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「大阪母子殺害事件」差し戻し審 判決公判 大阪地裁 水島和男裁判長/森健充被告に無罪

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義父の刑務官に逆転無罪 大阪地裁差し戻し審判決
産経ニュース2012.3.15 13:55
 大阪市平野区で平成14年に起きた母子殺害放火事件で、殺人などの罪に問われ、1審無期懲役、2審死刑の判決をいずれも最高裁が破棄した大阪刑務所刑務官、森健充(たけみつ)被告(54)=休職中=の差し戻し審判決公判が15日、大阪地裁で開かれ、水島和男裁判長は無罪(求刑死刑)を言い渡した。最高裁は事実誤認の疑いがあるとして審理を差し戻しており、その判断に沿う形となった。
 森刑務官は14年4月、平野区のマンションで、義理の娘である主婦=当時(28)=とその長男=同(1)=を殺害した後に放火したとして起訴されたが、一貫して無罪を主張。直接証拠はなく、状況証拠による立証の評価が焦点だった。
 差し戻し前の1、2審はマンション踊り場の灰皿にあったたばこの吸い殻72本中1本から森刑務官のDNA型が検出されたことを最大の根拠に有罪と認定。
 しかし最高裁は22年4月、問題の吸い殻が茶色く変色していたことから、事件以前に捨てられた可能性を指摘。さらに状況証拠による有罪認定について「被告が犯人でなければ説明できない事実が含まれる必要がある」と新たな基準を示し、審理を差し戻した。
 このため検察側は差し戻し審で、さまざまな条件でたばこを吸う実験を行い、「短時間でも変色はあり得る」との結果を提出。森刑務官の靴の中から採取された犬の毛のDNA型が被害者の飼い犬と同型だとする新証拠とも併せ、「被告が事件当日に現場にいたことは明らかだ」とした。
 これに対し、弁護側は喫煙実験を「非科学的」と一蹴するとともに、犬の毛のDNA鑑定についてもその精度や毛の採取・保管過程を問題視。さらに最高裁が差し戻し審で鑑定するよう求めた残る71本の吸い殻を、大阪府警が紛失していたことを「無罪証明の機会が失われた」と批判した。
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関連:
産経ニュース2012.3.7 12:09
「放火殺人再審決定」 平成7年に東住吉区で発生した保険金殺人事件
 再審開始決定を出した水島和男裁判長(60)は、平成13年から大阪地裁部総括判事を務めるなど、刑事裁判の経験が豊富なベテラン判事。現在、大阪市平野区で14年に起きた母子殺害放火事件の差し戻し審も担当している。
 16年には、ボディーガード役の組員に拳銃を持たせたとして銃刀法違反(共同所持)罪に問われた指定暴力団山口組の元最高幹部、滝沢孝被告(74)を無罪としたほか、翌17年には牛肉偽装事件で食肉卸大手「ハンナン」元会長、浅田満被告(73)に懲役7年を宣告した。
 また、19年には自殺サイトを悪用して男女3人を殺害した前上博元死刑囚=21年執行、当時(40)=に極刑を言い渡している。
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「大阪母子殺害事件」差し戻し審初公判 大阪地裁 水島和男裁判長2011-10-20 | 死刑/重刑/生命犯 問題 ======================================
再審開始決定:大阪地裁水島和男裁判長 / 17年前の放火殺人事件 青木惠子受刑者と朴龍晧受刑者2012-03-07 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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「集団強姦罪」/大阪地裁 水島和男裁判長 無罪事例など2011-12-23| 死刑/重刑/生命犯 問題

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自殺サイト殺人事件・前上博死刑囚(2009/7/28Tue.刑執行)=「自分を研究材料にしてほしい」2009-08-02 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
【衝撃事件の核心】「白い靴下」「他人の窒息」に興奮する性癖はなぜ生まれたのか〜処刑された自殺サイト殺人の前上博死刑囚
産経ニュース2009.8.2 18:00
 「私のような人間がなぜ生まれたのか、自分でも理解できない。二度と自分のような存在が生まれないよう、自分を研究材料にしてほしい」
 自殺サイトを悪用し3人を殺害した前上博死刑囚は大阪地裁での公判でこう訴え続けたが、7月28日、その望みもかなわぬまま死刑が執行された。だが平成19年に計17回の接見を重ね、前上死刑囚の心理を分析した長谷川博一・東海学院大教授(臨床心理学)は「彼はなぜ自分が異常な性癖を持つに至ったのか、最後は納得していた」と話す。いったいその原因は何だったのか−。
 まずは、前上死刑囚の犯行の概要とその異常な性癖を振り返る。大阪地裁判決などによると、前上死刑囚は17年2月から6月、インターネットの自殺サイトを通じて知り合った大阪や兵庫に住む14〜25歳の自殺志願者の男女3人に、一緒に練炭自殺をするかのようなメールを送るなどして誘い出し、乗用車内で口をふさいで殺害した。
 前上死刑囚はなぜこのような犯行に及んだのか。その理由こそ、「どうしても衝動を抑えることができなかった」と自ら告白する異常性癖だった。
 「人が窒息して苦しむ姿に無上の興奮を得る」
 この、他人には理解し難い性癖には、公判の被告人質問でも言及していた。
 弁護人「人が窒息して苦しむ姿を見て性的に興奮するのか」
 前上死刑囚「はい」
 弁護人「それはいつごろからか」
 前上死刑囚「小学4、5年のときから。推理小説に、犯人が薬品を染み込ませたハンカチで口をふさいで失神させて誘拐する場面があって興奮した」
 弁護人「自分以外の人もみんなそういう性癖だと思っていたのか」
 前上死刑囚「はい。中2のころ、同級生がエロ本を見て興奮していて、初めて自分が人と違うと気付いた」
 弁護人「相手は男でも女でもいいのか」
 前上死刑囚「男女の区別は僕の中ではない」
 弁護人「女性の裸を見て興奮したことは」
 前上死刑囚「今まで一度もない」
 前上死刑囚は小5から高校卒業まで、手のひらやエタノールを染み込ませたハンカチで、子供の口を押さえる犯行を約50件繰り返していたという。これだけでも十分異常なのだが、これほどの重大事件では珍しく、公判まで全くマスコミに報じられなかった性癖がもう一つある。
 「白い靴下」に対する執着心だ。
 中1の時に、教育実習生の女子大生がはいていた白いスクールソックスをみて強い性的興奮を覚えるようになった。これも老若男女を問わなかったようで、白いソックスをはいた駅の清掃員を尾行したことも。大学生のときは友人の男性を襲い首を絞める事件を起こし中退した。自殺サイト殺人の際も、わざわざ被害者に白い靴下をはかせていたほどだった。
 こうした性癖をなぜ持つようになったのか、前上死刑囚自身も分からず、公判では自ら精神鑑定を要求し、認められた。
 当時の弁護人によると、精神科医との面談もほとんどなく、本人が納得いくような結果は出なかったという。このため、極刑を受け入れながらも、冒頭のような「自らを研究材料に」という要望を訴え続けた。
 しかし19年3月に死刑判決が下され、弁護人が控訴したものの、同年7月に控訴を取り下げた。ただ公判中の18年12月から、長谷川教授と接見を始め、死刑判決後、正式に自身の分析を依頼したという。
 長谷川教授は判決後の2カ月間で17回にわたって集中的に接見。前上死刑囚から送られてきた29通の手紙と合わせて分析した結果、性癖が生まれた原因として父親の存在が見えてきたという。
 父親は警察の白バイ隊員だった。仕事が忙しかったこともあり、前上死刑囚に向き合う時間はほとんどなかったが、「お父ちゃんは悪人をつかまえるために働く正義の味方なんだ」と思慕の念を抱いていたとみられる。
 それが「白ヘルメット」への執着という形で表れ、幼稚園児のころにその性癖が芽生え始める。幼稚園が休みの日に、郵便配達員の白いヘルメットに興奮して後をついて回っていた。小学低学年のときには、隣のクラスの担任がはく白い靴下でなくスニーカーに興奮し、その後一時的に性癖は収まったが、中学に入り、再び白いスクールソックスに異常な興奮を示すようになった。
 そんな中、小学4年生のとき、父親に対する感情が変化するきっかけとなる出来事が起きた。
 家の中で突然、父親が前上死刑囚の腹の上に馬乗りになり、首を絞め上げた。前上死刑囚はこのときの父親の能面のような血の気のない顔が忘れられないという。またその直後に父親が飲酒運転で事故を起こしていたことを知り、「父は正義の味方ではなく犯罪者だったんだ」と思うようになった。
 長谷川教授は「尊敬していた父親から虐待に近い暴力を受け、人を窒息させることで、自分を父親に同一化させるようになったのだろう」と分析し、公判で証拠採用された精神鑑定書が示した「性的サディズムとフェティシズム」をまっこうから否定した。
 さらに長谷川教授が驚いたのは、前上死刑囚の記憶力だった。IQ128と高い知能を持つ上、30年以上前の出来事も絵画のように細かく描写することができたという。
 また病院で女性ホルモンを注射してもらおうとするなどしており、長谷川教授は「彼には自分の欲望を抑え込もうと懸命に努力してきた側面があった。その点では自分に誠実で正義感が強い人だったといえるのではないか」と振り返る。
 最後の接見の際、前上死刑囚は接見希望者リストから長谷川教授の名前を外すことを告げた。
 理由を聞くと、「現実の世界で僕の唯一の楽しみは、自分のことをよく知っている先生と会うこと。ただ死刑を待ちながら先生と会える日を楽しみに生きていくのは辛すぎるので、空想の世界に逃げるつもり。僕はそんなに強くない人間なんですよ」と弱々しく微笑んだという。
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山地悠紀夫・前上博死刑囚(大阪拘)、陳徳通死刑囚(東京拘)に刑執行=森英介法相2009-07-28 | 死刑/重刑/生命犯 問題


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