「南京大虐殺記念館」に660万人 昨年の来館者、尖閣問題で増加
産経新聞2013.1.13 21:02
「南京大虐殺記念館」への年間来館者の延べ人数が昨年初めて600万人を突破し660万人になった。中国国営通信、新華社が13日報じた。
日本政府による沖縄県・尖閣諸島国有化を機に日中関係が極度に冷え込む中、中国政府は尖閣の問題と歴史問題を絡める見方を前面に押し出しており、中国での反日機運の高まりが来館者増加の背景にありそうだ。
新華社電によると、昨年の来館者の延べ人数は前年に比べ約18%も増加した。記念館の朱成山館長は「昨年が南京大虐殺75年に当たったことから来館者が増えた」と語った。
昨年の来館者のうち外国人は日本人約5万人を含む延べ約18万人。(共同)
=========================================
◆ 「中国・韓国に こう言い返せ」〜尖閣/南京大虐殺/竹島/従軍慰安婦〜問題 2012-09-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
【中国・韓国にこう言い返せ!】中国が尖閣を日本領と認めた決定的証拠あり!島民らに感謝状★(1)
zakzak2012.09.19
中国が出した感謝状。尖閣諸島を「日本領」と認めていた決定的証拠の1つだ
沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に先週、中国国家海洋局の海洋監視船6隻が侵入した。中国メディアは、浙江省や福建省などの漁船計1000隻が18日か19日、尖閣付近の海域に到着する見込みだと報じている。
中国は厚顔無恥にも、尖閣の領有権を主張しているが、歴史をさかのぼれば、尖閣が日本領土であることには1点の疑いもない。中国側の主張には歴史的にも国際法的にも、全く正当性が存在しないのである。
尖閣は元来、全くの無人島であった。その開拓は1884(明治17)年、福岡の実業家、古賀辰四朗氏によって開始された。その後、沖縄県や海軍がたびたび現地調査を行い、日清戦争の最中の95(同28)年1月、日本政府は閣議決定により尖閣を沖縄県の所轄に決定した。
開拓に手をつけてから11年が経過しており、日本政府は極めて慎重に尖閣の領有を決定したのである。翌年9月には、内務大臣が古賀氏に30年期限の無償貸与を認可し、同氏は直ちに人を送り込み、尖閣の本格的開発に乗り出した。200人を超える住民が魚釣島に住み、かつおぶし製造やアホウドリの羽毛採取を生業としていた。
1919(大正8)年には、中国・福建省の漁民31人が難破して魚釣島に漂着し、古賀氏の息子、善次氏らは、彼らを救助して故郷へ送り届けた。時の中華民国長崎領事は、島民らに感謝状を贈ってきたが、これには遭難現場として「大日本帝国沖縄県八重山郡尖閣諸島」と記されていた。中国が尖閣を明確に日本領土と認識していた動かぬ証拠である。
第2次世界大戦中は、渡航が危険であることから無人島化したが、戦後の米軍占領時代には、久場島と大正島の2島が米軍の演習地として使用され、地権者には契約料が支払われている。
72(昭和47)年の、沖縄の本土復帰と同時に、尖閣の施政権も米国から日本に移管された。この時点で、尖閣は完全に日本の領土として復帰したわけである。
中国や台湾が、尖閣の領有権を主張し始めたのは71年からである。きっかけは、国連関係機関が68年に東シナ海一帯の調査を行い、尖閣周辺の海底に豊富な石油資源を発見したこと。これ以前には、中国、台湾両国とも、尖閣の領有権を主張した事実は全くなかった。
以上の歴史を振り返れば、「尖閣は古来の中国領土である」という主張が、真っ赤なウソであることが分かる。実際、クリントン米国務長官をはじめ、米国の歴代高官は度々、「尖閣諸島は日米安保条約第5条の(適用)範囲に入る」と明言しているのである。
*藤井厳喜(ふじい・げんき)
国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。近著に「バカで野蛮なアメリカ経済」(扶桑社新書)、「超大恐慌で世界の終わりが始まる」(日本文芸社)。
-----------------------
【中国・韓国にこう言い返せ!】“南京虐殺”は根拠のない捏造!国民党のでっちあげだ★(2)
zakzak2012.09.20
南京大虐殺記念館(南京市)での式典。歴史の捏造を再確認すべきだ
中国の真っ赤なウソは、沖縄県・尖閣諸島の問題に限らない。日本人の名誉のためにも、南京虐殺問題を見過ごすことはできない。中国共産党政府が「日本軍が中華民国の首都・南京を陥落させた1937(昭和12)年12月以降、日本軍が30万人の中国人を殺戮(さつりく)した」と主張している問題である。
最近、名古屋市の河村たかし市長が「自分の父は日本軍人として南京で終戦を迎えたが、南京の人々に温かいもてなしを受けて、無事帰国した。南京虐殺があったとは考えられない」と語り、話題となった。
「南京虐殺」は、全く根拠のない歴史の捏造(ねつぞう)である。初めは、日本軍が当時敵対していた国民党(蒋介石)政権がでっちあげた。現在では、中国共産党がその歴史の捏造を継承しているだけである。
そもそも、中国で南京虐殺が中学教科書に登場するのは79年であり、南京虐殺記念館ができたのは85年である。共産党政権は49年に成立したが、日中国交正常化の時を含め、虐殺に関する日本批判は全く行われなかった。
南京戦直前の37年11月、国民党は国際宣伝処を設置し、38年10月24日までの間に、漢口において300回の記者会見を行ったが、この間、ただの一度として「南京で虐殺があった」とは述べていない。また、毛沢東も生涯で一度も「南京虐殺」について言及していない。むしろ、「日本軍は、包囲は多いが殲滅が少ない」と主張しているほどだ。
南京戦当時、在住外国人によって「安全区国際委員会」が組織され、その活動記録が「南京安全地帯の記録」として39年に英語で刊行されている。日本軍を非難する文章が多いのは事実だが、殺人については26件しか報告されていない。しかも目撃者が存在するのは1件だけで、「これは合法的なものである」との注がついている。
人口についての記述を見ると、12月中は20万人、1月になって25万人であり、虐殺による人口減少は全く記録されていない。捕虜の処刑はあったが、すべて国際法上合法なものである。
亜細亜大学の東中野修道教授らは、南京虐殺の証拠といわれる143枚の写真を検証したが、すべて偽物であり、虐殺の証拠となるものは1枚も存在しなかった。南京戦の直後、日本側だけでも150人近い記者やカメラマンが南京に入り、精力的に報道に従事した。南京は世田谷区の7割ほどの広さしかない。
しかし、戦後になっても虐殺を目撃したという人も、虐殺写真を撮ったという人も1人も現れていない。「虐殺を報道した」といわれる英紙記者ティンパーリやベイツ南京大学教授は、国民党政府の顧問だったことが明らかになっている。
------------------------
【中国・韓国にこう言い返せ!】竹島問題、韓国側主張に合理的根拠なし!★(3)
zakzak2012.09.21
韓国については、竹島問題について言わねばならない。島根県・竹島は日本固有の領土であり、その領有権の正当性には一点の疑いもない。
江戸時代以来、日本の領土であったこの島は、GHQ占領下だった1952年1月に韓国大統領が、自らの名前を付けて不当に設けた「李承晩ライン」によって、力ずくで強奪されてしまった。それ以降、韓国は実効支配を強化しながら今日に至り、先月10日、ついに李明博大統領自身が不法上陸し、日本国民の強い反発を招いている。
竹島問題の論点は、主に3点だ。
第1は、江戸時代以来の竹島領有をめぐる歴史であり、第2は1905(明治38)年に日本が近代国家として行った竹島の領土確定に関する国際法上の正当性であり、第3はサンフランシスコ講和条約における竹島の法的地位である。結論から言うならば、以上の3点、全ての点において日本側の主張は正しく、韓国側の主張には何ら合理的根拠が存在しない。
江戸時代初期、鳥取藩の回船業者は、竹島はもとより鬱陵島に渡り、アワビ採取やアシカ猟に精を出していた。幕府がこれを許可した文書が残っている。その後、国境確定の問題が生じたが、1696(元禄9)年、幕府は鬱陵島を朝鮮領、竹島を日本領であるとし、問題は解決していた。
明治維新を経て近代国家となった日本は、1905(明治38)年、閣議決定と島根県告示により、正式に竹島を日本国の領土に編入した。日本の漁民は江戸時代以来、竹島を漁業の拠点として一貫して利用してきていたので、これは極めて自然な流れであった。
この時まだ、独自の外交権を有していた大韓帝国政府は、竹島の日本領有確定に一切抗議しなかった。
敗戦を経て、51(昭和26)年、日本は再独立のためにサンフランシスコ講和条約に調印する。条約交渉過程で、韓国政府は竹島を自国領であると主張したが、米政府はこれを認めなかった。51年8月10日付のラスク米国務次官補が韓国政府に宛てた文書「ラスク書簡」には、「竹島は1905年以来、一貫して日本の領土であり、朝鮮の領土として扱われたことはない」と記されている。
不利を悟った韓国は、講和条約が発効される直前に李承晩ラインを設置して、竹島を強奪したのであった。65年に日韓基本条約が締結されるまで、韓国は日本漁船328隻を拿捕し、44人を死傷させた。
60年、時の駐日米国大使(マッカーサー将軍のおい)は本国政府に対し、「韓国に圧力をかけて、竹島を日本国に返還させるべきだ」と訴えている。米国は日本の正当性を理解していたのだ。(国際政治学者・藤井厳喜)
------------------
【中国・韓国にこう言い返せ!】慰安婦問題は韓国側の捏造!そんな事実なし★(4)
zakzak2012.09.23
韓国の反日運動の最悪の事例が、いわゆる「従軍慰安婦問題」である。慰安婦問題は、韓国側による純然たる捏造問題であり、彼らが非難するような事実は存在しない。
韓国の中学・高校の歴史教科書には「日本が朝鮮の純潔な乙女を挺身隊という名目で動員し、日本軍の慰安婦として犠牲にした」「その数は数十万に及ぶ」などと書かれている。
第1の問題は、韓国人が「女子挺身隊」と「慰安婦」を混同していることである。この2つは何の関係もない。女子挺身隊は1943(昭和18)年に創設された若い女性の勤労奉仕団体であり、男性が戦地に赴いた銃後の地で、勤労者が不足している工場に赴き、生産活動に従事した。
そもそも、この法律は朝鮮では適応されなかった。現在まで175人の女性が「自らが慰安婦であった」と名乗り出ているが、「挺身隊で動員された」と証言したものは1人もいない。
第2に「従軍慰安婦」という制度は存在しなかった。日本軍人を相手に営業する売春婦たちがおり、「慰安婦」と呼ばれたが、軍制とは無関係の存在であった。従軍慰安婦という言葉は、70年代に日本の極左作家によって捏造された用語である。当時、関心の対象は日本人慰安婦であった。
第3に、日本軍が強制的に慰安婦を連行したり、誘拐したという事実は存在しない。こうしたトンデモナイ主張が出てきたのは、虚言癖のある人物が「朝鮮人慰安婦と日本人」(77年)という本を出版し、「自分は済州島で部下と共に200人余りの女性を拉致して戦場に送り慰安婦にした」と告白してからである。
しかし、韓国人自身の調査により、済州島においてそのような事実はなかったことが判明した。ところが、先の捏造本の衝撃はすさまじく、それ以降、大多数の韓国人が慰安婦狩りを事実と信じるようになってしまった。
当時、朝鮮では悪徳業者が跋扈(ばっこ)し、女性をだましたり、誘拐して上海や満州に売り飛ばす事件が多発した。これに対し、日本の官憲は、彼女たちの救済のために全力を尽くしていたのである。
現在、日本軍が慰安婦に関与したとして出されている唯一の軍資料は、悪徳業者の違法行為を憲兵や警察が取り締まるように注意を促したものである。慰安婦には日本人も朝鮮人もいたが、彼女たちの多くは貧困家庭の出身であり、同情すべき存在ではあったが、日本軍による強制連行が存在しなかったのは歴史的事実である。(国際政治学者・藤井厳喜)=おわり
===============================
◆ 慰安婦問題の「主犯」は福島瑞穂弁護士 / 外務省の戦略なき政治決着 / アムネスティの人権侵害 2012-08-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
===============================
◆ 韓国大統領「慰安婦問題 日本は責任ある措置を」/慰安婦説を最初に言い出したのは反日日本人吉田清治 2012-08-15 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
===============================
◆ 「従軍慰安婦」は存在したのか? 池田信夫×片山さつき×西岡力 YouTube
==========================================
◆ 尖閣問題 「反撃」すれば、中国が仕掛けた罠にまんまと嵌ったことになる 【中国の奥の手は「敵国条項」】 2013-01-12 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
尖閣問題 中国は国家の間違い正せ
産経新聞2013.1.12 03:13 [主張]
沖縄県・尖閣諸島に対し領海・領空侵犯を含む威嚇を強める中国の行動について、安倍晋三首相が11日の記者会見で、「国際社会で責任ある国家として間違っている」との見解を表明した。
安倍首相は昨年9月の尖閣国有化後、中国国内で起きた暴力的な反日デモに触れ、「両国関係を毀損(きそん)するだけでなく、中国の経済・社会にも大きな悪影響を与える」とも語った。
日系企業を破壊するなどの一連の中国側での行動に対する異例ともいえる強い警告であり、習近平総書記ら中国指導部は虚心坦懐(たんかい)に耳を傾けるべきだ。
■「間違っている」行動は今も続いている。
中国軍の戦闘機は10日、尖閣諸島北方の東シナ海で日本領空の外側に設けられた防空識別圏に突入した。航空自衛隊がF15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させて対応し、中国機の領空侵犯はなかった。
しかし、尖閣への挑発行動が拡大してくれば、偶発的な日中の武力衝突にもなりかねない。
安倍首相が会見で、尖閣について改めて「海と領土を断固守る」と決意を表明し、領土問題で「(中国と)交渉する余地はない」と強調したのは当然だ。
言葉だけでなく、中国側の恫喝(どうかつ)をはね返す具体策を準備しなければならない。
中国国営メディアによれば、中国の関係機関による全国海洋工作会議で、国家海洋局幹部は尖閣の主権維持をめぐる争いが「先鋭化し複雑な局面に直面する」との認識を示した。「尖閣は中国領土」との一方的な主張を正当化するため、今後は中国軍戦闘機の領空侵犯も起きかねない。
政府が15日に閣議決定する平成24年度補正予算案に、スクランブル時に出動するF15戦闘機4機の近代化改修など約2124億円の防衛関係費や海上保安庁の領海警備体制の強化経費を計上したのは、必要最低限の措置である。
差し迫った問題は、日本側の警告を無視して侵犯した外国機への対応だ。
どの段階で警告射撃をするのか、相手の攻撃を受けた場合にどう反撃するか、現行の自衛隊法などではあいまいな点が多い。
攻撃を受けてからでないと実力行使はできないとする「専守防衛」の見直しも急務だ。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
.........
〈来栖の独白 2013/01/12 Sat.〉
>どの段階で警告射撃をするのか、相手の攻撃を受けた場合にどう反撃するか、
「反撃」すれば、中国が仕掛けた罠にまんまと嵌ったことになる。中国に対し、軍事行動の口実を与えることになる。
【中国の奥の手は「敵国条項」】より
日本政府が海上自衛隊に「海上警備行動」を発令し、動き出した瞬間、中国当局が次のような声明を発表する。
「中国は、国連憲章の定めを破り、再び侵略行動を開始した日本を制裁するため、国連憲章の『敵国条項』に則って軍事行動に入る」
=========================================
◆ 中国の奥の手は「敵国条項」中西輝政 月刊WiLL:2013年2月号 2012年12月20日発売
p32〜
【1】売国的経済人の所業
■なぜか「中国側」の姿勢
■不当に扱われる日本企業
■企業見殺しの外務省
■岡田克也は「政経吻合」
■「中国市場は日本の生命線」
■世界一盲目な商売人
■カモ、東方より来る
■中国進出は狂気の沙汰(〜p42)
p42〜
【2】「敵国条項」という最終兵器
アメリカ上院は11月29日、尖閣諸島に関して「日米安保条約第5条に基づく責任を再確認する」ことを国防権限法案に追加修正する案を全会一致で確認した。これは日本として大変、心強い動きである。
とりわけ、アメリカの認識においても尖閣諸島が単に日米同盟の重視と言うに留まらず、アジア太平洋における戦略的要衝であることをこの決議は示している。
仮に中国が尖閣を制圧し、同島に対艦ミサイルを配備すれば、日米は与那国島から石垣・宮古島の線にはもはや近寄ることができなくなる。
となれば、東・南シナ海の結節点である台湾も落ちたも同然となり、アジアの戦略状況は一変する。また、南シナ海での米中の戦略バランスも一気に中国優勢に傾くとともに、日中対立の最前線として、尖閣だけでなく沖縄、南西諸島自体にまで一気に火が付きかねない。
中国の狙いは、必ずしも領土や東シナ海の海底資源ばかりではない。中国にはどうしても沖縄全体を政治的に支配しなければならない理由がある。
沖縄本島と宮古島の間の宮古水道は200キロほどの幅があるが、戦術ミサイルの発達した今日、このような狭いところを通らなければ太平洋に出られないという現状は、中国の海洋戦略にとっては決定的に不利な状況と言える。しかも、本島には強大な米空軍が基地を置いている。まさに沖縄、南西諸島周辺が中国の世界戦略にとって決定的な要地なのである。
p43〜
そのことを考えれば、中国の長期的な展望として、尖閣を陥し、沖縄を政治的に支配して駐留米軍を揺さぶり、自国の海洋戦略の拡大を目論んでいることは間違いない。
アメリカ上院もこの中国の狙いを理解しているからこそ、この時期に尖閣について先のような決議を行ったのだろう。こうした壮大な構図に全く気が付いていないのは、「尖閣問題で事を荒立てるな」「経済を重視せよ」と叫ぶ日本の経済界のリーダーをはじめとする単なる「平和ボケ」以上に罪深い、国益よりも「経済優先」の日本人である。
■「三戦」ははじまっている
しかも、中国はいきなり軍艦やミサイルで一気に事を荒立てるのではなく、いわゆる「三戦」、つまり心理戦、世論戦、法律戦を使う「超限戦」をすでに開始している。すでに述べたように、海洋戦略の障害である沖縄基地の米軍を撤退させるべく、日本のマスコミを使って盛んに行っているのは、まさに「対日心理戦」であり「世論戦」であろう。普天間問題に加えて、例の「オスプレイ配備反対」などもこれに当たる。
また、日本の経済人をいま以上に骨がらみにするため、「依然として中国市場は魅力的である」と思い込ませる「心理戦」がはじまっており、「法外な”手切れ金”を払うのが中国のルールである」と突きつけるのは「法律戦」と言っていい。そして、これが一番恐ろしいことを知るべきだ。
戦場で軍事兵器を使うだけが戦争ではない。「超限戦」や「三戦」と中国自ら称している。”戦火を交えない戦争”は、すでにはじまっているのである。
対する日本は、こういった工作にめっぽう弱い。大正時代から、日本は中国による反日デモや暴動、国際連盟での対日宣伝活動、日本国内に手を突っ込んでの与党や世論の切り崩し工作など、軍事によらない、そして遥かに効果的な「対日攻撃」に悩まされ続けた。
中国は相手の論理を逆用し、巧みに正面衝突を避けながら相手の動きをも利用して自国の優位をもぎ取る「水平思考」に長けており、これは当然、現在も変わらない。
尖閣問題でも、この「水平思考」は発揮されている。たしかに、アメリカが尖閣で日米安保を発動することは疑いがない。それは、アメリカ自身の国益にとっても決定的に重要であるからだ。
p44〜
にもかかわらず、日本のメディアや識者のなかには、元外務省国際情報局長孫崎享氏のように、端的に「アメリカは尖閣問題で日本を助けることはない」という論者がいるが、こうした主張は大きな認識違いなのだ。
だが、中国の超限戦的発想においては警戒すべき点が一つだけある。
日本がそれを見過ごせば、日米安保を一撃で仕留める”必殺兵器”を中国に与えてしまうことになる。中国の「三戦」には、それほどの威力を秘めた「奥の手」がある。
それは何か。
■中国が巡らせた「伏線」
手がかりは、9月27日に楊潔篪外相が行った国連総会での一般討論演説である。楊外相は演説で、「日本は尖閣を盗んだ」と発言し、日本中を驚かせた。
中国がこのような発言をしたときに注意すべきなのは、この発言に注目を集めておいて、他方で後々、重要となる伏線を用意していることが多いことだ。それゆえ、虚心に全体を見て本質的に何を意図しているのかに常に留意しなければならないのである。
この演説も、一部をみれば「中国が自らの振る舞いも省みず、勝手なことを言っている」と呆れるだけの演説だが、全体を見れば実にポイントを押さえた恐ろしいほどの戦略的布石を打っているのである。
楊外相演説のポイントは、次の3点だ。
1、日本による尖閣国有化は、日本が再び中国の主権を侵害せんとする侵略行為である。
2、日本のこのような行動は、第2次世界大戦後に生まれた国際秩序を破壊する行為である。
3、日本の行為は、国連憲章の原則と精神に違反する挑戦である。
もう、おわかりだろう。中国は国連憲章第53条、107条の「敵国条項」を使おうとしているのである。このことに気づいた時、「しまった」と私は思った。と同時に、つくづくこの国の「危うさ」を痛感した。
過去十数年にわたって、私は敵国条項でけは一刻も早く撤廃すべき、と各種メディアで繰り返し訴えてきたが、その敵国条項がいまこの瞬間、いわば最悪の時に最悪の形で中国に利用されようとしていることが分かったからである。
p45〜
実際、中国の伏線は周到に敷かれている。その後、11月6日にもラオス・ビエンチャンで開催されたアジア欧州首脳会議(ASEM)の場に集まった世界50か国の首脳を前にして、楊外相は再びこう述べている。
「尖閣問題に関する中国政府の立場は私が国連総会で明確にした通りであるが、重ねて次の点を強調しておきたい。(尖閣国有化によって)日本は中国への侵略を行っている」
「日本は反ファシズム戦争の結果を否定してはならない」
「日本の行動は、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」
中国が敵国条項を使い、日本を追い込もうとする方針を固めたとみていいだろう。
■抵抗許さぬ敵国条項
すでに周知の人もあろうが、国連憲章の該当の2条にはこう書かれている。
〈第53条
1、安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。
もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
2、本条1で用いる敵国という語は、第2次世界大戦中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される〉
〈第107条
この憲章のいかなる規定も、第2次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は排除するものではない〉
要するに、第2次世界大戦中、国連加盟国(中国は原加盟国、つまり創設メンバーとされる)の敵国であった日本とドイツに対して、この「敵国条項」が適用される(イタリアなどは大戦末期に連合国に寝返っているので、適用については論争がある)。
p46〜
この2国が「再び侵略戦争の動きを見せた時」、あるいは「第2次世界大戦で出来上がった国際秩序に対して、それを棄損する行為に出た時」には、国連加盟国は安保理の決議や承認がなくても、自国の独自の判断によって日本やドイツに対しては軍事的制裁を行うことができる、とされているのである。
そして安保理やアメリカを含むいかなる加盟国も、それに対抗したり阻止したりすることはできない、とわざわざ念が押されているのである。
■照準は「日米同盟」瓦解
この「敵国条項」を以て、中国のいう「超限戦」が貫徹されるシナリオはすでに早くから出来上がっていると見るべきだろう(日本とソ連=ロシアとの間では、91年4月の日ソ首脳会談の共同声明で「敵国条項」を適用しないことを合意しているが、中国との間にはその合意はない)。
おそらく、中国の描く有力なシナリオはこうだ。中国が尖閣に漁民を装った特殊部隊を上陸させる。取締りのために日本が海保の巡視船を出すが、衝突が起こり、中国海軍の軍艦が沖合に姿を現す。
これにより、後方から監視していた海上自衛隊も動き、実質、軍事衝突一歩手前までの事態になる。しかし、戦争を意味する「防衛出動」の発令は難しいから、北の工作船を追いかけた時の「海上警備行動」止まりであろう。
アメリカの存在を頼みにしながら、日本政府が海上自衛隊に「海上警備行動」を発令し、動き出した瞬間、中国当局が次のような声明を発表する。
「中国は、国連憲章の定めを破り、再び侵略行動を開始した日本を制裁するため、国連憲章の『敵国条項』に則って軍事行動に入る」
これにアメリカはどう反応するだろうか。上院で「尖閣諸島には日米安保が適用されるべき」と決議されたとはいえ、アメリカといえども国連憲章を無視することはできず、憲章に拘束されて、少なくとも初動が鈍るか、もしくは動きを封じられるだろう。こうなると、日本中はパニックに陥るだろう。
そうでなくても、アメリカは尖閣で日中が揉めることを望んでいない。当然のことだが、他国の領土のためにアメリカ兵士の血が流れることも、アメリカ国民には受け入れがたい。ましてや、敵国条項を突きつけられれば、国際法を重んじるアメリカ世論の風向きは一気に「尖閣に介入すべきでない」との方向に傾く可能性が強い。
p47〜
しかしそうなれば、日本人の日米安保への信頼は根底から揺らぐかもしれない。そして、これこそがまさに中国の真の狙い、つまり日米分断が一挙に達成される瞬間である。
それは大げさに言えば、「戦後日本が終わる時」と言えよう。いずれにせよ、中国によって敵国条項を持ち出された時点で、日本国内も総崩れになりかねない。そしてその瞬間、「尖閣は中国のもの」となる。
ここで分かるのは、中国が尖閣を歴史問題化しようとしていたのは、必ずしも韓国の竹島問題やロシアの北方領土問題と足並みを揃えるためだけではなかった、ということだ。日本の尖閣への実効支配の強化を「再侵略」と位置づけ、アメリカを国際法的に抑止し、日本を決定的に孤立させる中国の秘密兵器それが敵国条項なのである。
■何と愚かな日本外交か
それにしても、なぜいまだに、第2次世界大戦当時の敵国条項が存在しているのか。
実は1995年、国連創立50周年の年に日本とドイツが共同提案国となり、この条項を憲章から削除すべしという決議案を国連総会に提出している。そして、総会では賛成多数で採択されたが、批准書を寄託した国は定数に達しなかった。
ここに国際社会の本音と建前を見る思いがするが、いずれにしても、この敵国条項は時代遅れ(obsolete)であり、削除に向けて作業を開始すると謳われていても、総会の決議だけでは何の効力も有しない。つまり、17年が経過した現在でも、この条項はいまだに効力を保っているのである。(略)
当時、私は「常任理事国入りなど中国が賛成するわけがないから、動くだけ無駄である。その余力を、一刻も早い敵国条項の撤廃に向けるべきだ。そうしないと、この条項の放置は日本の安全保障にとって大きな脅威となるから」と多くの論文に書き、いくつかの論壇誌でも発表したのだが、外務省関係者は「中西さん、知らないんですか。この敵国条項はもう完全に死文化しているんですよ」と安易至極な態度であった。
p48〜
こうした姿勢は、戦後の外務省の体質に深く根ざしている。外務省出身で国連大使にまでなった小和田恆(ひさし)氏が「ハンディキャップ国家論」を説いたが、そのよって立つ思想は憲法前文、9条であるとともに、敵国条項の放置もこの思想と共鳴し合うものだったのである。なぜなら、「諸国民の公正と信義に信頼して」日本の安全保障を委ねるのだから、あの侵略戦争をした日本は敵国条項の非を訴えるべきではない、というわけである。
この思想の流れが、現在も日本の外務省に通底しているのではないか。「常任理事国入り」にはあれほど熱心に取り組みながら、敵国条項の問題は外務省内ではいまだに「タブー」扱いされているからである。しかし、この条項を放置しての「国連中心主義」の外交など、もともと成り立ちえないものだったのである。何と愚かな日本外交であったことか。
■外交の機先を制すべし
「中国が敵国条項を使って日本を危機に陥れようとしている」---実は、このことを活字にすることにはこの数か月、大いに悩んだ。
第一に、中国に逆利用されはしないか、と危惧したためである。
第二に、中国だけでなく、かねてより「尖閣は日本固有の領土ではない」「アメリカは尖閣問題では決して動かない」と言い続けてきた前出の孫崎享氏ら、親中派に論拠の補強材料を与えることにもなりかねないからだ。
だが11月以降、ここまであからさまに中国が動いてきた以上、もはや一刻の猶予もない。(略)
外交は機先を制さなければならない。外務省、政府、そして官邸が一体となって、早急に敵国条項の実質的空文化を再確認する決議を国連の場で強力に推進し、あわせてアメリカ政府や国際社会に対し、「敵国条項を中国が持ち出す可能性がある。総会で、撤廃に向けたより強い失効決議に賛成してもらいたい」と働き掛け、「このままでは中国に国連憲章を悪用されることになり、アジアの平和は瓦解する」と広く、そして大きな声で国際世論に訴えるべきだ。多くの欧米紙に一面広告を出してもいい。
p49〜
■「国連主義」の虚妄
事態は一刻を争う。経団連会長のように、経済活動の停滞だけを心配して中国のご機嫌伺いをしている場合ではさらさらないのである。急がなければ、戦後日本が「平和の理想」と崇め奉ってきた国連憲章によって、日本が武力による攻撃を受け、しかも同盟国のアメリカも手が出せないという絶体絶命の危機に追い込まれかねないのである。
「国連」の名のもとで中国の「軍事制裁」を受け、多くの日本人が血を流し、領土も奪われる事態を迎えることになれば、日本にとってそれは何という悲劇であろうか。「戦後日本」という虚妄を、これほど劇的に示す例はないだろう。
=========================================