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「選挙を終え、官僚とマスコミが“逆戻り”するかもしれない」/2009年小沢氏演説「私には夢があります」

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選挙を終え、官僚とマスコミが“逆戻り”するかもしれない
Business Media 誠 相場英雄の時事日想 2012年12月20日08時01分 UPDATE
 総選挙で、自民党が勝利した。マスコミ各社の予想を上回る大勝利だったので、不安を感じている人も多いのではないだろうか。筆者の相場氏も、官僚とマスコミが古い時代に逆戻りするのではないかと懸念している。
        ◇ ◇
 先の総選挙では事前予想通り、いや予想以上に自民党が大勝した。民主政権のドタバタが完全に嫌気された結果に他ならない。選挙結果の分析や詳報は他稿に譲るとして、私なりに今般の選挙結果で浮かび上がる懸念に触れる。キーワードは「逆戻り」。官僚とマスコミがまたぞろ古い時代に戻るのではないか。
*政治主導の本質
 民主党政権が誕生したとき、キャリア官僚からは不満の声が相次いでいた(写真と本文は関係ありません)
 「これが彼らの“政治主導”の本質なんです」――。
 2009年に民主党政権が誕生した直後、ある中央官庁のキャリア官僚が私にこんな言葉を漏らした。彼の手元には所属する官庁の職員配置を記した一覧表があった。所々に赤ペンでバツ印が入れてある。
 愚痴の根源は、こういう構図だ。
 官僚支配を打破すべく、政治主導を訴えて誕生した民主党政権。新たに送り込まれた民主党の大臣たちは、官僚の箸の上げ下げまで指示を出し、あげく職員の座席表にもクレームを入れたというのだ。
 「生活指導担当の教員が問題児を監視するような姿勢だ」――。
 こう吐露する官僚の言葉に私はあきれた。政治家が官僚を使いこなし、新しい政策を通していくのが政治主導の根本だと思っていた私は、がくぜんとしたことを鮮明に記憶している。同時に、民主党が“政治主導”というスローガンを完全にはき違えているとも感じた。
 その後、民主党政権が打ち出す各種施策が遅々として進まず、かつチグハグさが目立ったこの背後には、こうした政治家と官僚の対立という根深い事情が潜んでいた。
 16日の総選挙を経て、自民党政権が復活する。なによりも復権を喜んでいるのが中央官庁の官僚たちだろう。箸の上げ下げに至るような的外れな指示を出されることはもはやない。だが、個人的には官僚たちの安堵には、警戒すべきだと思っている。
 自民党には商工族や農林族など、さまざまな族議員がいる。もちろん官僚たちは自らの縄張りを守るために、族議員と密接に連携する。民主党という明確な敵がいなくなった以上、かつての自民政権時代よりもそのつながりは強固になるはずだ。
 長年の取材経験を通じ、私は多くの官僚に知り合いがいる。一人ひとりは優秀、かつ人柄の良い人が多い。だが省の利権が絡んでくると、彼らはかたくなとなり、縄張りを死守するために動き出す。極論すれば、国民のためではなく、省の利益を優先させるのが官僚の性質の1つ。霞が関と永田町の強固な絆の復活は、要警戒だ。
*古い政治報道が復活
 「それ見たことか」――。
 総選挙の投開票翌日、私は旧知の大手紙政治部記者と電話で話した。すると、電話口で先のような言葉が聞こえた。
 発言の主は知り合いの記者ではなく、彼の上司である同紙幹部だ。2009年の民主政権誕生で慌てたのは霞が関の官僚とともに、大手マスコミの政治担当記者も同様だ。
 「派閥領袖の自宅で寝食を共にして、関係を密にすることこそ政治記者の仕事」――。
 私が駆け出しの経済部記者だった頃、真面目な顔でこう話すベテランの政治部記者が多数いた。政策の善し悪しを分析するのではなく、政治家にべったり張り付き、“政局”を分析するのが記者の仕事、という意味だ。
 民主党政権発足時、永田町で幅を利かせたこの種の古いタイプの政治記者は慌てた。自民党の派閥ごとの事情には通じていたが、多くの民主党議員に対して、“べったり型”の取材手法が使えなくなったからだ。
 先に記した官僚と同様、永田町の動静を伝える政治報道も「逆戻り」するのではないか。換言すれば、政治家と政局のために取材し、読者や視聴者が知りたいネタがほとんど出てこなくなる、そんな懸念が私の中に芽生えている。
 幸い、各種のSNSや動画サイトの急速な普及で読者が知りたいと考えればインターネットである程度まで情報が入手でき、かつチェックすることが可能になった。
 来年の参院選まで、霞が関と大手マスコミの政治報道が古いタイプに逆戻りするか否か、読者一人ひとりが警戒度を上げていく必要がある。
*相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール
 1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo
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民主党大会 小沢氏演説=この理念に沿った政治をこの国が渇望しないはずがない 2010-09-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 〈来栖の独白2012/9/15〉
 代表選(民主党大会)での小沢一郎氏の演説は、極めて堅実なものだった。昨年の民主党マニフェスト「脱官僚依存」が、そのまま忠実に謳われている。民主党マニフェストは、「取り調べの全面可視化」「国民(政治)による検事総長選任」「記者クラブの開放」「米国との関係見直し」など政治主導を謳ったものであり、そのため小沢氏は、大マスコミと特捜により、政治生命を絶たれるに等しい攻撃を受けた。
 勝利した菅氏には、小沢演説に静かに耳を傾け、マニフェストに立ち返って、脱官僚依存の政策を推し進めて戴きたい。「記者クラブ開放」には、当然「クロスオーナーシップの禁止」も求められる。
 ビデオに録った演説を聴きなおし、共同通信の記事も引用させて戴きながら以下に起こしてみた。全文ではない。部分的に省略した箇所がある。
 追記2011/02/20Sun.
 なつこさんのステキなイラスト、使用させて戴きました。
..................................................
民主党代表選に於ける小沢一郎氏演説

         

〈前段略〉
 さて、今回の立候補にあたっては、今日の危機的な政治経済事情の中で、果たして自分にその資質があるだろうか、政治の最高責任者として国民の生活を守るというその責任を果たすことができるだろうか、と本当に悩み、自問自答いたしました。それにもかかわらず立候補を決意をしたのは、今、政治を変えなければもう間に合わないという、私の切実な思いを正々堂々、世に問いかけたかったからであります。
 思い起こせば、私は27歳で衆議院議員に初めて立候補した際、選挙公報にこうつづりました。「このままでは日本の行く末は暗澹たるものになる。こうした弊害をなくすため、まず官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さなければならない」と。意志なき政治の行き着く先には国の滅亡しかありません。日本は敗戦を経て本質は変わっていないのではないか。若かりしころの、感じたその思いは初当選以来、いまなお変わっておりません。
 今日、わが国はデフレによる経済の収縮、少子高齢化の既存の社会制度のギャップによる不安など、経済も社会も危機的な状況に陥っております。
 世界で最も層が厚かった中間所得層が解体され、ごく少数の富裕層と数多くの低所得層への分化が急速に進んでおります。日本が誇った社会保障制度も崩れつつある中、2年後には団塊の世代が年金受給者となる日を迎えます。
 今、日本は、最も大事にされなければならないお年寄りがいなくなっても誰も気づかず、また、就職できない多くの若者が絶望感にさいなまされ、若い親が育児を放棄しわが子を虐待する。もはや高度成長がいろいろな問題を覆い隠してくれた時期はとうに過ぎ去って、社会の仕組みそのものが壊れています。そしてまた、日本人の精神風土も興廃し始めていると思います。
 今、ここで政治を見直し、行政を見直し、国のあり方を見直さなければ、もう日本を立て直すことができないのではないかと思います。多くの国民の皆さんも同じように感じていたのだと思います。昨年、われわれ民主党に一縷の思いを託し、政権交代を実現させていただきました。しかしもう1年が過ぎ、残された任期はあと3年であります。
 私たちは今、直ちにこの3年間を国の集中治療期間と位置づけ、徹底した改革を断行し、実行していかなければなりません。しかしその改革は明治維新以来140年続く官僚主導の政治を、根っこから国民主導、政治主導に変えなければとても成し遂げられるものではありません。私の頭の中を占めているのはその思いなのであります。
 しかし、私は官僚無用論を言っているわけではありません。日本の官僚機構は世界に冠たる人材の集まっているところであると考えております。問題は政治家がその官僚をスタッフとして使いこなし、政治家が自分の責任で政策の決定と執行の責任を負えるかどうかということであります。
 私は40代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けて参りました。そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一日のごとくほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というのはそういうものであります。
 その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に染みて分かりました。だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみのない政党を作り、政権を変えるしかないという決意をもってこの17年間、政治活動を続けて参りました。
 改めて申しあげます。昨年、政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。この声に応えようと、菅総理大臣始め閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
 しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから絞り出した財源を国民の生活に返すという、去年の衆院選挙マニフェストの理念はだんだん隅においやられつつあるのではないでしょうか。実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット。これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけれども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけではないでしょうか。これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
 私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、(※)地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
 日本人は千年以上前から共生の知恵として、和の文化を築きました。われわれには共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が十分にあります。誰にもチャンスとぬくもりがある、豊かな日本を作るために、自立した国民から選ばれた自立した政治家が自らの見識と自らの責任で政策を決定し実行に移さなければなりません。
 そして、霞ヶ関で集中している権限と財源を地方に解き放ち、国民の手に取り戻さなければなりません。そのため、国のひも付き補助金を順次すべて地方への一括交付金に改めます。これにより、地方では自主的な町作りやインフラ整備が可能になります。国、地方を通じた大きな節約効果と、そして地域経済の活性化が期待できます。また、地域での雇用が生み出され、若者がふるさとに帰り、仕事に就くこともできるようになります。
 国民の皆さんにご負担をお願いするのは、ここにいる皆さんがありとあらゆる知恵を絞って、できることすべてに取り組んでからでいいはずであります。そしてそれが、昨年の総選挙で民主党と国民との約束でなかったでしょうか。
 衆議院の解散総選挙はこうした改革に与えられた任期を費やして、その結果を出してからのことであります。官僚支配の140年のうち、40年間、私は衆院議員として戦い抜いてきました。そしてようやく官僚機構と対立できる政権の誕生にかかわることができました。われわれは国民の生活が第一の政治の幕開けにやっとこぎつけたのであります。
 官僚依存の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それはとりもなおさず、政治の歴史を20世紀に後戻りさせることになるからであります。私は代表になってもできないことはできないと正直に言うつもりであります。しかし、約束したことは必ず守ります。
 こう断言できるのは官僚の壁を突破して、国民の生活が第一の政治を実行するのは、最後は政治家の志であり、改革のきずなで結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。そして私自身は、民主党の代表すなわち国の最終責任者として、すべての責任を取る覚悟があります。
 今回の選挙の結果は私にはわかりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。従って最後にもう一つだけ付け加えさせてください。
 明治維新の偉業を達成するまでに多くの志を持った人たちの命が失われました。また、わが民主党においても、昨年の政権交代をみることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
 そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。皆さんのご指示、ご理解をお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
.....................
〈来栖の独白、続き〉
 「クリーン」などといった意味不明、空虚な言葉の1つもなく、肝心なことが言い尽くされて、素晴らしい演説だ。憲法一三条の理念を、小沢さん自身の言葉で語っている。この政治家を、国民が必要としないはずがない。この理念に沿った政治を、この国が待望しないはずがない。
 ※憲法第13条
 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
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「日本は原子力発電を放棄してはいけない」〜アーミテージ・ナイ報告書が示す もう1つの危機 2012-10-11 | 原発/政治
 相場英雄の時事日想:なぜ原発維持を求めたのか? あの報告書が示すもう1つの危機
 「日本は原子力発電を放棄してはいけない」。米戦略国際問題研究所のアーミテージらが中心となってまとめた報告書には、こんな一文が盛り込まれた。反原発のムードが高まっている中、このリポートの背後には、どんな意図が潜んでいるのだろうか。
2012年10月11日 08時01分 UPDATE Business Media 誠
 「日本は原子力発電を放棄してはいけない。原発の慎重な再稼動こそが、日本にとって責任ある正しい選択である」――。
 今年8月、米戦略国際問題研究所のアーミテージ元国務副長官やナイ・ハーバード大教授らが中心となってまとめた『アーミテージ・ナイ報告書』がこんな一文を盛り込んだことをご記憶の向きも多いはず。反原発ムードが高まる日本で、同リポートが話題を集めたのは言うまでもない。今回は、同リポートの背後に潜むある意図について分析してみたい。
■アーミテージ・ナイ報告書
 私が指摘するまでもなく、アーミテージ氏は米国政界での影響力が大きい知日派と知られる人物。同氏は過去も日米関係に関するリポートを記し、これが日本の政治に大きな影響力をもたらしてきた経緯がある。
 先のリポートは、日米関係全般を俯瞰(ふかん)し、今後の両国関係のあるべき姿、という位置付けとして発表された。
 原発に関する一文もこの中に含まれる。各種メディアのリポートから、この部分に触れてみる。
 「日本は原子力発電を放棄してはいけない。原発の慎重な再稼働こそが、日本にとって責任ある正しい選択である。日本がロシア、韓国、フランス、そして中国に立ち遅れる事態はさけるべきであり、日米両国は連携を強化し、福島原発事故の教訓に基づき国内外における原子炉の安全設計および規制の実施面でリーダーシップを発揮すべき」
 先に指摘した通り、アーミテージ氏は米国政界の歴然たる有力者であり、「知日派として日本政界への影響力も大」(永田町関係者)であることは間違いない。
 それだけに、日本の原発政策に関して、これを強く維持するよう求めた同リポートが関心を集めたわけだ。折しも反原発のムードが高まり、首相官邸の周囲をデモ隊が取り囲んでいた時期にも当たるだけに「露骨な内政干渉」、「やはり日本は米国の属国だった」等々の批判が渦巻いたわけだ。
 昨年来、私は東日本大震災や福島第一原発後の東北地方を取材し続けた。特に、福島県の浜通り地方、そしていまだに不自由な避難生活を強いられている15万人以上の住民の苦難の一端を知る者としては、同リポートに強烈な違和感を持つ。いや、むしろ嫌悪感に近い。
 ただ、先に当欄で『それでもオスプレイは配備される――そう感じるワケ』という記事でも記した通り、日米の力関係は明確に米優位なのだ。
 正式な米政府見解ではない『アーミテージ報告書』にしても、政府が「2030年代に原発稼動ゼロ」とするエネルギー・環境戦略について、9月の閣議で閣議決定を見送ったことに大きく関係するとみる。
■原発エンジニア流出への警告
 ここからは裏の取りようのない話となる。予めご了承いただきたい。
 過日、私は重電やプラントに詳しいベテランの証券アナリストを取材した。この際、件の『アーミテージ報告書』が話題に上った。このとき、アナリストがこんな話を始めた。「例のリポートの背後には、こんな事情が絡んでいるよ」――。
 こんな事情とは、以下のような内容だ。
 当初、政府が2030年代の原発ゼロ方針を示した直後から、原発関連のエンジニアが関連する企業から離職する動きが強まった、というのだ。
 このアナリストがいくつかの国内有数の企業に取材したところ、「正確な数は得られなかったが、優秀なエンジニアが海外企業に移籍しているのは事実」との感触を得たという。私もいくつか当たってみたが、守秘義務や個人情報の壁があり、どの企業から何人、といった精緻(せいち)なデータを得ることはできなかった。ただ、アナリストと同様に感じたのは、流出は紛れもない事実、ということだった。
 先の報告書の一文に注目していただきたい。
 「日本がロシア、韓国、フランス、そして中国 に立ち遅れる事態はさけるべきであり」――。
 ベテランのアナリストによれば、「米国は特に中国の動きを警戒している」という。
 日本の家電や重電メーカー各社は、韓国や中国との国際競争に遅れを取り、人員削減を中心とした事業の再構築に迫られている。工場のラインに従事する作業員が削減されたほか、半導体や薄型テレビの優秀なエンジニアたちも韓国や中国企業にヘッドハンティングされるケースが相次いだ。
 「民生用電機のエンジニアならば問題はないが、原発のエンジニアが軽々に移籍し、原発技術が中国にコピーされることを米国が強く憂慮している」というのが先のアナリストの見立てだ。
 政府が原発ゼロ方針を閣議決定しなかったことの詳細は知り得ない。だが、こうした事情が絡んでいるとしたら、エンジニアの流出を食い止める方策を講じる必要がある。無策のままならば、アーミテージ報告書よりも強い調子で、米側がなんらかの意思表示をする機会があるだろう。
*相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール
1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo
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◆ 上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」1(1〜2)朝日新聞が世間の感覚とズレにズレている理由 2011-12-28 | メディア/ジャーナリズム
 上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」:朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由
 Business Media 誠2010年08月11日 09時00分 UPDATE
 気鋭のジャーナリスト、上杉隆氏、相場英雄氏、窪田順生氏の3人が、Business Media 誠に登場。「政治評論家に多額の資金が渡った」と指摘されている官房機密費問題や、メディアが抱える問題点などについて語り合った。[土肥義則,Business Media 誠]
上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」2/ 鉢路前経産相は記者の談合による虚報で辞任 2011-12-29 | メディア/ジャーナリズム
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◆上杉×相場×窪田の「ここまでしゃべっていいですか」バックナンバー:
朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由(1)
政治家のフトコロから記者にカネ……メディア汚染の問題点とは(2)
“ブラックなカネ”と記者クラブの密接な関係(3)
あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理(4)
主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ(5)
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「裸になる」わけではないが……江頭2:50を見習う理由 (8)
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