香港活動家 尖閣上陸で分かった 米軍は日本を守らない!
日刊ゲンダイ2012年8月17日 掲載
沖縄・尖閣諸島の魚釣島に上陸し、沖縄県警や海上保安庁が入管難民法違反容疑で逮捕した香港の活動家ら14人の身柄が17日、入管当局に引き渡された。“既定路線”で、全員が午後、強制送還されるが、この事件であらためてハッキリしたのは、我が物顔で駐留している在日米軍が何の役にも立たないことである。
象徴的だったのは15日の米国務省のヌーランド報道官の会見だ。尖閣問題でゴタつく日中関係について質問されると、表情ひとつ変えず、「日中で解決してほしい。米国は、どちらの味方もしない」と突き放したのだ。
恐らく日本のメディアは、報道官から最低でも「懸念を持っている」との言質を引き出したかったのだろうが、到底、ムリな話である。
「尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起きた10年9月、ヒラリー国務長官と会談した前原外相は、『(ヒラリーが)尖閣は日米安保の対象と明言した』と明かしたが、米国務省のスポークスマンは、すぐにヒラリー発言を修正。『尖閣の領有問題については立場を明らかにしない』とクギを刺し、米国は尖閣防衛の意思ナシ――という姿勢を鮮明にしています。そもそも尖閣や竹島、北方領土で領有権をめぐる争いが起きているのは、米国が占領を解く際に“火ダネ”として意図的に曖昧にしたのが原因。日韓中ロが親密になれば、米国にとって脅威になりますからね。米国がわざわざ尖閣問題の解決に乗り出すはずがありません」(外交ジャーナリスト)
<緊張高まるほど「オスプレイが必要」皮算用>
尖閣は72年、米国から沖縄と一緒に返還されたが、米国は当時から「行政権」の返還であり、「領有権」は日中間で解決して欲しい――というスタンス。今もそれは変わっていない。元外務省国際情報局長で作家の孫崎享氏はこう言う。
「米国は日本国内で尖閣問題の緊張感が高まることを期待しているのでしょう。高まるほど在日米軍が必要――とされるからです。しかし、米軍は日本のために中国と戦争する気は全くありません。日米安保条約では、島しょ部の防衛は日本の自衛隊が担うとされている上、条約上の義務が発生するのは管轄下(領有権)に限られているからです」
米国は、尖閣が日本のものでも中国のものでもどっちでもいい。望んでいるのは一連の騒動によって、日本国内で「日米同盟は大事」の大合唱が起き、欠陥ヘリ「オスプレイ」の配備がスンナリいくことだ。日本の土地を、占領下のように自由に使えればいいと考えているのだ。
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◆ 米国務省 尖閣諸島の領有権では中立強調 「日米安全保障条約第5条適用対象」との立場 2012-08-17 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
米国務省、挑発行為の自制求める 尖閣諸島の領有権では中立強調
産経新聞 8月16日(木)10時20分配信
【ワシントン=犬塚陽介】米国務省のヌランド報道官は15日の記者会見で、香港の団体が沖縄県・尖閣諸島に不法上陸した事件について「圧力や押し付けがましさは問題の解決に有益ではない」と述べ、挑発的な行動への自制を促した。一方で、米国は尖閣諸島の領有権に関して日中どちらかの主張を後押しすることはないとし、従来の見解を強調した。
ヌランド報道官は尖閣諸島の領有権について「挑発的な行動ではなく、双方の合意の上で解決される必要がある」と述べ、日中双方による平和的な解決を求めた。
一方、不法上陸した香港の団体については、米国として「詳細な情報は持っていない」と語った。沖縄県警と第11管区海上保安本部による不法上陸者ら14人の逮捕など、日本側の対処の妥当性については言及を避けた。
尖閣諸島について米政府は、「日米安全保障条約第5条の適用対象」との立場をとっている。
石原慎太郎著『新・堕落論』新潮選書2011/7/20発行
p79〜
しかしその間中国の潜水艦は沖縄の島々の間の海峡を無断で通過するという侵犯を敢えて行い、日本側はそれに抗議するだけにとどまる不祥事がつづき、日本側は、本来なら警告の爆雷投下ぐらいはすべきだろうに放置してきました。これがもし日本の潜水艦が中国なり北朝鮮、いや韓国の領海にしても無断で押し入ったなら当然撃沈されるされるでしょう。それが「国防」というものだ。国防のためにすべきことを行わない国家にとっては、領土も領海も存在しないに等しい。
この尖閣問題はさらに今後過熱化され、日本、アメリカ、中国三者の関わりを占う鍵となるに違いない。要はアメリカは本気で日米安保を発動してまで協力して尖閣を守るかどうか。守るまい、守れはしまい。
p81〜
尖閣諸島への中国の侵犯に見られる露骨な覇権主義が、チベットやモンゴルと同様、まぎれもなく、この国に及ぼうとしているのに最低限必要な措置としての自衛隊の現地駐留も行わずに、ただアメリカ高官の「尖閣は守ってやる」という言葉だけを信じて無為のままにいるこんな国に、実は日米安保条約は適応されえないということは、安保条約の第5条を読めばわかることなのに。後述するが、アメリカが日米安保にのっとって日本を守る義務は、日本の行政権が及ぶ所に軍事紛争が起こった時に限られているのです。
つまりあそこでいくら保安庁の船に中国の漁船と称してはいるが、あの衝突の(略)アメリカはそれを軍事衝突とはみないでしょう。ましてその後ろにいるのが中国としたら、アメリカの今後の利害得失を踏まえて本気のコミットメントは控えるに決まっている。
安保条約への誤解
ちなみに現時点ならば、核兵器に関しては別ですが日本が独自に保有する通常兵器での戦力は中国を上回っています。(p81〜)F-152百機による航空集団はアメリカ空軍に次ぐ世界第2の戦闘能力があり、その訓練時間量は中国の寄せ集め機種での実力に勝っているし、制海権に関しても関しても保有する一次に7発のミサイルを発射し得る6隻のイージス艦を旗艦とする6艦隊は中国の現有勢力に十分対抗し得る。予定のイージス艦10隻保有が達成されれば日本独自で制海権を優に獲得し得る。ということを、政府は国民に知らしめた上で尖閣問題に堂々と対処したらいいのです。
もともと尖閣諸島に関する日中間の紛争についてアメリカは極めて冷淡で、中国や台湾がこれら島々の領有権について沖縄返還後横槍を入れてきていたので、日本はハーグの国際司法裁判所に提訴しようとアメリカに協力を申し入れたのに、アメリカは、確かに尖閣を含めて沖縄の行政権を正式に日本に返還したが、沖縄がいずれの国の領土かということに関して我々は責任を持たないと通告してきています。
さらに、かつて香港の活動家と称する、実は一部軍人が政府の意向に沿って民間船を使って尖閣に上陸し中国の国旗を掲げたことがありましたが、一方同時に沖縄本島ではアメリカ海兵隊の黒人兵3人が小学校5年生の女の子を強姦し県民が激怒する事件が重ねて起こりました。
p83〜
その時アメリカの有力紙の記者がモンデール駐日大使に、尖閣の紛争がこれ以上拡大したら、アメリカ軍は安保条約にのっとって出動する可能性があるかと質したら、大使は言下にNOと答えた。
しかし不思議なことに日本のメディアはこれに言及せず、私一人が担当していたコラムに尖閣の紛争に関してアメリカの姿勢がそうしたものなら安保条約の意味はあり得ないと非難し、それがアメリカ議会にも伝わり当時野党だった共和党の政策スタッフがそれを受け、議員たちも動いてモンデール大使は5日後に更迭されました。
丁度その頃、アメリカでは中国本土からの指令で動くチャイナロビイストのクリントン政権への莫大な献金が問題化しスキャンダル化しかかっていたが、それとモンデールの発言との関連性ははたしてあったのかどうか。(略)
p84〜
さて、尖閣諸島の安保による防衛に関してのモンデールの発言ですが、実はこの発言には、というよりも安保条約そのものにはある大切な伏線があるのです。はたして彼がそれを熟知して発言したのかどうかはわからないが。
彼だけではなしに、政治家も含めて日本人の多くは、安保条約なるものの内容をろくに知らずに、アメリカはことが起こればいつでも日本を守ることになっていると思っているが、それはとんでもない思い込み、というよりも危ない勘違いです。
「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全をあぶなくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃およびその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第51条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない」(日米安保条約第5条)
p85〜
ここで規定されている日本領土への侵犯を受けての紛争とは、あくまで軍事による紛争です。尖閣でのもろもろの衝突事件は日米安保の対象になり得ないというアメリカの逃げ口上は条約上成り立ってしまう。
だからヒラリー国務長官がいくらアメリカは日本の尖閣を守ってやると大見得を切っても、その後彼女の子分のクローリー国務次官補が圧力をかけてきて日本の政府にああした措置をとらせてきたのです。
日米安保に関するもう一つの大きな不安要素については、ほとんどの日本人が知らずにいます。
それはアメリカのれっきとした法律、「戦争権限法」だ。これは戦争に関する大統領の権限を強く拘束制限する法律です。大統領はその権限を行使して新しい戦争を始めることは出来るが、それはあくまで剥こう60日限りのことで、その戦争のなりゆき次第で議会は60日を過ぎると行われている戦争に反対しそれを停止させることもできるのです。
しかしこれは彼等白人同士の結束で出来ているNATOが行う戦争には該当され得ない。
p86〜
だから現在アフガンで行われている不毛な戦闘には適応され得ないが、彼等が作って一方的に押しつけた憲法にせよ、それをかざして集団自衛権も認めず、日本にとっても致命的なインド洋のタンカールートを守るための外国艦船への海上給油作業も止めてしまうような国での紛争に、果たして長い期間の戦闘を議会が認めるのかどうか。ここらは日本人も頭を冷やして考えた方がいい。
私の発言でモンデールが更迭された後、フォーリーが就任するまでなんと1年近くもの間アメリカの駐日大使は不在のままでした。つまり日本などという国には、ことさら大使を置かなくとも何の痛痒も感じないということだろう。
『尖閣戦争―米中はさみ撃ちにあった日本 西尾幹二×青木直人』 (祥伝社新書223)2010年11月10日初版
p42〜
*中国の息の長い戦略的、かつ野心的な計画---西尾
ここまで日本が危うい状態に追い込まれていながら、国民のなかには、まだそこまでの危機感が浸透していないように思います。尖閣を軍事占領されることはないと考えているとしたら、それは甘い。アメリカが安保条約に基づいて抑えてくれると考えているとしたら、それはさらに甘いと私は最初に言いました。そして安保条約というのは、そんな性格のものではありませんと述べました。そこが一番のポイントだと思います。
ここから日本はどうやって尖閣を守るかという話に転じなければいけないのですが、多くの人はアメリカに対する依存心理があって、クリントン国防長官以下が安保条約の5条適用と言ってくれると、「ああ、そうか」とほっとする。私ですらも安堵するわけですから、日本人がそれで安堵するのは無理はない。北朝鮮のミサイル打上げのときに、ライス国務長官(当時)が飛んできて「大丈夫よ。日本はアメリカの核で守られているんだから、大丈夫、大丈夫」と言ってくれたら、ほっとするのと同じことです。
しかし中国の今度の行動は、そんなに単純ではありません。きわめて戦略的な、息の長い、1世紀以上にわたって練られた中国人の野心的な計画の終着点だという性格が基本にあります。
中国は清の時代に、ロシアとイギリスの両国による西域争奪戦になすすべがありませんでした。中国が第2次大戦直後にチベットを侵略したのは、それへの復讐ですが、同時にインドを北から抑え込むためでもありました。チベット動乱の3か月後に、中印国境戦争が起きています。そして、それから10年後に、中国の眼は北に向かい、中ソ国境紛争と呼ばれるソ連軍との戦争を起こしました。ソ連が油断をしていたときです。北の次は当然南です。ベトナムは清の属国でしたが、かつてフランスに奪われ、何とか取り戻したいという領土的野心をもっていました。
しかしベトナムはフランスを倒し、アメリカをも追い払うという勇敢な民族で、中国も簡単に手出しができません。ですが、アメリカはベトナム戦争で手傷を負い、厭戦気分が高まり、アメリカは2度とベトナムに戻ってこないとわかってから、中国はゆっくりと侵略の牙を磨きだし、中ソ戦争の10年後に、ベトナム侵略を開始しました。1979年の中越戦争です。
こんなふうに中国の対外侵略の歩みはゆっくりですが、1度として停止したことはないのです。東西南北の4方向に向けてのこの国の深謀に根差した膨張行動の歴史をみれば、次に残された東への野心をこの国が諦めるはずはありません。理屈ではないのです。ただ西、北、南への進出にくらべて今度は用心深かった。旧日本軍への恐怖もあるでしょうが、何といってもアメリカが怖い。
しかし、その恐怖を抑えて、中国はここへきて、そろそろ動き出したのです。今の日本はどうやらまったく怖くないようだ。アメリカも力を失って浮き足立っている。同時多発テロ以後、アメリカが恐れているのは持ち運び可能な小型核です。アメリカ軍は少しずつ戦線を引き上げて、太平洋の防衛ラインを東へ移していく可能性が高い。太平洋全域を支配しようと手を出している中国は、琉球列島が何といっても邪魔である・・・。
p45〜
*南シナ海で現実に起こっていること---西尾
こうして事態は少しずつ動いていて、中国の野望がはっきりしてきたわけですから、沖縄は本当に危ないのです。そこから先何が起こるか考えてみたいと思います。すでに東南アジアでは、島の領有をめぐってしばしば衝突が起こっていて、1988年には、スプラトリー諸島、中国では南沙諸島といいますが、そこのジョンソン環礁でベトナム、中国両軍が軍事衝突を起しており、ベトナム軍艦が沈没しています。水兵70人以上が死亡しています。99年には2度にわたってフィリピン軍艦艇と中国の漁船が衝突して、このときは漁船が沈没しています。
最近でもこの10月にも、やはり領有権を争うパラセル諸島、中国名は西沙諸島ですが、ベトナム漁船が中国に拿捕されています。8月にはインドネシアのナトゥナ諸島沖でインドネシア海軍が拿捕した中国漁船を、武装した中国艦艇にに奪還される事件が起きています。南シナ海全体が中国のこうした威嚇と、現実的な拿捕事件、あるいは軍事行動に攪乱されています。これは日本とて決して無関心でいられる事件ではありません。さしあたり南で、中越戦争のつづきでしたが、次には当然東の海上へ目が向けられます。
p62〜
*アメリカが日本から中国へとシフトした1996年---青木
モンデール発言の翌年に、天安門事件以来、7年ぶりに中国の最高首脳がアメリカを訪問しました。歴代の中国の最高首脳がアメリカに行くときは、だいたいカリフォルニアなどから入って首都のワシントンに行くのですが、江沢民の場合、初めて真珠湾を訪問して、パールハーバーを視察します。そこで米中はともに日本軍国主義と戦った同志であるという大演説をやるわけです。(略)その1年後に、今度はクリントン大統領が、これもアメリカ最高首脳としては、天安門事件以来9年ぶりに訪中しました。
注目すべきは、クリントンもまたアメリカ大統領としては初めて、最初に北京ではなく西安を訪れたことです。西安とは抗日を目的に共産党と国民党が手を組んだ「西安事件」の舞台となったところです。
p64〜
米中が関係を深めてゆく。並行して、米国でも「南京事件」「従軍慰安婦」問題で、一切日本側の事実説明に耳を傾けないという露骨な雰囲気が表れてきたわけです。人権から歴史認識へ。これが「保守のプリンス」安倍晋三や麻生太郎らの元総理を追いつめた国際力学ともなったのです。
p65〜
*国防でアメリカに翻弄され、方途を見失ってきた日本---西尾
北朝鮮の核実験に際し、故中川昭一氏らが声を挙げ、日本国内で核武装論議が湧き起こったとき、ライス国務長官(当時)があわてて飛んできて、日本はアメリカの核の傘の下にあるという「客観的認識」を示してわれわれを安心させようとした話は前に述べましたが、北の核攻撃にアメリカが核報復するという「具体的な行動方針」を示したわけではなかった。日本の核武装を恐怖しただけの話でした。やがてテポドンが列島上空を横切ったとき、アメリカの国防長官はアメリカ大陸に届かないミサイルには関心がないと言いました。
p68〜
しかし他面、ことここに至った根本原因は日米安保体制にあり、アメリカの、日本に攻撃能力を持たせまいとした占領以来の基本政策にあるのではないでしょうか。
前にも申しましたが、講和条約作りを主導し、1953年に国務長官になったジョン・フォスター・ダレスは、その2年前に、各国代表に向かって、アメリカが日本国内に基地を保有する所以は、日本の自衛権に攻撃能力の開発を許さないためだ、と説明しました。(略)以来、侵略に対してはアメリカの協力を待って排除に当たるものとされ、独力で国を守るという思想が育ってこなかったのです。
p69〜
まずアメリカが憲法9条と日米安保をセットにして、日本から独力で生きる意志や力を削いで、日本人を平和の愚民に仕立てて、六十余年を過ごさせました。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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『日本人の誇り』藤原正彦著(文春新書)
p58〜
「明治・大正・昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義をひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代は士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。その前はもっと恥ずかしい国、その前はもっともっと・・・」
占領後、アメリカは米軍による日本国憲法制定を手始めに、言論統制、「罪意識扶植計画」等により、日本をアメリカに都合の好い属国に造り替えてゆく。
p63〜
GHQすなわちアメリカはまず新憲法を作り上げました。GHQ民生局が集まり1週間の突貫工事で作ったのです。憲法の専門家はいませんでした。まず前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書きました。アメリカは他国の憲法を自分達が勝手に作るというハーグ条約違反、そしてそれ以上に恐るべき不遜、をひた隠しにしましたが、この文章を見ただけで英語からの翻訳であることは明らかです。「決意した」などという言葉が我が国の条文の末尾に来ることはまずありえないし、「われら」などという言葉が混入することもないからです。いかにも日本国民の自発的意志により作られたかのように見せるため、姑息な姑息な偽装を施したのですが、文体を見れば誰の文章かは明らかです。そのうえ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と美しく飾ってみても、残念なことに「国益のみを愛する諸国民の権謀術数と卑劣に警戒して」が、現実なのです。
ともあれこの前文により、日本国の生存は他国に委ねられたのです。
第9条の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は前文の具体的内容です。自国を自分で守らないのですから、どこかの国に安全保障を依頼する以外に国家が生き延びる術はありません。そして安全保障を依頼できる国としてアメリカ以外にないことは自明でした。すなわち、日本はこの前文と第9条の作られたこの時点でアメリカの属国となることがほぼ決定されたのです。この憲法が存在する限り真の独立国家ではありません。中国に「アメリカの妾国」と馬鹿にされても仕方ないのです。(〜p64)
p120〜
私は大虐殺の決定的証拠が1つでも出てくる日までは、大虐殺は原爆投下を正当化したいというアメリカの絶望的動機が創作し、利益のためなら何でも主張するという中国の慣習が存続させている、悪質かつ卑劣な作り話であり、実際は通常の攻略と掃討作戦が行われただけと信ずることにしています。さらに事を複雑にしているのは日本国内に、大虐殺を唱え続けることこそが良心と平和希求の証し、という妄想にとらわれた不思議な勢力があることです。「南京大虐殺」は歴史的事実ではなく政治的事実ということです。事実であるという決定的証拠が1つでも出るはるか前に、「カチンの森」が事件発生50年後のソ連崩壊時に告白されたごとく、「南京大虐殺」の真実が、アメリカの情報公開で明るみに出るか、中国の一党独裁崩壊後に告白されるのではないかと考えています。
ただし、アメリカは時が来れば何でも情報公開する公平でオープンな国のように見えますが、肝心のものは公開しません。真珠湾攻撃前1週間の暗号解読資料とかケネディ大統領暗殺犯などについては、今もすべてを出そうとしません。南京事件が原爆投下と関係しているとしたら容易には出さないでしょう。
南京の話が長くなったのは、これが未だに日本人を委縮させているからです。中国に対して言うべきことも言えないでいる理由だからです。尖閣諸島が中国のものと言っても、自分から体当たりしてきて謝罪と賠償を高らかに唱えても、怒鳴りつけることもできず、下を向いたまま「領土問題は存在しません」とつぶやくだけの国となっているからです。
20年以上にわたり毎年10%以上も軍事費を増加させるという中国の異常な軍備拡大に抗議するどころか、すでに6兆円を超すともいわれる巨額のODAを与え、さらに援助し続けるのも、自らの対中防衛力を高める努力もしないでハラハラしているだけなのも、中国の不当な為替操作を非難しないのも、「南京で大虐殺をしましたよね」の声が耳にこだまするからです。中国の対日外交における最大の切り札になっているのです。(〜p121)
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◆ 韓国大統領「慰安婦問題 日本は責任ある措置を」/慰安婦説を最初に言い出したのは反日日本人吉田清治 2012-08-15 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
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◆「従軍慰安婦」抗議から見える/米は日本国憲法制定を手始めに「罪意識扶植計画」等により日本を属国に 2012-07-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉