29日から公式訪問 「野田訪米」は小沢有罪の傍証なのか
2012年4月23日(月)10時0分配信 日刊ゲンダイ
日本中が固唾(かたず)をのんで見守る注目の公判まで1週間。民主党の小沢一郎元代表に対する判決が、いよいよ26日に下される。裁判所はすでに判決文を書き上げているはずだ。無罪か、それとも“推認有罪”にされてしまうのか――。ここへきて、永田町では気になる情報が流れている。野田首相の訪米は、「小沢有罪の傍証」だというのである。
野田が今月29日から来月2日までアメリカを訪問すると正式発表した。現地時間30日には、オバマ大統領と日米首脳会談も行うという。
日本の首相が2国間会談のために米国を公式訪問するのは、民主党政権になって初めてのこと。訪米の目的は「日米同盟関係の深化についてのトップ会談」とされるが、野田がオバマに注文をつけることができるとは思えない。米国側の要求をアレコレのまされてくるのだろう。
問題は、なぜこのタイミングで「公式訪問」なのかということだ。元外交官の天木直人氏も首をかしげる。
「5月中旬には、米国で主要国首脳会議(G8)が予定されています。首脳会談なら、その合間に行ってもいい。しかも、野田内閣は支持率が急落し、いつ倒れてもおかしくない状態です。6月政局で退陣なんてことになれば、招いたアメリカも恥をかく。非公式訪問で十分です。それに、26日に小沢元代表の無罪判決が出れば、一瞬にして勢力図が変わる。国内でさまざまな動きも出てきます。ノンキに訪米している場合ではないはず。あまりに不自然なタイミングと言わざるを得ません」
それで、「この時期の訪米を決めたのは、有罪の感触を得たからではないか」(事情通)といわれている。語られているのは、こんなストーリーだ。
「最高裁事務総局とパイプが太い議員が政権中枢にいて、小沢氏の有罪情報を内々に受け取った。この情報は当然、米国側にも伝えられている。野田首相は連休明けの小沢除名を米国と約束。それが9月以降も野田が続投する裏付けになり、米国側も公式訪問を受け入れることに決めたというのです」(前出の事情通)
小沢裁判の本質は、権力闘争だ。権力側にとって都合のいい判決が出る可能性は否定できない。だが、もし有罪判決なんてことになれば、それは司法にとっての自殺行為だ。三権分立を自ら放棄するに等しい。
司法判断が政治的な思惑に左右されることなど、本来あってはならないのである。まして、判決が事前に漏れているのだとしたら、この国の闇は深い。
(日刊ゲンダイ2012年4月20日掲載)
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◆仕組まれた小沢裁判 「最高裁」の“検審”裏金疑惑 『サンデー毎日』2012/4/29号 〈小沢一郎氏裁判〉 2012-04-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
(末尾のみ引用)
強制起訴を議決した検審メンバーが土壇場で恣意的に選ばれたという構図だ。そもそも、検審法は議決の後で議決書が作成される事態を想定していない。法に抵触するリスクを冒してまで検審が急きょ議決に踏み切った理由は、「9月14日」という日付に隠されていそうだ。森氏が続ける。
「まさに小沢氏と菅直人前首相が争った民主党代表選の当日。『議論が煮詰まった』と議決したタイミングは小沢氏落選の30分前とされています。それに本当に煮詰まっていたなら、議決書を作るために20日間も必要なはずがありません」
「小沢起訴」議決は不可解なことばかりだ。本誌は「検審のくじ引きソフト疑惑」(2月26日号)、「最高裁の官製談合疑惑」(3月11日号)などを報じてきた。「4・26」小沢判決を機に最高裁は一連の疑惑について国民に説明すべきだ。
本誌・鳴海 崇
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米紙が「ノダ」ベタ褒めの薄気味悪さ 「ここ数年で最も賢明な首相」
日刊ゲンダイ2012年4月23日 掲載
<舞い上がったドジョウはアブナイ>
米紙ワシントン・ポストが19日の電子版で野田ドジョウを「ここ数年で最も賢明な首相」とベタ褒めした。同紙の東京特派員を務めたことのある論説委員、フレッド・ハイアット氏が19日に首相官邸で野田にインタビューした後、オピニオン記事として書いた。
タイトルは「日本は難しい決断ができるか?」。野田が「消費税引き上げ」「原発再稼働」「沖縄の米軍基地問題」「TPP参加」の4つの困難な課題に取り組んでいることを評価する内容だ。「全く無知な2人の前任者と違って、堅実な野田は歓迎」と鳩山、菅をこき下ろし、「この課題で日本の有権者を説得できれば、野田は他の民主主義国家の手本となるリーダーになれるかもしれない」とまで持ち上げた。
日本国民からすれば気味が悪くなる記事ではないか。なにしろ、ドジョウの支持率は20%割れ目前なのだ。落ち目の首相をこれほどヨイショするのは不思議だし、30日のオバマとの首脳会談直前のインタビューというのも意味深だ。
外交評論家の小山貴氏はワシントン・ポストの記事をこう読んだ。
「消費税増税もTPPも日本は『やる』と言っても前に進まない。『約束したことをやらないのは、どういうことか』という米国のエコノミストの懸念を代弁した内容で、野田首相への警告でしょう」
“ほめ殺し”のスタイルを取った“脅し”だということだ。確かに、そういう一面はある。
今回の訪米で、野田はTPP参加を表明しないようだが、その背景には日本国内の事情だけでなく、米国側が「交渉に参加したいのなら、保険、自動車、牛肉の分野で譲歩しろ」と突きつけていたことが明らかになった。米紙のヨイショは「米国の言う通りやれば、米国は野田をサポートしてやる。シッカリやれよ」というメッセージにも読める。
実際、外国メディアの日本特派員をよく知るジャーナリストの堀田佳男氏によると、「米紙の記者の頭の中では、日米同盟は米国が主導権を握るものという考え方が染み込んでいる」という。“求める”にしても、記者の上から目線なのである。元外交官の天木直人氏は「米国が日本をコントロールしようとしているような記事だ」と切り捨てた。
民主党政権に代わって2年半が経過したのに、ワシントンで日米首脳が会うのは野田が初めて。“ほめ殺し”記事で野田が舞い上がり、オバマにシッポを振る姿が目に浮かんでイヤになる。
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