マサ若い また快投 7回零封 球団新212勝
中日新聞2012年5月1日 朝刊
◇中日 1−0 DeNA
中日は2試合連続の無失点リレーで3連勝。山本昌は7回2安打で危なげなく2勝目を挙げ、球団新記録となる通算212勝目を飾った。浅尾、岩瀬が反撃を断ち、七回に代打堂上剛の左前適時打で挙げた1点を守った。DeNAは5連敗。三塁を踏めず、今季8度目の零敗。
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拍手に迎えられて報道陣の前に現れた山本昌は、まず安堵(あんど)の気持ちをあふれさせた。「ほっとしたというか、すごく後ろの投手にプレッシャーをかけていた。これでスッといけるんじゃないか」。球団記録の212勝目そのものよりも、記録がかかる重圧からリリーフ陣を解放した喜びが口をついた。
直球主体に攻めた。一回2死二塁、4番ラミレスを内角低めへ134キロの直球で見逃し三振。いきなりのピンチを抑え、流れを引き寄せた。開幕から4試合に好投しながら1勝のみ。勝ちに恵まれない中でも常にリリーフ陣を気遣う言葉を残してきた。
父の巧さんが亡くなった直後に登板した22日の広島戦。後を託した浅尾が1点リードを守れず、「助けてもらうことはこれからも多い。今度一緒に完封すればいい」
この日、1点リードの八回にリリーフした浅尾は「こうやって投げる機会をつくってもらえたのがうれしい」。気持ちをそのまま投球に乗せて3人で片付けた。
九回を岩瀬が締めたのを確認して祝福した浅尾は「普通にありがとうと言ってくれた。足を引っ張ってばかりなのに、その言葉で救われます」。気持ちがつながった完封リレーだった。
高木監督は「46歳と聞いて驚くくらいに体も丈夫だしタフ」とたたえた。次の目標を問われた山本昌は、通算224勝を挙げた左腕、工藤公康の名前を挙げた。年齢を感じさせない投球にリーグ屈指のリリーフ陣という援軍を得て、高みへ向けて白星を積み上げる。(海老名徳馬)
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中日春秋
2012年5月1日
少し前に関東や東海地方を通り過ぎた桜前線が、ようやく東北に到達したと思ったら、沖縄や奄美地方は早々と梅雨入り宣言である。南北に長い日本の四季の豊かさを実感させる▼黄金週間の前半、福島県三春町の「滝桜」を訪ねてきた。「淡墨桜」(岐阜県本巣市)、「神代桜」(山梨県北杜市)と並ぶ日本三大桜の一つである。樹齢千年超とされるベニシダレザクラの巨木は満開だった。四方に広げた枝から滝のように花がこぼれていた▼国の天然記念物の滝桜の樹高は十三メートルで幹回りは八メートルほど。枝は二十メートル以上張り出している。平安の昔から根を張るこの桜は、花を咲かせては散らす自然の営みを実に千回以上、繰り返してきた▼風雪に耐えてきた老木と重なって見えるのは、きのう中日の球団新記録となる二百十二勝目を挙げた山本昌投手だ。杉下茂さんの記録をついに追い越した。大きく振りかぶって、右打者の内角に食い込む直球は威力十分で年齢を感じさせない▼今季は五試合投げてわずか二失点。防御率も一位である。本当に今年四十七歳になる投手なのか、と疑ってしまう。球団新記録もまるで通過点かのようだ▼「中年の星」がいまだ果たしていない日本シリーズでの勝ち投手を目標に投げ続けてほしい。年輪を重ねるほど、大木のような風格が出てきた威風堂々の大投手は、五十歳現役も夢ではない。
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昌がダル級スピンで中日最多212勝
すごすぎる46歳がまた、球団史を書きかえた。球界最年長の中日山本昌投手(46)が7回2安打無失点で今季2勝目となる通算212勝目を挙げた。フォークの神様、杉下茂氏の211勝を抜き、中日の最多勝利。防御率はリーグ1位の0・55と驚きの安定感だ。
試合終了と同時にベンチからチームメートに押し出された。本拠地で万雷の拍手を浴びて目にはうっすら涙。吉見から花束を受け取り、観衆の声援に応えた。
「これまで後ろの投手にプレッシャーをかけていたのでこれですんなりいけるかな。粘り合い、と思っていたので完投するくらいの気持ちでいた」
昨年は右足首の故障で登板ゼロに終わり、球団首脳に“進退伺”を出した。返ってきた答えが「杉下さんの記録を抜いてほしい」だった。立ち上がりから持ち味の緩急を使った投球で、7イニング中、5イニングが3者凡退。三塁を踏ませなかった。
今春の沖縄北谷キャンプでも杉下氏から「今年抜きますって言って何年たつんだ。5年はたってる」とハッパをかけられた。この日もロッカー室に戻ってすぐさま電話をかけた。「キャンプで隣に立って指導してくれたんで。少しでも恩返しできたかな。でも杉下さんは10年足らずの記録。僕なんかはその3倍くらいかかってる」。歴史の1ページを開いてすぐに「次? 工藤さんですかね」と工藤公康氏(48=日刊スポーツ評論家)の記録を標的に挙げた。47歳3カ月での登板に、通算224勝…。竜の鉄腕は衰えを知らない。【桝井聡】
▼山本昌が通算212勝目を挙げ、杉下茂が持っていたチーム最多勝利記録を更新した。山本昌の今季2勝はともに先発勝利。46歳以上では浜崎真二が通算4勝、工藤公康が通算2勝しているが、浜崎は4勝のうち3勝がリリーフ、工藤は2勝ともリリーフで記録。46歳を過ぎてから先発で2勝したのは、プロ野球史上初めてだ。
日刊スポーツ[2012年5月1日7時12分 紙面から]
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◆中日ドラゴンズ・昌の父(75y)が歌手デビュー☆★息子は『中年の星』、父は『高齢者の星』 2009-10-05 | 野球・・・など
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マサ若い また快投 7回零封 球団新212勝/すごすぎる46歳 〈おめでとう♪〉
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