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【中国覇権主義に勝つ】看過できぬチベットへの「文化的虐殺」★(2)

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【中国覇権主義に勝つ】看過できぬチベットへの「文化的虐殺」★(2)
2012.12.06
 チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ法王がいう、中国共産党による「文化的虐殺」とは、言葉と宗教の自由を徹底的に奪われることだ。学校でチベット語の使用を禁じられ、法王の写真を持っているだけで検挙される。5人以上が集まり、話をするだけで公安当局に検挙され、行方不明になる者もいるという。日本や欧米諸国では考えられない圧政だ。
 インド北部・ダラムサラのチベット亡命政府によると、こうした対応は、チベット自治区だけでなく、隣接する、以前はチベットだった青海省、甘粛省、四川省でも同様に行われているという。つまり、チベット自治区の区割りが、いかに恣意的なものであるかを証明している。
 チベットが武力で侵略されたのは1959年だ。中国共産党が49年に政権を樹立すると、すぐチベットへ圧力をかけ始めた。毛沢東が若きダライ・ラマ法王を北京に招聘して、懐柔を試みるが法王は脅しに乗らなかった。そして、中国人民解放軍の大部隊がチベットに侵攻した59年、法王は命からがらインドへ逃れたのである。
 その後、チベットでゲリラ部隊も組織されたが、圧倒的な人民解放軍の前では無力だった。大量の犠牲者をともなう大弾圧は89年が最後になったが、現在は「文化的虐殺」が行われている。ダライ・ラマ法王はいつも「われわれは独立ではなく高度な自治を求めている」というが、実際は最低限の自治さえ実現されていないのだ。
 そんな絶望的な状況で、90人を超えたとされる焼身抗議の抵抗運動は止まる気配がないという。11月28日には、亡命チベット人たち400人がインドの首都、ニューデリーの中心部をデモ行進し、「チベットに自由を」と叫び、五星紅旗に火を放って抗議した。これはNHKも報じている。
 日本でも、何の根拠もないのに、自主規制で使えない言葉が増えているのは危険信号だ。ダライ・ラマ法王の国会講演を実現させた国会議員たちが発表したアピール文にこんな一節がある。
 「中国政府はチベットの人々に対して、苛烈な人権蹂躙を行っております。中国政府は、チベット人の政治・宗教・文化・経済活動の自由を厳しく制限し、これに異議を唱えるチベット人に過酷な処罰を課しています。こうした中国政府の人権弾圧に対し、チベット人による抗議の焼身自殺が相次いでいます。(中略)こうした状況をわれわれは決して看過することはできません」
 ここには、日本の今後の向かうべき外交が示されている。
 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に「『反日』の構造」(文芸社文庫)、「幻の黄金時代」(祥伝社)など。
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【中国覇権主義に勝つ】チベットの悲劇は日本の近未来だ★(1) 2012-12-05 | 国際/中国/アジア 
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