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草木もなびく橋下徹大阪市長の面会要請を断ったのは誰か/「会う必要ない」

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草木もなびく橋下市長の面会要請を、断ったのは誰か
Business Media 誠 2012年04月17日 19時21分 UPDATE
 次期衆院選に向けて“台風の目”となりつつある橋下徹大阪市長。その人気を取り込もうと与野党を問わず有力政治家たちが草木もなびくように橋下氏に擦り寄っている。しかし、実はかつて橋下氏からの面会要請を断った“大物”がいた。自民党の小泉純一郎元首相である。
■「会う必要ない」
 関係者によると、橋下氏が小泉氏に会談を求めたのは大阪府知事時代のこと。小泉氏は橋下氏サイドからの要請に対し「会う必要はない」として突っぱねたという。「橋下氏は脈はないと踏んだのか、それ以後、小泉氏に直接アプローチすることはなくなった」と関係者は明かす。
 橋下氏は昨今、小泉氏を称賛してやまないが、過去に接触を試みたところをみると、やはり政治指導者の手本としているのだろう。
 小泉氏は持論の郵政民営化などの改革を通じ、自民党内の抵抗勢力を「仮想敵」に見立てて対決姿勢を演じてきた。昨秋の大阪ダブル選挙で「大阪都構想」を争点に掲げて既成勢力、反対派を徹底的にこき下ろし、人気という絶大な味方を得た。
 郵政民営化にしろ大阪都構想にしろ、その具体的な中身が支持されたというより、「死に装束」をまとって実現へ邁進する政治家としての指導力に大きな期待が集まったといえる。
 関係者によれば、橋下氏が小泉氏に会談要請したのはちょうど大阪都構想を唱え始めた頃と重なるという。しかるに、単に大阪都構想もシングル・イッシューで国民の支持を得た「小泉流」の“二番煎じ”と受け取れなくもない。
 対する小泉氏は橋下氏をどう見ているのだろうか。
 政界から身を引いた小泉氏が公の場で橋下氏の評価に関して直接言及したことはないようだが、DNAを引き継ぐ次男、小泉進次郎衆院議員は2月10日の記者会見で自らの見解を披露してみせた。
 「橋下市長や石原慎太郎東京都知事の第3極の国政進出についてどう感じるか?」と聞かれ、進次郎氏はこう答えた。
 「どの世界も強いライバルがいると鍛えられる。強い野党がいて、強い与党がいて、切磋琢磨していい政治になる。政権交代直後、国民のみなさんはそう思ったんじゃないですか。でも今、『自民党も民主党もダメだ』というなかで、新しい勢力がそこに刺激を与えてくれる。自民党にとってそれが危機感となって、自分たちを省みて『よくしなきゃいかん』という方向に行くならプラスじゃないですか」
 永田町では、橋下氏率いる「大阪維新の会」や「石原新党」の動向に神経過敏となり、橋下氏や石原氏が発言するたびに媚びたり批判したりする傾向が強い。そうしたなかで、進次郎氏の発言は双方をけなすことも持ち上げることもせず「自分たち国政がダラしない。橋下さん、石原さん、お尻をたたいてくれてありがとう」と結論づけたもので、地方政治と一線を画し、その「格」の違いを見せつけたといえる。
 橋下氏の面会要請を断った小泉元首相も同じような思いを抱いているのかもしれない。「政界を引退した俺が今さら、タレント弁護士出身の地方首長と会って何を話すのか……」と。
■似て非なる両者
 橋下氏との連携を模索する民主党の小沢一郎元代表が、橋下氏について「国民を引きつけるという意味では小泉元首相と似たような資質を持っている人だ」と評するように、永田町では橋下氏を「小泉氏の再来」とみる空気も強い。
 橋下氏と互いに「独裁者」と呼び合ってバトルを続ける渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長兼主筆は先の産経新聞のインタビューで「橋下さんはテレビ・ポリティックスやネット・ポリティックス、いやツイッター・ポリティックスと言っていいのか、電子媒体を100%利用しているね」と話し、「劇場型政治」の名優だった小泉氏に比べても「一歩抜きんでている」と持ち上げた。
 むろん、時間があればツイッターで“瞬間芸”のように自身の主張を発信し続けている橋下氏と、ソーシャル・メディアがまだ普及していなかった時代に政権を担った小泉氏とは単純に比較できない。
 また、小泉氏が郵政改革を唱えた時期はまさに同氏の政治キャリアの総決算だった。対する橋下氏はまだ42歳と若く、政治経験がなないところから猛スピードで駆け上がってきた。
 ゆえに両者を比肩することはそもそも難しいのだが、「政治家・小泉純一郎」を側近として長年支えてきた飯島勲元首相秘書官は「週刊現代」(3月31日号)のインタビューで「小泉、橋下両氏は似て非なるもの、まったく異質の存在だ」と喝破した。
 飯島氏の主張をこのインタビューから抜粋すると、こうだ。
 「私は橋下市長を支持する人間の一人です。橋下市長は希代の政治家です。発信力が非常に高い。言うべきことをハッキリと言い切るし、既得権益にもズバズバ切り込く。歯切れの良さや『劇場型』と呼ばれる政治的争点を演出する手法をもって、橋下市長の姿を小泉純一郎元首相と重ね合わせる国民も多いようです」
 「私も最近は、行く先々で『橋下市長は“次の小泉元総理”となるのか』という質問を浴びせられます。ここではっきりと断言しておきましょう。橋下市長と小泉元総理は似て非なるもの、まったく異質の存在です。橋下市長の場合、主張していることと実際の行動が一致していない点が見られます。ここが大きな違いだ」
 「表では『地方交付税はいらない』と言いながら、裏では将来受け取る地方交付税を前借りしている。掲げている理念と現実の行動が、逆になっているのです。小泉元総理の場合、それが矛盾することはありませんでした。『発信力』だけを見て両者を比較しても、話にならないのです。『政治の演出方法が似ている』という指摘も、あたりません」
 「小泉元総理が仕掛けた『郵政解散・総選挙』と、府知事時代の橋下氏が『大阪都』構想を掲げた『ダブル選挙』とを比べても、両者の違いは歴然としています。小泉元総理は、『郵政民営化』を掲げて挑んだ自民党総裁選でライバルに大差で勝利して総裁に就任した。ところが、いざ郵政民営化に着手しようとすると、多くの自民党議員が反対の狼煙を上げ始めました。これは道理の通らない話です。だから国民の信を問うため、衆議院の解散に打って出たのです。別に、対立を煽り、政治をショーアップするために解散したのではありません」
 「橋下市長が掲げる『大阪都構想』の根本にあるのは、『二重行政の廃止』です。このムダを省くには、府と市の事業体を一つにすればいいだけの話です。わざわざ法律を改正して、府と市を統合する必要はなく、現行法でも可能なのです。ダブル選挙に勝利した後は、『大阪都構想が実現できないとすれば、法改正を行わない国の責任」とばかりに、すかさず国民の目を国政のほうに向けさせる。これはパフォーマンスが行き過ぎでしょう」
 「橋下市長と小泉元総理が似ている−。そんな意見が噴出する中、今後有識者の間でも『橋下総理待望論』が出てくるかもしれません。しかし、まだ橋下氏は具体的な成果を挙げているわけではないのです。国民にとって『幸せな選択』ではないことを、現段階では指摘しておきたいと思います」
■「並べられるのは恥ずかしい」
 飯島氏の見解に対し、橋下氏はさっそく、得意のツイッターで「僕が小泉元首相に並べられるのは恥ずかしい限りです」とつぶやきつつ、こう反論してみせた。
 「こちらは一ローカルでやっているだけですから。飯島さんへの反論は、地方交付税廃止の主張と府知事時代に臨財債を発行したことを言行不一致と指摘された点です」「飯島さんは現実の問題とあるべき姿の問題を混同されています」「飯島さんの主張は論理的ではありません」……。
 しかし、橋下氏が打ち出している次期衆院選公約のたたき台となる大阪維新の会版「船中八策」の政策に対しては、霞が関官僚からも「小泉的な新自由主義的色彩が濃いが、所得再配分的思想のものが交じっていて整合性がとれない」という指摘が出ているのは事実だ。
■「橋下氏には真の仲間なし」
 自民党閣僚経験者はこうささやく。「小泉氏には、小泉改革のスポークスマンとして発信力があった竹中平蔵元経済財政担当相と、裏で動いた飯島元首相秘書官の存在が大きかった。橋下氏にブレーンは多いが、核になる人がいないし、本当の仲間がいない。言葉の中身をとっても、短いフレーズながら深い計算があった小泉氏と、いろいろなことをポンポン打ち上げるが軌道修正もありという橋下氏とは違う」
 最近、橋下氏がツイッターで、消費税増税問題について民主党の小沢元代表の対応を「民主党の議員としては筋が通っている」などと評価し、小沢グループ内から喜びの声があがる場面があった。
 小沢氏側近の一人は、ツイッターのコピーをばらまくなど大はしゃぎし、小沢氏も自身が会長を務める勉強会の常任幹事会で「そうか」と満面の笑みを浮かべたという。

 一方、小泉進次郎氏は国会内で記者団に対し、橋下氏のツイッターの内容について「政治は生き物だ。冷静に見た方がいい」と語った。父の小泉元首相を橋下氏が称賛していることに関しても「知らなかった。感想は特にない」と冷ややかに答えた。
 「政治家は本能的に同じ匂いがする政治家を嫌うものだ」(自民党ベテラン秘書)とも言われ、小泉氏が意識的に橋下氏を敬遠している可能性もなくはない。ただ、すでにバッジを外した小泉氏が、小沢氏ら他の現役政治家のように「橋下人気」にすがる場面も想定されない。
 小泉、橋下両氏が何らかの機会に向き合うことは永遠にないかもしれないが、一度、小泉氏本人の口から「橋下評」を聞きたいものである。(政治部編集委員)
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関連:仕組まれた小沢裁判 「最高裁」の“検審”裏金疑惑 『サンデー毎日』2012/4/29号 〈小沢一郎氏裁判〉 2012-04-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 〈抜粋〉
 4月5日、小沢一郎民主党元代表にエールを送る文書が永田町に出回った。
〈政党は国民との約束、対外的約束が一番重要。民主党はその理解が不十分で、代表選の事情で反故にするつもりだ。どちらに政治家としての理があるか。小沢先生に決まっている〉
〈統治機構の変革を小沢先生は考えていらっしゃる。(国歌斉唱時の)不起立教員の思想良心よりもはるかに重い政治的信条だ〉
 露骨に小沢氏を持ち上げたのは橋下徹大阪市長だ。前夜のツイッターで、選挙を経ずに消費税率の引き上げに突き進む野田佳彦首相を批判。消費税を地方に移譲して地方交付税を廃止する自身の考えが、小沢氏と一致していると訴えたのだ。
 小沢氏側近は、消費税政局でナニワから吹く“追い風”をコピーして配った。小沢氏は会長として率いる勉強会「新しい政策研究会」の幹事会でこれを目にすると、満面の笑顔でこう喜んだという。
「そうか、そうか。頼もしい援軍だな」
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