小沢氏ぶら下がり詳報 「消費税に賛成というわけにいかない」
産経ニュース2012.5.30 14:34
民主党の小沢一郎元代表は30日午後、野田佳彦首相との約1時間半の会談を終え、消費税増税関連法案について「賛成できない」と語ったことを記者団に明らかにした。党本部で行われた小沢氏のぶら下がり取材の詳細は以下の通り。
−−お願いします…
「(記者の質問を遮り)僕からちょっと報告しますから。えー、今、総理とそれから(輿石東)幹事長、3人での会談を終わりまして、うーん、まず総理からは、日本の財政事情、特に少子高齢化の、福祉の問題等にかんがみまして、消費税の増税は待ったなしだ、というふうに認識をしていると。それで協力してもらいたい。こういう最初にお話がありました」
「私の方からはそれに対しまして、消費増税につきまして国民の大方の皆さんの抱いている感じは、国民に大きな税負担をさせる前に、政権としてやることがあるんじゃないですか、それをやってからの話じゃないですか、というのが国民の皆さんの率直な偽らざる気持ちじゃないでしょうか」
「私ども、この点については同じように考えております、と申し上げまして、そして具体的に大きな問題点として、ひとつは、私ども、政権交代に向けた総選挙において、国の仕組みを、行政の仕組みを、統治の仕組みを、中央集権の官僚支配から地域主権、地方自治ですね、地方分権、その仕組みに日本の行政社会を変えるんだ。この大改革を実行することによって、中央集権、霞ヶ関支配のいろいろな矛盾を是正し、そこから無駄を徹底して省いて、その無駄を省いた財源によって当面、新しいわれわれの政策の実行の財源とするということを言ったつもりです。総理もそうおっしゃってきたと思います。そういうことからすると、今国民皆さんは、その約束が緒についていないという認識を持っておられるんじゃないでしょうか。私どもも、そう思っております」
「第2点は、税と社会保障の一体改革ということだが、社会保障についても、私どもは例を挙げれば、年金制度の大改革やら後期高齢者医療の問題やら、等々、国民皆さんにお話ししてきました。ところが、今日、そのわれわれの社会保障の描いてきたビジョンは、どこへいったか。忘れ去られようとしていて、結局消費税の増税だけが全面にでている。これはとても一体改革とはいえないんじゃないかという、これまた国民皆さんの思いじゃないでしょうかと」
「第3番目は、日本経済のデフレからの脱却ということでずっとやってきたが、なかなか日本経済の再建、再生が、その途上にあるわけですが、そのときにヨーロッパのユーロの不安定な状況が非常に深刻になってきていると。まかり間違えると、世界不況ということになりかねない。そういう中で日本はさらに(東日本大)震災の痛手からまだ完全に立ち直っていない。震災復興という問題があると。そういうような中で大増税ということになるのは、これは経済政策の面でも実態の面でも、納得できない、ということだと思います。主としてその三点から、私どもとしては消費増税、13兆円に近い大増税でありますので、これに賛成か否かということを今問われれば、賛成というわけにはいかない。これは、国民の大多数の思いでもあると思います」
「まあ、時には国民の意向に反するようなことでも、お国のためにやらなければならないということ、もちろんあるかとは思いますけれども、しかし、今言ったように、私どもはその前に、こういうことをやるんだと。政治主導、国民主導、国民の生活が第一の理念を掲げて政権を託されたわけですので、その大増税の前にやるべきことをきちんとやるというのがわれわれの民主党政権の課せられた責任ではないだろうか、ということを申し上げました。うーん、あと、1時間半近くになりましたが、お互い、ざっくばらんな意見交換をすることができたであろうと思っております。まあ以上です」
−−3点の指摘に対して総理はどう返答したのか
「だから、総理は、ひとつはそれはそれとして、財政の再建は待ったなしだ、もう時間がない、今やっておかなければダメだという認識でいるということが第1点。もうひとつは、いろいろ民主党政権になって自民党の政権下に比較して、いろんな面で前進をしている。自分はそう思っているというお答えでした。だから私は、自民党政治の延長線上という観点で比較すればそうかもしれないけれども、われわれの主張はそれよりもっともっと大きな大胆なものだったと考えております」
−−今後、総理と再び会談して何らかの一致点を見いだすことは可能か
「一致点を見いだすかどうかは、それはわかりません。だけども、総理、代表でありますし、私は一党員になったばかりですけれども、一党員ですので、代表からお呼び出しされれば、どこへでも党員として行かなくちゃならないと認識しております」
−−総理から増税の必要性を訴えたが、総理がこの主張を続けて最終的に国民の理解を得ることは可能と考えるか
「どちらが?」
−−国民が最終的に増税について納得できる状況は作られるのか
「ですから、私申し上げましたように、国民皆さんは増税を国民に言う前にやるべきことがあるんじゃないですか、というのが、国民皆さんの主張じゃないでしょうかと。その意味で、このままでは納得得られないし、私どもも国民皆さんが納得しないということについては、われわれも同じ思いを持っております、ということです」
−−ざっくばらんの意見交換というのは他にどういう内容か
「それに関連してのことです」
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小沢反撃開始 「増税の前にやることある」
日刊ゲンダイ2012年5月30日 掲載
与野党固唾のむ中 1時間半の話し合い
<呼ばれればいつでも会う>
「大増税は納得できない。国民に大きな税負担をさせる前にやることがある」――小沢元代表の直談判にも、野田首相は決意を曲げなかった。
注目の話し合いは、やはり物別れに終わった。30日午前11時から始まった野田首相と小沢元代表のトップ会談。会談時間は1時間の予定をズレ込み、1時間半に及んだ。
小沢は会談後、野田とのやりとりを記者団に打ち明けた。
野田は「消費増税は待ったなしだ。協力してもらいたい」と関連法案成立への協力を要請した。小沢は「税負担をさせる前に政権としてやることがあるというのが国民の偽らざる気持ちだ」と増税に反対する考えを重ねて表明。(1)地域主権など国の形を変えること(2)一体改革に民主党が描いてきた社会保障ビジョンを反映させること(3)デフレ克服に全力を挙げること――の3点を野田に要請した。
小沢はザックバランな意見交換を行ったというが、「(野田と)一致点を見いだせるか分からない」と語り、2人の意思はまとまらなかった。小沢は「党員なので代表から呼び出されればどこへでも行く」と答え、再会談の可能性をにじませた。
小沢は会談の10分前に、野田は5分前にそれぞれ党本部に到着。小沢はうっすら笑みを浮かべながら党本部に入ったが、野田は口を真一文字に結んだまま。緊張した面持ちを崩さなかった。
小沢サイドにとって、この会談は表舞台に復帰するきっかけだ。今夜にはNHKのニュース番組に出演。本当に国民はこの不景気の中での増税を望んでいるのか。そこを自分の言葉で訴える予定だ。
「いよいよ反撃開始ですよ。黙っていると、小沢は悪者、悪者が反対する消費増税はいいことみたいな図式をマスコミや野田首相にどんどんつくられてしまう。それで自分が消費増税に反対する理由を真正面から国民に訴え、議論を本質に戻したいのでしょう。とにかく、今の政治マスコミはわざと消費増税の是非に触れず、小沢は必要か不要かばかりで騒いでいますからね」(民主党関係者)
小沢切りを狙う野田や自民党の計算は狂い始めるかもしれない。
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◆首相と小沢氏 会談は平行線 / 「再会談の要請があれば、応じる」小沢一郎氏 2012-05-30 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
NHK ニュース WEB 5月30日 13時4分
野田総理大臣は、民主党の小沢元代表と、30日、民主党本部でおよそ1時間半にわたって会談し、消費税率引き上げ法案の成立に向けて協力を要請しました。
会談のあと、小沢氏は、記者団に対し、「野田総理大臣に対し、『消費増税に賛成か否かと今、問われれば、賛成というわけにはいかない』と話した」と述べ、会談が平行線に終わったことを明らかにしました。
野田総理大臣と民主党の小沢元代表の会談は、民主党本部の代表応接室で、輿石幹事長も同席して、午前11時からおよそ1時間半にわたって行われました。
会談のあと、小沢氏は、記者団に対し、「野田総理大臣からは『今日の財政事情、特に少子高齢化の問題に鑑みて、消費税の増税は待ったなしだと認識している。協力してもらいたい』という話があった。これに対し、私からは『消費増税について、国民のおおかたの皆さんの抱いている感じは、国民に大きな税負担をさせる前に、政権としてやることがあるのではないか。それをやってからの話ではないかというのが、国民の率直な偽らざる気持ちではないか。私も同じように考えている』と伝えた」と述べました。
そのうえで、小沢氏は「13兆円に近い大増税なので、消費増税に賛成か否かと『今、問われれば、賛成というわけにはいかない』と話した」と述べ、会談が平行線に終わったことを明らかにしました。そのうえで小沢氏は「一致点を見いだすかどうかは分からないが、私は、一党員になったばかりであり、代表から呼び出されれば、党員として行かなくてはならない」と述べ、野田総理大臣から再会談の要請があれば、応じる考えを示しました。
また、会談に同席した輿石幹事長は、記者団に対し、再会談の可能性について「必要があればやることになるし、必要がなければやらない」と述べました。
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Ozawa Ichiro Website より
【TV出演のご案内】
30日(水)NHK「ニュースウォッチ9」 に
小沢一郎代議士が生出演いたします。
■放送日 : 5月30日(水)
■放送時間 : 21:00〜
■放送局 :NHK
■番組名 : ニュースウォッチ9
■聞き手 :大越キャスター・井上キャスター
■主な内容 :野田首相との会談内容について
社会保障と税の一体改革、消費増税について
今後の政治行動について等
■番組HP :ニュースウォッチ9
ぜひ、ご覧下さい。
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◆民主 もう一つの党内抗争 9月代表選、党員集め過熱 「増税不人気の首相」VS「裁判が続く元代表」 2012-05-30 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
中日新聞《 核 心 》2012/5/30 Wed.
9月に行われる民主党代表選の「有権者」となる党員・サポーター登録が、今月末で締め切られる。民主党内閣法制局では、30日に行われる野田佳彦首相と小沢一郎元代表の会談をにらみながら国会会期末の6月下旬ごろの政治の動きに注目が集まっている。だが、その裏で「9月」に向けたもう一つの戦いが、静かに、そして熱く行われている。(政治部・岩崎健太朗・清水俊介)
■主流派目指し
小沢元代表の側近・鈴木克昌衆院議員(愛知14区)は今月中旬、愛知県豊川市で党員・サポーター会議を開いた。
鈴木氏は国政の混乱に頭を下げ「各地区で皆さんの声を聞くと、私もボコボコになる気持ちです。態勢を立て直し、党が期待に応えられるよう努力します」と、言葉を選びながら支持を求めた。元代表は側近にも自分の本音はめったに明かさない。だが9月の代表選で、野田氏を辞任に追い込むシナリオを描いていることは分かる。
元代表を担ぐか、元代表が推す候補を担ぐか。ここには考え方の違いがあるが「代表選で勝ち主流派に返り咲く」という目的では元代表支持の議員たちは一致している。そのためには票全体の約3割を占める党員、サポーター票は重要だ。6月以降に登録した党員・サポーターは9月には投票権を得られないから、勝負は今月で決まる。
鈴木氏同様、元代表に近い辻恵衆院議員はツイッターで「9月決戦」を念頭に「一人でも多く集めたい」と決意表明している。
■再選を目指し
野田首相の再選を目指す議員も、9月に向けて奔走。近藤洋介衆院議員(山形2区)は今月中旬、山形県寒河江市で開かれた県トラック協会の会合で「消費税増税の影響は心配だと思う。対策はきちんとします」と訴えた。集まった人は近藤氏の支援者が多く、サポーターもいる。近藤氏は「私が野田支持だと分かっている。代表選でも協力してくれるはず」と期待する。
もし国会会期が大幅延長すれば消費税増税関連法案の採決前に代表選が行われる可能性もある。国会だけに気を取られて代表選の準備を怠ったら法案採決前に首相が交代する事態になりかねない。近藤氏は、野田首相グループの会合でも「再選のためにもサポーター集めをしっかりやってほしい」とげきを飛ばしてきた。
■逆風を利用し
だが議員たちが走り回っても有権者の反応は「低温」だ。もともと党員・サポーター傘下の代表選は「あなたの1票で首相を選ぼう」という掛け声のもと党勢拡大する狙いがあった。
だが、野田内閣の支持率は3割を割り込み、元代表も法廷闘争から抜け出せない。この2勢力の争いにカネを払って1票を投じようと思う国民は多くないのが実情だ。
小沢系議員のもとには、政治資金規正法違反事件で元代表が無罪となった4月26日の後は「サポーターになりたい」という問い合わせが相次いだが、5月9日に控訴されてからは動きも止まった。県連の中には既に党員・サポーター集めを締め切った所も億、党勢拡大はもくろみ通りにいかなかった。
東海地方の比例議員は「増税一本やりの野田首相、刑事被告人の元代表。どちらが首相になっても、僕は落選だ」とぼやく。
関東地区選出の若手のように、苦境を逆手に取り「民主党が気に入らない人こそサポーターになって首相を代えましょう」と訴えた議員もいる。しかし、ただでさえ支持を失った民主党が9月に向けて争う姿に、国民はへきえきしている。
議員に多く寄せられるのは「首相を毎年、ころころ代えるべきではない」という声。野田首相支持の議員も元代表支持の議員も、地元を走ることで、党に向けられる国民の視線が厳しいことを、あらためて感じている。
民主党の代表選
国会議員や地方議員に加え、18歳以上の党員やサポーターが参加できる。29日現在の推計で、計1387ポイントの過半数を得た候補が代表となる。約30万人の党員・サポーターのポイントは、衆参の国会議員支部の数に応じて都道府県単位で割り当てられ、推計では445ポイント。全体の約3分の1を占める。年会費は党員6000円、サポーター2000円。過半数を得る候補がいなければ上位2人で決選投票。この時投票できるのは国会議員と公認内定者のみ。在日外国人はサポーターになれるが、代表選には参加できない。
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◆小沢一郎元代表 どう動く 6月上旬が最初のヤマ/倒閣なら細野豪志氏擁立も/解散なら政界再編の可能性 2012-05-22 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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2012-05-30 17:37:04