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小沢を利用した人が怖がっている 「永田町異聞」新 恭/「日刊ゲンダイ」2012.12.1/ 『検察の罠』森ゆうこ

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日本記者クラブの品格とは?
永田町異聞
2012年12月01日(土)
 昨日、日本記者クラブで開かれた党首討論会の第2部は、共同記者会見の場となった。
 思考の監獄から脱走できない記者クラブメディアの“牢名主”のようなベテラン記者の質問に、各党党首が答える盛大なイベントである。
 読売の橋本五郎、朝日の星浩といえば、昨年8月の民主党代表選で小沢の支持を受けて立候補した海江田万里を以下のように責めたてた小沢バッシングの急先鋒だ。
 「党員資格停止中の方が大きな影響力を持っている。異様な光景だ。どう考えているのか」(橋本)
 「小沢さんは秘書三人が逮捕起訴され公判中で、本人は強制起訴された。いまだに国会での説明はない。どうお考えか」(星)
 いまや小沢一郎は無罪が確定し、検事の捏造捜査報告に誘導された強制起訴の不当性が問題になっている。もともと無理筋捜査であることを承知のうえで小沢政界追放の論陣を張ってきたのが彼らだが、いまだに反省の色はない。
 30日の党首討論会における橋本は、「品格ある質疑にしたい」と挨拶しながら、日本未来の党、嘉田由紀子代表に次のような偏見に満ちた質問をぶつけた。
 「卒原発を唱えているが、それ以外の政策はどうも、原発依存ならぬ小沢依存ではないか。小沢さんが役職に就けないのならますます影でという話になる。小沢問題をどういう消化のしかたをしてるんですか」
 小沢問題とは何か。嘉田代表の背後で小沢が悪だくみでもするといいたいのだろうか。
 嘉田が「なぜみなさん、小沢さんをそう怖がるのか」と語り始めるや、嘲笑とともに“牢名主”たちが声を上げて反応した。
 「怖がってません、嫌がってるんです」
 つい本音が出たのだろう。「嫌がっている」。事実よりも気分本位で記事を書いてきた証しだ。「嫌悪」の心理の底に「怖れ」があるのに気づいていないのも、おめでたいほどの単眼思考だ。
 嘉田は彼らの心理を見透かしたように「嫌がっている」と、言いかえたあと、再びおだやかな口調で続けた。 「小沢さんの力を利用した方々が怖がっているのではないでしょうか。国民が求める政治を実現するために小沢さんの力を使いたい。小沢さんを使いこなせずに官僚を使いこなすことはできません」
 しなやかで果敢な切り返しといえよう。
 嘉田は前日のネット党首討論会でも「これまで、小沢さんを利用した人は、自分のために利用したかも知れません。私は小沢さんの力を、日本の政策実現、未来のために使わせていただきます」と語っている。
 「小沢を利用した人が怖がっている」。この言葉には深い意味を感じる。
 どれだけの政治家が小沢の世話になり、薫陶を受けながら、自らの立場やポストを守るため、そのもとを去って行ったことか。マスメディアは、この20数年間、小沢を悪者に仕立て上げ、どれほど世間をあおって商売に利用してきたことか。
 日本記者クラブが真に「品格ある質疑」を望むなら、好き嫌いの牢獄から脱し、事実本位の人間観、社会観、政治観を持つジャーナリストを育成することに力を注ぐ必要がある。
新 恭  (ツイッターアカウント:aratakyo)
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小沢一郎をなぜまだ攻撃するのか  大新聞は現在の特権喪失を恐れている

     

日刊ゲンダイ2012.12.1
小沢一郎こそ腐敗自民政治を崩壊させ細川非自民政権を作り民主党による政権交代を実現し戦後日本の歪んだ政治統治機構の改革を実行している人物ではないのか
 「卒原発」を掲げる滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が新党「日本未来の党」を旗揚げしたが、大マスコミの報じ方はヒドイものだ。嘉田の背後にはダーティーな小沢一郎がいる。だから、「未来」は胡散臭い。新党結成は、小沢の生き残り戦術。その魂胆は有権者に見透かされ、未来は必ず失敗する――とまあ、こんな論調ばかりである。
 朝日は社説で〈新党を作っては壊し、力を保ってきた小沢氏の政治スタイルが復活するようなら、脱原発も選挙向けの口実に終わる〉と書いた。読売の社説は〈クリーンイメージの嘉田氏を「表の顔」に担ぎ出して巻き返そうと考えたようだ。相変わらずの小沢流である〉と嫌みたっぷり。
 イチャモンは未来の政策要綱案にも及び、朝日と産経はそろって、3年前に小沢が中心となってまとめた民主党の前回マニフェストと比較。〈こんなに似ている〉と同じことを書いていた。常日頃は主義主張が全く異なるのに、小沢叩きだけは完全一致である。
 なぜ、国民生活を第一に考えた政策メニューにケチをつけるのか。メディアは〈「卒原発」は無責任〉と批判するが、それでは原発容認が責任ある政治なのか。子ども1人31万円の「子育て応援券」の理念が悪いのか。高校無償化がいけないことなのか。
 大マスコミは「財源はどうするのか」「私たちと同じ失敗を繰り返す」と難癖をつけている民主党の安住幹事長代行の発言を垂れ流しているが、そりゃあ、3年前のマニフェストを実現できなかった無能連中はそう言わざるを得ないだろう。
■懲りないメディアのメチャクチャ論法
 立大教授の服部孝章氏(メディア法)は、こう言う。
 「安住氏の発言は国民との約束を守らなかった責任を棚に上げ、反省の色なしです。本来なら、無責任な民主党政権のメンバーこそ批判されるべきなのに、なぜ小沢氏サイドばかり一方的に叩くのか。卒原発を無責任となじるのだって、経済優先の発想で、果たして暮らしの安全より経済が大事なのか。あまりに短絡的で、とんでもない論法ですよ」
 大マスコミは「嘉田新党の裏に小沢がいる」と、有権者にネガティブイメージを焼きつけるのにシャカリキだが、だからどうした。そもそも新党結成の裏で小沢が動いて、何が悪いのか。もう一度、真の政界再編に挑む姿勢のどこがいけないのか。
 09年の政権交代前夜から、メディアは暴走検察と一緒になって謀略事件を騒ぎ立て、「小沢=悪」のレッテルを貼り続けた。しかし、小沢の「完全無罪」は確定したのである。
 あれだけ盛んに有罪視報道を繰り広げれば、いつ大マスコミは小沢に名誉毀損で訴えられてもおかしくない立場だ。総懺悔が当たり前なのに、謝罪や反省は全くなし。さらに輪をかけて小沢が悪だと叩き、小沢と一緒になっただけで、嘉田まで潰しにかかるのである。
 本当にメディアは懲りていない。とんでもない話だ。
■未来が救った選挙後の絶望的な政治状況
 確かに小沢の存在は「劇薬」かもしれない。しかし、政界広しといえども約20年もの長きにわたって、戦後日本の歪んだ政治統治機構の改革に挑んだ人物は小沢以外に見当たらない。小沢一郎こそ、この国に真の民主主義を根づかせようと心血を注いできた唯一の政治家ではないのか。
 93年には腐敗しきった自民党を飛び出し、細川連立政権をつくり上げ、38年間に及んだ自民党の「一党独裁」に終止符を打った。同時に自・社談合の「55年体制」という茶番政治を崩壊させたのも小沢である。
 民主党を自民党に代わる政権政党に鍛え上げ、政権交代を実現させたのも小沢の功績だろう。
 希代の剛腕政治家である小沢一郎を日本の政治のために使うのは当たり前のことだ。小沢を“一兵卒”として使う嘉田知事が興味深い発言をしている。
 「これまで小沢さんを利用した人は自分のために利用したかもしれないが、私は小沢さんの力を日本の未来のために使う」「小沢さんを使いこなせずに、官僚を使いこなすことはできない」
 まさに、その通りだ。政治の裏も表も知り尽くしている小沢という男を使って、日本の政治を変えればいいのである。
 メディアは「嘉田知事は小沢の操り人形にすぎない」という印象づくりに躍起だが、小沢の操り人形より、官僚機構の操り人形となった野田民主党の方が罪深いことは言うまでもない。
■メディアほど既得権益に守られた業界はない
 「小沢氏が未来の結党に動かなければ、この国に『未来』はありませんでした」と、筑波大名誉教授の小林弥六氏はこう言う。
 「未来が誕生しなければ、3党合意の密室談合で民主政治をかなぐり捨て、国民に大増税を押し付けた民主・自民・公明の野合勢力と、その補完勢力として存在自体が野合の日本維新の会が議席を占める。改憲ウルトラタカ派一色で議会は翼賛化し、民主政治は死滅。野合政治家が跋扈し、今まで以上に税金は私物化され、日本政治はもっと堕落していたでしょう。そんな絶望的な政治状況が嘉田新党の出現でガラリと雰囲気が一変しました。ようやく、まともな選択肢を与えられたことを、多くの有権者は歓迎しているはずです」
 本来なら未来の結党に拍手喝采、快哉を叫んでもよさそうなものだが、大マスコミの論調はそうならない。こいつらも官僚機構や税金私物化政治家と同じ穴のムジナだからだ。
 嘉田は30日の党首討論で「なぜ皆さん、小沢さんをそう怖がるのか」と疑問を投げかけたが、大新聞テレビは真の改革勢力に特権を剥奪されることにびびっている。
 「何だかんだ言って、新聞やテレビほど既得権益に守られている業界はありません。新聞は部数の激減、テレビは広告の激減に苦しむ中、官僚や政治家と組んで、自由競争を避ける『再販制度』や、電波独占の『放送法』『電波法』を死守しなければ即、死活問題です。しかも新聞協会は、あれだけ紙面で税の必要性を説きながら、消費税逃れの『軽減税率の適用』を政府に要求しています。社会の木鐸としての使命を果たさず、さらに権利の拡大を求めるなんて、無節操すぎます」(服部孝章氏=前出)
 だから、裁判で完全無罪を勝ち取り、反転攻勢を仕掛ける小沢を恐れる。自分たちの特権が喪失する前に、小沢の政権返り咲きを徹底的に邪魔するしかない。大マスコミの狙いは、そんなところだ。有権者は今度こそ、薄汚れたメディアの小沢叩きに惑わされてはいけないわされてはいけない。
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◆ 小沢一郎氏と森ゆうこ氏の対談 森ゆうこ著『検察の罠』

    

p245〜
森:ひどいですよね。何でマスコミはあそこまで小沢先生を叩くんでしょう?
p246〜
小沢:結局、官僚支配なんだよ。その点は同じなんです、官僚と。たぶん官僚以上に既得権や利権を持っているんだよな。電波とか再販とか。
 だから官僚支配が一番いいんだよ、マスコミは。新聞は再販で保護されて、テレビは一度取った免許は4年から5年に1度必ず見直されるはずなんだけども、実際は一度取ればずっとやれるからね。僕が目の敵にされるのはそういうことを含め、不必要な規則はなくしたほうが良いという意味のことを言うからですよ。
 電波を競争入札している国もあるけど、そんなことをされたら大変だと思っている。小沢の野郎ならやりかねないって(笑)。
森:そういう意味では、やっぱり先生には試練が降りかかるわけですけれども。
小沢:今は上方の方で「維新」という言葉が流行っているけれど、維新というのは革命なんですね。革命というのはやっぱりそう簡単にはできないんだよ。世の中を変えることだから。明治維新だってどれだけ有為な人が死んでいったか。犠牲の上に初めてできることだからね。しょうがないんだな(笑)。
p247〜
 この世界で本質を突き詰め変わらずにいるのは難しいこと---森
森:私は先生に初めてお会いしたのが2001年の参議院選挙、投票日が7月29日でしたけれども、その半年前の3月29日に新潟でやった総決起集会においでくださって、そのとき初めてお会いした。だから10年ちょっとたつわけですけれども。
小沢:早いなあ。
森:永田町の世界にはいろんなことがありますよね。誘惑もあるし。だから他の人たちはいろいろ言ったりやったりすることは変わるんですけど、先生は全然その頃と変わらない。
小沢:そうかな。
森:この世界の中で本質をずうっと突き詰め変わらずにいるということは、やっぱり難しいことで。
小沢:そうね。僕が自分の主張を通してこられたのはやっぱり国民、選挙民のおかげです。選挙民が支持してくれてるから筋道を、自分の思うことを通せるんであって。だからそれは非常に幸運だと思うし、感謝しているんですよ。政党だって自民党から何回名前が変わったか。しかも後援会に一度も相談しないで僕はやっているからね。
 それでもちゃんと支持してくれてるっていうことを、僕は非常に感謝しているし、そうである以上、これは貫き通さないかんと思っているだけどね。
森:その一方で2006年の代表選挙では、「変わらずに生き残るためには、変わらなければならない」とおっしゃっています。
小沢:日本が、そして日本人が生き残るためには、旧体制を変えなくちゃいけないと。アンシャン・レジームを変える。変わらずに残るために。「古い上着よ、さようなら」というやつだよ。「青い山脈」だよ。
森:難しいですね。民主党はもはや政権交代したときの民主党ではないというか、正反対だと私は思うんですが。
小沢:いやあ、驚いたね。結局、選挙のときはほとんどの人がほぼマニフェストに沿ったことを言ったんだと思うんだよね。だけど結局何も中身はわかっていないというか、自分はそう思っていないのにしゃべってきたっていう話になっちゃうんだよな、今の現実は。その意味ではほんとにがっかりだね。
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「卒原発への小沢関与を嫌悪する大メディアの政治的未熟」 永田町異聞 2012-11-29 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
「メディアは二審無罪までの小沢報道を自ら検証せよ」永田町異聞/「検察の“闇”を調べよ」中日新聞 社説 2012-11-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
◆ 【小沢裁判とは何だったのか】 検察官たちの謀略戦/裁判がなければ首相になっていた/政治家の金銭感覚 2012-11-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢無罪判決の本質「永田町異聞」/小沢陳述「昭和史の教訓を忘れて今のような権力の乱用を許すならば」 2012-04-29 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
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◆ 日本未来の党を「嘉田・小沢 二重権力」「実態は小沢新党」と見る世間の“スケベ根性” 2012-11-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
  未来、二重権力打ち消しに躍起=小沢氏周辺「内々で選挙指揮」【12衆院選】
 嘉田由紀子滋賀県知事が結成した新党「日本未来の党」で、同党への合流を表明した国民の生活が第一の小沢一郎代表は役職に就かない方向となった。「二重権力構造」との批判をかわす狙いがある。他党からは早速「実態は小沢新党」(高村正彦自民党副総裁)との指摘も出ており、嘉田氏は「小沢カラー」を薄めるのに躍起だ。 未来代表代行の飯田哲也環境エネルギー政策研究所長は28日、東京都選挙管理委員会に新党結成を届け出た。この後、飯田氏は記者団に、小沢氏の未来での役回りについて「無役だと理解している」と語った。嘉田氏も大津市内のホテルで記者団に、未来内で小沢氏の力が強まるとの見方について「そうならないように(したい)」と強調した。
 衆院選前の第三極結集を目指す小沢氏は、「卒原発」の象徴的存在として嘉田氏を高く評価し、党首就任を要請。その一方で、自らの無役についても了承していたとされる。ソフトなイメージを持つ嘉田氏を前面に押し立てて、自らにつきまとう「独裁的」「側近政治」といったマイナス色を打ち消そうとしたわけだ。
 ただ、未来に合流する前衆院議員61人のうち、約50人はかつて民主党小沢グループに所属。設立届にも、元秘書の川島智太郎氏ら小沢氏側近がずらりと名を連ねた。また、小沢氏に近い森裕子参院議員は28日、大津市内で嘉田氏と会い、衆院選での遊説日程などについて意見交換した。衆院選を間近に控え、国政経験がない嘉田氏にとって、役職の有無にかかわらず小沢氏のサイドに実務のかなりの部分を頼らざるを得ないのが実態だ。 みんなの党の渡辺喜美代表は同日の記者会見で、嘉田氏と政策協議に入ったことを明かす一方、小沢氏の存在を念頭に、「ぜひ操り人形にならないようにしてほしい」とくぎを刺した。しかし、小沢氏周辺は他党の批判に対し、意に介さぬと言わんばかりにつぶやいた。「衆院選は小沢さんが内々で指揮する」(時事通信2012/11/28-21:35)
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〈来栖の独白 2012-11-28 〉
 何と卑しい記事であることだろう。記者のなかに卑しい思いがあるゆえに、上記のような記事となる。小沢氏の生き方が栄達に恋々するものであったなら、幹事長(総理に最短の所)にまで上り詰めていた若い日、与党自民党を離党しなかった。世間の多くの輩は凡庸で栄光とは無縁であるゆえに、小沢氏の恬淡とした生き方が理解できない。「総理になろう」などと望む姿を小沢氏は「スケベ根性」と呼び、そのような生き方を截然と斥けた。

小沢一郎が語った「原発/衆愚の中からは衆愚しか/マスコミは日本人の悪いところの典型」 〈悪党?〉 2011-09-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 

       

『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知裕 元小沢一郎秘書・衆議院議員著(朝日新聞出版)
--第3部〈対決〉より部分抜粋転写--
p220〜
小沢 役所は、クリーンで、コストの安い、安全なエネルギーであるみたいな宣伝文句を言っていたんだけども。いまの現実もその当時も、あまり変わりないのは、結果的に原発からできる高レベル放射性廃棄物の処理の方策が、いまだ適当な策がないんだよ。ボクは当初から、役所の宣伝文句は別として、過渡的なエネルギーとしては仕方がない。石油もないからね。石炭だってないし、事実上。だから過渡的なエネルギーとしては仕方ないけども、いずれ新しい、クリーンで、しかも日本で大量に生産できるエネルギーっちゅうものを考えなければダメだというふうに思ってきたし、オレは言ってきたんだ。
石川 はい。
小沢  だからいま、六ケ所村かな、ガラス固化で地中に埋めるという技術をフランスから導入したけどね、もう40年近く前から言ってきたことなんだ。だけどそれは技術として完成していないんだよ。ガラスに固めて埋めたってね、地震でつぶれっかもしれないしね。だから、高レベル放射性廃棄物っつうのはいまの事故でよくわかったけどもコンクリから鉄骨から、なにからみんななんだよ。だから本当は宇宙に飛ばすのが1番いいんだけども、とにかくこの処理はどこの国もまだ確実な方法は見つかっていないんだよ。まあ、見つかるわけないんだけどな。
石川 この間、三陸に被災地の慰問に行った時、三陸は地盤が固いと聞きました。津波被害を受けなかった地区では地震によって倒壊した家屋は少なかったそうです。岩手に原発がないというのは、先代(小沢佐重喜)だったり、ほかの岩手選出の政治家、小沢先生も含めて、誘致運動を止めたということでしょうか。当時は福島にあれだけ原発を持ってきているのに。
小沢 いや、止めたわけではない。結果として、だな。別に岩手がいいというオファーが強くあったわけでもなかったし、ぜひともほしいということもないし。だから、結果として何もなし。1つはね、むしろ電力会社の方がリアス式海岸があまり適してないと考えた節もあるな。オレも積極的にあれこれ運動はしなかった。
石川 やはり青森に六ケ所村があって、福島に原発があって・・・。
小沢 うん、岩手にはないわな。
石川 世間では「岩手は小沢一郎が思い通りに動かしている」と常に言われています。岩手に原発がないのは、「小沢先生ががんばったから」という都市伝説のような噂もあるらしいのですが、結果的には誘致する機運がなかったということでしょうか。
小沢 オレもあまり積極的に引っ張ってこようという気はなかったな。まあ、あの、みんなアレなんだよ。交付金狙いだから。だから、事故が起きない限りはカネをいっぱいもらうからいいっちゅうことになったけど、いまにして考えれば事故が起きて現地の人も大変だし、国全体が大変なんだ。
p226〜
石川 ロシアは北方領土、中国は尖閣諸島に目をつけています。歴史からいうと第1次世界大戦後に列強が中国に入り込んでいったように、いま日本が周辺諸国から攻め込まれようとしています。これだけ好き放題にやられてしまっているのは、やはりリーダーの責任でしょうか。
小沢 リーダーのせいではあるけれど、それ以前に日本人自身の問題だな。よく言うように、国民のレベル以上のリーダーは出ねえんだよ。衆愚の中からは衆愚しか生まれない。だから国民のレベルアップをしないとリーダーも育たない。その意味でどうしたらいいのか。そういうことをもう少し日本人は自分で考えなきゃいけないな。
石川 はい。
小沢 いまの震災を例にすると、マスコミを含めてバカみたいに、やれ挙国一致だ、やれいま政権を変えるのはどうだ、ってアホみたいな議論をしている。これは日本人的な議論だ。欧米では違うんだよ。危機だからこそ強力な政権とリーダーを作らなければならないっちゅうのが彼らの考え方だよ。日本人はみんな丸く丸くなろうとする。丸くなって、談合ばかりしていたって解決しねえんだよ。原発事故にしても誰も責任をとらない。誰が責任者なのか、誰が決めているのか。わけがわからない。そこをマスコミが一緒になってもっと仲よくなれって。何を考えているんだよ。
石川 まあ、そうですね。
小沢 マスコミは日本人の悪いところの典型なんだ。国家の危機を経験してきた欧米人は、危機のときだからこそ強いリーダーを選ぶ。第2次大戦前のイギリスはチェンバレンという首相がいて、ヒトラーと妥協して「チェンバレンの平和」と言われたんだな。それが結局はヒトラーの勢力を増大させてしまった。そのときにイギリス人は最も批判の多かったチャーチルを首相に選んで、チェンバレンを降ろした。危機だからこそ変えた。危機じゃなかったらチャーチルは総理にならなかった。発想が違うんだよ、ゆでガエルみたいな日本人とな。
(中略)
p229〜
石川 産経新聞には私も先生もたたかれてきましたが、小沢一郎が総理にふさわしい人1位になっていました。国民の期待が高まれば、先生はそれに応える思いがあるのでしょうか。
小沢 おう、そういや、この言葉が好きで机に取っておいたんだ。「人事を尽くして天命に遊ぶ」。「天命を待つ」「天命に従う」が普通の言葉なんだよ。これは自分で自分に期待感がこもるだろ。自分のいいように天命が回ってくりゃいい、と。それじゃ、本当のアレじゃない。「天命に遊ぶ」ってのは、確か戦前の左翼が言ったんだよ。だからあまり言うなと忠告する人もいるけど、オレは最高に気に入っているんだ。期待するでも何でもない。待つんじゃねえんだよ。
石川 では、チャーチルのように70代でも総理に・・・。
小沢 そんなスケベ根性を起しちゃダメだっつってんだよ。人事を尽くすことが大事。それぞれが自分の立場、職責で全力を尽くせば世の中はよくなるんだよ。見え透いた根性を起すからみんなおかしくなるんだよ。
石川 なるほど。私も政治家として肝に銘じます。
小沢 お前も、まだまだだな。いまの民主党の欠陥は、俗に言う「雑巾がけ」、基礎的な鍛錬、基礎的な勉強もしないで偉くなっちゃったヤツばっかなんだよ。だから危機が起きるとどうしたらいいかわからなくなるんだよ。基礎的な修行を積み、経験を積み、知識を積み、そしてこういう時はこう、ああいう時はこうと、自分の価値判断基準、政策判断の基準っつうのが自然と作られてくる。それがピョンと偉くなっちまったもんだから。
石川 福田康夫政権で大連立騒動の時に私は先生に反対しに深沢まで行きましたけど、あの時は「先生は何でそんなことするんだ」という考えでした。
小沢 そうだったかな。
石川 でも、先生の言うとおりに「やっぱり大連立にしておけばよかった」と書く報道機関が最近になって多くなった気がします。
小沢 いい加減だからな。マスコミが時代遅れなんだよ。マスコミがダメだから日本がおかしくなっている。もっと合理的に論理的に、先見性を持ったオピニオンリーダーじゃなくちゃダメなんだよ、マスコミは。逆だもん。官僚と一緒になって足引っ張っているだけだから。意見を封殺する。
石川 大連立は、やはり民主党に経験を積ませないといけないと思ったからでしょうか。
小沢 うん。それが大きいね。それと政権交代への近道でもあった。わからねえんだからしょうがねえ。だからちゃんと相談したんだから、役員会で。1人でやっていて、誰も文句言わなかった。菅なんか何も言わなかったよ。
石川 そうでした。
小沢 これが権力の差よ。オレが総理だったら、あの時、誰も文句言わないよ。当時は野党の党代表だったから、みんな後になってワーワー言いだして。
石川 はい。
小沢 その程度だ・・・みんな。はあー(大きくため息)。
石川 歴史が動こうとしているときにお時間いただいてありがとうございました。あしたも裁判です。
小沢 そうか。
(2011年5月31日、チュリス赤坂内の小沢一郎事務所にて) *リンクは来栖
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『悪党 小沢一郎に仕えて』
マスメディアと東京地検特捜部/石川知裕氏×佐藤優氏 緊急対談

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[政治的事件の政治的判決] 小沢一郎氏裁判 / ロッキード事件 / リクルート事件 / 佐藤栄佐久氏裁判 2012-04-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 田中良紹の「国会探検」
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小沢一郎裁判=「官僚支配に従う者」と「国民主権を打ち立てようとする者」とを見分けるリトマス紙である 2011-10-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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「小沢一郎氏を国会証人喚問」の愚劣 2011-10-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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