久間元死刑囚と不一致か=「犯人DNA型」ネガ鑑定―弁護団が発表、飯塚事件・福岡
時事通信 10月25日(木)18時31分配信
福岡県飯塚市で1992年、小学1年の女児2人が殺害された飯塚事件で、死刑が執行された久間三千年元死刑囚=当時(70)=の弁護団は25日、被害者の体などから検出され、犯人のものとされるDNA型の写真のネガフィルムを専門家が鑑定したところ、元死刑囚のDNA型と一致しない可能性が浮上したと発表した。
弁護団によると、ネガフィルムは警察庁科学警察研究所に保管されているものという。事件では、元死刑囚側が2009年10月、福岡地裁に再審請求している。
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◆ 足利事件と同じDNA鑑定 飯塚事件久間三千年元死刑囚弁護団再審請求へ DNA新証拠提出目指す 2009-06-18 | 死刑/重刑/生命犯 問題
足利事件と同じDNA鑑定、飯塚事件弁護団から意見聴取
民主党は18日午前、法務部門会議を開き、1992年に福岡県飯塚市の小学1年の女児2人を殺害したとして、昨年、久間三千年元死刑囚(当時70歳)が死刑を執行された「飯塚事件」の弁護団の岩田務弁護士から、事件の審理の経緯についてヒアリングを行った。
同事件の捜査では、被害女児の遺体周辺から採取された血痕のDNA鑑定結果が証拠の一つとされたが、鑑定の際には、90年に栃木県足利市で女児が殺害された「足利事件」と同じ鑑定法「MCT118型検査法」が使われていた。
岩田弁護士は「この事件では再鑑定に必要な資料が入手できない状態。再鑑定が保証できないものを証拠と認めるべきではない」などと訴えた。(2009年6月18日13時53分 読売新聞)
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飯塚事件 妻子DNAと鑑定比較 元死刑囚の弁護団方針 年内にも再審請求
2009年7月3日 00:14
福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された事件で死刑が確定、昨年10月に執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の弁護団は2日、大分市内で会議を開き、年内にも死後再審を請求する方針を確認した。
久間元死刑囚が一貫して無罪を訴えた同事件で当時、有力な証拠とされたのは、6月に再審開始が決まった「足利事件」と同じ方法のDNA鑑定。弁護団は死後再審の新証拠の1つとして「元死刑囚の妻子のDNA鑑定を実施するなどして、当時の鑑定の誤りを立証したい」としている。
2女児殺害事件で、女児の遺体に付着した血痕と元死刑囚のDNA型が一致したとされる鑑定は、足利事件で精度の低さで誤りが明らかになった「MCT118」という方法だった。弁護団によると、2女児殺害事件の当時の試料は使い切られて再鑑定はできないものの、妻子のDNA鑑定を実施することで元死刑囚の型の一部を特定、当時の鑑定結果と比較して矛盾点を立証するという。
また当時「犯人」の血液型を元死刑囚と同じB型と特定した科学警察研究所(科警研)の鑑定結果について「真犯人はAB型の可能性もあった」として、法医学者などの協力を得て再実験を実施。また、有力な状況証拠とされた遺留品発見現場における車両の目撃証言の信憑性(しんぴょうせい)についても、再実験を行うという。
弁護団共同代表に就いた徳田靖之弁護士は「早い時期に再審請求していれば、こんなに早く執行されていなかったのではないかという思いがある。償いのためにも再審にたどりつきたい」と話した。会議には福岡、大分の弁護士計28人が参加。千野博之弁護士も共同代表に就いた。
=2009/07/03付 西日本新聞朝刊=
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飯塚事件、再審請求へ DNA新証拠提出目指す
福岡県飯塚市で1992年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定、昨年10月に執行された久間三千年元死刑囚=当時(70)=の遺族が今秋にも再審請求(死後再審)する方針を固めたことが5日、弁護団への取材で分かった。弁護団は菅家利和さん(62)の再審無罪が確定的となった足利事件と同様、DNA型鑑定をめぐる新証拠の提出を目指す。
弁護団によると、飯塚事件は足利事件とほぼ同時期に、同じ「MCT118」という検査法で、DNA型鑑定が実施された。被害者の遺体に付いた血液と元死刑囚のDNA型が一致したとされ、確定判決の根拠の一つとなっている。
血液は残っておらず、足利事件のようにDNA型を再鑑定することはできない。ただ血液から抽出された犯人のものとされるDNA型はMCT118の「16−26」タイプで、元死刑囚の遺族のDNA型と比較するなどして誤りを見つける。
「16−26」タイプは足利事件の旧鑑定で、被害者の衣服に残った体液や菅家さんのDNA型とされたが、再鑑定では異なる結果となった。
確定判決によると、元死刑囚は92年2月、飯塚市内の路上で小学1年の女児2人を車に乗せて誘拐し、首を絞めて殺害するなどした。94年の逮捕以降、一貫して無実を訴えていた。(山陽新聞 6月5日23時0分)
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◆ 飯塚事件・久間三千年元死刑囚の死刑執行「残念」 中井洽国家公安委員長 2009-11-06 | 死刑/重刑/生命犯 問題
飯塚事件の死刑「残念」 中井国家公安委員長
産経ニュース2009.11.5 14:05
中井洽(ひろし)国家公安委員長は5日、福岡県飯塚市で平成4年に女児2人が誘拐、殺害された「飯塚事件」で、久間三千年元死刑囚=当時(70)=の刑が昨年10月に執行されたことに絡み、再審で事件が見直された可能性もあったとの考えを示し、執行を「残念」と述べた。国家公安委員長が執行された死刑に疑念を呈するのは異例。
同日の国家公安委員会終了後の記者会見で、久間元死刑囚の遺族が「有罪証拠とされたDNA鑑定は誤り」として再審請求したことについて考えを聞かれ、答えた。「捜査や裁判の経緯を尋ねてみたい」とも話した。
中井氏は、久間元死刑囚への執行が過去には避けられていた国会開会中だったと指摘。開会中の執行を回避していれば「(足利事件で無罪が確実になった)菅家(利和)さんの事件のような可能性もあったんじゃないか」と述べた。
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元死刑囚のDNA鑑定は誤り、飯塚事件で遺族が再審請求
産経ニュース2009.10.28 17:23
福岡県飯塚市で平成4年に小学1年生の7歳女児2人が誘拐、殺害された「飯塚事件」で死刑判決が確定し、昨年10月に執行された久間三千年元死刑囚=当時(70)=の妻(62)が28日、「有罪の証拠とされたDNA鑑定は誤りで無罪だ」として、福岡地裁に再審請求した。
鑑定は現在再審公判中の「足利事件」とほぼ同時期に警察庁科学警察研究所(科警研)が実施。当時の試料が残っておらず再鑑定できないが、弁護団は当時の鑑定のずさんさを立証する方針。
再審請求書によると、再審を開始すべき明白な新証拠として、足利事件の再審請求でもDNA鑑定をした本田克也筑波大教授(法医学)による鑑定書を提出。弁護団は「最新の解析方法によると、確定判決が認めた真犯人のDNA型と元死刑囚のDNA型は異なっており、無実は明らかだ」と主張している。
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◆ 法務省、2人の死刑執行 久間三千年死刑囚と高塩正裕死刑囚 2008-10-29 | 死刑/重刑/生命犯 問題
◆死刑待てなかったのか 『飯塚事件』死後再審願う妻 2009年6月14日 東京新聞朝刊
◆飯塚事件 久間三千年元死刑囚の妻、福岡地裁に再審請求 平成21年10月28日
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