いつ解散? 4想定
中日新聞 【核心】 2012/06/10
国会が二十一日、会期末を迎える。毎年、会期末には与野党が激突して荒れた展開になるが、今年は民主、自民、公明三党による消費税率引き上げ法案を含む社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議が同時進行中で、ハプニング的に衆院解散・総選挙となる可能性もささやかれる。そこで、来夏の衆院任期切れまで見通しながら解散のタイミングをシミュレーションした。(政治部・清水俊介)
一体改革法案 カギ
■6月■ 否決で「破れかぶれ」
直近で解散があるとすれば会期末、修正協議がまとまらなかった時だ。
合意がないまま衆院解決に持ち込まれると、野党、さらに民主党の小沢一郎元代表らも反対して否決となる可能性がある。「政治生命を懸ける」と明言してきた法案が否決されれば、野田佳彦首相が伝家の宝刀を抜くことも十分考えれる。
一方、与党が採決を先送りしようとすると、自民党はじめ野党は内閣不信任案提出する方針。ここで元代表を支持するグループが造反して賛成に回れば可決することもあり得る。この場合、法案否決と同じ展開となることも予想される。
どちらもケースも、民主党は分裂選挙になる。「破れかぶれ解散」と呼ばれるだろう。
二〇〇五年、小泉純一郎首相は郵政民営化法案の参院での否決を受け衆院を解散した。この時も「破れかぶれ」と言われたが、首相の覚悟が国民の支持を集め、自民党は圧勝した。
■夏■ 合意後に「話し合い」
谷垣禎一総裁ら自民党執行部は修正合意の条件として、衆院解散を確約するよう迫っている。首相が要求をのんだ場合「話し合い解散」が実現する。
と言っても、すぐに解散するわけではない。法案が参院で可決・成立し、他の重要法案も処理した後になるため、国会会期延長を経て、夏の選挙となりそうだ。
話し合いで解散時期を決めるのは簡単ではない。過去、「話し合い解散」は一九五八年の一度しかない。
■秋■ 代表選「ご祝儀」狙い
修正協議が進んでも、進まなくても、九月には民主党代表選がある。
新首相が誕生した場合、過去の例をみれば政権の支持はいったん上がる。野田首相が再選されても、新たに組閣、党役員人事を行うことで多少持ち直すだろう。「ご祝儀相場」が解散論を後押しするのは確実だ。そのタイミングは、民主党にとっては積極的に勝負に打って出る数少ないポイントとなる。
〇三年秋、自民党総裁選で再選された小泉純一郎首相は、まだ四十代だった安倍晋三氏を幹事長に大抜擢。内閣支持率は総裁選前と比べて20ポイント高い七割近くになった。小泉首相は解散に打って出たが、選挙前より議席を減らし、期待したほどの「ご祝儀」はなかった。
■来年■
解散されず、ずるずる先送りされることもある。〇八年、首相に就任した麻生太郎氏が「ご祝儀相場」解散を模索しながら、結局任期満了近くまで来てしまったことがあった。
先送りされる場合でも、与野党の合意に基づいて計画的に先送りなることもあり得る。修正協議で合意した時に「解散は任期満了近くまで行わない」と約束するというパターンだ。
消費税増税を決めた直後の選挙は避けたいという思いは民主、自民双方に根強い。それならば、話し合い解散を目指す谷垣氏とは逆の発想で「話し合い先送り」を主張する声も高まりそうだ。このシナリオは自民党の森喜朗元首相らが唱えている。
任期満了近くまで先送りすると、来年七月に予定される参院と同日選となる。それがどの党に有利になるかという損得勘定も重要なポイントとなる。
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◆野田首相・小沢一郎氏会談の一方で、森喜朗氏「谷垣さんは消費増税に賛成してしっかり副総理に入ればいい」 2012-05-29 | 政治
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