衆院解散:事実上の選挙戦、小沢一郎氏の地元では
毎日新聞2012年11月17日
衆議院が16日解散し、岩手県内でも事実上の選挙戦に突入した。東日本大震災からの復興という重要な政治課題を抱え、被災地の有権者はどんな1票を投じるのか。民主党と「国民の生活が第一」の両党は、分裂によって生じた空白区の候補者が未定など、各陣営とも万全の態勢とは言えない中、立候補予定者は街頭演説やあいさつ回りに奔走した。【衆院選取材班】
<1区>
民主の前職、階猛氏は衆院の本会議場で解散を迎えた。同党から分裂した「国民の生活が第一」の「刺客」擁立も予想され、階氏の事務所は「再選を目指して頑張るのみ」と気を引き締める。自民新人、高橋比奈子氏は、推薦書を持参して支持団体のあいさつ回りに奔走。「急な解散だが、市民の声を国政に伝えられるよう頑張りたい」と意気込む。
社民県連代表で新人の伊沢昌弘氏は、朝からJR盛岡駅前で街頭演説。「国民の生活本位の政治になるよう政策を訴えたい」と話す。共産新人の八幡志乃氏も夕方、同市内のショッピングセンター前に立ち、「民主党にはことごとく裏切られた。消費税増税に反対の声を寄せてほしい」と訴えた。
<2区>
「バンザーイ」。本会議場に大きな声が響く中、生活の前職、畑浩治氏は「頑張ろう」と声をあげた。「選挙で国政が1カ月停滞し、被災地の議員としては『バンザイ』とは喜べない」と心境を語る。「現職の実績を前面に押し出し、政策論で勝負したい」
自民元職の鈴木俊一氏はあいさつ回りのため上京中で、滝沢村の事務所ではスタッフが国会中継を見つめた。秘書の1人は「本当だったら俊一さんが議場にいた」とポツリ。事務所を訪れた後援会幹部に「3年間不便な思いをさせた。これから頑張ろう」と声をかけた。
<3区>
民主前職の黄川田徹氏は解散後、国会内で報道陣に対し「政策をしっかり推し進めるためにも必ず戻らないといけない」と語り、再選を誓った。生活新人の佐藤奈保美氏は、一関市内で終日あいさつ回り。近々選対本部を設置するといい、陣営幹部は「とにかく必勝を期して戦う」と意気込む。
自民新人の橋本英教氏も同市内であいさつ回り。「やっと民主党政権が終わった。あとはやるだけのことをやり遂げるだけ」と吹っ切れた様子。共産新人、菊池幸夫氏は衆院解散後に同市で街頭演説。「応援してます」との声援も受け、「一日も早い解散を求めてきたので待ってましたという感じ」と手応えを口にする。
<4区>
生活代表で前職の小沢一郎氏は解散後、同党の議員総会で「国民の生活をしっかり守っていかなければならない。それが政治家と政治に課せられた役割だ」とあいさつ。「厳しい選挙戦だが、1カ月後にお互い国会で顔を合わせよう」と激励した。一方、奥州市水沢区内の小沢代表の事務所は、目立った人の出入りもなくひっそりとした様子。地元でも生活に加わらず民主党に残った県議もおり、後援会幹部は「影響がどう出るか」と懸念する。
自民新人、藤原崇氏は北上市の事務所で「いよいよだ」と気を引き締めた。ようやく名前が浸透し始めたところでの解散に、陣営からは「もう少し時間がほしかった」との声も。共産の新人、高橋綱記氏は夕方、水沢区内であった集会に参加し、「財界に迎合する自公を少数派に」と訴えた。
■予想される顔ぶれ
小選挙区
◇1区
階猛 46 党県代表 (2)民前
高橋比奈子 54 党1区支部長 自新
八幡志乃 30 党1区役員 共新
伊沢昌弘 65 党県代表 社新
◇2区
鈴木俊一 59 元環境相 (6)自元
畑浩治 49 元国交省職員(1)生前
◇3区
黄川田徹 59 副復興相 (4)民前
橋本英教 45 流通会社役員 自新
菊池幸夫 53 党県常任委員 共新
佐藤奈保美 46 旅館経営 生新
◇4区
藤原崇 29 弁護士 自新
小沢一郎 70 党代表 (14)生前
高橋綱記 64 党県委員 共新
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