしゃった時に、福島県知事(佐藤雄平氏)が県民みんなの思いを背負って、子どもたちの医療費はタダにしてくださいとお願いしたんです。
  総理は、たいへん重要な問題だから持ち帰り検討すると期待を持たせておきながら、そのあと断ってきた。そのできない理由というのが、不公平だからだというんです。ほかの県と比べて不公平だからだと。私たちは納得できません。
  ぜひ全国のみなさんに訴えたいんです。それって不公平ですか? 私の法案では、福島県だけでなく近隣県も含まれています。そういう危険な地域で放射線を浴びてしまった子どもたちの医療費を無料にすることが、それ以外の子どもたちと比べて不公平なことですか。
 放射能を浴びた子どもの方がずっと不公平ですよ。例えば、広島と長崎の「被爆者援護法」では、いまでも医療費は無料です。福島県の場合、大人は我慢する、せめて子どもだけでもと言っているんです。
  子どもを犠牲にするような国は、国じゃありません。世界に対して、国家として恥ずかしいです。
■政府の無策、無責任な対応で多くの避難民が放射能にさらされた
  最近、民間事故調(福島原発事故独立検証委員会)の報告書が出ました。それによると、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)では3月12日正午の時点で、浪江町の避難者たちの移動経路が真っ赤になっていました。
  つまり被害の大きなところを通されたわけです。当時、避難者を先導する消防担当の方々が、国に避難ルートをいくら聞いても示されないから、街の中を通った。
  そこは放射能が一番濃いところだったわけです。このほかに4本くらい避難ルートがあり、放射線が薄いルートを使うよう指示があればよかったんです。
  さらに、避難した津島支所には、ほかからも住民が集まってきていて1万人近い人が滞留していました。2回目の原発の爆発もここで受けています。ガソリンがなくここに滞留しているのに、政府からの助けは来なかった。
  一番濃い放射能が降り注いでいる中で、3月16日まで置き去りにされたんです。おにぎりは外で配られます。放射性物質がくっついたおにぎりを子どもたちは口に入れていたのです。
  SPEEDIについて、私は国会で何回も質問しましたが、菅(直人)前総理は知らなかったと言います。試算図を見たことがないと。
  私は、官邸に試算図のファクスが届いているところまではつきとめましたが、そのファクス用紙を総理は見ていないと言う。こんな重要なものを見ていないこと自体、危機管理体制としておかしい。
  SPEEDIは、ボタン一つで避難道路が出る機械です。何人収容できる施設がどこにあるといったことも分かる。これまでに多額の税金を費やし開発してきた、世界に誇る機械です。
  なぜこれを使わなかったのか、非常に残念です。
■民主党の大臣たちは悪役になる覚悟で決断せよ
  昨年12月、野田総理が原発事故の「収束宣言」を出しました。福島県民は誰一人収束したとは思っていません。この収束宣言は何のために出したかというと、1つは海外に対する言い訳、もう1つは作業員の危険手当が減るからです。
  いま原発の現場に入っている作業員は地元の人間です。大手のゼネコンや東電の正社員が入るわけではない。孫請け、ひ孫請けの20代、30代の地元の若者です。これから結婚して子どもをつくるような人たちに一番危ない現場に入らせている。
  その青年たちは、いま危険手当がほとんどもらえません。それでも危険なところに入っている。もちろん、ほかに仕事がないということもありますが、彼らはおカネではなく、とにかく自分の故郷を救いたいという一心なんです。
  もう一つ、立ち入り禁止になっている原発の地域は、いま放ったらかしの状態です。東電の賠償金は月々わずかなもので、残してきた土地や家、会社の建物といったすべての財産の補償はない。
  警戒区域内の若者は新しく自分の足で立ちあがりたいと考えていますが、そのためにも国は警戒区域内の土地や家を買い取るとか、新しいコミュニティーをつくる土地を示していただきたい。1年経ってもそういう将来ビジョンがまったくない。
  国がいっこうに将来像を示さないのは、悪者になりたくないからです。
  いまの政府はすべての人の意見を聞く、とてもいい人になっている。いい人すぎちゃって答えが出せない。政府にいい人は要らないんです。
  何か案を示したら、反対する人が必ずいます。警戒区域を全部除染しろ、元通りにしろと言う人もいます。しかし、それは実現不可能だと謝罪し、新しい場所を用意するしかないんです。
  中間貯蔵施設だって必要、仮置き場だって必要です。だけど地域住民は自分の隣の空き地に仮置き場を造られたら嫌です。だから県知事も首長も言えない。
  それを国が、ここだと決める。文句を言うな、仮置き場がなければがれきを集められないんだと。もちろん、それを言った大臣は矢を受けますよ。悪者になる。だけどリーダーたる者、悪者になってもいいから決断すべきです。
  民主党の大臣はみな決断ができない。それが本当に、福島弁で「ごせやける」んです。怒り心頭です。
 「マット安川のずばり勝負」3月2日放送
<プロフィール>
森 まさこ(もり・まさこ)氏
 自民党参議院議員、弁護士。福島県いわき市勿来生まれ。2006〜07年、金融庁(総務企画局)課長補佐・同(検査局)金融証券検査官を務め、賃金業法改正担当として与謝野馨大臣、後藤田正晴政務官、山本有二大臣、渡辺喜美副大臣に仕えた。2007年の参院選で初当選。
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民主党大会 小沢氏演説=この理念に沿った政治をこの国が渇望しないはずがない2010-09-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 民主党代表選に於ける小沢一郎氏演説
〈前段略〉
 さて、今回の立候補にあたっては、今日の危機的な政治経済事情の中で、果たして自分にその資質があるだろうか、政治の最高責任者として国民の生活を守るというその責任を果たすことができるだろうか、と本当に悩み、自問自答いたしました。それにもかかわらず立候補を決意をしたのは、今、政治を変えなければもう間に合わないという、私の切実な思いを正々堂々、世に問いかけたかったからであります。
 思い起こせば、私は27歳で衆議院議員に初めて立候補した際、選挙公報にこうつづりました。「このままでは日本の行く末は暗澹たるものになる。こうした弊害をなくすため、まず官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さなければならない」と。意志なき政治の行き着く先には国の滅亡しかありません。日本は敗戦を経て本質は変わっていないのではないか。若かりしころの、感じたその思いは初当選以来、いまなお変わっておりません。
 今日、わが国はデフレによる経済の収縮、少子高齢化の既存の社会制度のギャップによる不安など、経済も社会も危機的な状況に陥っております。
 世界で最も層が厚かった中間所得層が解体され、ごく少数の富裕層と数多くの低所得層への分化が急速に進んでおります。日本が誇った社会保障制度も崩れつつある中、2年後には団塊の世代が年金受給者となる日を迎えます。
 今、日本は、最も大事にされなければならないお年寄りがいなくなっても誰も気づかず、また、就職できない多くの若者が絶望感にさいなまされ、若い親が育児を放棄しわが子を虐待する。もはや高度成長がいろいろな問題を覆い隠してくれた時期はとうに過ぎ去って、社会の仕組みそのものが壊れています。そしてまた、日本人の精神風土も興廃し始めていると思います。
 今、ここで政治を見直し、行政を見直し、国のあり方を見直さなければ、もう日本を立て直すことができないのではないかと思います。多くの国民の皆さんも同じように感じていたのだと思います。昨年、われわれ民主党に一縷の思いを託し、政権交代を実現させていただきました。しかしもう1年が過ぎ、残された任期はあと3年であります。
 私たちは今、直ちにこの3年間を国の集中治療期間と位置づけ、徹底した改革を断行し、実行していかなければなりません。しかしその改革は明治維新以来140年続く官僚主導の政治を、根っこから国民主導、政治主導に変えなければとても成し遂げられるものではありません。私の頭の中を占めているのはその思いなのであります。
 しかし、私は官僚無用論を言っているわけではありません。日本の官僚機構は世界に冠たる人材の集まっているところであると考えております。問題は政治家がその官僚をスタッフとして使いこなし、政治家が自分の責任で政策の決定と執行の責任を負えるかどうかということであります。
 私は40代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けて参りました。そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一日のごとくほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というのはそういうものであります。
 その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に染みて分かりました。だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみのない政党を作り、政権を変えるしかないという決意をもってこの17年間、政治活動を続けて参りました。
 改めて申しあげます。昨年、政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。この声に応えようと、菅総理大臣始め閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
 しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから絞り出した財源を国民の生活に返すという、去年の衆院選挙マニフェストの理念はだんだん隅においやられつつあるのではないでしょうか。実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット。これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけれども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけではないでしょうか。これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
 私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、(※)地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
 日本人は千年以上前から共生の知恵として、和の文化を築きました。われわれには共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が十分にあります。誰にもチャンスとぬくもりがある、豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた自立した政治家が自らの見識と自らの責任で政策を決定し実行に移さなければなりません。
 そして、霞ヶ関で集中している権限と財源を地方に解き放ち、国民の手に取り戻さなければなりません。そのため、国のひも付き補助金を順次すべて地方への一括交付金に改めます。これにより、地方では自主的な町作りやインフラ整備が可能になります。国、地方を通じた大きな節約効果と、そして地域経済の活性化が期待できます。また、地域での雇用が生み出され、若者がふるさとに帰り、仕事に就くこともできるようになります。
 国民の皆さんにご負担をお願いするのは、ここにいる皆さんがありとあらゆる知恵を絞って、できることすべてに取り組んでからでいいはずであります。そしてそれが、昨年の総選挙で民主党と国民との約束でなかったでしょうか。
 衆議院の解散総選挙はこうした改革に与えられた任期を費やして、その結果を出してからのことであります。官僚支配の140年のうち、40年間、私は衆院議員として戦い抜いてきました。そしてようやく官僚機構と対立できる政権の誕生にかかわることができました。われわれは国民の生活が第一の政治の幕開けにやっとこぎつけたのであります。
 官僚依存の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それはとりもなおさず、政治の歴史を20世紀に後戻りさせることになるからであります。私は代表になってもできないことはできないと正直に言うつもりであります。しかし、約束したことは必ず守ります。
 こう断言できるのは官僚の壁を突破して、国民の生活が第一の政治を実行するのは、最後は政治家の志であり、改革のきずなで結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。そして私自身は、民主党の代表すなわち国の最終責任者として、すべての責任を取る覚悟があります。
 今回の選挙の結果は私にはわかりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。従って最後にもう一つだけ付け加えさせてください。
 明治維新の偉業を達成するまでに多くの志を持った人たちの命が失われました。また、わが民主党においても、昨年の政権交代をみることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
 そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。皆さんのご指示、ご理解をお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。
...........
 ※憲法第13条
 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」


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