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自民党 私利私欲ロートル3人衆/宗男氏に上告棄却、最高裁も町村氏を応援/金築誠志裁判長判決事例3件

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自民党 私利私欲ロートル3人衆
 2012年3月11日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ
 森喜朗元首相(74)、町村信孝元官房長官(67)、大島理森副総裁(65)――。民主党との「話し合い解散」「大連立」に前向きな自民党のロートル3人衆だ。森は以前から大連立が持論だし、町村と大島は密かに民主党と気脈を通じている。町村は今月2日、岡田副総理と会談していたことが明らかになっている。大島は昨年から藤村官房長官と会っていて、野田―谷垣の密会のお膳立てをしたという報道もあった。
 だが、この3人が熱心に動き回るのは、国民のためでも何でもない。“私利私欲”なのである。
「3人に共通するのは、田舎の選挙区で選挙はそこそこ強いけれど、前回は民主党に脅かされ、命からがら上がってきたということです」(自民党関係者)
 石川2区の森は、娘のような年齢の田中美絵子議員に4469票差まで迫られた。青森3区の大島は田名部匡代議員を振り切ったものの、わずか367票差だった。北海道5区の町村は、10年の補欠選挙こそ小選挙区で当選したが、09年は比例復活の煮え湯を飲まされた。3人とも思い出したくない苦い経験があるのだ。
 民・自がいま、消費税増税で大義のない“談合”をしたら、有権者は民主党からも自民党からも離れ、反消費税の票は第3極へ向かう。だから、橋下旋風が怖い自民の中堅・若手は猛反発し、みんなの党の渡辺代表は「大連立大歓迎」と皮肉っている。
 しかし、森、町村、大島の思惑は違う。
「橋下・維新の会やみんなの党が多くの票を集めるのは都市部です。候補者にしても東北や北陸ではなかなか擁立が難しい。そう考えると、彼らの敵はやはり民主党の候補者。民・自の大連立ならば、民・自に政策的な違いがなくなり、その結果、地元での浸透度や後援会の実力が問われる選挙になる。ベテランに分があるという読みです」(前出の自民党関係者)
 ロートルの肝っ玉の小ささは、中堅・若手に見透かされている。
(日刊ゲンダイ2012年3月8日掲載)
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北海道補選/検察の権限が政治的に不当な影響を及ぼし、最高裁も自民党を応援した2010-10-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
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「政治主導か官僚主導か」の戦い/メディアは「官僚支配」を「民主主義」と国民に信じ込ませてきた2010-09-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
あぶりだされるこの国の姿
内憂外患2010年09月10日 08時00分 田中良紹
 民主党代表選挙によってこの国の姿があぶりだされている。「官僚支配」を続けさせようとする勢力と「国民主権」を打ちたてようとする勢力とがはっきりしてきた。
 アメリカは日本を「異質な国」と見ている。「異質な国」とは「自由主義経済でも民主主義でもない国」という意味である。ある知日家は「日本は、キューバ、北朝鮮と並ぶ地上に残された三つの社会主義国の一つ」と言った。またある知日家は「日本の司法とメディアは官僚の奴隷である。そういう国を民主主義とは言わない」と言った。
 言われた時には反発を感じた。「ロシアと中国の方が異質では」と反論したがその人は首を横に振るだけだった。よくよく自らの国を点検してみると言われる通りかもしれない。何しろ百年以上も官僚が国家経営の中心にいる国である。財界も政界もそれに従属させられてきた。「官僚支配」が国民生活の隅々にまで行き渡り、国民にはそれが当たり前になっていておかしさを感じない。
 北朝鮮には顔の見える独裁者がいるが、日本には顔の見えない「空気」がある。「空気」に逆らうと排斥され、みんなで同じ事をやらないといけなくなる。その「空気」を追及していくと長い歴史の「官僚支配」に辿り着く。それが戦後は「民主主義」の衣をまとった。メディアは「官僚支配」を「民主主義」と国民に信じ込ませてきた。
 確かに複数の政党があり、普通選挙が行なわれ、国民の意思が政治に反映される仕組みがある。しかし仕組みはあっても国民の意思で権力を生み出す事が出来ない。どんなに選挙をやっても自民党だけが政権につくカラクリがあった。社会党が選挙で過半数の候補者を立てないからである。つまり政権交代をさせないようにしてきたのは社会党であった。表で自民党、裏では社会党が協力して官僚は思い通りの国家経営を行ってきた。
 民主主義とは与党と野党が権力闘争をする事である。そうすれば国民が権力闘争に参加する事が出来る。選挙によって権力を生み出すことが出来る。ある時はAという政党に権力を与え、次にBという政党に権力を与える。AとBは権力を得るために切磋琢磨する。それが官僚にとっては最も困る。異なる二つの政策の政党を両方操る事は出来ないからだ。それが昨年初めて政権交代した。
 官僚の反撃が始まる。政権与党に分裂の楔を打ち込む工作である。一つは「政治とカネ」の攻撃で、もう一つは野党に昨年の選挙のマニフェストを批判させる事で民主党の分裂を誘った。最大の攻撃対象は小沢一郎氏である。それさえ排除できれば、民主党も自民党も手のひらに乗せる事が出来る。小沢なき民主党は自民党と変わらなくなる。それが官僚の考えである。案の定、昨年の民主党マニフェストが批判されると菅総理は自民党と似たような事を言い始めた。
 従って民主党代表選挙は「政策論争」の選挙になる筈だった。積極財政を主張する小沢氏と緊縮路線の菅氏の政策競争である。小沢氏は政策を掲げて路線も明確にした。ところが菅氏が路線を明確にしない。「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と経済政策としては全く意味不明の事を言いだし、次いで「政治とカネ」を争点にした。
 積極財政と緊縮財政は、かつて自民党内の党人派と官僚出身者がそれぞれ主張した事から、「政治主導」か「官僚主導」かに分類する事は出来る。また総理就任以来の菅総理の言動は財務省官僚のシナリオで、かつての竹下元総理と同じである。大蔵省の言う通りの政権運営をした竹下氏を金丸氏や小沢氏が批判して経世会は分裂した。
 それだけ見ても小沢VS菅の争いは「政治主導」と「官僚主導」の戦いだが、菅氏が「政治とカネ」を持ち出した事でさらにその意味が倍加された。「政治とカネ」はロッキード事件以来、検察という行政権力が政界実力者に対して犯罪とも思えない事案をほじくり出し、それをメディアに騒がせて国民の怒りを煽り、無理やり事件にした一連の出来事である。
 小沢氏の疑惑も何が事件なのか元司法担当記者である私にはさっぱり分からない。騒いでいるのは検察の手先となっている記者だけだ。メディアは勝手に小沢氏を「クロ」と断定し、勝手に「政界追放」を想定し、勝手に「総理になる筈がない」と決め付けた。小沢氏が代表選に立候補すると、自分の見立てが外れて慌てたのか、「あいた口がふさがらない」と相手のせいにした。無能なくせに間違いを認めないメディアのいつものやり口である。
 メディアはこれから必死で小沢氏が総理にならないよう頑張るだろう。世論調査をでっち上げ、選挙の見通しをでっち上げ、足を引っ張る材料を探し回る。世論調査がでっち上げでないと言うなら、いくらの費用で、誰に調査させ、電話をした時間帯、質問の順序、会話の内容などを全て明らかにしてもらいたい。街頭インタビューと同様、あらかじめ決めた結論に沿ったデータを作る事などメディアにとっては朝飯前だ。
 メディアが頑張れば頑張るほどメディアの実像が国民に見えてくる。メディアは今自分があぶりだされている事に気づいていない。自らの墓穴を掘っている事にも気づいていない。
 「政治とカネ」が裁判になると「事実上は無罪だが有罪」という訳の分からない判決になる事が多い。しかし政治家は逮捕される前からメディアによって「クロ」にされ、長期の裁判が終る頃に「事実上の無罪」になっても意味がない。アメリカの知日家が言う通り、この国の司法は民主主義国の司法とは異なるのである。
 それを裏付けるように最高裁判所が9月8日、鈴木宗男氏に「上告棄却」を言い渡した。民主党代表戦挙の1週間前、北海道5区補欠選挙の1ヵ月半前である。多くの人が言うように一つは小沢氏を不利にする効果があり、もう一つは自民党の町村信孝氏を有利にする効果がある。最高裁の判決は二つの政治的効果を狙ったと疑われても仕方がない。疑われたくなければ10月末に判決を出しても良かったのではないか。
 北海道5区の補欠選挙への鈴木氏の影響力は大きいと言われる。自民党最大派閥の領袖が民主新人に敗れるような事になれば町村派は消滅する。官僚にとって都合の良い自民党が痛手を受ける。だからその前に判決を出した。民主党代表選挙に関して言えば、その日開かれた菅陣営の会合でいみじくも江田五月氏が言及した。「だから菅さんを総理にしよう」と発言した。最高裁判決は菅氏を応援しているのである。
 司法もまたその実像を国民の前にさらしている。行政権力に従属する司法が民主主義の司法なのか、国民はよくよく考えた方が良い。それを変えるためには国民の代表が集う国権の最高機関で議論してもらうしかない。
 江田氏が最高裁判決に言及した菅陣営の会合での馬渕澄夫議員の発言にも驚いた。「民主主義は数ではなく、オープンな議論だ」と言ったのである。すると民主党議員の間から拍手が巻き起こった。申し訳ないが民主主義を全く分かっていない。重大な事案をオープンな場で議論する国など世界中ない。どんな民主主義国でも議会には「秘密会」があり、肝心な話は密室で行なわれる。
 日本の国会が異常なのは「秘密会」がない事だ。重大な話は官僚が決め、政治家に知らされていないので「秘密会」の必要がない。オープンな場で議論できることは勿論オープンで良いが、それだけで政治など出来る訳がない。「オープンな議論」を強調する議員は「官僚支配」を認めている話になる。政治主導を本当にやるのなら、「オープンな議論」などという子供だましをあまり強調しないほうが良い。
 民主主義は数である。国民の一票が大事な制度だからである。それをおろそかにする思想から民主主義は生まれない。政策を決めるにも一票が足りずに否決される事を考えれば、数がどれほど大事かが分かる。それに加えてアメリカでは「カネ」が重視される。「カネ」を集める能力のない人間は政治家になれない。
 菅陣営にはそういうことを理解する人が少ないようだ。この前の国会でも「オバマ大統領は個人献金でヒモ付きでないから、金融規制法案も提案できるし、核廃絶を言う事も出来る。企業の献金を貰っていたらそうはならない」と発言した民主党議員がいて、菅総理がそれに同調していた。
 とんでもない大嘘である。オバマに対する個人献金は全体の四分の一程度で、ほとんどはウォール街の金融機関からの企業献金である。企業から献金を受ければ政治家は企業の利益のためにしか働かないというのは下衆の考えで、献金を受けても政策はそれと関係なく実行するのが政治家である。核削減も平和のためと言うより米ロの交渉に中国を加えたいのがオバマの真意だと私は思うが、とにかく献金を受けるのが悪で貰わないのが善という驚くほど幼稚な議論をこの国は続けている。
 政治家が幼稚であれば官僚には好都合である。このように民主党代表選挙は図らずもこの国の様々な分野の実像を見せてくれる契機になった。そして改めて対立軸は「官僚支配」を続けさせる勢力と、昨年の選挙で初めて国民が実感した「国民主権」を守る勢力との戦いである事を認識させてくれる。
田中良紹
ジャーナリスト
1945年宮城県仙台市生まれ。1969年慶應義塾大学経済学部卒業。同年(株)東京放送(TBS)入社。 ドキュメンタリー・デイレクターとして「テレビ・ルポルタージュ」や「報道特集」を制作。また放送記者として裁判所、警察庁、警視庁、労働省、官邸、自民党、外務省、郵政省などを担当。ロッキード事件、各種公安事件、さらに田中角栄元総理の密着取材などを行う。 1990年にアメリカの議会チャンネルC-SPANの配給権を取得して(株)シー・ネットを設立。TBSを退社後、1998年からCS放送で国会審議を中継する「国会TV」を開局するが、2001年に電波を止められ、ブロードバンドでの放送を開始する。2007年7月、ブログを「国会探検」と改名し再スタート。
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〈来栖の独白〉2010-09-09 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
 司法官僚が全身ものすごい形相で小沢一郎氏に襲い掛かっている、その形相に戦慄した。
 鈴木宗男氏の上告棄却の一報に接したのは昨日(8日)昼過ぎだったが、頭が色んな考えに溢れた。司法への嫌悪・憤り、宗男氏への思い(お気の毒でならない)、安田弁護士や石川知裕議員がどんなに憤っているだろう、などと心も刻まれた。
 夕方頃より、虚脱したように「小沢さんは、この戦いに(民主党代表選に)負けるだろうなぁ」と思うようになった。負けるだろう。これだけ官僚(判検司法官僚)が係ってきては、勝てない。
 おまけに、走狗のメディアが宗男氏を悪者に、大報道する。負ける・・・。
 また、これも予想したことだが、NHKは9時からの報道番組で民主党江田五月の言葉を伝えた。「もう、“政治とカネ”からは手を切りましょう」(言葉は正確ではないと思う。その「意味」のことを言った)。破廉恥にも、ほどがある。何でも徹底利用する。情け容赦も正義感も、廉恥心も、ない。江田は、こんなにも賤しく浅ましい男だ。
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“検察の正義”に委ねていいのか? 検察を支配する「悪魔」
 自民党中心の政権がずっと続いていた時代には、そのこと自体はあまり問題ありませんでした。なぜかというと、検察も政治的に大きな影響を及ぼさないように自制的に権限行使をしてきたからです。しかし現在の日本は、国民の主体的な選択によって政権が選択され、それがまだ不安定な状況です。こういう状況において検察は、「検察の権限が政治的に不当な影響を及ぼすことについての危機感というものを、もっと強く持つ必要があるのではないか」と思います。
ムネオ日記 2010年9月8日(水) 鈴木宗男 / 検察ストーリー「小沢が悪で、正義は検察権力」 
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鈴木宗男議員上告棄却/小沢一郎氏/石川知裕議員/安田好弘弁護士2010-09-08 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 鈴木議員の実刑確定へ=無罪主張の上告棄却―受託収賄など4事件・最高裁
時事通信 9月8日(水)13時47分配信
 受託収賄、あっせん収賄など四つの罪に問われた衆院議員鈴木宗男被告(62)の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は7日付で、被告側上告を棄却する決定をした。懲役2年、追徴金1100万円の実刑とした一、二審判決が確定する。
 鈴木被告は確定後、収監される。公選法などの規定により、確定すれば失職し、懲役刑の執行後5年間は立候補できなくなる。
 鈴木被告は、政治資金規正法違反罪と議院証言法違反罪を含め、一貫して全面無罪を主張していた。
 2004年の一審東京地裁判決は、すべての事件を有罪と認定した上で、「高度の廉潔性を求められる要職にありながら国民の信頼を裏切った」と非難。「反省は皆無で、虚偽の陳述をしてはばからない被告に刑を猶予するのは相当ではない」として、実刑を言い渡した。
 二審東京高裁も08年、「行政に不当な影響を及ぼし、社会の信頼を害した」として、一審を支持していた。鈴木被告をめぐる一連の事件では、佐藤優外務省元主任分析官(50)ら12人が起訴され、鈴木被告を除く11人の有罪が確定している。
 判決によると、鈴木被告は北海道開発庁長官、官房副長官だった1997〜98年、林野庁への口利きの見返りなどとして、2社から1100万円のわいろを受領するなどした。
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最高裁の決定要旨
 衆院議員鈴木宗男被告の上告を7日付で棄却した最高裁の決定の要旨は次の通り。2010/09/08 13:53【共同通信】
 【結論】
 弁護人の上告趣意のうち、判例違反の点は事案を異にする判例を引用するもので適切でなく、その余は、憲法違反の点を含め、実質は事実誤認、単なる法令違反の主張で、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。
 【職権判断】
 受託収賄罪の成否について職権で判断する。
 北海道開発庁長官だった被告が、港湾工事の受注に関し特定業者の便宜を図るように北海道開発局港湾部長に働き掛ける行為は、職員への服務統督権限を背景に、予算の実施計画作成事務を統括する職務権限を利用して、職員に対する指導の形を借りて行われた。
 被告には港湾工事の実施に関する指揮監督権限はないとしても、働き掛けた内容は、実施計画で概要が決定される港湾工事について、競争入札を待たずに工事業者を事実上決定するものだった。
 このような働き掛けが金銭を対価に行われることは、北海道開発庁長官の本来的職務として行われる予算の実施計画作成の公正、その公正に対する社会の信頼を損なうものである。従って働き掛けは、北海道開発庁長官の職務に密接な関係のある行為というべきだ。
 弁護人は、談合にかかわる行為は、正当な職務としておよそ行い得ない違法な類型であるから、職務に密接な関係のある行為とはなり得ないと主張するが、密接関係行為に当たるかは本来の職務との関係から判断されるべきだ。違法行為であることで、その判断は直ちには左右されないと解するのが相当である。
 また受注業者の指名が港湾部長の職務権限に属することを認定せずに、指名について港湾部長を指導することが北海道開発庁長官の職務権限に属するとした二審の判断が判例(1995年2月22日大法廷判決)に違反すると主張する。
 しかし収賄罪の構成要件である「職務に関し」は、収賄公務員の職務との関連性。他の公務員に働き掛けることの請託を受けて収賄した場合であっても、働き掛けを受ける公務員の職務との関連性は構成要件そのものではない。一般的には、その職務関連性をそれ自体として認定する必要はないというべきである。
 そうすると、働き掛けを行うよう請託を受け、その報酬として金銭の供与を受けた行為が受託収賄罪に当たるとした二審の判断は正当である。
 【金築誠志裁判官の補足意見】
 受託収賄罪における北海道開発庁長官の職務権限につき、意見を補足的に述べる。
 弁護人引用の判例は、内閣総理大臣の職務権限に関するもの。内閣総理大臣については、直接に行政事務を行うことを認めるのは相当ではないとする見解が有力で、指揮監督権限は行政全般にわたる反面、極めて一般性・抽象性が高い。働き掛けを受ける公務員の職務関連性を認定することで、職務権限を認定せざるを得ない面があり、一般化は相当でない。
 働き掛けた事項が相手先の公務員の職務と無関係であれば、働き掛けに職務関連性を認めることが困難となろうが、働き掛けを受ける公務員に収賄公務員の職務関連性以上のものが要求されると解すべきではない。少なくとも働き掛けを受ける事項と職務との間に密接な関係があれば足りると解すべきである。
 港湾部長は、港湾工事の計画作成・実施に関して職務権限を有し、慣行的、常態的に本命業者の指名を行っていた。組織的に事実上職務行為化した行為とも評価でき、港湾部長の職務と密接な関係を有する行為であることは明らかだ。
 官製談合での本命業者の指名は、収賄罪の職務にはなり得ないと主張するが、収賄罪での職務が適法なものに限られないことは加重収賄罪の存在からも明らか。慣行化した官製談合の違法性、それによる信頼棄損と、慣行を利用してわいろを収賄することの違法性、それによる職務の公正に対する信頼棄損とは、別個の評価が可能。今回のような行為に関するわいろ収受が、職務の公正に対する信頼を害する程度が低いとは到底いえない。職務密接関係性を否定することは相当ではない。
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〈来栖の独白2012/3/11Sun.〉 
 宗男氏の他の金築誠志裁判長の判決を以下に2件のみ記しておきたい。
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広島3人殺害/中村国治被告;無罪確定へ/最高裁 金築誠志裁判長;無罪推定の原則を貫く姿勢2012-02-24 | 死刑/重刑/生命犯 問題
 広島3人殺害:無罪確定へ「疑い濃い」異例の言及…最高裁
毎日新聞2012年2月24日 20時34分 更新:2月24日 21時37分
 広島市西区で01年、保険金目的で母と2人の娘を殺害したとして殺人や詐欺、現住建造物等放火罪などに問われ、1、2審で無罪とされた中村国治被告(41)の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志<かねつき・せいし>裁判長)は22日付で検察の上告を棄却する決定を出した。小法廷は「被告が犯人である疑いは濃いが、自白内容の不自然さは否定できない」と、異例ともいえる言及をした。無罪が確定する。
 検察の死刑求刑に対し1、2審が無罪としたのは78年以降、佐賀県北方町(現武雄市)の3女性連続殺人事件(87〜89年)と、富山県高岡市の暴力団組長夫妻殺害事件(00年)の2例が確認されているが、ともに2審で確定。検察が上告して最高裁で無罪が確定するのは初とみられる。
 中村被告は01年1月、実家で実母(当時53歳)を絞殺後に放火し長女(同8歳)と次女(同6歳)を焼死させ、3人の生命保険金など約7300万円を詐取したとして起訴された。被告と犯行を結びつける物証はなく、唯一の証拠である捜査段階での自白の信用性が争われた。保険金目的の動機などを自白したが、公判では「警察の取り調べに迎合した」と完全否認に転じ、1審・広島地裁と2審・同高裁は信用性を否定して無罪とした。
 小法廷は(1)自白内容が母の死因など客観的な証拠と一致(2)逮捕前から起訴まで自白を維持(3)妹に「極刑になる」と手紙を送っている−−などを挙げ「信用性は相当に高いという評価も可能」とした。
 しかし、保険金目当てなのに契約や額について漠然とした認識しかなかったことや、放火時にまいたとされる灯油が被告の服に付着していなかったことなどを不自然として信用性を否定した2審判決の評価を「論理則、経験則に違反するとはいえない」と支持した。
 横田尤孝(ともゆき)裁判官は検察幹部として事件に関与したため審理を回避し裁判官4人全員一致の意見。【石川淳一】
 ◇解説 無罪推定の原則鮮明に
 「被告が犯人である疑いが濃い」とまで言及しながら1、2審の無罪判断を支持した最高裁の決定は「下級審の事実認定を心証で覆してはならない」という立場に徹した形だ。同じ小法廷は13日、裁判員裁判で初の全面無罪となり2審が逆転有罪とした覚醒剤密輸事件を巡る判決で、「控訴審は事後審査に徹すべきだ」との初判断を示しており、無罪推定の原則を貫く姿勢を鮮明にしたといえる。
 13日の判決は「控訴審は原則として1審の事実認定を尊重すべきだ」との初判断を示し再逆転無罪とした。国民参加の裁判員裁判を意識した判決だが、今回の事件は同制度施行後に起きていれば、まさに国民が「死刑か無罪か」の究極の選択を迫られるケースだ。
 「証拠に基づかず破綻している」とした2審判決に対し、検察は「健全な社会常識から被告が犯人だと優に認定できる」と異例の上告に及んだが、認められなかった。山口県光市の母子殺害事件の第1次上告審判決が主張を認めて高裁に差し戻した後、死刑求刑事件の検察側上告は10回連続で退けられている。
 検察には厳しい判断だが、死刑求刑したメンツにこだわるかのような上告を戒めたともいえる。1審段階で十分な認定を得るための捜査・公判活動が一層求められており、それを実現するために捜査機関と検察がどうすればよいかという論議も急務だ。【石川淳一】
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君が代訴訟 最高裁判決 「停職・減給処分」=取り消し/「戒告」=妥当2012-01-16 | 政治/橋下徹/香山リカ 
 日の丸訴訟、停職と減給は慎重に 最高裁、一部処分取り消し
 日の丸・君が代訴訟の判決を受け「分断判決弾劾」の垂れ幕を掲げる原告側弁護士=16日午後、最高裁前
 学校行事で校長の職務命令に反して日の丸へ向かっての起立や君が代の斉唱などを拒否し、地方公務員法に基づく停職や減給、戒告の懲戒処分を受けた東京都の公立学校の現・元教職員ら計約170人が処分取り消しなどを求めた訴訟3件の上告審判決が16日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)であった。
 判決は「戒告を超える減給以上の処分の選択には慎重な考慮が必要」との考えを示した上で、停職の2人のうち1人と、減給の1人については「処分は裁量権の乱用で違法だ」と処分を取り消した。停職の別の1人と残る原告の戒告は妥当と判断した。
2012/01/16 20:20 【共同通信】
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