5歳児虐待死の母に懲役9年6月=「子どもを人間扱いしていない」−奈良地裁
奈良県桜井市で5歳だった長男を餓死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の無職吉田真朱被告(27)の裁判員裁判で、奈良地裁(橋本一裁判長)は10日、「子どもを人間扱いしていないような無慈悲で残酷な犯行で、自分のストレスのはけ口とするなど動機も自己中心的だ」などとして、懲役9年6月(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
判決によると、吉田被告は、普段から十分な食事を与えていなかった長男の智樹ちゃんが2009年9月ごろから衰弱していると知りながら、夫だった博被告(36)=同罪で起訴=と共謀して治療を受けさせずに放置し、10年3月3日、栄養失調で死なせた。
公判で真朱被告側は起訴事実を認めた上で、犯行当時心神喪失か心神耗弱状態だったとして、懲役2年が相当と主張したが、橋本裁判長は「パートの仕事を続けているほか、自ら児童相談所に通報しており、善悪を判断する能力が著しく損なわれてはいなかった」として退けた。(時事通信2011/02/10-18:18)
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5歳児餓死で懲役10年求刑 奈良地裁で検察側
奈良県桜井市の自宅で昨年3月、長男の吉田智樹ちゃん=当時(5)=を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の真朱被告(27)の裁判員裁判が9日、奈良地裁(橋本一裁判長)で開かれ、検察側は「陰湿で卑劣」として懲役10年を求刑した。判決は10日に言い渡される。
検察側は、被告は長女の養育は問題無く行い、瀕死の智樹ちゃんを見て自ら児童相談所に通報したなどとして「完全な責任能力があった」とした。
弁護側は、当時「うつ病もしくは、なんらかの精神疾患を患っていた」として、心神喪失あるいは心神耗弱状態だったと主張した。
真朱被告は最終意見陳述で、「一生かかっても償いきれないと思っています」と涙を流した。
論告によると、真朱被告は昨年3月、十分な食事を与えず智樹ちゃんを放置し、餓死させたなどとしている。
2011/02/09 13:29共同通信
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桜井の5歳児餓死:「私がお母さんでごめんね」 謝罪の言葉で号泣 /奈良
桜井市の自宅で長男(当時5歳)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親で無職、吉田真朱(まみ)被告(27)の裁判員裁判は8日、奈良地裁(橋本一裁判長)で被告人質問があった。真朱被告は、亡くなった智樹君に対して「私がお母さんでごめんね」と謝罪したが、動機については明言しなかった。【高瀬浩平、岡奈津希】
真朱被告は、謝罪の言葉を口にして号泣した。弁護側の質問では、昨年3月3日に智樹君が救急搬送され、事件が発覚するまで、死亡するとは考えていなかったと説明。「前日もご飯を口元まで持っていって食べさせたと思う。当日はだるそうでいつもと違った」と述べた。
検察側は智樹君の体形の変化について質問。真朱被告は「やせてきたのに気づいたのは09年7、8月」と答え、衰弱を認識していたことを認めた。しかし、「病院に連れて行こうと思わなかったか」と問われると、「何も考えていなかった」と小声で繰り返した。
一方、真朱被告は弁護側の質問で、診療報酬詐欺・業務上過失致死事件の舞台となった大和郡山市の山本病院で02年ごろに数カ月間、看護助手として働いていたことを明らかにした。「患者が次々と亡くなり、頭がおかしくなりそうだった。ぜんそくの発作で運ばれた患者に心臓カテーテルをしたり、前の夜までしゃべっていた人が吐血して亡くなったりして仕事が続かなくなった」と振り返った。このため、看護師になるという目標を果たせなかったという。
毎日新聞 2011年2月9日 地方版
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桜井の5歳児餓死:裁判員裁判 「愛情や関心なくなった」起訴の父親証人尋問 /奈良
桜井市の自宅で長男(当時5歳)を餓死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親で無職、吉田真朱(まみ)被告(27)の裁判員裁判は3日、奈良地裁(橋本一裁判長)で、父親の博被告(36)=同罪で起訴=の証人尋問があった。博被告は、智樹君(当時5歳)を09年9月以降、亡くなる10年3月まで見なかったといい、「愛情や関心がなくなった」と虐待の実態を語った。
博被告は、06年12月に長女(4)が生まれてから、智樹君をロフトで生活させたと説明。09年春、智樹君が床にマヨネーズなどをまき散らしたことがあり、真朱被告から「ボコボコにした。殺しそうになった」と聞いた。これをきっかけに2人は智樹君をトイレに閉じ込めて外出するようになった。
博被告が09年9月、最後にロフトで智樹君のおむつを替えた時、「高齢者のようなおしりだった」という。以後は一度も顔を見ず、自ら食事や水を与えたこともなかった。真朱被告は、博被告の姉が作った借金60万円を返済しており、博被告は「負い目があり、けんかして真朱が発狂するのを避けたかった」と弁解した。
裁判員は6人全員が女性。このうちの1人が姉との関係について質問し、博被告は「女性に弱く、姉の言いなりだった」と答えた。
大阪府監察医を務める河野朗久医師(小児法医学)は証人尋問で、「飢餓状態で意識がある限り、冷水に手を入れた時をはるかに上回るきつい痛みがある。(遺体は)おなかを触ると背骨が触れる状態だった」と述べた。【高瀬浩平、岡奈津希】
毎日新聞 2011年2月4日 地方版
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◆「お水を下さい」哀願の声響く 相次ぐ虐待、行政救えず 悔やむ周辺住民2010-03-06
奈良県桜井市で5歳だった長男を餓死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の無職吉田真朱被告(27)の裁判員裁判で、奈良地裁(橋本一裁判長)は10日、「子どもを人間扱いしていないような無慈悲で残酷な犯行で、自分のストレスのはけ口とするなど動機も自己中心的だ」などとして、懲役9年6月(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
判決によると、吉田被告は、普段から十分な食事を与えていなかった長男の智樹ちゃんが2009年9月ごろから衰弱していると知りながら、夫だった博被告(36)=同罪で起訴=と共謀して治療を受けさせずに放置し、10年3月3日、栄養失調で死なせた。
公判で真朱被告側は起訴事実を認めた上で、犯行当時心神喪失か心神耗弱状態だったとして、懲役2年が相当と主張したが、橋本裁判長は「パートの仕事を続けているほか、自ら児童相談所に通報しており、善悪を判断する能力が著しく損なわれてはいなかった」として退けた。(時事通信2011/02/10-18:18)
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5歳児餓死で懲役10年求刑 奈良地裁で検察側
奈良県桜井市の自宅で昨年3月、長男の吉田智樹ちゃん=当時(5)=を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の真朱被告(27)の裁判員裁判が9日、奈良地裁(橋本一裁判長)で開かれ、検察側は「陰湿で卑劣」として懲役10年を求刑した。判決は10日に言い渡される。
検察側は、被告は長女の養育は問題無く行い、瀕死の智樹ちゃんを見て自ら児童相談所に通報したなどとして「完全な責任能力があった」とした。
弁護側は、当時「うつ病もしくは、なんらかの精神疾患を患っていた」として、心神喪失あるいは心神耗弱状態だったと主張した。
真朱被告は最終意見陳述で、「一生かかっても償いきれないと思っています」と涙を流した。
論告によると、真朱被告は昨年3月、十分な食事を与えず智樹ちゃんを放置し、餓死させたなどとしている。
2011/02/09 13:29共同通信
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桜井の5歳児餓死:「私がお母さんでごめんね」 謝罪の言葉で号泣 /奈良
桜井市の自宅で長男(当時5歳)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親で無職、吉田真朱(まみ)被告(27)の裁判員裁判は8日、奈良地裁(橋本一裁判長)で被告人質問があった。真朱被告は、亡くなった智樹君に対して「私がお母さんでごめんね」と謝罪したが、動機については明言しなかった。【高瀬浩平、岡奈津希】
真朱被告は、謝罪の言葉を口にして号泣した。弁護側の質問では、昨年3月3日に智樹君が救急搬送され、事件が発覚するまで、死亡するとは考えていなかったと説明。「前日もご飯を口元まで持っていって食べさせたと思う。当日はだるそうでいつもと違った」と述べた。
検察側は智樹君の体形の変化について質問。真朱被告は「やせてきたのに気づいたのは09年7、8月」と答え、衰弱を認識していたことを認めた。しかし、「病院に連れて行こうと思わなかったか」と問われると、「何も考えていなかった」と小声で繰り返した。
一方、真朱被告は弁護側の質問で、診療報酬詐欺・業務上過失致死事件の舞台となった大和郡山市の山本病院で02年ごろに数カ月間、看護助手として働いていたことを明らかにした。「患者が次々と亡くなり、頭がおかしくなりそうだった。ぜんそくの発作で運ばれた患者に心臓カテーテルをしたり、前の夜までしゃべっていた人が吐血して亡くなったりして仕事が続かなくなった」と振り返った。このため、看護師になるという目標を果たせなかったという。
毎日新聞 2011年2月9日 地方版
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桜井の5歳児餓死:裁判員裁判 「愛情や関心なくなった」起訴の父親証人尋問 /奈良
桜井市の自宅で長男(当時5歳)を餓死させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた母親で無職、吉田真朱(まみ)被告(27)の裁判員裁判は3日、奈良地裁(橋本一裁判長)で、父親の博被告(36)=同罪で起訴=の証人尋問があった。博被告は、智樹君(当時5歳)を09年9月以降、亡くなる10年3月まで見なかったといい、「愛情や関心がなくなった」と虐待の実態を語った。
博被告は、06年12月に長女(4)が生まれてから、智樹君をロフトで生活させたと説明。09年春、智樹君が床にマヨネーズなどをまき散らしたことがあり、真朱被告から「ボコボコにした。殺しそうになった」と聞いた。これをきっかけに2人は智樹君をトイレに閉じ込めて外出するようになった。
博被告が09年9月、最後にロフトで智樹君のおむつを替えた時、「高齢者のようなおしりだった」という。以後は一度も顔を見ず、自ら食事や水を与えたこともなかった。真朱被告は、博被告の姉が作った借金60万円を返済しており、博被告は「負い目があり、けんかして真朱が発狂するのを避けたかった」と弁解した。
裁判員は6人全員が女性。このうちの1人が姉との関係について質問し、博被告は「女性に弱く、姉の言いなりだった」と答えた。
大阪府監察医を務める河野朗久医師(小児法医学)は証人尋問で、「飢餓状態で意識がある限り、冷水に手を入れた時をはるかに上回るきつい痛みがある。(遺体は)おなかを触ると背骨が触れる状態だった」と述べた。【高瀬浩平、岡奈津希】
毎日新聞 2011年2月4日 地方版
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◆「お水を下さい」哀願の声響く 相次ぐ虐待、行政救えず 悔やむ周辺住民2010-03-06