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石原都知事 辞職意向と新党結成を表明

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石原都知事 辞職意向と新党結成を表明
NHK NEWS WEB 10月25日 15時6分
 東京都の石原知事は記者会見で、「きょうをもって都知事を辞職する」と述べ、都知事を辞職する意向を明らかにしました。
 またこの中で、保守勢力を結集した新たな政党を結成し、国政選挙に立候補する意思を明らかにしました。
 保守勢力を結集した新党の結成について、石原知事は去年から、たちあがれ日本の平沼代表などと意見を交わしてきました。
 石原知事は「政界の再編が必要だ」として、協力する考えを示していましたが、話し合いがまとまらず、ことし4月には「いったん白紙に戻す」と述べ、その後は、尖閣諸島の購入問題に専念したいとしていました。
 しかし、国が尖閣諸島を国有化したことなどから、再び平沼代表との話し合いが活発化したほか、大阪市の橋下市長とも会談を重ね、「日本維新の会」と連携して、第3極の結集を模索するなどしてきました。
 石原知事は午後3時から記者会見し、「きょうをもって都知事を辞職する」と述べ、都知事を辞職する意向を明らかにしました。
 そのうえで、「新党を作って、その仲間と復帰してやろうと思っている」と述べ、次の衆議院選挙に向けて保守勢力を結集した新たな政党を結成し、みずからも立候補する考えを示しました。
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石原新党:都知事辞職、衆院選出馬を表明 後継は猪瀬氏
毎日新聞 2012年10月25日 15時10分(最終更新 10月25日 15時54分)
 東京都の石原慎太郎知事(80)は25日、緊急の記者会見を開き、都知事を辞職し、次期衆院選に出馬する意向を表明した。比例代表の候補者として立候補する意向だ。
 会見で石原氏は「新党を作って仲間と一緒に国会に復帰してやろうと思っている」「新党結成は今日でも明日でもやる。準備はできている」などと述べ、知事の後継については「猪瀬(直樹副知事)さんで十分だと思う」との意向を示した。
 午後3時からの記者会見は50分近く続き、大勢の報道陣に囲まれた石原氏が、憲法改正などかねての持論を延々と展開する場面も見られた。
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〈来栖の独白〉
>持論を延々と展開
 メディアの悪いところ。印象で報道する。政治家にとって、最も肝心な政策理念であるのに。国政に打って出るのであるから、国民としても、じっくりと聞きたい、聞かねばならないところではないか。横田基地についての発言も、然り。
 NHKテレビも同様で、石原氏でなくては知り得ない、経験しえないところに依拠して理念を述べているのに、途中でニュースに切り替える。ニュースとして、それまでに語った要点のみをアナウンサーが報道し、おまけに解説者にコメントさせる。話も聞かず、聞かせないで、真っ当なコメントなどできるはずもない。
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石原慎太郎著『新・堕落論』 新潮選書2011/7/20発行 
  〈部分抜粋〉
 p47〜
 しかし我々が敗戦から65年という長きにわたって享受してきた平和は、他国が願い追求努力して獲得してきた平和とはあくまで異質なものでしかありません。それは敗戦の後、この国の歴史にとって未曽有の他者として到来したアメリカという為政者が、あのニューヨークタイムズの漫画に描かれていたように、彼等にとっては異形異端な有色人種の造形した日本という、危険な軍事力を備えた怪物の解体作業の代償としてあてがったいびつな平和でしかありません。
 ドイツは敗戦後連合軍の統治下、国是として2つのことを決めました。1つは新生再建のための国家規範となる憲法はドイツ人自身が決める。2つは戦後のどいつにおける教育はドイツ人自身が決めて行う、と。我々に人がやったことはドイツと正反対のものでしかなかった。
 我々は、他人が彼等の目的遂行のために造成しあてがった国家の新しい規範としての(〜p47)憲法と引き換えに、自らの手で造成に努めることなしに、いや、努めることを禁じられた囲われ者へのお手当としての平和を拝受してきたのでしかありません。
p48〜
 平和は自ら払うさまざまな代償によって初めて獲得されるもので、何もかもあなたまかせという姿勢は真の平和の獲得には繋がり得ない。(以下略)
p49〜
 戦後から今日までつづいた平和の中で顕在したものや、江藤淳の指摘したアメリカの手によって『閉ざされた言語空間』のように隠匿されたものを含めて、今日まで毎年つづいてアメリカからつきつけられている「年次改革要望書」なるものの実態を見れば、この国がアメリカに隷属しつづけてきた、つまりアメリカの「妾」にも似た存在だったことは疑いありません。その間我々は囲われ者として、当然のこととしていかなる自主をも喪失しつづけていたのです。
 未だにつづいてアメリカから突きつけられる「年次改革要望書」なるものは、かつて自民党が金丸信支配の元で小沢一郎が幹事長を務めていた時代に始まりました。
p51〜
 あれ以来連綿とつづいているアメリカからの日本に対する改革要望書なるものの現今の実態はつまびらかにしないが、ならばそれに対して日本からその相手にどのような改革要望が今出されているのだろうか。国際経済機関に属している先進国で、こうした主従関係にも似た関わりをアメリカと構えている国が他にある訳がない。
 トインビーはその著書『歴史の研究』の中で歴史の原理について明快に述べています。「いかなる大国も必ず衰微するし、滅亡もする。その要因はさまざまあるが、それに気づくことですみやかに対処すれば、多くの要因は克服され得る。しかしもっとも厄介な、滅亡に繋がりかねぬ衰微の要因は、自らに関わる重要な事項について自らが決定できぬようになることだ」と。
 これはそのまま今日の日本の姿に当てはまります。果たして日本は日本自身の重要な事柄についてアメリカの意向を伺わずに、あくまで自らの判断でことを決めてきたことがあったのだろうか。これは国家の堕落に他ならない。そんな国家の中で、国民もまた堕落したのです。(〜p51)
p52〜
 ものごとの決断、決定にはそれを遂行獲得するための強い意思が要る。意思はただの願望や期待とは違う。その意思の成就のためにはさまざまな抑制や、犠牲をさえ伴う。
 現代の多くの日本人の人生、生活を占めているのは物神的(フェティシュ)な物欲、金銭欲でしかない。それはただ衝動的な、人間として薄っぺらな感情でしかない。そして日本の今の政治はひたすらそれに媚びるしかない。それもまた政治家としての堕落に他ならない。(略)
 ワシントンの消息通に聞けば、政権を構築しているワシントンの重要省の幹部たちは本音では、日本の財務省はアメリカ財務省の東京支店、日本外務省はアメリカ国務省の東京支店と疎んじてはばからないそうな。特に日本の外務省は、外交の基軸に日米安保を絶対前提(アプリオリ)として捉えているから、日米関係間のさまざまな摩擦に関しても、最後は安保条約に依る日本の安全への斟酌で腰がひけ、正当な主張をほとんどなしえない。
 それを証す露骨な例がありました。何年か前のニューズウィークの表紙一杯(〜p52)(p53〜)に、何のつもりでかアメリカの国旗星条旗が描かれていた。よく見ると、並んだ40幾つかの星の最後の星は小さな日の丸だった。本国でならともかく、この日本での版に、そうした絵をぬけぬけと描いて載せる相手の心情とは一体何なのか。語るに落ちる話だ。
  横田基地は「戦勝記念品」
 世界が時間的、空間的に狭小になったこの現代、航空機による往来は国家の繁栄のために欠かせぬものだから、まだまだ大きなビジネスチャンスがあると思われる日本や、育ち盛りの中国を含む東アジアへの往来のために日本の空をもっと開けろという声は世界中で高いし、現今の機材の飛行距離の能力からしても日本に有力なハブ空港が在るのが望ましい。現時点でも、日本への乗り入れを希望しながら待ちぼうけを喰わされている外国の航空会社は35もあります。しかし首都東京の中に日本で最長の滑走路を持ち、ただの兵站基地として日常殆ど使われていない厖大な横田基地を保有しながら(ちなみに横田基地がもっとも頻繁に使われたのはベトナム戦争の折、戦死したアメリカ兵の遺体を運び込み、日本の医学生を動員して死体の継ぎはぎをさせた時のことだ)、それを返還するという意欲は彼等には全く無いし、日本側にも国益のためにせめてもの共同使用を進める意欲もありません。
 専門筋だけが知っていることですが、横田を占有している米軍が、演習のためと称して民間機を排他している空域は成田や羽田、入間といった飛行場の管制空域よりもはるかに大きく新潟県にも及んでいて、ヨーロッパからロシア経由で日本に飛来する飛行機は日本を横断してそのまま真っ直ぐ成田に向かうことは出来ずに、その空域を迂回し一旦太平洋に出て成田に向かうしかない。
 最近になって東京都による横田の共同使用の働きかけの中で、日本の中で最も混雑している東京から大阪、福岡、さらにそれを延長して韓国のソウルに向かう最大幹線の西行線の管制がようやく緩和され、今まで往復1車線レベルだったものがなんとか2車線程度とはなりました。それによって飛行時間は10分ほど短縮されたが、それとて狭い幹線の中で正面衝突しかけた民間機が、互いに急上昇と急降下をしたため片方の乗客乗員が重傷を負う出来事があってのことだった。
 高速で飛ぶ飛行機の往来の時間が10分短縮されるというのは経済利益として多大なものだが、それを彼等は最近まで譲ろうとはしなかった。それも人命の危険においてようやくのことです。
p55〜
 かつて日本と韓国の共催で行われたワールド・カップの折、韓国では従来の金浦飛行場が国内線専用となり、仁川に新しい国際空港が出来ていたので私は韓国側と相談し、開催期間CIQ(入国手続)無しで横田での選手と観客の行き来の便を図ろうと合意し合いました。しかしそれを聞いたアメリカはあの基地に指一本触らせまい、と突然、従来殆ど使ってもいない空港の滑走路を向こう50年間使用可能とするべく滑走路の舗装をあくまで日本側の金で改修するといいだし、サッカー戦の期間中横田を強引に閉鎖してしまった。
 こうした事態の中で露呈してくるのはアメリカ国防省の意向への日本政府の切りない気兼ねで、最近になって判明してきたことですが、彼らは首都東京の中に在るあの厖大な横田基地を、かつての世界大戦での勝利の記念品(スブニール)と称しています。かつまた横田問題は“That Ishihara’s baby”だといっているという。
「あの石原めの」という所以は私がかつて書いた『「NO」と言える日本』への腹いせでしょうが、これまた率直というか馬鹿正直といおうか。そういわれていろいろ思い当たることも多いのも当然のことかも知れぬが、日本の国益を全く鑑みない彼等の魂胆は結局アメリカに対する我々の従来の姿勢に起因しているのです。
p66〜
  「核の傘」という幻
 アメリカによる日本統治は実に巧みに、実に効果的に運ばれてきたものだとつくづく思います。
 その象徴的な証左は広島の原爆死没者慰霊碑に記された「過ちは繰返しませぬから」という自虐的な文言です。これでは主語は我々日本人ということになる。過ちを犯したのは、彼らアメリカ人ではないか。(略)
 人類にとっての原爆の悲劇性について実は1番肝に銘じていたのは、原爆の被害者たちの他には、原爆を造った当人のオッペンハイマーだったと思います。
p67〜
 彼の伝説を読めば彼が逡巡しながらものした原爆の絶大な効果に彼自身が強い衝撃を受け、人間としての良心から原爆につづいての水爆製造に携わることを拒否し、非米活動委員会で非国民として糾弾されたことでもわかります。(略)
 慰霊碑に記されている「過ちは繰返しませぬから」という自虐的言葉の呪縛は、日本が持てる技術力によって核兵器を製造保有することをタブーにしてしまいました。
 世界で初めての原爆投下で、瞬時にして20万余の非戦闘員を殺してしまったのはアメリカ人であって他の誰でもありはしない。あの強力な破壊兵器の使用について、それを過ちとして反省すべきはアメリカ人であって、その相手の殺された日本人であるはずがない。記念碑の文言の主語があきらかに違っています。
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