「市民の起訴」に結論 陸山会事件 小沢元代表 26日に判決
西日本新聞 <ワードBOX>陸山会事件(2012年4月22日掲載)
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日午前10時から、東京地裁(大善文男裁判長)で言い渡される。有罪、無罪いずれの結論でも政局に大きな影響を与えるのは必至。市民の判断で政治家が強制起訴された初めての事件で、無罪になった場合は、検察審査会制度の見直し議論が加速しそうだ。
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●状況証拠 総合判断へ 公判半年 元秘書との共謀争点
「秘書任せ」を通し、検察批判を展開した小沢一郎元代表に、禁錮3年を求刑した検察官役の指定弁護士。昨年10月に始まった公判は半年間、16回に及んだ。双方の攻防を振り返り、判決に向けたポイントをまとめた。
▽証拠から調書排除
「記憶がないだけでなく、事実として絶対にないんですね」
「ありません」
1月10日の第12回公判。被告人質問の初日、収支報告書の作成や会計処理、土地購入に関して報告があったのかどうかを矢継ぎ早に確認する指定弁護士に、元代表は「ない」と即答。「秘書の裁量」を強調した。
最大の争点は、報告書を作成した石川知裕衆院議員(38)ら元秘書3人との共謀の有無だ。元秘書が独断で虚偽記入をすることはないとする指定弁護士に、3人は第3〜8回公判の証人尋問で元代表の関与を否定。立証の柱だった「報告、了承」を認めた石川議員の検察官調書は、違法な取り調べを理由に2月の決定で証拠から排除された。
結論を左右するポイントの一つは、採用された池田光智元秘書(34)の調書の信用性と、その内容をどう解釈するかだ。
「石川議員から引き継いだ通り、2005年分報告書に04年の土地代を計上していますと説明すると、元代表は『ああ、そうか』と了解した」
指定弁護士は、池田元秘書だけでなく、石川議員も元代表の了解を得ていたことを証明していると主張。弁護側は「具体的な状況や時期の記載が全くなく信用できない」と反論する。
▽融資書類には署名
一連の虚偽記入が行われた動機の核心は何か。指定弁護士は、元代表が土地購入のために提供した4億円を隠すためだったとみており、直接証拠の乏しさを補うため、論告で共謀をうかがわせる状況証拠を列挙した。
中でも元代表の認識を判断する上で重視されそうな間接事実が銀行融資書類への署名だ。土地購入のために4億円を用立てる一方、年間約450万円もの利息が必要な同額の融資を受けるために自ら署名していた。
指定弁護士は融資を「提供した4億円を隠すための偽装工作」と指摘。元代表は「サインしろと言われてサインした。具体的な説明はなかった」と供述し、弁護側も最終弁論で「信頼する秘書が持参した書類の内容に、特段の関心を払わず署名することも不自然ではない」と理解を求めた。
だが、石川議員は法廷で融資の内容について「説明した」と明言していた。「一切の否定」に徹するあまり、ほかにも元秘書の証言と食い違いがあった元代表。問題となった報告書を現在に至るまで見ていないと断言するなど一般市民には違和感も残った説明に、裁判官がどのような心証を持ったか。
判決は法廷証言や状況証拠を総合的に評価して示される。
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<来栖の独白2012/4/22 Sun.>
「無罪判決を一度も出したことがないのでは」と言われるほど極めて保守的で予定調和的な判決ばかり出してきた大善裁判長が、どういうニュアンス、言い回しで判決文を書くか、それも焦点ではないだろうか。
判決自体は「無罪」としても、よく云われる「疑わしきは被告人の利益に」が過度に強調されれば、暗に「有罪」を宣言しているようなものだ。この裁判においては「疑わしきは被告人の利益に」との文脈は、無罪判決を根こそぎ無力にする。もともと「政治とカネ」などという曖昧なイメージで、証拠のないところから検察が事件を造り、メディアを巧みに操って、強制起訴にたどり着いた。イメージが、推定有罪をまとって闊歩した。(「無罪推定」とは、挙証責任が検察側にあるということだが)
証拠の大半を不採用とし、有罪を言い渡しにくい苦肉の策として、「疑わしきは」といった言い回しをするのではないか。「有罪」と「無罪」を、同時に言い渡す・・・。あれこれ考えてしまう。昔から私は「疑わしきは被告人の利益に」という文脈に違和感があった。「疑わしき」も「利益」も、哀しい響きではないか。クロと認定しているようではないか・・・。
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〈来栖の独白2012/02/19 Sun.〉
裁判とは、怖いものだ。石川知裕議員の披露宴に出席している鈴木宗男氏の顔(画像)を見ていて、ふと小沢一郎氏の裁判、裁判長大善氏の目論みを思った。
そもそも小沢氏の強制起訴は、愚かな市民(委員)を操って、国と検察、そして政界が既得権益を守らんがために小沢氏を葬ろうとでっち上げたもので、メディアを走狗としてフルに使った。
今月17日金曜日、東京地裁大善裁判長は、検察側証拠書類の大半を信用できないとして却下。しかし、楽観できない。小沢無罪を言い渡すことは、検審会の存在意義が問われることであるし、司法官僚の受けも決してよいはずはない。大善氏の将来(出世)を考えれば、氏の得点になるとは考えにくい。
いや、そのようなことよりも何よりも気になってならないのは、証拠却下されたのが「大半」であって、「全部」ではないということだ。池田光智被告の調書は採用されている。被告人を有罪とするに証拠は多くは要らぬ。1つあればよい。池田光智被告の1つによって有罪になれば(微罪で執行猶予でも)、その瞬間に(確定の瞬間に)小沢一郎さんの政治生命は断たれる。選挙権及び被選権が停止される。鈴木宗男氏がそうだ。「微罪でよい。執行猶予も付けてやろう」、大善氏は有罪の青写真を描いたうえで---小沢氏の息の根を止める手はずを整えて---大半の証拠を却下、身内同然の検察に「これからは気をつけなさいよ」と余裕で、たしなめて見せたか。
振り返ってみれば、このようにして(特捜)事件は造られ、権力の側に好いように判決されてきた。小沢排除を狙って、このこと(〜強制起訴)を仕掛けた検察が、最後の矢を外すとは思えない。小沢無罪は奇跡に近い。胸が騒ぐ。騒いでならない。
小沢氏裁判 公判(弊ブログindex)/最終弁論・最終陳述(第16回公判)〜小沢氏全発言(初公判) 2012-03-26 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
◆小沢一郎氏 裁判 16回公判 2012.3.19 最終弁論 詳報 2012-03-23 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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◆小沢一郎氏裁判 第15回公判(論告・求刑) 禁錮3年求刑 2012-03-09
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◆小沢一郎氏裁判 第14回公判/大善文男裁判長 調書を却下/石川議員聴取に係る田代政弘検事の報告書 2012-02-17
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◆小沢一郎氏裁判 13回公判 《後》/(25)裁判官の質問〜(29)裁判長、弁護士の質問 2012-01-12
◆小沢一郎氏裁判 13回公判 《中》/(17)供述の変遷〜(24)調書の内容 2012-01-11
◆小沢一郎氏裁判 13回公判 《前》/4、5億円の現金を手元に置くのは以前からそうしていた/(12)〜(16) 2012-01-11 ・・(1)秘書との関係は〜(11)秘書の裁量からの続き・・
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◆小沢一郎氏裁判 12回公判 〈NHK 全〉 /(1)秘書との関係は〜(11)秘書の裁量 2012-01-10
・小沢一郎氏裁判 第12回公判《後》「元赤坂タワーズで石川さんに渡した4億円は、どんな金」「個人の金です」 2012-01-11
・小沢一郎氏裁判 第12回公判《前》/「4億円はどういうことで?」「両親からの相続・印税・議員報酬」
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◆小沢一郎氏裁判 第11回公判 「虚偽記入にはあたらない」弥永真生筑波大教授(商事法)の証人尋問 2011-12-21
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◆小沢一郎氏裁判 第10回公判〈後〉前田恒彦元検事「私が裁判官なら小沢さん無罪」「検察、証拠隠しあった」 2011-12-17
◆小沢一郎氏裁判 第10回公判〈前〉/前田恒彦元検事「上司から『特捜部と小沢の全面戦争だ』と言われた」 2011-12-16
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◆小沢一郎氏裁判 第9回公判〈後〉/証人 石川知裕議員女性秘書が語った深夜に及ぶ違法な取調べの実態 2011-12-16
◆小沢一郎氏裁判 第9回公判〈前〉/証人 田代政弘検事「特捜部は恐ろしいところだ」=報告書に虚偽の記事 2011-12-15
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◆小沢一郎氏裁判 第8回公判〈後〉/証人 池田光智元秘書『認めなければ取り調べが厳しくなる』と云われ 2011-12-15
◆小沢一郎氏裁判 第8回公判〈前〉証人 池田光智元秘書「抵抗しない方が悪くならないのではと思い、サイン」 2011-12-15
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◆小沢一郎氏裁判 第7回公判/池田光智元私設秘書 捜査段階の供述調書「検察官に押し切られ署名」 2011-12-10
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◆小沢一郎氏裁判 第6回公判/大久保隆規証人「ずっと前田検事と過ごしており、マインドコントロールの中に」 2011-12-01
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◆小沢一郎氏裁判 第5回公判/「報告書作成に関与せず」 元第1秘書・大久保被告が証人出廷/「政治資金規正法を皆さん勘違い」=安田弁護士 2011-11-30
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◆小沢一郎氏裁判 第4回公判 石川知裕証人「調書作らないと帰してもらえない。判断の甘さ、自分の弱さ」 2011-11-01
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◆小沢一郎氏裁判 第3回公判石川知裕証人/ 検察・裁判所の発想・手法=ロッキード事件と同根・同質 2011-10-31
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◆小沢一郎氏裁判 第2回公判 石川知裕議員の「隠し録音」再生 2011-10-19
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◆小沢一郎氏 初公判 全発言/『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06
小沢元代表 初公判の全発言「指定弁護士の主張に対し、私の主張を申し上げます . . . 本文を読む