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著書で『国民の生活が第一』と小沢一郎氏を批判する前原誠司戦略相、国家意識の欠如で世界の笑い者 

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09年公約はポピュリズム=前原国家戦略担当相が著書で告白
2012年 11月7日 18:06 JST
 「違和感を拭えなかったのは『国民の生活が第一』とのキャッチフレーズ。単なるポピュリズムで政権を取っても自民党以上のバラマキになるのではないか」。前原誠司国家戦略担当相は近く著書を出版、この中で小沢一郎元代表(現在は新党「国民の生活が第一」代表)を中心に作成された民主党の2009年衆院選マニフェスト(政権公約)に当時から不信感を募らせていたことを明らかにした。
 「政権交代の試練 ポピュリズム政治を超えて」(新潮社)と題する著書で、前原氏は主要公約だった高速道路無料化やガソリン暫定税率廃止について「当初から納得できなかった」と告白。小沢氏に関しても「見え隠れするのは政権を取れば後はどうにでもなるとの考えで、自民党の最も古い体質を引きずった政治家かもしれない」と強く批判した。
[時事通信社]
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〈来栖の独白 2012/11/7 Wed.〉
 日高義樹著『世界の変化を知らない日本人』のなかで、前原氏の異常性についてかなりの紙幅を割いて書かれてある。「国家意識がない」「自分の立場が分かっていない」といったもので、これは政治家として致命的だ。世界から相手にされない。
 一方、渡邉恒雄著『反ポピュリズム論』は、2007年の「今は参院選で勝った直後だ。だから今なら党内も私の思うようになるが、時間が経てば経つほど私の指導力はなくなっていく」という小沢一郎氏の言葉を書きとどめ、「政治達者な人」と評している。民主党の幹部クラスの議員に、早くも政権への慾、ポストへの慾が芽生えており、抑えきれなくなる、と小沢氏には透けて見えていたのである。
 前原氏には、何も分かっていない。こんな人を今後も政治家として選ぶとしたら、我々は真に衆愚、愚民と笑われても仕方あるまい。
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『世界の変化を知らない日本人』日高義樹著 2011年5月31日第1刷 徳間書店 

           

p142〜
第2部 民主党の指導者には国家意識がない
 民主党の前原前外相は、在日韓国人から政治献金を受け、責任を追及されるや辞任して姿を消してしまった。日本ではこの問題についてあまり厳しい追及が行われていないが、国際常識から見ると、前原前外相は日本を代表する一員として決してやってはならないことをしてしまった。
 国の外交は、国の利益をまず考えて行われなければならない。外交の先には戦争があると言われるほど、時には国家の命運がかかる。ところが前原前外相は、民主党には外交を理解している者が誰もいないことを暴露してしまった。
 前原前外相は、外国籍の人から献金を受けるというタブーを犯しただけでなく、民間企業のセールスマンをやって、アメリカの人々をあきれさせた。JR東海の代表者と共にフロリダ州マイアミを訪れた折、フロリダ州当局に対して、JR東海の新幹線システムを受け入れてフロリダに新幹線を作るよう働きかけたのだ。
p146〜
 外務大臣クラスの政治家が、日本のビジネスや、ビジネスプログラムを外国に売るために努力することは、日本経済のためという意味では当たり前である。
 かつてフランスのドゴール大統領に「トランジスタラジオのセールスマン」と揶揄された総理大臣がいた。国民所得倍増計画を標榜した池田勇人である。彼はトランジスタラジオをおみやげに持っていっただけだが、もし売り込もうとしたとすれば、日本のビジネスそのものだったろう。1つの特定商品ではない。
 ところが前原前外相は1企業であるJR東海の新幹線の売り込みに出かけた。この行為は間違っているだけでなく、モラルの点からも許されない。前原前外相はこうしたことをあたかも当然のごとく行い、反省もしていない。
 こうした姿勢は、彼が政治家として国家の代表であることを完全に忘れ去ってしまっていることをよく示している。
p146〜
 前原前外相は若くして民主党政権の代表的な立場についたが、その立場にふさわしい経験がない。とくに外務大臣という仕事にふさわしい教育を受けていない。
 一般的にアメリカでは、政治家がしかるべきポストに就くためにはその立場にふさわしい教育や経験が必要とされる。財務長官や商務長官に任命された人々を見ると、自分で会社を興して成功した人も多い。
「事業に成功した人は、自分の会社を大きくするために全力を挙げるが、同時にほかの会社を思うことも大事であることを知っている」
 全米商工会議所のスタッフの一人がこう言っているが、前原前外相は、政治家としてある程度の訓練を経てきたのであろうが、ビジネスマンとしての教育や経験はない。前原前外相の趣味は鉄道だが、だからといって大臣という立場を利用して、1つの会社を助けることは間違っている。
 これまで自民党の陣笠クラスの政治家が企業を助けたことはままあるが、プライベートな会社を、自民党やその代表が助けたという例はほとんどない。これは、政治家は国家を代表する職務であり、企業は私的なものであるという区別があるのを理解しているからだ。
 こうしたことがわからない前原前外相は結局、国家とは何であるかという認識を持っていない、つまり国家意識が欠如していると言わざるをえない。
p147〜
 国家意識のない政治家は、国際社会では存続することが許されない。世界は国家と国家の関係によって成り立っている。総理大臣といえども、あるいは末端の官僚といえども、あくまでも形の上では国家を代表する一員であり、すべての行動は国家意識に基づいたものでなければならない。
 前原前外相だけではなく、民主党の政治家たちはこういった国際常識に欠けている上、民間企業の責任者としても行動したことがないため、国家との関わりがきわめて薄い。
 アメリカで1企業のために働く人々は、国家公務員や議員ではなく、コンサルタントやロビイストである。私は、ワシントンで大勢のコンサルタントやロビイストと知り合いになったが、軍隊に加わり戦争に参加したことのある人が驚くほど多い。
「国の安全のために働いてきた」そうした愛国的な気持がビジネス活動につながっている。彼等は1企業のビジネス活動を援助して、外国政府と交渉することも多いが、あくまでも民間人として活動している。
 ところが前原前外相は、ひたすら政治活動だけをつづけ、まわりあわせで外務大臣というポストに就いた。彼は国家全体の利益を考えることなく、1企業のセールスマンになってしまったのである。
 前原前外相の行為に象徴される民主党政権のこうした体質を、アメリカ政府の関係者もよく心得ている。
p148〜
 民主党の政治家たちが世界から受け入れられない大きな理由の1つが、彼らの国家意識のなさなのである。
p150〜
 いずれにしても国民の命運を定める重大な仕事をする政権は、その責任の重さゆえに、簡単には手にすることができない。ところが日本の民主党政権は、ある意味では何の努力もしないまま政権を手にした。自民党政権が自壊してしまったからだ。
 自民党政権はあまりにも長い間権力の座にあったためにすっかり腐敗して、国民の信頼を失ってしまった。
p151〜
 自民党の崩壊は突然に起きた。まるでマスコミに煽られるように国民の大多数が自民党政権を見放し、民主党を選んだ。つまり、このどうしようもなく無責任な民主党政権を作ったのは、まぎれもなく日本国民なのである。
 これは日本の民主主義が他者から与えられたもので、自分たちの手で勝ち取ったものではないからである。日本の人々はいまだに民主主義に慣れていない。そのため政治に対する責任感がない。自分の持っている一票の重みが分かっていない。
 民主党政権が生まれたのは劇場型政治の結果であると言った人が大勢いた。国民が劇場の観客や芝居のファンのような気持ちで政府を選んだという意味だが、これは日本人の民主化が間違ったプロセスで行われたからである。
 日本の民主主義は、第2次大戦に日本が負けた後、占領軍であるマッカーサー司令部が日本国民を統治するために便宜的に与えたシステムである。政治家を選ぶ投票権を簡単に手にした日本の人々は本来、投票権というものが、骨身を削る苦労の末に手に入れるものだということをまったく知らない。
p152〜
 アメリカの政治を見ていると、民主主義による選挙とは、それぞれの人のモノの考え方と利益のせめぎあいである。つまり自らの利益を、政治的に確定するために投票を行う。
 アメリカという国は実にさまざまな人々で成り立っている。すでに地位を確立した途方もなく豊かな人々、自分の家を持つというアメリカン・ドリームを実現した人々、アメリカで生まれながら十分な教育も受けられず、その結果、何代にもわたって貧しいままの黒人、外国からやって来て、懸命に働いてようやく帰化が認められ選挙権を得た人々。
 こういった人々が自分の利益を守るために投票し、政府を作るのである。人々の投票によって政治は大きく変わり、オバマ大統領のようにアメリカ生まれかどうか分からないと疑われている政治家が大統領になることもある。
 アメリカ国民は、劇場の観客や俳優のファンではない。選挙というのは、人気投票では決してない。このため、選ばれる政治家は真剣に国のことを考える人々であり、国のために仕事を行う人でなければならない。
p153〜
 民主党の政治家が口にすることが無責任で、前に言ったことを平気で打ち消したり、嘘を言ったりするのは、投票した人々と同様、民主主義を理解していないからだろう。だから罪の意識がないのである。
 こういったやり方が現在の日本の政治で許されているのは、劇場型政治などという言葉を軽々と使う日本のマスコミの無責任さにも罪がある。日本のマスコミは、いまや芸能紙やスポーツ紙のようなつもりで政治を伝えている。
 外国の人々は簡単に前言を翻す民主党の政治家を軽蔑するだけでなく受け入れようとしていない。
 世界で共通しているのは、政治家の言葉はいったん出したら引っ込めることはできないということである。
p160〜
 くり返すが、民主党の政治家たちには国家意識もない。だから外国人に選挙権を与えようと考え、外国人から選挙資金を受け取っている。全米商工会議所のトム・ドナヒュー会長がこう言ったことがある。(略)
「外国人に選挙権を与えれば、日本が外国の利益に動かされる危険がある。民主党の政治家にはそれが分かっていないのか。おかしなことだ」
 このドナヒュー会長の言葉は世界の常識である。外国人から政治献金を受け取ることができないのは、国を守るための当然のしくみなのである。菅首相が外国人から献金を受けながら、返金してそのまま総理大臣の地位にとどまれること自体、世界の常識に反している。
 ちなみにアメリカでは、アメリカに帰化しただけではアメリカの大統領になることはできない。アメリカで生まれたアメリカ人でなければ、大統領に選ばれる資格はないのである。
 キッシンジャー博士もシュワルツネッガー前カリフォルニア州知事もアメリカ人以上にアメリカ的であり、アメリカのために働いている。だが大統領になることは出来ない。この原則は、国家が国家として存続するための最低限の原則である。理由のいかんを問わず外国人は国を動かしてはならないのである。
 民主党が政権をにぎっている現在、我々はこの問題について、じっくり考えてみる必要があるのではないか。この問題は単に外国人排斥とか、在日外国人に対する偏見といった面から考えてはならない。日本が国家として存続するための最低限の条件について考えなければならない。
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『小沢一郎 語り尽くす』TPP/消費税/裁判/マスコミ/原発/普天間/尖閣/官僚/後を託すような政治家は 2011-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 「小沢一郎 すべてを語る TPP、消費税、政治とカネ、原発… 聞き手;鳥越俊太郎(サンデー毎日2011/11/27号)」より最終段のみ抜粋
・・・・・・・
鳥越:民主党内で、小沢さんが後を託すような政治家は出てきていますか。
小沢:基礎的な勉強をさせなければダメですね。トップリーダーも、若ければ良いというものでもない。実務的な実践を段階的に積んでいかないと、イザという時の判断ができない。30代、40代で良い人たちはいると思いますよ。ただ、基礎的勉強をしなきゃね。すぐに偉くなることばかり考えていてはダメです。 *リンクは来栖
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渡邉恒雄著『反ポピュリズム論』新潮新書2012年7月20日発行
p83〜
 小沢さんは、福田さんの返事を不承不承受け入れて、当面の組閣はできるだけ小幅にとどめ、実質的に安倍「継承内閣」とするよう求めた。そのうえで、こう伝えてきた。
「今は参院選で勝った直後だ。だから今なら党内も私の思うようになるが、時間が経てば経つほど私の指導力はなくなっていく」
 この伝言を聞いたとき、小沢という人はさすが政治達者な人だと思ったものだ。残念ながら、小沢さんが危惧したとおりになってしまった。このとき福田さんが決断していれば、大連立は実現していたに違いない。
 この後も福田さんの慎重主義は続いた。(略)
p88〜
 税と社会保障の一体改革のこと以上に残念でならないのは、民主党が政権に就く前に行政経験を積んで統治能力を磨く機会が、永遠に失われてしまったことだった。
 小沢さんは構想挫折後の記者会見(2007年11月4日)で、大連立をめざした理由についてこう語った。
「民主党はいまださまざまな力量が不足しており、国民からも『自民党はだめだが、民主党も本当に政権担当能力があるのか』という疑問を提起され続け、次期衆院選勝利は厳しい情勢にある。国民の疑念を払拭するためにも、あえて政権運営の一翼を担い、政策を実行し、政権運営の実績を示すことが、民主党政権を実現する近道だと判断した」
 この小沢さんの率直な発言に対し当時、民主党の多くの議員が「侮辱だ」と激しく反対した。しかし、鳩山・菅ニ代の民主党政権の混乱ぶりを経験した今日、小沢さんがどれほど正しいことを言っていたかがわかる。
p99〜
 さらに、ローマで活躍したギリシャ人の歴史家ポリュビオスは、政体というものは長期化すると必ず腐敗し、賢人独裁→専制→貴族制→寡頭制→民主制→衆愚制→賢人独裁・・・というように循環しながら形を変えていく、とする「政体循環論」を唱えた。
 日本の現状に照らせば、残念ながら「衆愚制」の段階にあるのでは、と疑わざるを得ない。少なくとも、民主政治が、油断すればいとも簡単に衆愚政治に堕してしまうことは、アリストテレスが指摘して以来、歴史上何度も繰り返されていることである。
 その最たる例が、国民が堕落しきった古代ローマ社会の世相を指す言葉として有名な「パンとサーカス」である。
 月刊『文芸春秋』2012年3月号で、37年前の1975年に発表された論文が再掲載されて大きな話題を呼んだ。
 「日本の自殺」と題する論文で、執筆者は「グループ1984年」。当時は誰なのか謎とされたが、再掲載によって、これが中曽根ブレーンの一人で政治学者の香山健一氏らによって書かれたものであることが明かされ、文春新書から刊行された。
 この文中に「パンとサーカス」のことが出てくる。

 ローマ市民の一部は1世紀以上にわたるポエニ戦争その他の理由で土地を失い経済的に没落し、事実上無産者と化して、市民権の名において救済と保障を、つまりは「シビル・ミニマム」を要求するようになった。
 よく知られている「パンとサーカス」の要求である。かれらは大土地所有者や政治家の門前に群がって「パン」を求め、大土地所有者や政治家もまたこれら市民大衆の支持と人気を得るためにひとりひとりに「パン」を与えたのである。このように働かずして無料の「パン」を保障されたかれら市民大衆は、時間を持て余さざるを得ない。どうしても退屈しのぎのためのマス・レジャー対策が必要となる。かくしてここに「サーカス」が登場することとなるのである。(略)
 だがこうして無償で「パンとサーカス」の供給を受け、権利を主張するが責任や義務を負うことを忘れて遊民化したローマの市民大衆は、その途端に、恐るべき精神的道徳的退廃と衰弱を開始したのである。(『日本の自殺』p20〜p23)

 香山氏執筆の「日本の自殺」が発表された1970年代半ばは、日本が奇蹟の経済復興を遂げ、米国に次ぐ世界第2の経済大国の地位に登りつめたころである。
 そのころすでに、内部の精神的衰弱から自壊した古代ローマのように、日本の経済社会のいたるところに「没落」の兆候が現れている---と、「日本の自殺」は警鐘を鳴らした。
 さらに40年近い歳月を重ね、ポピュリズムが蔓延するいま、没落のペースは加速度的に早まっていると言えるのかもしれない。
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