ハロウィングッズから中国囚人のSOS手紙 米政府調査へ
ジュリー・キースさんのFacebookに公開された中国囚人のSOSの手紙
【大紀元日本12月28日】
中国強制労働収容所からのSOSの手紙がこのほど、米国に輸入されたハロウィングッズから発見された。差出人は囚人で、自分がこの商品を作ったと名乗り、中国の監禁施設では囚人が過酷な奴隷労働を強いられていると訴えた上、手紙を国際人権団体に渡すよう書き留められていた。
現地有力紙の「ザ・オレゴニアン」は23日にこの件を報道し、米国の関連政府機関もすでに調査を始めたという。また、同グッズを販売したKmart社の親会社シアーズ社は声明文を発表し、調査を約束した。囚人の奴隷労働が事実ならば、中国の提携会社との契約を打ち切ると表明している。
ザ・オレゴニアン紙によると、オリゴン州在住のジュリー・キースさんは今年10月、一年前のハロウィンのときに買ったお墓セットから同手紙を発見した。手紙は非常に小さく折り畳まれており、墓石の間に隠されていたという。
手紙は署名なしで、英語と中国語で書かれていた。
「この製品を買われた方へ:この手紙をぜひ世界人権団体に渡してほしい。中国共産党政府の迫害に耐えているここの数千人は永遠にあなたに感謝し、あなたを忘れない」
手紙によると、このお墓セットは瀋陽市馬三家強制労働収容所の二所八大隊の囚人が製造した。
「ここでは、人々は毎日15時間の労働を強いられており、土日も祝日も休めない。従わなければ、拷問、暴行、言葉の暴力を受ける。労働報酬はないに等しいのだ(月に10元)(編集者注:約120円)」
「ここの人は平均1〜3年の強制労働を命じられているが、法的な裁判は受けていない。彼らの多くは完全に無実の法輪功学習者だ。中国共産党政府の理念と異なる信仰を有しているだけで、ほかの囚人よりもさらに厳しい懲罰を受けている」
キースさんは手紙をFacebookに載せ、地元メディアに取り上げられる運びとなった。オレゴニアン紙の報道では、「これまでも法輪功学習者が強制労働収容所に収監されているとよく報道されていた。手紙はまさにこのことを裏付けた」と評した。国際人権団体も「手紙が描いた状況は、我々が把握している状況と一致している」とコメントしている。
法輪功の公式サイト「明慧ネット」はこれまでに、強制労働収容所の奴隷労働の状況を繰り返し伝えてきた。それによると、製造品は服装、食品の包装箱、綿棒のような日用品、化粧品、クリスマスグッズなど多種多様で、その大半は日本や韓国、欧米諸国に輸出されている。
(翻訳編集・叶子)(12/12/28 12:50)
=========================================
◆『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
p93〜
第5部 どの国も民主主義になるわけではない
人類の歴史を見れば明らかなように、確かに長い目で見れば、野蛮な時代から封建主義の時代に代わり、そして絶対主義の時代を経過し、民主主義が開花した。ヨーロッパの多くの国々はこういった過程を経て豊かになり、人々の暮らしが楽になるとともに、民主主義、人道主義へ移行していった。鍵になったのは「経済が良くなり、暮らしが楽になる」ということである。
中国の場合は、明らかにヨーロッパの国々とは異なっている。そして日本とも全く違っている。中国は二十数年にわたって経済を拡大し続け、国家として見れば豊かになった。だが、すでに見てきたように貧富の差が激しくなるばかりで、国民は幸福にはなっていない。こう決めつけてしまうと親中国派の人々から指弾を受けるかもしれないが、中国国内の政治的な状況を見ると、依然として非人道的な政治が続いている。民主主義は全く育っていない。
中国はもともと共産主義的資本主義と称して、共産党が資本主義国家と同じようなビジネスを行なってきた。中国という国家が資本主義のシステムを使ってビジネスを行ない、国営や公営の企業が世界中から稼ぎまくった。この結果、中国国家は経済的に繁栄したものの、中国人一人ひとりは幸福になっているようには見えない。
p95〜
「中国人は食べられさえすれば文句は言わない」
中国の友人がよくこう言うが、中国人はそれ以上のことを望まないのかもしれない。つまり中国の人は「食べられる」以上のこと、つまり形而上学的な問題には関心がないのかもしれない。
「民主主義、人道主義、国際主義といったものは我々には関係ない」
こう言った中国の知人がいるが、中国だけではなく、ロシアの現状を見ても、封建主義から民主主義に至る政治的な変化を人類の向上とは考えない人々が大勢いるようだ。
p97〜
第2次大戦以来、人道主義と民主主義、そして平和主義を主張してきたアメリカのやり方が、アメリカ主義でありアメリカの勝手主義であると非難された。「アメリカ嫌い」という言葉が国際的に定着したのは、その結果であった。そうしたアメリカのやり方を、1つの考え方であり、1つの価値観に基づくものであると切り捨てているのが、ロシアの指導者であり、中国の指導者である。
p98〜
ヒットラーはドイツの誇りを掲げ、ユダヤ人を圧迫するとともに、反政府勢力を弾圧して経済の拡大を図った。中国もその通りのことをやっている。しかも、冷戦に敗れたロシアのプーチン前大統領が主張しているように、価値観の違った、そしてやり方の違った経済の競争が可能であるとうそぶいている。
だが彼らの言う価値観の相違というのは、民主主義を無視し、人道主義を拒否し、国際主義に反対することである。中国やロシアについては、冷戦に敗れた国や第2次大戦に脇役しか与えられなかった国が自分たちのやり方で歴史の勝利者になろうとしているように見える。
p99〜
共産主義は冷戦の結果、民主主義とそれに伴う人道主義に敗北したはずである。ところが中国は、冷戦と同じ体制を維持しながら、経済の戦争には勝てるとばかり傲慢になっている。
ヨーロッパの人々は中国の台頭をヒットラーの台頭になぞらえている。これに対して日本のジャーナリストや学者たちは驚きを隠さないようである。彼らは、ユダヤ人を抹殺しようとしたヒットラーと中国は異なっていると考えている。だが、共産党が絶対で、反対の意見を持つ者は犯罪者として牢獄に送り、言論の自由を認めていないという点では、中国はヒットラーと同じである。
中国は明らかに人道主義を否定しているだけでなく、民主主義を理解しようとしていない。国際主義も分かろうとしない。
p100〜
ヨーロッパの人々は、歴史的な経験から中国が危険であるとして、ヒットラーと同じであると指摘しているが、歴史にナイーブな日本の人々は全くそのことに気がついていない。
ヨーロッパの人々はヒットラーと戦い勝利を得たが、そのためにアメリカと同盟し手を携えて戦った。中国がヒットラーだという考えに驚くべきではない。新しいヒットラーである中国の共産主義の専制体制に対して世界の人々は、手を携えて戦わなくてはならなくなっている。「アメリカ嫌い」という言葉で中国の脅威から目を逸らす時代は終わったのである。
------------------
↧
中国強制労働収容所からのSOSの手紙 「従わなければ、拷問、暴行、言葉の暴力を受ける・・・」
↧