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「もんじゅ」運営の原子力機構が関連団体に「会費」 自民党大島理森副総裁ら国会議員団体にも1200万円

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もんじゅ独法不透明支出 議員所属の団体にも 5年で1200万円
中日新聞2012年3月25日朝刊 1面,35面
 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する独立行政法人「日本原子力研究開発機構」(茨城県東海村)が、自民党を中心とする国会議員六人が役員を務める社団法人「原子燃料政策研究会」(東京都千代田区)に対し、「会費」として二〇一一年度までの五年間で千二百万円を支払っていたことが分かった。原発反対派は「核燃料サイクル事業の推進に政治力を利用していた」と批判している。
 関係者によると、原子力機構は、前身の動力炉・核燃料開発事業団から原燃研究会の会員。一口一万二千円の年会費に対して二百口分、計二百四十万円を少なくとも〇七年度から毎年、支払っていた。
 原燃研究会の会員は他に沖縄を除く電力九社や三菱重工業、東芝などの原子炉メーカー、竹中工務店などの大手ゼネコンを含む三十社と個人十七人。一〇年度は原子力機構の二百四十万円を含め三千六百四十万円の会費収入があったという。
 原燃研究会は一九九二年、自民、旧社会党の国会議員らが原子力の平和利用や核燃料サイクルの推進などを目的に発足。機関誌「Plutonium(プルトニウム)」の発行のほか、〇四年に設立した超党派の国会議員でつくる「資源エネルギー長期政策議員研究会」(会長・甘利明元経済産業相、会員・百五人)に情報や資料の提供を行うなど活動を支援している。
 公表資料によると、会長、副会長、理事は計十一人で、すべて無給の非常勤。会長は学識経験者だが、副会長の津島雄二元衆院議員をはじめ現・元衆参議員九人が役員に名を連ねる。

            
        

 現職議員は六人で、自民党の大島理森副総裁、江渡聡徳、木村太郎の両副幹事長ら。三人はいずれも六ケ所村再処理工場など核燃施設のある青森県選出の衆院議員。民主党エネルギープロジェクトチーム座長の大畠章宏元経産相も一〇年九月の大臣就任まで理事を務めていた。
 機構から多額の会費を受け取っていたことについて、研究会の担当者は本紙の取材に「会の趣旨に賛同していただいた」と話した。
 理事を務める大島副総裁は「事務に関することは分からない」と文書で回答。大畠元経産相も事務所を通じて「純粋なエネルギー研究会だと認識し、参加してきた。大臣就任を機に現在は退会している」とコメントした。
 機構は、所管する文部科学省OBの再就職先を含む八十の公益法人に「会費」として一〇年に約八千六百万円を支出していたが、批判を受け、一二年度は九割超削減して約三百六十万円とする方針を今月表明。原燃研究会についても退会し、支出をゼロにする方針。

 日本原子力研究開発機構
 原子力に関する研究や技術開発を目的とした独立行政法人。2005年10月に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合して発足した。理事9人のうち3人が原発を推進する文部科学省と経済産業省の元幹部。福島第一原発事故を受け、政府は夏までに、もんじゅを含めた核燃料サイクルの是非を決める方針。
 「原発ムラ」の象徴  
 原子力資料情報室の伴英幸共同代表の話
 原燃研究会は原発の族議員と経済界が結び付く「原発ムラ」の象徴のようだ。原子力機構は寄付のような会費を支払うことで、原子力政策を有利に進めたい狙いがあるのだろう。国会審議で議員が特別な配慮をするなど影響が懸念される。そもそも原子力機構の予算は国が決めており、その一部が国会議員が役員の団体に流れること自体がおかしい。


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