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決戦の焦点 岩手/[生活]と「日本未来の党」合流で・・・

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決戦の焦点(3)岩手/生活、未来合流で混迷
河北新報 2012年11月29日木曜日
 民主党と国民の生活が第一の分裂で、前回2009年に民主党が独占した県内4選挙区は両党が2議席ずつを分け合う形になった。生活は解党して、嘉田由紀子滋賀県知事が結成する「日本未来の党」へ合流した。生活を率いてきた小沢一郎氏が今後も、強力な求心力を発揮できるかどうかが注目される。
<影響力低下露呈>
 岩手は前回衆院選後、県内の衆参両院国会議員9人全員を民主党が擁し、「小沢王国」と呼ばれた。消費税増税法案をめぐる分裂で、このうち3人が小沢氏と決別。23人いた県議も過半数の13人が残留するなど小沢氏の影響力低下が露呈した。
 その兆候は最近の各種選挙にも表れていた。民主党は10年の参院選岩手選挙区(改選数1)の議席こそ維持したが、比例代表で当時の県連代表が落選。11年の県議選(定数48)では単独過半数の維持に失敗、逆に自民党に1議席増を許した。
 日本未来の党(旧生活)は2、4区に前議員、3区に新人を立てた。1区でも候補擁立を目指す。十分に岩手に戻れない小沢氏に代わり、選挙の顔になりつつあるのが達増拓也知事。11年知事選で43万8000票を得て大勝し、浸透している。陣営の後援会会合に出席したり、ポスターに登場したりと奔走する。
 達増氏が衆院議員時代に4期務めた1区。小沢氏は1996年衆院選で達増氏を初当選させて盛岡市を押さえ、地縁の薄かった県北など県全域で影響力を増すきっかけをつくったとされる。小沢氏は「特に1区は大勝利をしなくてはいけない」と宣言している。
 分裂で「小沢離れ」をした民主党は、政権への逆風の中、擁立は1、3区の前議員にとどめる見込み。2議席の死守に全力を挙げる。
<副総理てこ入れ>
 未来新人との対決となる3区には24日、相手の地盤・一関市に岡田克也副総理が入り、てこ入れを図った。民主党時代に知事に転身した達増氏の後継となった1区の前議員は、達増氏と重なっていた後援会が分裂状態となっており、つなぎ留めへ精力的に動いている。
 両前議員ともセーフティーネットの拡充や復旧・復興施策の実績を訴え「政局優先の小沢時代とは違う」と強調。中道路線をアピールし自民党との差別化も図る。選対本部長の平野達男復興相は「選挙は戦い。復興優先だが、選挙もしっかりやる」と力を込める。
<自民2区に重点>
 自民党公認は2区が通算7選を目指す元議員、1、3、4区は新人。最重点区は2区で、2005年の2万票差を逆転された前回、県内唯一の議席を失った。元首相の父の後を継いだ元議員は浪人中、支援者回りを続け、陣営は「やっと一皮むけた」と自信を深める。
 1区は中選挙区時代に小沢氏の地盤ではなく、自民党支持が根強い。今回は民主、自民、未来の三つどもえが有力視され、当選ライン次第では自民新人にも勝機があるとみる。千葉伝幹事長は「自民にかつてない期待が寄せられている」と認めながらも、「小沢氏の存在は岩手ではまだ大きい」と冷静だ。
 公明党は比例代表で東北2議席目の獲得を目指し、県内で前回より約6000票多い6万票台を目標に設定する。小野寺好党県本部代表は「過去最高の5万8000票を突破し、目標を達成したい」と力を込める。
 前回2、3区で候補を擁立しなかった共産党は今回、全選挙区で新人を立てた。比例票の上積みを狙う。菅原則勝党県委員長は「二大政党制の崩壊で、無党派層が増える。攻めの選挙になる」と意気込む。
 社民党は1区に新人を擁立。豊巻浩也党県連総合選対代表代行は「小選挙区は厳しい。比例で東北の1議席を死守したい」と表情を引き締める。
◇小選挙区立候補予定者
 【1区】
階猛    46 元総務政務官 民   前(2)
高橋比奈子 54 元県議    自(大)新
八幡志乃  30 党准地区委員 共   新
伊沢昌弘  65 党県代表   社   新
 【2区】
鈴木俊一  59 元環境相   自(岸)元(6)
畑浩治   49 党幹事長補佐 生   前(1)
久慈茂雄  64 党地区委員  共   新
 【3区】
黄川田徹  59 復興副大臣  民   前(4)
橋本英教  45 会社役員   自   新
佐藤奈保美 46 温泉旅館経営 生   新
菊池幸夫  53 党県常任委員 共   新
 【4区】
藤原崇   29 弁護士    自   新
小沢一郎  70 党代表    生   前(14)
高橋綱記  64 党県委員   共   新
(略歴の肩書、所属政党は27日現在)
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生活解党「まさか」「またか」 小沢氏の地元、歓迎と戸惑い
河北新報2012年11月29日木曜日
 嘉田由紀子滋賀県知事が結成した新党「日本未来の党」に国民の生活が第一が合流、衆院選へ新たな勢力ができた。生活を率いてきた小沢一郎氏の地元・岩手の党関係者には、「埋没感がなくなり、選挙が戦いやすい」と合流を歓迎する声がある一方、公示が来月4日に迫る中での解党だけに戸惑いもある。選挙事務の担当者らはバタバタと選挙準備を急ぐ。
 生活公認で立候補の準備を進めてきた岩手3区の新人佐藤奈保美氏(46)は「突然のことで驚いている」と率直に話す。
 今月8日、小沢氏同席の会見で立候補を表明したばかり。新党との合流については「小さな力が大同団結して大きな力になる」と前向きだ。
 2区の前議員畑浩治氏(49)の陣営も「復興を第一とする自分の訴えは変わらない。むしろ脱原発の仲間が増えたことを期待したい」と話す。
 小沢氏の地盤・奥州市の後援会幹部。「生活で戦うと、埋没しかねない状況だった。小沢先生が策を打ってくれると期待していた」と、小沢氏への信頼を強調する。
 各陣営が懸念するのが、党名が変わることに伴うポスターやビラなど印刷物の準備への影響だ。
 3区の事務局担当者は「新党への切り替えはどう進めるのか。とにかく早い指示を願うだけだ」と焦りの表情。2区の担当者は「新党の新しいポスターは発注した。ただ短期間でポスターを張り替える後援会の人たちが大変だ」と話す。
 奥州市水沢区中心部にある小沢氏の4区後援会事務所では28日午後2時ごろ、事務所入り口の看板を「未来の党」に替えた。生活のポスターは約1万5000枚作り、うち4500枚は既に張り出した。後援会幹部は「公示前の数日間で張り替える。それだけの組織力がある」と強気だ。
 新党の党首に小沢氏が就任しないことへの不満もある。関係者の一人は「県内で嘉田代表と小沢さんとの知名度の差は歴然。(ポスターなどから)小沢さんの顔がなくなるのは考えられない」と話す。
 離合集散を繰り返す小沢氏の動きに、他党の陣営は冷ややかだ。
 1区の民主前議員階猛氏(46)の陣営は「卒原発や脱増税など聞こえはいいが、全てを実現できるのか。見栄えだけだ」と厳しい。3区の民主前議員黄川田徹氏(59)の陣営は「復興を第一に訴えている。新党がどう動こうと、やることは変わらない」と冷静だ。
 4選挙区全てに候補者を擁立する自民党。1区の新人高橋比奈子氏(54)は「頭を変えただけで、中の人間は一緒。選挙で勝つためだけに、党をつくっては壊している」と切り捨てる。
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総選挙いわて/生活解党寝耳に水
朝日新聞 岩手 2012年11月28日10時49分
 民主党を離党、国民の生活が第一(生活)を結党したばかりの小沢一郎代表が、27日、総選挙の公示1週間前になって嘉田由紀子・滋賀県知事の新党に合流することを決めた。寝耳に水だった生活の各陣営だが「第三極」で埋没気味だった現状を脱することを期待する。一方で他陣営からは「選挙目当て」の声が出ている。
    ◇
■生活
 生活公認として3区から立候補予定だった佐藤奈保美氏は27日夜、一関市東山町地域の後援会設立総会に出席。解党は、総会終了後、報道陣から初めて知らされ、「えっ」と絶句した。「今まで(投票用紙に)『生活』って書いてくださいとお願いしてきたのに、これからは何て書いてもらえばいいんですかね」
 選対幹部から経緯を聞いた後、改めて報道陣の取材に応じ、「大同を同じくするところが集まって政治活動をしていくほうが望ましい。小党乱立は望ましくないと思っていた。国民も選びやすくなるのではないですか」と述べ、有利に働くとの見方を示した。用意したポスターなどは刷り直したりシールを貼ったりするなどして対応するという。
 他の生活の立候補予定者や陣営は、戸惑いつつも合流を歓迎している。
 2区の生活前職、畑浩治氏は、この日、選挙区で活動中、小沢氏の周辺から解党の連絡を受けた。「きょうも『生活』を宣伝していたが、あすからは『未来』でいきます。ポスターは何とか間に合わせる」と、合流を明言した。
 「『脱原発』は自分の四つの政策の柱の一つ。嘉田さんは『卒原発』で言葉がちょっと違うが、同じ方向をめざす勢力が一つになるのはいいことだ」。他の柱は政策協定の文書の有無の連絡がないので分からないが、「たぶん一致する。してもらわなければ困る」。
 4区の小沢後援会連合会の小笠原直敏会長は、25日に奥州市であった選対会議で「生活」の名前と小沢氏の顔写真が入ったポスターをもらってきた。しかし翌日、小沢氏の事務所から「貼るのはちょっと待って」と言われた。「何かあるな」と思っていたが、「理にかなった動きをされた」と評価する。
 佐々木順一・生活県連幹事長は「原発問題はエネルギー問題だけではなく、政官業癒着の象徴。政策本位で政治勢力が結集することを国民は望んでいる。合流により力を合わせて政策実現のため、総選挙で国民の期待に応えたい」と、コメントをした。
 生活所属で、小沢氏の地元・奥州市水沢区の郷右近浩県議は「小選挙区はいい」と自信を見せるが、「問題は比例区。新しい党名をとにかく広げていかなければ」。ただ、1区の立候補予定者が出るのを待つ小沢氏の古い支持者は「候補の名前さえ知らないんだから。これから党名と候補者を浸透させられる」。
 ■民主・自民
 一方、1区の民主前職、階猛氏の陣営幹部は「第三極で生活の存在感は薄かった。小沢さんも焦ったんだろう。『卒原発』などのイメージは小沢氏にあうのか」と疑問視する。選挙への影響も「(代表に就く)滋賀県知事は岩手で知名度は高くない。比例票が少しは伸びるかもしれないけど県内の小選挙区は影響しない。新党よりも対抗馬がだれかのほうが重要」。
 民主党県連幹事長の大宮惇幸県議は「選挙目当て。生活に広がりが見られないので、女性党首と合流したのだろう。ポスターをたくさん貼った生活議員はこれから大変だ」と同情した。
 午後6時のテレビニュースで知った自民党県連の千葉伝幹事長は「つくっては壊すを繰り返してきた小沢さんが、またかという感じ」と冷ややかだ。「きちんと具体的な政策協議をしたのか。そんなことで、国民、県民に理解されるのか疑問だ」と突き放した。
 ■有権者
 有権者の期待感には濃淡があるようだ。
 北上市の会社社長の軽石昇さん(65)は「維新の会の『脱原発』の動きがあいまいになる中で、新党により脱原発を求める有権者の受け皿ができたことを評価したい。今度こそ、真正面から日本を立て直すことに力を注いでほしい」。
 だが、午後8時前にインターネットでニュースを見て初めて知った盛岡市の男性団体職員(65)は、「ほかにも大切なことはいっぱいあるのに、『卒原発』だけで一緒になるなんて短絡的」と批判的だった。
■小沢一郎氏の歩み
 <1969年〜93年6月 自民党>
 69年    衆院議員に初当選
 89年    47歳で自民党幹事長就任
 92年 12月 自民党最大派閥の竹下派を離脱、羽田派結成
 <〜94年12月 新生党>
 93年 6月 自民党を離党、新生党代表幹事就任
     8月 非自民の細川連立政権を樹立
 94年 1月 政治改革法成立。衆院に小選挙区制導入
     6月 自社さ連立の村山内閣発足
 <〜97年12月 新進党>
 94年12月 新進党を結成、幹事長就任
 95年12月 新進党党首に就任
 97年12月 新進党を解党。
 <〜2003年9月 自由党>
 98年 1月 自由党を結成し、党首に就任
 99年 1月 自民党との連立内閣に参加
 00年 4月 自自公連立政権から離脱
 <03年9月〜 民主党>
 03年 9月 民主党と合併
 06年 4月 民主党代表に就任。
 09年 3月 公設第1秘書が逮捕
     5月 代表辞任
     8月 民主党、政権奪取
 10年 1月 石川知裕議員逮捕
     6月 党幹事長辞任、菅内閣発足
 11年 3月 刑事被告人になり党員資格停止

 <12年7月〜 国民の生活が第一>
 12年 7月 消費増税反対などで民主離党
       「国民の生活が第一」結成、代表就任
    11月 無罪確定
        同党解党。「日本未来の党」に合流へ…
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日本未来の党を「嘉田・小沢 二重権力」「実態は小沢新党」と見る世間の“スケベ根性” 2012-11-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
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小沢の恐ろしさ 「国民の生活が第一」衆院選岩手3区に佐藤奈保美氏 〜民主残留 黄川田徹氏に刺客 2012-10-12 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
「小沢王国」に挑む 反旗翻した飼い犬たち=階猛/黄川田徹のもとに届いた小沢氏の妻和子夫人からの手紙 2012-08-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
岩手日日新聞 解散・総選挙へ態勢固め/「国民の生活が第一」小沢一郎・畑浩治/「民主」黄川田徹・階猛 2012-08-29 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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