国税が東京新聞を徹底調査する「理由」
現代ビジネス「永田町ディープスロート」2012年03月13日(火)
通常国会で消費税増税についての論戦が本格化するなか、永田町と目と鼻の先にある日比谷公園前のビルでは、まったく別の緊張感高まる事態が起きていた。
「昨年夏から半年近くもの長きにわたって、中日新聞グループに名古屋国税局と東京国税局を中心とした大規模な税務調査が入っています。そうした中で東京新聞(中日新聞東京本社)が税務調査に入っている国税官から資料分析のために一部屋要求されたため、一部の社員の間では、東京での?本格調査?が行われるのではと緊張が走ったようです」(同社関係者)
複数の同社関係者によると、今回の国税当局の徹底調査ぶりは異常で、同社記者らが取材相手との「打ち合わせ」や「取材懇談」に使った飲食費を経費処理した領収書を大量に漁り、社員同士で飲み食いしていた事例がないかなどをしらみつぶしに調べているという。
「実際に取材相手と飲食したのかどうか飲食店まで確認が及び、名古屋ではすでに社員同士で飲み食いしていた事例が見つかったようだ。一方で『これでは取材源の秘匿が危機にさらされる』と一部では問題視されてもいる」(同前)
ここ数年、大手紙のほか、民放各局、出版社などが相次いで国税の税務調査を受けていることから、「たんに順番が回ってきただけ」と意に介さない向きもあるが、
「中日新聞グループは、野田政権がおし進める消費税増税に対して反対の論陣をはる最右翼。今回の徹底調査の裏には、国税=財務省側の『牽制球』『嫌がらせ』の意図が透けて見える」
との見方も出ている。
事実、中日・東京新聞は「野田改造内閣が発足 増税前にやるべきこと」(1月14日)、「出先機関改革 実現なくして増税なし」(1月30日)などの見出しで社説を展開、「予算が足りず、消費税率を引き上げると言われても、死力を尽くした後でなければ、納得がいかない」などと強く主張し、新規の読者も増やしてきた。それが今回の国税側の?徹底攻撃?で、筆を曲げることにならないといいのだが。
『週刊現代』2012年3月17日号より
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「電波止めるぞ!」民主党幹部が目の敵にする表現の自由
現代ビジネス「永田町ディープスロート」2012年03月13日(火)
「間違った情報ばかり流すなら、電波を止めてしまうぞ!政府は電波を止めることができるんだぞ。電波が止まったら、お前らリストラどころか、給料をもらえず全員クビになるんだ」
いまどき、こんな暴言を吐く政治家がいたとは驚くほかないが、これは民主党の輿石東幹事長の発言である。
「2月23日の幹事長番記者たちとのオフレコ懇談での発言でした。『野田政権が、税と社会保障の一体改革から社会保障の部分を切り離し、消費増税法案を先行させる見込み』というフジ他各社の報道を問題視し、『間違った情報を流しやがって!裏を取っていない情報を流すな!』と恫喝した」(大手メディア幹部)
輿石氏は「間違った情報」と言うが、報道の元になったのは、同じ日の前原誠司・政調会長の会見。前原氏が年金一元化など社会保障関連法案の提出を4月以降に先送りすると発言したため、前述のような報道になったのだが・・・・・・。
「民主党幹部の言うことがバラバラなんですよ。原因は党をまとめられない輿石氏の力量不足に他ならないのですが、自分のことは棚に上げ、マスコミに八つ当たりしている」(同)
それにしても、野田政権幹部のメディアに対する高圧的な姿勢は悪質だ。輿石氏は2月1日にも、朝日新聞の見出しが気に入らないとして、「またやったな!政治部長を呼んで抗議するからな」と吠えている。
前原氏も、産経新聞に「言うだけ番長」と揶揄されて激怒し、同紙記者を会見から排除。与野党からの批判で撤回したが、政治家としての器量の小ささを、自ら曝け出した。
さらにポスト野田の有力候補とされる玄葉光一郎外相も、2月9日の番記者とのオフレコ懇談で、沖縄の米軍基地再編問題に関する報道が気に入らないとして、「とくに共同通信の解説が酷い」などと、くどくどクレームをつけたという。
かつて小泉進次郎議員から「自由があるのが自民党。自由がないのが民主党」と揶揄された民主党だが、意に添わない報道を目の敵にする姿勢は目に余る。
この人たちには報道や表現の自由という常識は通じないらしい。
『週刊現代』2012年3月17日号より
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