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北朝鮮の核実験「続く蓋然性高い」/アメリカで始まる日本の核武装論議--日本の核武装は中国が最も嫌がる

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北朝鮮の核実験「続く蓋然性高い」韓国統一相
産経ニュース2012.12.14 19:35
北朝鮮北西部・東倉里の西海衛星発射場から発射される事実上の長距離弾道ミサイル=12日(共同)
 韓国の柳佑益統一相は14日、国会の外交通商統一委員会で、事実上の長距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮について「(3度目の)核実験が続く蓋然性が高い。情報を総合すると核実験の準備が相当進んだ状態だ」と述べた。
 韓国政府は、北朝鮮が北東部咸鏡北道の豊渓里で核実験の準備をほぼ終えたとみて、監視を強めている。
 柳統一相は「北朝鮮はミサイル発射後、核実験をしてきた前例がある。(発射の)目的自体が核弾頭の運搬技術を確保するためのものだ」と指摘。「国際社会の反発を覚悟してまで発射したのを見ると、すぐには核開発を放棄する意思はなさそうだ」と述べた。(共同)
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『憲法が日本を亡ぼす』古森義久著 海竜社 2012年11月15日 第1刷発行
 はじめに 国家が国民を守れない半国家
p1〜
○世界でも異端な日本憲法
 「日本は国際社会のモンスターというわけですか。危険なイヌはいつまでも鎖につないでおけ、というのに等しいですね」
 アメリカ人の中堅学者ベン・セルフ氏のこんな発言に、思わず、うなずかされた。日本は世界でも他に例のない現憲法を保持しつづけねばならないという主張に対して、セルフ氏が反論したのだった。
p2〜
 だがその改憲、護憲いずれの立場にも共通していたのは、日本の憲法が自国の防衛や安全保障をがんじがらめに縛りつけている点で、世界でも異端だという認識だった。
p3〜
 事実、日本国憲法は「国権の発動としての戦争」はもちろんのこと、「戦力」も「交戦権」も、「集団的自衛権」もみずからに禁じている。憲法第9条を文字どおりに読めば、自国の防衛も、自国民の生命や財産の防衛も、同盟国アメリカとの共同の防衛も、国連平和維持のための防衛活動も、軍事力を使うことはなにもかもできないという解釈になる。日本には自衛のためでも、世界平和のためでも、「軍」はあってはならないのだ
p70〜
第3章 外敵には服従の「8月の平和論」
 1 日本の「平和主義」と世界の現実
○内向きで自虐の「8月の平和論」
 日本とアメリカはいうまでもなく同盟国同士である。だが、そもそも同盟国とはなんなのか。
 同名パートナーとは、まず第1に安全保障面でおたがいに助け合う共同防衛の誓約を交し合った相手である。なにか危険が起きれば、いっしょに守りましょう、という約束が土台となる。
p72〜
 日本では毎年、8月になると、「平和」が熱っぽく語られる。その平和論は「戦争の絶対否定」という前提と一体になっている。
 8月の広島と長崎への原爆投下の犠牲者の追悼の日、さらには終戦記念日へと続く期間、平和の絶対視、そして戦争の絶対否定が強調されるわけだ。(略)
 日本の「8月の平和」は、いつも内向きの悔悟にまず彩られる。戦争の惨状への自責や自戒が主体となる。とにかく悪かったのは、わが日本だというのである。「日本人が間違いや罪を犯したからこそ、戦争という災禍をもたらした」という自責が顕著である。
 その自責は、ときには自虐にまで走っていく。(略)そして、いかなる武力の行使をも否定する。
p73〜
 8月の平和の祈念は、戦争犠牲者の霊への祈りとも一体となっているのだ。戦争の悲惨と平和の恩恵をとにかく理屈抜きに訴えることは、それなりに意義はあるといえよう。
○「奴隷の平和」でもよいのか
 だが、この内省に徹する平和の考え方を日本の安全保障の観点からみると、重大な欠落が浮かび上がる。国際的にみても異端である。
 日本の「8月の平和論」は平和の内容を論じず、単に平和を戦争や軍事衝突のない状態としかみていないのだ。その点が重大な欠落であり、国際的にも、アメリカとくらべても、異端なのである。
 日本での大多数の平和への希求は、戦争のない状態を保つことへの絶対性を叫ぶだけに終わっている。守るべき平和の内容がまったく語られない点が特徴である。
 「平和というのは単に軍事衝突がないという状態ではありません。あらゆる個人の固有の権利と尊厳に基づく平和こそ正しい平和なのです」
 この言葉はアメリカのオバマ大統領の言明である。2009年12月10日、ノーベル平和賞の受賞の際の演説だった。
p74〜
 平和が単に戦争のない状態を指すならば、「奴隷の平和」もある。国民が外国の支配者の隷属の下にある、あるいは自国でも絶対専制の独裁者の弾圧の下にある。でも、平和ではある。
 あるいは「自由なき平和」もあり得る。戦争はないが、国民は自由を与えられていない。国家としての自由もない。「腐敗の平和」ならば、統治の側が徹底して腐敗しているが、平和は保たれている。
 さらに「不平等の平和」「貧困の平和」といえば、一般国民が経済的にひどく搾取されて、貧しさをきわめるが、戦争だけはない、ということだろう。
 日本の「8月の平和論」では、こうした平和の質は一切問われない。とにかく戦争さえなければよい、という大前提なのだ。
 その背後には軍事力さえなくせば、戦争はなく、平和が守られるというような情緒的な志向がちらつく。
 2010年の8月6日の広島での原爆被災の式典で、秋葉忠利市長(当時)が日本の安全保障の枢要な柱の「核のカサ」、つまり核抑止を一方的に放棄することを求めたのも、その範疇だといえる。
 自分たちが軍備を放棄すれば他の諸国も同様に応じ、戦争や侵略は起きない、という非武装の発想の発露だろう。
p75〜
○オバマ大統領の求める「平和」との違い
 平和を守るための、絶対に確実な方法というのが1つある。それは、いかなる相手の武力の威嚇や行使にも一切、抵抗せず、相手の命令や要求に従うことである。
 そもそも戦争や軍事力の行使は、それ自体が目的ではない。あくまでも手段である。国家は戦争以外の何らかの目的があってこそ、戦争という手段に走るのだ。
 戦争によって自国の領土を守る。あるいは自国領を拡大する。経済利益を増す。政治的な要求を貫く。
 こうした多様な目標の達成のために、国家は多様な手段を試みる。そして平和的な方法ではどうにも不可能と判断されたときに、最後の手段として戦争、つまり軍事力の行使にいたるのである。それが戦争の構造だといえる。
 だから攻撃を受ける側が相手の要求にすべて素直に応じれば、戦争は絶対に起きない。要求を受け入れる側の国家や国民にとっては服従や被支配となるが、戦争だけは起きない、という意味での「平和」は守られる。
 日本の「8月の平和論」はこの範疇の非武装、無抵抗、服従の平和とみなさざるを得ない。なぜなら、オバマ大統領のように、あるいは他の諸国のように、平和に一定の条件をつけ、その条件が守られないときは、一時、平和を犠牲にして戦うこともある、という姿勢はまったくないからだ。
 オバマ大統領は前記のノーベル賞受賞演説で、戦争についても語った。「正義の戦争」という概念だった。
 「正義の戦争というのは存在します。国家間の紛争があらゆる手段での解決が試みられて成功しない場合、武力で解決するというケースは歴史的にも受け入れられてきました。武力の行使が単に必要というだけでなく、道義的にも正当化されるという実例は多々あります。第2次世界大戦でアメリカをはじめとする連合国側がナチスの第3帝国を(戦争で)打ち破ったのは、その(戦争の)正当性を立証する最も顕著な例でしょう」
 オバマ大統領はこうした趣旨を述べて、アメリカが続けるアフガニスタンでの戦争も、アメリカに対する9・11同時テロの実行犯グループへの対処として、必要な戦争なのだと強調するのだった。
 これが国際的な現実なのである。決してアメリカだけではない。どの国家も自国を守るため、あるいは自国の致命的な利益を守るためには、最悪の場合、武力という手段にも頼る、という基本姿勢を揺るがせにしていない。それが国家の国民に対する責務とさえみなされているのだ。
p77〜
 だから「8月の平和論」も、この世界の現実を考えるべきだろう。その現実から頭をもたげてくる疑問の1つは、「では、もし日本が侵略を受けそうな場合、どうするのか」である。
 日本の領土の一部を求めて、特定の外国が武力の威嚇をかけてきた場合、「8月の平和論」に従えば、一切の武力での対応も、その意図の表明もしてはならないことになる。
 だが、現実には威嚇を実際の侵略へとつなげないためには、断固たる抑止が有効である。相手がもし反撃してくれば、こちらも反撃をして、手痛い損害を与える。その構えが相手に侵略を思い留まらせる。戦争を防ぐ。それが抑止の論理であり、現実なのである。
 この理論にも、現実にも、一切背を向けているのが、日本の「8月の平和論」のようにみえるのだ。そしてそのことがアメリカとの同盟関係の運営でも、折に触れて障害となるのである。
p158〜
第6章 防衛強化を迫るアメリカ
 2 日本の中距離ミサイル配備案
○中国膨張がアジアを変えた
 「日本は中国を射程におさめる中距離ミサイルの配備を考えるべきだ」---。
 アメリカの元政府高官ら5人によるこんな提言がワシントンで発表された。20011年9月のことである。
 日米安保関係の長い歴史でも、前例のないショッキングな提案だった。日本側の防衛政策をめぐる現状をみれば、とんでもない提案だとも言えよう。憲法上の制約という議論がすぐに出てくるし、そもそも大震災の被害から立ち直っていない日本にとって、新鋭兵器の調達自体が財政面ではまず不可能に近い。
 しかし、この提案をしたアメリカ側の専門家たちは、歴代の政権で日本を含むアジアの安全保障に深くかかわってきた元高官である。日本の防衛の現実を知らないはずがない。
p162〜
 中国は射程約1800キロの準中距離弾道ミサイル(MRBM)の主力DF21Cを90基ほど配備して、非核の通常弾頭を日本全土に打ち込める能力を有している。同じ中距離の射程1500キロ巡航ミサイルDH10も総数400基ほどを備えて、同様に日本を射程におさめている。米国防総省の情報では、中国側のこれら中距離ミサイルは台湾有事には日本の嘉手納、横田、三沢などの米空軍基地を攻撃する任務を与えられているという。
 しかし、アメリカ側は中国のこれほどの大量の中距離ミサイルに対して、同種の中距離ミサイルを地上配備ではまったく保有していない。1章で述べたとおり、アメリカは東西冷戦時代のソ連との軍縮によって中距離ミサイルを全廃してしまったのだ。ロシアも同様である。
p163〜
 だからこの階級のミサイルを配備は、いまや中国の独壇場なのである。
 「中国は日本を攻撃できる中距離ミサイルを配備して、脅威を高めているが、日本側ももし中国のミサイルを攻撃を受けた場合、同種のミサイルをで即時に中国の要衝を攻撃できる能力を保持すれば、中国への効果的な抑止力となる」
 衝突しうる2国間の軍事対立では力の均衡が戦争を防ぐという原則である。抑止と均衡の原則だともいえる。
 実際にアメリカとソ連のかつての対立をみても、中距離ミサイルは双方が均衡に近い状態に達したところで相互に全廃とという基本が決められた。一方だけがミサイル保有というのでは、全廃や削減のインセンティブは生まれない。だから、中国の中距離ミサイルを無力化し、抑止するためには日本側も同種のミサイルを保有することが効果的だというのである。
 日本がこの提案の方向へと動けば、日米同盟の従来の片務性を減らし、双務的な相互防衛へと近づくことを意味する。アメリカも対日同盟の有効な機能の維持には、もはや日本の積極果敢な協力を不可欠とみなす、というところまできてしまったようなのである。
p164〜
 3 アメリカで始まる日本の核武装論議
○中国ミサイルをの脅威
 アメリカ議会の有力議員が日本に核武装を考え、論じることを促した。日本側で大きくは取り上げられはしなかったが、さまざまな意味で衝撃的な発言だった。アメリカ連邦議会の議員がなかば公開の場で、日本も核兵器を開発することを論議すべきだと、正面から提言したことは、それまで前例がなかった。
 この衝撃的な発言を直接に聞いたのは、2011年7月10日からワシントンを訪れた拉致関連の合同代表団だった。
p165〜
 さて、この訪米団は、7月14日までアメリカ側のオバマ政権高官たちや、連邦議会の上下両院議員ら合計14人と面会し、新たな協力や連帯への誓約の言葉を得た。核武装発言はこの対米協議の過程で11日、下院外交委員会の有力メンバー、スティーブ・シャボット議員(共和党)から出たのだった。
p166〜
 続いて、東祥三議員がアメリカが北朝鮮に圧力をかけることを要請し、後に拉致問題担当の国務大臣となる松原議員がオバマ政権が検討している北朝鮮への食糧援助を実行しないように求めた。
 シャボット議員も同調して、北朝鮮には融和の手を差し伸べても、こちらが望む行動はとらず、むしろこちらが強硬措置をとったときに、譲歩してくる、と述べた。
p167〜
○日本の核武装が拉致を解決する
 そのうえでシャボット議員は、次のように発言した。
 「北朝鮮の核兵器開発は韓国、日本、台湾、アメリカのすべてにとって脅威なのだから、北朝鮮に対しては食糧も燃料も与えるべきではありません。圧力をかけることに私も賛成です」
 「私は日本に対し、なにをすべきだと述べる立場にはないが、北朝鮮に最大の圧力をかけられる国は中国であり、中国は日本をライバルとしてみています」
 「だから、もし日本が自国の核兵器プログラムの開発を真剣に考えているとなれば、中国は日本が核武装を止めることを条件に、北朝鮮に核兵器の開発を止めるよう圧力をかけるでしょう」
 肝心な部分はこれだけの短い発言ではあったが、その内容の核心はまさに日本への核武装の勧めなのである。北朝鮮の核兵器開発を停止させるために、日本も核兵器開発を真剣に考えるべきだ、というのである。
 そしてその勧めの背後には、北朝鮮が核開発を止めるほどの圧力を受ければ、当然、日本人拉致でも大きな譲歩をしてくるだろう、という示唆が明らかに存在する。
p168〜
 つまりは北朝鮮に核兵器開発と日本人拉致と両方での譲歩を迫るために、日本も独自に核武装を考えよ、と奨励するのである。
 日本の核武装は中国が最も嫌がるから、中国は日本が核武装しそうになれば、北朝鮮に圧力をかけて、北の核武装を止めさせるだろう、という理窟だった。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖


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