Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

南シナ海の領有権をめぐる中国とフィリピン、ベトナムの対立が激化している

$
0
0

中国への抗議デモ、ベトナムで3週連続
【バンコク=深沢淳一】ベトナムの首都ハノイの中国大使館前で19日、南シナ海の領有権問題で対立する中国への抗議デモが行われた。
 AP通信などによると、学生ら約300人が参加した。抗議デモは5、12日に続いて3週連続。共産党支配のベトナムではデモが禁止されているが、当局は警察官を多数配置してデモを管理下に置き、短時間に限って容認している。
 デモは前回までと同じく、南部の商業都市ホーチミンでも行われた。ハノイでは、参加者が「中国はベトナム領海での違法活動をやめろ」などと書いたプラカードやベトナム国旗を掲げ、大使館前からハノイ市内を行進した。商業施設の前では、中国製品の不買を求めて叫ぶ光景も見られたという。
(2011年6月19日17時33分  読売新聞)
.........................
南シナ海問題
産経ニュース2011.6.20 07:55
 南シナ海の領有権をめぐる中国とフィリピン、ベトナムの対立が激化している。ともに同海域での資源探査活動を中国側に妨害されたフィリピンとベトナムは米海軍との合同軍事演習を予定し、「被害者」を自称する中国は大型巡視船を派遣した。緊張をはらむ海図の中で、米国はどんな“針路”をとるのか。関係国の注目が集まっている。

 ▼ストレーツ・タイムズ(シンガポール)
「対決の危険性」に言及
 シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズは14日付の紙面で1ページを割いて「南シナ海の緊張の高まり」を特集、フィリピン、ベトナム、中国にスポットを当てた記事を並べた。
 「マニラは掛け金をつり上げた」という見出しを掲げた記事は、フィリピンにおける中国への対決姿勢の高まりぶりを伝えた。
 例えば、「南シナ海」という呼称に代え、「西フィリピン海」を使用するとしたフィリピン政府の方針を、「いつになく自己の主張を打ち出した措置だ」と分析、フィリピンのある知事が、中国の覇権拡大の動きを「むき出しの交戦性」と酷評し、中国製品のボイコットを呼びかけている動きなども取り上げた。
 また、緊張の高まりは「米国が地域の紛争にどう対処するのか、ということへの注目度を増大させている」と指摘。「中国と衝突すれば、米国はフィリピンの側につく」というアキノ政権高官の言葉を引用しつつ、1951年に結ばれた「米比相互防衛条約」の存在に言及している。
 「ベトナム、けんかの最中の実弾演習」という記事では、演習は「手荒なまねをされることを拒否するという、ベトナムの中国に対するメッセージだ」との有識者の分析を紹介し、演習は両国が「“対決”する危険性」を高め、「中国は(演習に)非常に不当な反撃をするだろう」と、有識者の見方を続けた。
 さらに中国国営新華社通信が配信した「中国軍事力増強は作り話」との記事を引いて、中国側の言い分が信じるに足りないものであることを、やはり有識者の言葉でこう指摘した。
 「私は、南シナ海における中国の行動を表現するとき、『独断的』という言葉よりも、『攻撃的』という表現を好んで使うようになった。この2つには極めて重要な違いがある」(シンガポール 青木伸行)

 ▼ウォールストリート・ジャーナル アジア版(米国)
米国の役割、より重要に
 「中国を取り込む動きを続ける一方で、安全保障上の責務を維持し、合理的な行動の基準を支持し続ける以外に米国の選択肢はない」
 米シンクタンク、AEI日本部長のマイケル・オースリン氏は14日付米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)への寄稿で、東南アジア諸国との緊張を高める中国に対し、米国がとるべき態度をこう定義した。
 氏は中国の行動について「中国が思い通りに紛争を解決するため、軍事力の行使にためらいを感じないことを国際社会は懸念すべきだ」と強調。同時に米国もアジア諸国もまだその対処方法は見いだしていないとして、3つの理由から適切な対応の重要性を訴える。
 氏がもっとも重視するのは、隣国が「中国の要求に従わざるを得ない」と感じる状況を中国が作り出すことが慣例となれば、アジアの地域政治の性質が大きく変容する恐れがあるという点だ。これは「中国が際限なく他の要求もできる」ようになり、「多国間の協調的な行動パターンに戻すことは困難になる」と分析する。
 また、中国が隣国を脅しても許されるなら、北朝鮮のような「破滅的な政権」はつけ上がって同じ行動をとろうとし、地域の不安定化を増進させる。さらに中国の嫌がらせに対してベトナムが見せた反応のように小国が常に脅しに泣き寝入りするとはかぎらない。「威嚇や衝突の可能性は増大するだろう」と氏は懸念を示し、中国の行動はすでにインド・太平洋地域で軍拡競争を引き起こしていると指摘する。
 一方で氏は、「米側に立ち、中国と対峙しバランスをとっているとみなされることを望む国はほとんどない」とし、「米国の役割は難しくなると同時に、より重要になる」としている。(宮下日出男)

 ▼国際先駆導報(中国)
中国はあくまでも被害者
 中国国営新華社通信が発行している国際情報紙、国際先駆導報は16日、「ベトナムが南海で頻繁に挑発行為を繰り返す」と題して、最近の南シナ海における中越対立の原因について分析する記事を1面トップで掲載した。ベトナムが同海域で実施する米国との合同軍事演習などを「現状を変えようとする過激な行動」と批判、「中国は自国の権益が他国に奪われることを座視できない」と南シナ海に対する管理強化を主張した。
 記事は、南シナ海における一連の対立は、紛争を話し合いで解決することを規定した「南シナ海行動宣言」(2002年)に違反する行為を、ベトナムが一方的に行っていることに原因があり、中国はあくまでも被害者である−と強調した。
 そのうえで、問題の処理には「2つの原則がある」とし、「ひとつは第三者が介入しない当事者だけの解決。もうひとつは武力に訴えず、平和的な方法で臨むことだ」と主張した。
 このため、米軍と合同演習を実施しようとするベトナムは、2つの原則を無視することになり、中国は対抗措置を取る用意があると述べた。
 また、ベトナム国内で最近、反中デモが起きていることについて、同紙は「ハンバーガーを食べ、ヒップホップを聴いて育ったベトナムの若者は、自分の国が20世紀に米国に侵略され、中国に助けられたことを忘れたようだ」と厳しく批判した。
 ベトナムが中国の領海内で油井を掘削、毎年数百億ドルの利益を得ているとも主張し、米国を念頭に「今後、地域外の勢力が参入することも考えられ、同海域の情勢はさらに複雑化し、対立が悪化する可能性もある」との専門家の見方を紹介した。(北京 矢板明夫)
........................................................................................................................

ベトナム:南シナ海で軍事演習/ベトナム漁船、南沙諸島周辺で中国艦船から威嚇射撃/『尖閣戦争』2011-06-15 | 国際
 ベトナム:南シナ海で演習 中国をけん制、緊張高まる
 【バンコク西尾英之】ベトナム海軍は13日、同国沖の南シナ海で実弾を使った軍事演習を実施した。領有を巡り対立する中国を刺激するのは必至で、南シナ海の緊張は一層高まりそうだ。
 演習が行われたのはベトナム中部クアンナム省沖約40キロの海域。海軍当局者はAP通信に、大砲などを使った演習で毎年行われる通常のものと説明し、中国との対立とは無関係だと語った。
 しかし南シナ海では、西沙諸島や南沙諸島周辺海域の領有を巡り中国とベトナム、フィリピンなどが対立。5月下旬以降、ベトナムの資源探査船と中国の船舶との小競り合いが続いている。ベトナム政府は中国への抗議を繰り返しており、この時期の軍事演習には中国をけん制する狙いがあるとみられる。
 中国の南シナ海への進出をけん制したい米国は、ゲーツ国防長官が今月、東南アジア各国と協力して地域への軍事的関与を強める姿勢を示したばかり。しかしベトナムの軍事演習については「力の誇示は緊張を高めるだけだ」(国務省のトナー副報道官)と懸念を表明し、間接的ながらベトナムに自制を求めた。
 一方、ベトナムの首都ハノイと南部のホーチミン市では12日、5日に続いて再び市民による反中国デモが行われた。社会主義国の同国は市民の政治デモを厳しく取り締まってきたが、反中デモについては事実上容認している模様だ。
毎日新聞 2011年6月13日 20時03分(最終更新 6月14日 0時24分)
-----------
 『尖閣戦争――米中はさみ撃ちにあった日本(祥伝社新書223)』2010年11月10日初版
p42〜
*中国の息の長い戦略的、かつ野心的な計画---西尾
 ここまで日本が危うい状態に追い込まれていながら、国民のなかには、まだそこまでの危機感が浸透していないように思います。尖閣を軍事占領されることはないと考えているとしたら、それは甘い。アメリカが安保条約に基づいて抑えてくれると考えているとしたら、それはさらに甘いと私は最初に言いました。そして安保条約というのは、そんな性格のものではありませんと述べました。そこが一番のポイントだと思います。
 ここから日本はどうやって尖閣を守るかという話に転じなければいけないのですが、多くの人はアメリカに対する依存心理があって、クリントン国防長官以下が安保条約の5条適用と言ってくれると、「ああ、そうか」とほっとする。私ですらも安堵するわけですから、日本人がそれで安堵するのは無理はない。北朝鮮のミサイル打上げのときに、ライス国務長官(当時)が飛んできて「大丈夫よ。日本はアメリカの核で守られているんだから、大丈夫、大丈夫」と言ってくれたら、ほっとするのと同じことです。
 しかし中国の今度の行動は、そんなに単純ではありません。きわめて戦略的な、息の長い、1世紀以上にわたって練られた中国人の野心的な計画の終着点だという性格が基本にあります。
 中国は清の時代に、ロシアとイギリスの両国による西域争奪戦になすすべがありませんでした。中国が第2次大戦直後にチベットを侵略したのは、それへの復讐ですが、同時にインドを北から抑え込むためでもありました。チベット動乱の3か月後に、中印国境戦争が起きています。そして、それから10年後に、中国の眼は北に向かい、中ソ国境紛争と呼ばれるソ連軍との戦争を起こしました。ソ連が油断をしていたときです。北の次は当然南です。ベトナムは清の属国でしたが、かつてフランスに奪われ、何とか取り戻したいという領土的野心をもっていました。
 しかしベトナムはフランスを倒し、アメリカをも追い払うという勇敢な民族で、中国も簡単に手出しができません。ですが、アメリカはベトナム戦争で手傷を負い、厭戦気分が高まり、アメリカは2度とベトナムに戻ってこないとわかってから、中国はゆっくりと侵略の牙を磨きだし、中ソ戦争の10年後に、ベトナム侵略を開始しました。1979年の中越戦争です。
 こんなふうに中国の対外侵略の歩みはゆっくりですが、1度として停止したことはないのです。東西南北の4方向に向けてのこの国の深謀に根差した膨張行動の歴史をみれば、次に残された東への野心をこの国が諦めるはずはありません。理屈ではないのです。ただ西、北、南への進出にくらべて今度は用心深かった。旧日本軍への恐怖もあるでしょうが、何といってもアメリカが怖い。
 しかし、その恐怖を抑えて、中国はここへきて、そろそろ動き出したのです。今の日本はどうやらまったく怖くないようだ。アメリカも力を失って浮き足立っている。同時多発テロ以後、アメリカが恐れているのは持ち運び可能な小型核です。アメリカ軍は少しずつ戦線を引き上げて、太平洋の防衛ラインを東へ移していく可能性が高い。太平洋全域を支配しようと手を出している中日新聞は、琉球列島が何といっても邪魔である・・・。
p45〜
*南シナ海で現実に起こっていること---西尾
 こうして事態は少しずつ動いていて、中国の野望がはっきりしてきたわけですから、沖縄は本当に危ないのです。そこから先何が起こるか考えてみたいと思います。すでに東南アジアでは、島の領有をめぐってしばしば衝突が起こっていて、1988年には、スプラトリー諸島、中国では南沙諸島といいますが、そこのジョンソン環礁でベトナム、中国両軍が軍事衝突を起しており、ベトナム軍艦が沈没しています。水兵70人以上が死亡しています。99年には2度にわたってフィリピン軍艦艇と中国の漁船が衝突して、このときは漁船が沈没しています。
 最近でもこの10月にも、やはり領有権を争うパラセル諸島、中国名は西沙諸島ですが、ベトナム漁船が中国に拿捕されています。8月にはインドネシアのナトゥナ諸島沖でインドネシア海軍が拿捕した中国漁船を、武装した中国艦艇にに奪還される事件が起きています。南シナ海全体が中国のこうした威嚇と、現実的な拿捕事件、あるいは軍事行動に攪乱されています。これは日本とて決して無関心でいられる事件ではありません。さしあたり南で、中越戦争のつづきでしたが、次には当然東の海上へ目が向けられます。
...............................
中国海軍が東シナ海で動き始めた/11隻の中国海軍艦艇が沖縄本島と宮古島の間を通過2011-06-20 | 政治〈国防/安全保障/領土〉


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles