小沢一郎 “よこしまな”思惑の野田首相に会う理由
日刊ゲンダイ2012年5月23日 掲載
形だけ会談は免罪符にならない
小沢―野田会談が来週にも行われることになった。党分裂を避けたい輿石幹事長の要請を小沢・元代表が受け入れたわけだが、もちろん会談は決裂だろう。
野田は、すでに自民スリ寄りの“増税談合”で消費税関連法案を成立させる方向に舵を切っている。「小沢との会談を次のステップへ進む“手順”にする」思惑がミエミエだ。
「野田さんにしてみれば『小沢さんの説得に手を尽くした』という痕跡が残ればいいのです。丁寧な手続きを踏んだことを見せて、それでも採決で小沢グループが造反した場合、即、除名する。そのための演出とみられています」(民主党関係者)
そんな薄汚い思惑があるのに、小沢はどうして会談に乗るのか。政治評論家の野上忠興氏は言う。
「消費増税に対する世論の厳しい風向きはまったく変化していません。特別委員会の審議が始まりましたが、身を切る努力もなく、一体改革と言いながら社会保障は後回しという“いい加減さ”がどんどん浮き彫りにされるでしょう。民主党の政党支持率もガタガタで、党内は中間派を中心にスンナリと増税に賛成するような空気ではなくなってきました。だから、アリバイ工作なのが分かっていても、小沢氏は乗った。『そんなことまでして世論の風向きが変わると思うのならやってごらん』という余裕なのでしょう」
国民はバカじゃない。かえって、野田の小手先戦術がクローズアップされる。小沢はそうみているのだろう。だとしたら、首相が「会いたい」と言うのに拒否する理由はない。
「会って話せば、野田さんの本気度と覚悟が見える。野田さんが頭を下げれば、小沢さんは『協力しますよ』と言うでしょう。『でも今じゃない。成立を急ぐ必要はない。民主党の原点に戻って、まずやるべきことをやる。それが先だ』と付け加えると思います」(小沢グループ議員)
加えて、会談では輿石幹事長の“値踏み”もできる。野田とのサシではなく、輿石も入る3者会談になるところがミソだ。
「輿石幹事長が、野田首相と小沢さんのどっちを向いているのか。マスコミに会談の中身をどう説明するのかで正体が分かる」(別の小沢グループ議員)
会談後に野田がどう出るか。思惑通りには絶対にコトは運ばない。
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来週の野田・小沢会談の結果次第で民主党が分裂する可能性も
FNNニュース 最終更新: 2012/05/23 18:08
消費税増税を含む社会保障と税の一体改革法案の審議が国会で続いている。
そうした中、注目されるのが、来週行われる野田首相と小沢元代表の会談だが、この結果次第では、民主党が分裂する可能性が、23日の審議で見えてきた。
小沢元代表の戦略は、野田首相が消費税増税で大幅に譲歩しないかぎり、反対の旗を振り続け、法案を採決させないという戦略だが、23日、野田首相は、今の国会中の採決を明言し、採決の先送り案を明確に否定して見せた。
野田首相は「基本的には、党議に従って行動していただく」、「採決をやらないということはありません」、「そのことから逃げるとか、そのことをやらない前提で法案提出をするなんてことは、政治家としては、あってはいけないことだと思うし、そんなことをするつもりは全くございません」と述べた。
野田首相は、消費税増税法案賛成は党議であり、この国会中に採決すると明言した。
さらに野田首相は、来週、小沢元代表と会談する見通しを示したうえで、「きちんと説明すれば、理解いただけるものと確信している」と述べたが、会談が物別れとなれば、採決の際に小沢グループが造反する可能性が高まる。
その場合、党議違反ということで、小沢元代表らが除名処分となり、党が分裂する可能性があり、採決を秋以降に先送りし、党分裂を避けようとしているともみられている輿石幹事長の対応が鍵となる。
今後は、会期延長幅や自民党との修正協議とからみ、採決の時期がいつになるかが最大の焦点となり、野田首相の決断が注目される。
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◆小沢一郎元代表 どう動く 6月上旬が最初のヤマ/倒閣なら細野豪志氏擁立も/解散なら政界再編の可能性 2012-05-22 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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◆増税もできず、解散もできず 小沢控訴で始まった 永田町の「終わらない物語」 週刊朝日 5/25号 2012-05-16 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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