小沢一郎「王国崩壊」 黄川田は和子夫人に「お陰様で当選できました」『週刊文春』12月27日号
「岩手県内の小選挙区で勝ったのは小沢一郎氏本人の4区だけ。しかも前回の約13万4千票を大きく下回る、約7万8千票。“小沢王国”は完全に崩壊しました」(政治部記者)
後援会関係者が言う。
「小沢さんの選挙区も後援会はかなり緩んでいた。幹部が後援者の遺留のために『これで最後だから。今回限りだから』と言っていた。次の選挙に小沢は出ないから、と」
岩手では小選挙区制導入以降、党が変わろうとも小沢氏が4議席のうち3つは確保してきた。前回の衆院選では県内全てを独占。そんな小沢王国でも苦戦が伝えられると、選挙戦終盤の12日、小沢氏自身が岩手入り。4日間にわたり県内をくまなく回った。(略)
そんな空気を感じ取ったのか、小沢氏はある行動に出た。
「その日の晩、小沢氏は1区で立った達増陽子氏の総決起集会に出席すると言われていたのですが、現れなかった。実は同じ時間に、宿泊先のホテルにゼネコン関係者を集めていたんです。引き締めを図ったものと見られます」(県政関係者)
その翌日、朝10時。盛岡市に隣接する紫波町の公民館の駐車場に、小沢氏はいた。異例の地元入りを取材しようと集まった報道関係者は6人と寂しい。聴衆もたったの16人だ。ゼネコンの引き締め効果もまったくなく、王国崩壊の趣である。広く思えてくる駐車場で、小沢氏はにこやかに語り出した。
「大変お忙しいところ、また、寒いところ、こうしてわざわざお越しいただいて・・・」
候補者の紹介から始まり、原発、消費税、TPPに対して訥々と反対論を述べ、辻説法は約5分で終了。厳しい寒さの中、コートも着ずにいるため、次の会場へ向かうためにクルマに乗り込む頃には、小沢氏の唇は白くなっていた。
この日、小沢氏は盛岡市内を中心とした17か所で、判を推したように同じ内容を喋り続けた。
そこまでしても、結果は前述の通り大惨敗。中でも岩手3区は、開票作業開始からすぐに民主の黄川田徹氏に当確が出た。
「黄川田さんは当確が出た直後、小沢さんに離縁状を叩きつけた和子夫人に電話をかけたそうです。和子夫人は、震災で家族を喪った黄川田さんをずっと気にかけていましたから。留守電に『お陰様で当選できました。ご心配いただき、ありがとうございました』と吹き込んだら、和子さんから折り返し連絡があったそうです」(黄川田氏の知人)
国破れて、小沢氏はいま何を思うのだろうか。
◆ 「小沢王国」に挑む 反旗翻した飼い犬たち=階猛/黄川田徹のもとに届いた小沢氏の妻和子夫人からの手紙 2012-08-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
民主残留組に対立候補=小沢氏
2012年8月20日21:06 JST
新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は20日の記者会見で、次期衆院選への対応に関し、消費増税関連法案の採決で造反しながら民主党にとどまった階猛(岩手1区)、黄川田徹(同3区)両氏の対立候補を擁立する方針を明らかにした。
小沢氏は「民主党に残っているということは、われわれが政権交代で唱えた約束をほごにして増税に走ることを是とした人たちだ」と階氏らを厳しく批判した。[時事通信社]
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「小沢王国」に挑む 反旗翻した「飼い犬」たち
産経ニュース2012.8.16 22:14
7月29日、東日本大震災の傷痕が残る岩手県陸前高田市の市役所仮庁舎は、日曜日にもかかわらずにぎやかだった。
仮庁舎では財務相、安住淳が地元市議らの陳情を受けていた。安住の隣に座るのは同市出身の衆院議員、黄川田徹。黄川田は、安住が予算要望に「わかりました」と前向きに応じるたびに静かにうなずいた。
陳情を聞き終えた安住は去り際、こう言い残した。
「黄川田さんは大変難しい決断をしてくださり、ありがたい。私たちも黄川田さんを支えたい」
「大変難しい決断」−。安住が指摘したのは、黄川田が長年行動をともにしてきた元民主党代表、小沢一郎とたもとを分かったことを指す。黄川田は小沢が旗揚げした「国民の生活が第一」に参加しなかった。
黄川田の「決断」に応えるかのように、岩手3区には閣僚や民主党幹部が頻繁に入る。首相、野田佳彦も「生活」結成から3日後の7月14日に3区入りした。
「小沢家と黄川田家は、双方の父の代から50年以上の付き合いだ」
黄川田は今でも、小沢との深い関係を強調する。大震災の津波で両親、妻、長男、秘書の5人を亡くした黄川田の仮設住宅を今年4月に訪れ、家族の位(い)牌(はい)を拝んでくれたのも小沢だ。そのとき、黄川田は小沢から総務副大臣の辞任を求められ、これに応じている。
その黄川田が今回なぜ、小沢に背いたのか。
■小沢夫人の手紙
家族4人の初盆を迎えたころ、黄川田のもとに香典を添えた便箋2枚の手紙が届いた。小沢の妻、和子からだった。
お悔やみの言葉から始まり、被災地の現状を案ずる言葉や激励の言葉などがつづられ、どれもこれも黄川田の心に響いた。さらにこんな一文もあった。
「大変な状態でも政局や権力闘争をする人はいるが、黄川田さんは頑張ってほしい」
黄川田はこの言葉の意味をかみしめた。「地元の復興対策よりも永田町の政局を優先している」。夫人は小沢をこう批判しているかのようだ。黄川田も「小沢先生は、権力争いでなく副総理にでも手を挙げてほしいのに…」と考えていた。
総務副大臣の辞任も断腸の思いだったのに、野党になれば復興に直接関与するのも難しくなる…。被災自治体の復興計画がまとまりはじめ、「今は政局より復興が最優先」と判断した。
しかし、小沢の「恐ろしさ」は、黄川田自身が肌で知っている。
平成12年の衆院選。小沢は、自由党を去り保守党結成に参加した当時の衆院議員、佐々木洋平を徹底的に潰した。そのときの刺客がほかならぬ黄川田だった。
そして今、小沢の牙が自分に向けられようとしている。「生活」県連幹部の県議、佐々木順一は、黄川田に刺客を向ける可能性を示唆している。3区内の県議、市議の一部も「生活」に移り、黄川田を脅かす。
■知事自ら刺客?
「小沢さんにしてみれば、飼い犬に手を噛まれたような気分かと思います。今後、私に対して厳しい態度で臨まれるでしょう」
黄川田と同じく民主党にとどまった岩手1区選出の衆院議員、階猛はブログで、これからの覚悟をにじませた。1区では、小沢らに目立たぬよう街頭演説を避け、2、3人とのミニ集会を通じて支持者との関係維持に腐心している。
1区の民主県議4人は全員残留し、支持母体の連合岩手も「生活」を支持しない方針という。それでも、小沢が「飼い犬」を放置するはずがない。
佐々木順一は7月30日、岩手県知事、達増拓也との関係について「次期衆院選で同一歩調を取りたい」と表明した。階の前任者である達増が刺客となる可能性が出てきたのだ。
達増は知事職を続ける意向を示しているが、「小沢氏の指示であれば刺客になるのもためらわないだろう」(民主岩手県議)との見方もある。しかも、階の支持者の多くは達増の支持者だ。達増と階が激突すれば、支持者はどっちにつくのか−。
岩手県議会で「生活」は民主、自民に次ぐ第3会派となった。しかし、民主と自民が共闘すれば「小沢王国」は崩壊の危機にひんする。自民から再挑戦する高橋比奈子は「ようやく岩手も『小沢氏の呪縛』が解け、県民が普通の判断ができるようになるのではないか」と期待する。もっとも、現時点で民主、自民による選挙協力の話はない。(水内茂幸)=敬称略
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◆ 小沢一郎「妻からの「離縁状」全文 週刊文春6月21日号 2012-06-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
◆ 小沢家の悲劇「妻・和子の手紙」の真相 週刊ポスト2012/7/6号(2012年6月25日発売) 2012-06-25
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◆ 「夫のため」刺客に 岩手1区『生活』達増知事夫人 出馬/ 民主・階猛氏の妻は「陽子さん、かわいそう」と涙 2012-12-01 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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〈来栖の独白 2012.12.01 〉
ここまでやらなければ「政治」は全うできませんか、小沢さん。『国民の生活が第一』の周辺で女性候補(三宅雪子氏・姫井由美子氏・・・)が痛ましすぎる、と感じるのは私だけだろうか。陽子氏出馬に達増知事も心中いかばかりだろう。ここまでやらなければ「政治」は全うできませんか。階氏に「頑張れよ」「ともに頑張ろう」と微笑み、刺客は送らない。貴方の「選挙」にそんな手法はありませんか、小沢さん。代議士に当選すれば陽子氏は単身赴任、夫婦別居だ。そこまでやらねば、「政治」は全うできませんか。
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