「小沢氏側が1億円要求」=2回に分け提供と証言−水谷建設元社長・陸山会公判
小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の公判が27日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、中堅ゼネコン「水谷建設」の川村尚・元社長(53)の証人尋問が行われた。元社長は「工事受注の見返りに元秘書から1億円の資金提供を要求され、2回に分けて支払った」と証言した。
検察側の質問に対する川村元社長の証言によると、元社長は2003年11月、協力会社社長の紹介で、議員会館の小沢事務所で元公設第1秘書大久保隆規被告(49)と会い、胆沢ダム(岩手県奥州市)建設工事の下請け受注を依頼。大久保被告から「同業者より遅い」と言われた。
同年の大みそかには、大久保被告の自宅を訪れ、現金100万円を渡し、その後料亭で4〜5回接待したという。
04年9月に、議員会館で大久保元秘書から2回に分けて計1億円を提供するよう要求され、「分かりました」と応じた。同年10月15日に5000万円、05年4月中旬に5000万円を小沢氏側に提供したという。(時事通信2011/04/27-11:28)
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◆「小沢事件」キーマン水谷功氏の揺らぎ、変質2011-03-10
小沢一郎公判"ねじれ"の原因となった「水谷兄弟」の骨肉の争い 「渡せと指示したが渡したかはわからない」と証言が揺れ始めた
現代ビジネス 伊藤博敏「ニュースの深層」2011年03月10日(木)
特捜部は、大久保隆規秘書を09年3月に逮捕、さらに「小沢逮捕」に駆け上がろうと、当時、脱税事件で三重県の津刑務所に服役していた水谷氏のもとに日参、「小沢事務所に裏ガネ1億円を渡すように指示した」という証言を引き出した。
09年10月以降、捜査を再開、10年1月の石川逮捕に至ったのは、功氏の「裏ガネ証言」があったからである
「四面楚歌」で孤立する水谷功氏
ところが、今年に入って「秘書公判」が始まると、「水谷証言」が揺らぎだした。
「5000万円を2回、持って行くように指示したのは事実だが、それが確実に相手のところに渡ったかどうかは、わからんわなぁ」と、あいまいな発言を繰り返すようになった。しかも、検察側ではなく弁護側(小沢秘書サイド)証人となったのである。
もともと、ぶれる人ではあった。佐藤栄佐久・前福島県知事の汚職事件では、「裏ガネを渡した」と証言、佐藤逮捕の決め手を検察に提供しながら、公判になると否認に転じた。 それにしても、大物政治家を権力の座から引きずり下ろすような証言をしながら、なぜ豹変するのか。
水谷氏の知人によれば、「四面楚歌で孤立している功氏は、水谷建設社長を務める兄・紀夫氏とも、裏ガネを運んだ川村(尚)元社長とも対立、独自の道を歩かざるを得ない状況だ」という。
「脱税事件で服役の間に、川村氏は距離を置くようになったし、水谷建設は復帰を許さなかった。『会社の為にやってきたことなのに』と、怒り心頭。現在、愛西市の日起建設というところで再起を図っているが、会社も川村も許すつもりはない」
渡せとはいったが、渡したかどうかは本人じゃないからわからない---。
石川元秘書に5000万円、大久保秘書に5000万円を手渡ししたのは、当時、社長の川村氏である。「本人じゃないからわからない」のは事実だが、あえてそれを口にするあたりに、両者の深い溝がうかがえる。
兄・紀夫氏との関係もそうだ。
昨年9月、水谷氏の知人の女性経営者が、債権譲渡した男性と二人で、水谷建設を相手に「貸金返還請求訴訟」を起こしている。
訴状では、8年前の03年8月、女性経営者は当時、会長だった水谷氏から頼まれて6000万円を融資したものの、現在に至るまで支払いがないので、元金に利息をつけて返還しろ、と訴えている。
すでに、裁判は始まっており、水谷建設の借金だという女性経営者の訴えが正しいのか、当時、代表権のない副社長だった功氏の個人的借金だったと反論する会社側の主張が正しいかを論評する気はない。
興味深いのは、提訴前に水谷氏が「陳述書」を提出、そのなかに「借入に際しては会社経理担当者と協議のうえで行い」、「借用目的は裏ガネ」で、「管理本部長に頼まれたから借り入れた」と、述べていることだ。
「三行半」を叩きつけてきた会社=紀夫社長に対し、過去の精算を、裁判所を通じて迫っていると見ることもできる。
水谷建設元会長と、今も表記されているため、一体と見られがちだが、実は、孤立無援、四面楚歌の状態にある。川村氏とも水谷建設ともケンカ状態。そこに小沢氏サイドが巧みに接近しているのだという。
「日起は小さなサブコンだが、功氏はここで食っていかなくてはならない。でも、事件続きで、みんな怖がって、なかなか完全復帰はできない。そこに小沢氏周辺が、『証言などで協力してくれれば悪いようにはしない』と、メッセージを送っているという話もある。弁護側証人を了解したのは、そんな"秋波"に応えているのでないか」(前述の知人)
日本有数のサブコンのトップとして、ゼネコンの前捌き役として、政界を含む各方面との調整作業を行っていた頃の面影はそこにはない。あるのは、必死の生き残り策に追われ、利用できるものは何でも使おうとする孤独なひとりの経営者の姿である。
だから弱く、でもしたたかに遊泳、それが傍目には"ゆらぎ"と映る。それは事実だがその背景まで考慮しなければ、「小沢事件」のキーマンの変質は理解できない
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「陸山会事件」 水谷建設川村尚元社長「小沢氏側へ1億円」証言の背後にある事情
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