小沢氏二審も無罪 沈黙のまま 結論再び
河北新報2012年11月13日火曜日
再度の無罪にも笑顔はなかった。12日に東京高裁で言い渡された陸山会事件の控訴審判決。元民主党代表で「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)は、裁判長が主文を告げると、頭を下げたまま10秒近く動かなかった。傍聴席から拍手が起きても顔色を変えない。一審判決から半年余り。控訴審では自ら語る機会もなく、沈黙したまま。検察官役の指定弁護士は天を仰いだ。
ダークスーツ姿の小沢代表は午前10時10分ごろ、弁護団と笑顔であいさつを交わした後、表情を引き締め直して高裁に入った。
午前10時半に開廷。小川正持裁判長に促され、険しい面持ちで証言台の前に向かった。一審判決では、緊張からか体を小さく揺らしていたが、この日は微動だにしない。
「本件控訴を棄却する」。裁判長の声が響くとゆっくり一礼。傍聴席に座る支援者から拍手が湧き起こったが、表情が緩むことはなかった。
一審で無罪の瞬間に笑顔を見せた弁護団も、この日は冷静に聞き入った。指定弁護士の大室俊三弁護士は言い渡しの瞬間、首を大きく曲げて視線を上に向けた。
判決理由が朗読される間、小沢代表は目を閉じたまま。元秘書の石川知裕衆院議員が故意に虚偽記入したことについて一部否定した部分に及ぶと、指定弁護士の村本道夫弁護士はメモを取っていたペンを机の上に放り投げた。
閉廷後に記者会見した弁護団の弘中惇一郎弁護士によると、元秘書の関与についての判断が「一審よりも良くなった」と伝えると、小沢代表は「そうですか」と喜んでいたという。弘中弁護士は「非常にいい判決」と評価。一方、別に会見した村本弁護士は「承服し難い」と憤った。
小沢代表は現在、次期衆院選の公認候補者選定など選挙準備に全力を挙げている。党所属議員を支援するため積極的に地方へ出向き、業界団体にも足を運ぶ。
若手議員の中には「無罪を獲得すれば小沢代表に対する世論は変わり、反転攻勢に出ることができる」と期待する声もあるが、小沢代表自身は裁判について周辺にも多くを語らないという。
◎地元岩手支援者「当然」「政治弾圧」
小沢一郎代表への無罪判決に、地元の岩手県の支援者は12日、「当然だ。小沢氏の政治活動を妨げた検察は許されない」などと気勢を上げた。
小沢氏を政治の師と仰ぎ、次期衆院選で生活の全面支援を表明した達増拓也知事は定例記者会見中に無罪判決を知らされた。「『当然』の二文字に尽きる。小沢バッシングをてこにつくられた民自公の3党合意体制を、今後も推進していいのかが問われている」と語気を強めた。
「『捜査報告書の捏造(ねつぞう)』までして行われた強制起訴は政治弾圧で人物破壊だ」と、検察や検察審査会の在り方を批判するのは生活県連の佐々木順一幹事長。国会に対しても「(陸山会事件を)政争の具にする以外、ただ傍観してきた」と猛省を求めた。
元民主党代表だった小沢氏は岩手県で、県関係の衆参国会議員8人を党で独占するなど「王国」を築いた。しかし、一審判決後に党を離れ、ことし7月に新党を結党した際には国会議員3人が加わらなかった。威信は揺らぎつつある。
小沢氏を地元で支える後援会水沢連合会の小野寺伝会長は「一枚岩だった今までとは違った風が吹いている。次期衆院選は厳しい選挙戦になる」と表情を引き締めた。
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小沢代表2審無罪、「当然の二文字」と岩手知事
資金管理団体「陸山会」を巡る事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に、東京高裁は12日、1審・東京地裁の無罪判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却する判決を言い渡した。
「生活」関係者からは安堵あんどの声が聞かれ、民主党岩手県連も「無罪判決は当然」との見解。一方、他党からは「疑惑が残った」「説明責任を果たすべきだ」との声が上がった。
「『当然』の漢字二文字に尽きる」。小沢代表の2審無罪判決を速報で知った岩手県の達増拓也知事は、この日の記者会見で力強く語った。今後の政界への影響については、「小沢さんが何かを変えることはないだろうが、小沢さんの元を離れた民主党の政治家などが今後どうするかが問われる」と指摘した。
「生活」県連の佐々木順一幹事長は「社会の最後のよりどころである裁判所が再度良識と公正さを発揮されたことに安堵あんどしている」とのコメントを発表した。
民主党県連の大宮惇幸幹事長は「司法の判断にコメントする立場ではないが、無罪判決が出たことは当然の結果と考える」と、かつての党代表を擁護する談話を出した。
「生活」は8日、次期衆院選の3区で公認候補の擁立を発表。民主党現職との激しい選挙戦が予想される。3区のある民主党関係者は「(判決が)良かったとか残念だとは言えない。ただ、(小沢氏が)正面から向かってくるので、気を引き締めなければ」と語った。
小沢一郎後援会水沢連合会の小野寺伝会長(80)は12日、奥州市内の自宅でテレビニュースを見て、無罪判決を知った。報道陣の取材に、「1審から今日まで長く感じたが、最初から無罪になると信じていた。今日の日が待ち遠しかった」と語った。
4区では、県議が「生活」と民主に分裂した状態で次期衆院選に臨むが、小野寺会長は「今までは一枚岩で来たが、次は大変厳しい選挙戦になる。組織固めを行いたい」とも話した。
(2012年11月13日09時27分 読売新聞)
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