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行き着く先は「カネ」 日本未来の党、“野合”1カ月で幕

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行き着く先は「カネ」 日本未来の党、“野合”1カ月で幕
産経新聞2012.12.28 00:51
 「選挙互助会」と揶揄(やゆ)された日本未来の党が行き着いた先は政党交付金の“争奪戦”だった。勝ち取ったのは小沢一郎氏側。交付金の額は1月1日時点の所属国会議員数などに応じて決まるため、年内に政党の体裁を整えなければ、交付はお預けとなる。小沢氏側が主導権を握る形で“衣替え”を急いだのはこのためだ。結党から1カ月。「カネ目当て」の分裂劇への批判は免れない。(松本学)
 27日に国会内で行われた日本未来の両院議員総会は約20分間で終了した。
 「本物の『脱原発』に向けての第一歩を目指していきたい」
 代表の嘉田由紀子滋賀県知事に近い飯田哲也代表代行は会合後、記者団にこう語り、小沢氏側との対立の根深さをうかがわせた。
 所属国会議員は27日に離党届を提出した亀井静香氏を除くと16人。小沢氏と小沢氏系議員計15人は名称を変えて存続する「生活の党」に残り、嘉田氏と社民党出身の阿部知子衆院議員が党を追われる形だ。
 政党交付金を受け取るには、1月1日時点で(1)所属国会議員が5人以上(2)所属国会議員が1人以上で、国政選挙での得票率が2%以上−のいずれかの条件を満たさなければならない。
 存続する「生活の党」は、日本未来が受け取るはずだった平成25年分の政党交付金約8億6千万円(産経新聞試算)の大半を受け取ることができる。嘉田、阿部両氏らが新たな政治団体を結成しても交付金は受け取ることはできない。
 気になるのは今後の小沢氏側の動向だ。
 日本未来の国会内の控室に27日、就任挨拶のため訪れた民主党の海江田万里代表に、「生活の党」代表に就任する森裕子参院議員は満面の笑みを浮かべて“接近”を図った。
 「海江田万里8票プラスさせていただきました!」
 日本未来は26日に参院で行われた首相指名選挙の決選投票で、8人全員が海江田氏に票を投じている。森氏のパフォーマンスは、小沢氏側と民主党が手を握る新たな“野合”を想像させるものだった。
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12月28日
2012.12.28 03:06 [産経抄]
 長屋の井戸端で、女房が亭主の愚痴をこぼしている。「お前さん、何だって、いっしょになったんだい?」。別の女房がたずねると、ぽつりと一言。「だって…寒いんだもん」。▼寒風に肩をすぼめる季節になると、昭和の名人、古今亭志ん生が落語の枕に織り込んだ名言を思い出す。男女の結びつきの不思議さを表現して余すところがない。衆院選前に、「日本未来の党」の嘉田由紀子代表と小沢一郎氏を結びつけたのは、何だったのだろう。▼色恋沙汰ではもちろんないし、どうやら政治理念の一致でもなかったようだ。嘉田氏にとって、選挙の裏と表を知り尽くした小沢氏は、頼もしい存在だった。小沢氏も、嘉田氏が掲げる「卒原発」のスローガンでかなりの票が稼げるとそろばんをはじいた。要するに、打算である。▼選挙で惨敗となれば、もともと水と油の2人が対立するのは必然だった。きのう、結党からわずか1カ月で分党が決まったといっても、驚きの声は上がらない。すでに亀井静香氏が26日に離党を表明しており、小沢氏ら衆参15人が党を継承、名前も変えた。▼「成田離婚だ」。党から追い出された格好の阿部知子衆院議員が語っている。茶番劇のハネムーンを見せられただけではない。「離婚」にも、打算の臭いがプンプンする。政党交付金が、1月1日の時点での国会議員の数などで額が決まることから、年内決着を急いだというのだ。▼「野党の活動については、政界における『一服の清涼剤』という位置をわりあてる」。政治学者の京極純一さんによれば、かつては「これが堅気の常識」(『日本の政治』)だった。清涼剤にもなれない野党に、どんな存在価値があるというのか。
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嘉田氏ら「名」を、小沢氏「実」取る…未来分裂
読売新聞 2012年12月28日05時29分
  日本未来の党は27日、党名を「生活の党」に変え、代表を嘉田由紀子滋賀県知事から森裕子参院議員へと変更することを総務相に届け出た。
 「生活の党」は小沢一郎衆院議員ら旧「国民の生活が第一」(現在は国会議員15人)のメンバーで構成される見通しで、嘉田氏と嘉田氏に近い阿部知子衆院議員らは離党することになり、分裂が決まった。嘉田氏らは政治団体として党名を引き継ぐ方向だが、結党1か月にして国会から未来の党の名は消えた。
 小沢氏と嘉田氏は28日に大津市内で共同記者会見を行い、党分裂の経緯などを正式に説明する。
 当初は小沢氏らが離党するとの観測もあったが、離党して新党を結成した場合に受け取れる政党交付金は、未来の党が受け取る予定だった約8億6500万円(現時点での勢力による試算)と比べ、大幅な減額となる。小沢氏に近い議員が「衆院選の選挙資金の多くは、旧『国民の生活が第一』が負担した」などと語る一方、嘉田氏側は、日本未来の党という党名の存続にこだわり、党の「割れ方」を巡る騒動を「カネ目当てと思われたくない」と周辺に語っていた。これが、嘉田氏らが「名」を取り、政党交付金という「実」を小沢氏らが取る格好の決着になったものとみられている。
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