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韓国議員が国後島を訪問 日露間の領土問題におけるロシアの対応を視察

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 北方領土:韓国議員が国後島を訪問…政府は「無関係」
毎日新聞2011年5月24日 20時14分
 【モスクワ田中洋之、ソウル西脇真一】韓国国会「独島(ドクト、日本名・竹島)領土守護対策特別委員会」の姜昌一(カン・チャンイル)委員長ら国会議員3人が24日、サハリンから空路で北方領土・国後島を訪問した。姜委員長によると、韓国国会議員団の北方領土訪問は初めて。日露間の領土問題におけるロシアの対応を視察するのが目的としている。韓国政府は「無関係」との立場だが、日本政府は既に懸念を伝達。今回の訪問が日韓、日露関係に波紋を呼ぶ可能性が出ている。
 3人はいずれも最大野党の民主党員。同委は、日韓が領有権を主張している竹島の実効支配を強化するため、関連法案の整備や国際社会への広報などに取り組む。同委には現在、与野党18議員が所属するが、参加は3人にとどまった。
 一行は22日に韓国を出発し、国後入り。車で約30分間、空港周辺を視察し、24日夕に再びサハリンへ戻った。
 日本政府は、日本人がロシアのビザで北方領土を訪問するのは「ロシアの管轄権を認める形となり認められない」との立場をとっている。短時間の滞在からみても、視察そのものより、同じ領土問題を抱える韓国の国会議員として北方領土に乗り込むことで、日本政府を揺さぶる狙いがありそうだ。
 一方、訪問は日露関係にも微妙な影を落としそうだ。姜委員長は視察後「ロシアとは歴史的背景が違うので、共闘は考えていない。ロシア政府関係者とは一人も会っていない」と語った。また、韓国外交通商省報道官は24日、「特別な政府としての見解はない」と一線を画した。
 しかし、北方領土を含むクリル諸島(千島列島)の開発を進めるロシアは、韓国や中国からの投資を呼び込みたい考えで、地元サハリン州が両国でプレゼンテーションを開くなど期待は大きい。
 モスクワの外交筋は「ロシアは『来るもの拒まず』のスタンス。これをもって領土問題で韓国とともに対日けん制を強めることにはならないだろう。ただ、北方領土の実効支配を正当化する材料の一つとして利用する可能性はある」と指摘する。
 ◇松本外相「容認できない」
 松本剛明外相は24日の記者会見で、韓国の国会議員3人による北方領土訪問について「第三国の国民、それも国会議員が北方領土でロシアのビザを取得してロシア側の管轄権に服することは、わが国の基本的な立場から容認できない。大変遺憾だ」と非難した。日本政府は近く、韓国政府や議員らに遺憾の意を伝える方針だ。
 松本外相は会見で、20日に東京都内で行われた日韓外相会談で、韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商相から「訪問は政府と関係がない」との説明を受けたことを明らかにした。枝野幸男官房長官は24日の会見で「韓国政府が日本の立場と矛盾したことを取ることはないと確認している」と語った。【犬飼直幸】


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