亮子議員鞍替えか 嘉田「未来」の目玉
日刊スポーツ[2012年11月29日9時5分 紙面から]
滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)が28日、新党「日本未来の党」の設立届を総務省に提出した。小沢一郎代表(70)の「国民の生活が第一」などが合流し、設立届の書面には参院議員の谷亮子氏(37)森裕子氏(56)ら“小沢ガールズ”の所属が明記された。新党の代表を務める嘉田氏は、衆院選に100人規模で候補者を擁立する意向。小沢氏は新党役員に就かないが、新党の目玉として、谷氏らの鞍替え出馬の可能性も浮上した。
いち早く嘉田新党に合流を表明した小沢氏だが、自分は表立った動きは封印する。この日、飯田哲也代表代行が都内で新党設立を届け、小沢氏は「新党役員のポストに就かない」と明言した。一方で、新党の目玉として“小沢ガールズ”の谷氏、森氏の両参院議員が、衆院選に鞍替え出馬する可能性が浮上してきた。
新党の代表に就任した嘉田氏も、小沢氏が主導権を握る形での党運営に懸念を示し、「(小沢氏は)イメージの問題がある。プラスマイナス両方だ」と答えた。ただ、一方では「小沢さんの経験という部分を発揮していただける(立場を)相談したい」と、頼りにする心情も付け加えた。
嘉田氏は「これまでの永田町や霞が関の論理とは違う運営の仕組みを党に入れていきたい」と続け、あくまでもフレッシュな「嘉田新党」としての出港を強調。「サイレントな女性の声」を反映させる意向だ。大飯原発に近い滋賀県知事として、2022年に原発ゼロを目指す「卒原発」を政策の柱に据えた。党のカラーを象徴する中で浮上したのが、“小沢ガールズ”の衆院選への鞍替えだ。
この日、総務相に提出した設立届には、山田正彦元農相らとともに、谷氏ら参院議員5人の名前が記されていた。谷氏は、今年7月に小沢氏が生活を立ち上げた際、ともに民主党を離れて、次期衆院選へ鞍替え出馬が取りざたされていた。
谷氏の鞍替えは、女性目線での活動を強調する嘉田氏の考えとも合致する。飯田氏はこの日、森氏とも面会した。嘉田氏は「あいさつ程度です」と話したが、谷氏については「(鞍替えは)まだ考えてない。(可能性は)まだ分かりません」と衆院選への鞍替えについて否定しなかった。
嘉田氏は分裂する第三極の今後にも言及。「日本維新の会と結ぶことはない」と否定する一方で、みんなの党の渡辺喜美代表と政策協議を始めたことを明らかにした。2人は同日に留守番電話に双方の主張を残す形で意見を交換。渡辺氏は、嘉田氏に「アジェンダ(政策課題)が一致する範囲で同じ方向を向いて歩くことはあり得る」と伝えたという。
衆院選は計12党が争う構図が固まった。「日本未来の党」の台頭により、脱原発は選挙の大きな争点となりそうだ。【村上久美子】
*嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)1950年(昭25)5月18日、埼玉県本庄市の養蚕兼業農家に生まれた。73年、京大農学部を卒業し、結婚。79年、家族とともに大津市に移住。81年、京大大学院農学研究科を修了し、滋賀県庁入庁。97年、琵琶湖博物館総括学芸員となり、00年には同館顧問就任。06年、新幹線新駅の建設中止などを訴え「もったいない」をスローガンに滋賀県知事選出馬、当選。08年、35年連れ添った夫と離婚し「今後は滋賀県と琵琶湖の未来のために仕事をしていく覚悟」と県民に呼び掛けた。現在2期目。趣味は孫と過ごすこと、カラオケ。座右の銘は「まっすぐに、しなやかに」。
---------------------------------
亀井氏が小沢氏とタッグ、褒めちぎる
日刊スポーツ[2012年11月29日9時5分 紙面から]
「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(略称・脱原発)の山田正彦共同代表(70)と亀井静香幹事長(76)が28日、都内で記者会見し、滋賀県の嘉田知事が立ち上げた新党「日本未来の党」への合流を正式発表した。
山田共同代表によると、前夜の党幹部会で決定。嘉田知事にも電話で伝えたという。「新党の届け出があれば即合流する」と述べた。亀井氏も「脱原発は出世魚。脱原発、反TPP、反消費増税、この3つの政策を推進する勢力をどんどん集め、ビュンビュンはね回っていく」と新たな第三極結集へ気勢を上げた。
新党には小沢一郎代表が率いる「国民の生活が第一」も合流することを表明している。亀井氏は以前、「石原新党」を主導してきたが、第三極形成の過程で決別。石原・橋下コンビの動きとは一線を画していた。公示日が目前に迫り、「脱原発」の旗印のもと小沢氏と手を組むことになった。
小沢氏と同じ自民党出身の亀井氏は、小異を捨て大同団結する発想で、是が非でも政界再編を実現したい思いが強い。小沢氏の「オリーブの木」構想にも理解を示している。亀井氏は小沢氏について「かつてはけんかもしたが、大変な決断をスパッとできる人。決めたことは守り、まっしぐらに実現する。その意味では希有(けう)な政治家だ」と褒めちぎるなど、剛腕小沢氏と共闘する決意を固めた。【斎藤暢也】
--------------------------------
鳩山氏もう復帰!?「未来」に触発
日刊スポーツ[2012年11月29日9時5分 紙面から]
政界引退を表明した鳩山由紀夫元首相(65)が28日夜、民主党を除籍され新党「日本未来の党」から出馬予定の初鹿明博前衆院議員(東京16区)の決起集会に出席した。鳩山氏は、わずか1週間前の21日に地元北海道苫小牧市で引退会見を行ったばかり。北海道9区からの出馬を見送っただけでなく、政界から完全に身を引く決断を語った。
しかし、突然立ち上がった嘉田新党の存在に触発されたのか、政界に未練を残したような発言をした。鳩山氏は「日本未来の考え方こそ、民主党の原点だ」と持ち上げた。鳩山氏は、野田首相が進める主要政策への賛成を公認条件と迫られ、引退に追いこまれた。それだけに、自分の考えに近い新党の登場に胸を打たれたようだ。
民主党は同日、東京16区に新人の今野克義氏を追加公認したばかりだ。鳩山氏は事前に輿石東幹事長の了承を得た上で集会に参加したと説明。「なぜ鳩山も新しい流れに合流しないのかと思うだろうか」と問い掛けると、会場から大きな拍手が湧き「拍手の誘惑は大変強い」と答え、政界復帰しかねない勢いだった。
-------------------
〈来栖の独白〉
人間模様。
石原氏と決別した亀、どうなるかと思ったが、居場所を見つけたようだ。小沢氏は我欲のない澄んだ真水。維新の党首に納まった石原氏、無役を望んだ小沢氏、両者には天地の開きがある。
鳩は出たり入ったりしないほうがいいが、どこまでも自分に甘い。総理だったとき「辞めます」と言い、「小沢さんも辞めてください」と巻き添えにした。小沢裁判の何たるかも知らずに。聞き入れた小沢氏。騙されて菅の続投を許したのも鳩。もうこれ以上、足を引っ張らないでくれ。
-------------------
◆ 日本未来の党を「嘉田・小沢 二重権力」「実態は小沢新党」と見る世間の“スケベ根性” 2012-11-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
=========================================
小沢氏、「未来」でもバラマキ 前回衆院選の民主マニフェストに酷似
zakzak 2012.11.29
滋賀県の嘉田由紀子知事が代表を務める「日本未来の党(未来)」が、次期衆院選公約に、中学卒業までの子どもに年間31万2000円を支給することを盛り込むことが分かった。月額2万6000円。これは2009年衆院選に民主党がマニフェストで約束し、実現できなかった「子ども手当」と同じ額だ。未来に合流する「国民の生活が第一」の小沢一郎代表流のバラマキが、早くも出てきたのか。
「(小沢氏は)表には出てもらわないという方針で進めていきたい」
嘉田氏は29日朝、「小沢新党」「小沢隠し」と批判されている点についてこう語り、小沢氏の要職起用を否定した。前日は「外から言われる筋合いはない!」と気色ばみ、「そうならない仕組みを党の中に埋め込んでいきたい」と語ったが、同党の実態はほど遠い。
未来には、生活をはじめ、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」と「みどりの風」の一部が合流し、前衆院議員と参院議員73人の勢力になる。このうち、8割以上の60人が生活出身で、小沢氏側近の森裕子、佐藤公治両参院議員が、副代表と会計責任者に起用される。無役でも裏から手を回すのが小沢氏であり、これでは誰が見ても小沢新党だ。
政策面も不安がある。同党の公約原案は、小沢氏が強い影響力を発揮した、前回衆院選の民主党マニフェストに酷似しているのだ。
例えば、(1)中学卒業までの子ども1人あたり年間31万2000円(一部を子育て応援券)の手当を支給する(2)消費税増税を凍結する(3)税を財源とする最低保障年金と所得比例年金の構築(4)天下り全面禁止(5)個別所得補償による農林漁業の活性化(6)特別会計の全面見直し、政治改革、行財政改革、地域主権改革で財源を捻出−などだ。
いずれも、政権交代後、小沢氏が与党幹事長として絶大な権力を得ていたときにもほぼ実現できず、現在、民主党が「ウソつき」「選挙目当ての詐欺フェスト」などと有権者に責められている一因となっている。
当事者でもある民主党の安住淳幹事長代行は28日、未来について「自分たちの生き残りをかけて集まったという感じだ。典型的な野合だ」と切り捨てた。
-------------------
↧
「日本未来の党」谷亮子氏 森裕子氏 亀井静香氏 /・・・鳩山由紀夫氏
↧