<ドイツ>脱原発法が成立 国内17基、順次停止へ
毎日新聞 7月8日(金)20時41分配信
ドイツ連邦参議院(上院)は8日、2022年までに国内17基の原発を停止する改正原子力法案に同意した。既に連邦議会(下院)が先月30日に可決しており、これで正式に「脱原発」が法的に成立した。福島第1原発の事故後、運転を停止している旧式の8基はこのまま閉鎖する。残る9基については、15、17、19年に各1基、21、22年に各3基を順次停止していく。【ベルリン】
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脱原発を決めた「メルケリズム」 世論を政策に反映、一方で大衆迎合との批判も
■ドイツ
ドイツ政府は2022年までに国内17基の原子力発電所をすべて廃止する方針を決めた。「フクシマ」の事故のショックが後押ししたことは否めない。脱原発の動きはイタリアやスイスへも広がっている。メルケル首相の決断の背景と思惑を探る。
「メルケリズム」の勝利−−。ドイツの連立与党が22年までの原発全廃で合意した5月30日、ドイツの有力週刊誌シュピーゲル(電子版)はこのように報じた。
福島第1原発の事故後、欧米主要国の中でいち早く「脱原発」を決めたドイツでは、メルケル首相の政治手法を意味するメルケリズム(メルケル主義)という言葉が頻繁にメディアに登場している。
識者やジャーナリストがさまざまな定義を試みているが、大ざっぱに言ってしまえば、大衆が望むことに、自らを合わせていく姿勢、というようなスタイルだ。首相は今回も、ドイツ国民の間に渦巻く原発への不安を素早く政策決定に反映させた。英仏など北大西洋条約機構(NATO)主導のリビアでの軍事作戦にも、根強い世論の反対などを背景に、早々に不参加を決めた。
「メルケリズムとはインスタント民主主義。同じ女性宰相でも、情熱的で争いを好んだサッチャー英元首相と違い、メルケルは常に現実的で妥協を好む」(フォークス誌)との指摘もある。ポピュリズム(大衆迎合主義)と批判する向きも少なくない。
確かに今回、首相の決断は速かった。東日本大震災の4日後の3月15日には、1980年以前から稼働する古い原発7基の一時停止を発表した。もともとドイツは電力の輸出国だったが、7基の原発を止めた影響で、3月下旬にはフランスやチェコなど近隣国からの電力輸入が超過する事態に陥った。フランスは発電量の8割を原発に依存しているため、「原発撤退を唱えながら、よりによって原発大国から輸入」と皮肉る声もあったが、脱原発への流れが揺らぐことはなかった。3月27日に投開票された南部バーデン・ビュルテンベルク州議会選挙では、反原発を党是に掲げる環境政党・緑の党が躍進。原発からの早期撤退は国民的な合意になっていった。
だがドイツが脱原発を決めたのは、もともと福島の事故が起きるずっと前からだ。中道左派の社会民主党と緑の党が連立を組んだシュレーダー政権時代の02年、ドイツは22年ごろまでに原発を全廃することを既に決定し、関連法を成立させている。
しかし中道右派のキリスト教民主・社会同盟と自由民主党のメルケル連立政権は昨年9月、この路線を修正。原子力に替わる太陽光や風力発電など再生可能エネルギーが思うように普及していない現状を理由に、原発稼動を最長14年間、延長することを決めた。
忘れてはならないのは、メルケル政権が決めたのは「原発復活」ではなく、あくまで「全廃の先延ばし」だということだ。ドイツでは与野党とも基本的に「将来的な廃止」では一致しており、議論の対象は「時期」の設定に移っていた。福島の事故は、こうした中で起きたのだ。
◇代替エネ技術輸出を狙う
メルケル首相は5月10日、外国人特派員との記者会見で「フクシマが私の考えを変えた。映像が脳裏に焼き付いて離れない」と何度も「フクシマ」を強調。脱原発を決めた理由として、福島の事故が直接のきっかけだったと明言した。脱原発は当初、選挙対策とも言われたが、物理学者でもある首相が語った「想定もしていない状況が、ドイツでも起きるかもしれないと考えた」との述懐には自身のショックがよく表れており、本音と思われる。
だが首相に近い与党議員は「風力などの再生可能エネルギーを伸ばし、いずれは輸出商品にできるとの読みもあった」と説明する。原発から手を引く代わりに、技術大国として代替エネルギーを早い時期に国家産業に成長させ、いずれはそれで稼ぐ。こうしたしたたかな“そろばん勘定”があったのも事実だろう。
原発閉鎖により、今後現実的に懸念されるのは電力不足だ。緯度の高いドイツは冬場に日照時間が減るため、太陽光発電にも過度の期待ができない。送電網を監督する連邦ネットワーク庁のクルト長官は「暖房などで電気使用量が増える冬には停電のおそれがある」と警告する。脱原発に突き進める理由として、島国の日本と違って陸続きの欧州では電力を融通し合えるという事情もあるが、当然、近隣国も冬場は暖房使用が増えるため、寒い時期に過剰な電力輸入はあてにできない。電力料金の値上げも予想され、1世帯当たり今後は年間1万円以上の出費増になるとの試算もある。
また、二酸化炭素を排出する石炭への依存という問題も残る。ドイツは現在、発電量の23%を原子力に頼り、17%が再生可能エネルギー。残りの6割は石炭など主に火力だ。環境先進国として、地球温暖化に影響する二酸化炭素の削減を常に訴えてきたドイツだが、原発撤退により、皮肉にも今後も「石炭頼み」が続くことになる。
こうした中、注目されるのは洋上風力発電だ。現在は北海とバルト海の6カ所で発電所が稼働し、さらに26カ所の建設が認可されている。認可済みの分が全て稼働すれば、原発8基分以上に相当すると見込まれている。約2万基の風車が稼働する陸上は建設場所が既に飽和状態のため、「洋上」に期待する声は大きい。今後は、北部の海からドイツ南部までの送電網整備が大きな課題となる。
「ドイツは世界で最も有能で、経済的に成功した国の一つ。国民は電力不足を心配する必要はない。我々が歩む道は挑戦の連続だが、未来の世代にとっては大きなチャンスになる」。メルケル首相は5月30日、高らかにこう宣言した。政府は6月6日、国内17基の原発を22年までに順次停止することを正式に閣議決定した。大半の主要国が原発との付き合いを続ける中、ドイツは早々に決別の道を歩む。
欧州屈指の経済大国による壮大な実験は、どこまで成功するのか。「見切り発車」との批判も根強いが、スイスやイタリアも既に脱原発を選択するなど、国際的な影響は決して小さくない。いずれにせよ、未知の領域に船出したドイツを導く「メルケリズム」から、今後も目を離せないのは確かなようだ。
毎日フォーラム2011年7月8日
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◆原発の全面停止を決めたドイツ 欧州全体に悪影響、得するのはフランスか2011-06-06 | 地震/原発
◆菅首相、G8で原発継続表明へ/原発=自然を征服してまで人間本位の社会を追求する姿勢の象徴2011-05-22 | 地震/原発
〈来栖の独白〉
我が国の首相には、ドイツの首相のような理想も叡智も胆力も、そして各界を説得しうる度量、好ましい人間性も、あるとは思えない。
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20年後を想う危機感 週のはじめに考える
中日新聞 2011年5月22日
東日本大震災を受けて、ドイツがあらためて原発撤退に踏み出そうとしています。被災国を上回るかのような危機感は何に由来するのでしょうか。
東日本大震災発生の報が世界中を駆け巡った際、海外の知人友人から相次いだ見舞いのメールや電話は、戦(おのの)きに満ちたものでした。
「津波が日本を呑(の)み込んでゆく映像を見た」「原子炉が爆発し、メルトダウンが起きている、とテレビが伝えている。東京は大丈夫か」。過剰ともいえる報道ぶりは当初批判の対象ともなりました。
撤退に収斂する民意
皮肉にも、その恐怖感を裏付けるかのような被害実態が日々明らかになっていますが、中でも強い危機感を示したのがドイツです。従来の原発容認の立場を翻し、早期の原発撤退を鮮明にしたメルケル首相の姿勢にその衝撃の凄(すさ)まじさが集約されています。
ドイツが原発撤退を鮮明にするのは、これで二度目です。一九九八年、「統一宰相」のコール首相に代わって政権に就いた社民党のシュレーダー首相は、フィッシャー党首時代の緑の党との連立政権下、原発撤退を主要政策の一つに掲げました。
再生可能エネルギーの開発、原発企業への補償、海外との使用済み核燃料処理契約の扱いなど、撤退実現のための国民的論議は、この時一度尽くされています。妥協を重ねた末とはいえ、原発による発電総量、稼働期間を規定し法制化した内容は、二〇二〇年代に全廃の実現を見据えたものでした。
この方針は、次のキリスト教民主・社会同盟と社民党の大連立政権下でも継続されましたが、一昨年の総選挙で発足した現保守系連立政権は、稼働期間を延長する方針に転換、原発は容認の方向で進むかに見えました。
欧州にあっての試み
そこに起きたのが東日本大震災です。発生直後に行われた保守の牙城南部バーデン・ビュルテンベルク州選挙での大敗と、州レベルとはいえ、史上初めての緑の党主導政権誕生は脱原発への回帰を迫るに十分でした。
「原子力発電は再生可能エネルギーにつなぐまでの過渡的なエネルギー、と見る点では国民的コンセンサスができているといえる。あとは、その過渡期の期間をどれだけみるか、という違いだけだ」。ドイツ現代政治専門の森井裕一・東大准教授はこう分析しています。
原発全廃を党是とする緑の党発足以来三十年。社民党、そして保守政党までが原発撤退を決めたことで、ドイツの民意は収斂(しゅうれん)した、といえます。
経済大国たるドイツの地位を脅かすことなく、その転換が実現できるのか。なお道のりには厳しいものがありますが、現在十七基ある原子炉のうち八基が停止し、今後、新規の原子炉建設も見込まれない事情を考えると、撤退後の風景を想像するのもそう難しくない所まできています。
しかし、ドイツの危機感が欧州全体、ひいては国際社会で共有されているか、といえばそうではありません。米国に次ぐ世界第二の原発大国の隣国フランスの原子力政策は、一部に見直し論が出ているとはいえ、容易に揺らぎそうにありません。
フォルカー・シュタンツェル駐日独大使は、事故後二カ月を経て開いた記者会見で、「各国の国家判断を尊重するドイツの考え方に変わりはない」と述べました。ドイツの原発撤退は、あくまで原発を容認する欧州にあっての試みである点も忘れてはならないでしょう。
ドイツは戦後、欧州統合のプロセスとともに歩んできました。ドイツ統一後十年の二〇〇〇年、独仏関係を熟知するルクセンブルクのユンケル首相に両国の政治的な考え方の差について伺ったことがあります。「本質的な違いはないが、あるとすればアプローチの方法だ。ドイツ人は現在の決定が二十年後にどう表れるかを正確に計りたがる。フランス人は長期的な構想にはあまり重きを置かない」。当時から二十年後、原発廃止が実現しているかもしれないという符合は示唆に富んでいます。
被災国への問いかけ
戦争の惨禍を繰り返すまい、と戦後一貫して負の歴史を語り継いできたドイツです。次元こそ違いますが、「3・11」を機に将来起こり得る惨禍に想(おも)いを致し、一際(ひときわ)危機意識を募らせているとしても不思議ではありません。
自然を征服してまで人間本位の社会を追求する姿勢が西洋文明のなかにあるとすれば、原発はその一つの象徴でしょう。西欧の中心にあって、あえて脱原発を選択するドイツの危機感は、国際社会、何より、被災国日本の危機感の行方を問うています。
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安全なら原発再稼働容認=2次補正、今国会提出も―菅首相
時事通信 5月18日(水)18時21分配信
菅直人首相は18日午後、首相官邸で記者会見し、定期検査などで運転停止中の原子力発電所について「安全性が確認されれば稼働を認めていくことになる」と表明した。また、「原子力のより安全な活用方法が見いだせるなら、さらに活用していく」と述べ、原子力政策を基本的に維持する考えを示した。
経済産業省原子力安全・保安院によると、商用原子炉54基のうち、営業運転中は17基、調整運転中は2基で、残り35基は定期検査や東日本大震災など何らかの理由で運転を停止している。
一方、首相は2011年度第2次補正予算案について「本当に急ぐものが提案された場合は考えないといけない」と述べ、今国会中に提出する可能性を示した。その場合、被災者生活再建支援金の不足分など小規模な2次補正とし、8月以降に復興対策のための本格的な補正予算案を編成するとみられる。
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菅首相:G8演説で「原発継続」表明へ
菅直人首相が26、27日にフランス・ドービルで開かれる主要国首脳会議(G8サミット)で行うエネルギー政策に関する発言の概要が20日、分かった。東京電力福島第1原発事故を受け、太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及を推進するなど4本柱で構成。原発の安全性を向上させたうえで継続利用する方針を示し、日本が「脱原発」に転じたとの見方を払拭(ふっしょく)する。
発言は26日昼(日本時間同夜)のG8のワーキングランチの冒頭で行われる。4本柱は(1)原子力の安全性向上(2)再生可能エネルギーの推進(3)石油、石炭など化石燃料の二酸化炭素(CO2)排出量削減(4)省エネ・節電。特に再生可能エネルギーを基幹エネルギーに加える方針を強調する。化石燃料のCO2排出量については、日本は石炭をガス化するなど最先端の削減技術を持つため、普及を促進する。【大貫智子】毎日新聞 2011年5月21日 2時33分
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◆高レベル放射性廃棄物、危険性が消えるまでには十万年/文明転換へ覚悟と気概2011-05-09 | 地震/原発
文明転換へ覚悟と気概 週のはじめに考える
中日新聞【社説】2011年5月8日
東日本の巨大地震からまもなく二カ月。連日の余震となお遠い復興への道のり。私たちが問われているのは、文明転換への覚悟と気概のようです。
なかば義務感にかられて、北欧フィンランドに建設中の放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」を題材にしたドキュメンタリー映画「100、000年後の安全」を見に出かけました。
多くの国際賞受賞のこの記録映画の配給元は「アップリンク」。今秋公開の予定でしたが、四月、東京・渋谷の自社劇場で上映したところ連日の行列と満席、全国各地の五十館以上での上映へと広がっていったそうです。前例のない反響、福島第一原発事故で国民が原発問題に真正面から向き合うようになったことがわかります。
高レベル放射性廃棄物は世界に二十五万トン、危険性が消えるまでには十万年。「オンカロ」はフィンランド語で隠し場所を意味します。廃棄物を凍土奥深くの岩盤に埋め込む世界初の試みです。管理可能か、明快な回答を持ち合わせる専門家はいませんでした。
*人間支配が及ばない
日本列島が現在の形になったのは一万年前、人類が文明をもったのはたかだか五、六千年前です。十万年は人間のリアルな思考や言葉が及ぶ時空域ではありません。人間が制御できないという絶望感。静かな画面は、人類が手にしてしまった原発の恐怖と不気味さを伝えていました。
続いて、菅直人首相が浜岡原発の全炉停止を要請しました。法的手続きではない政治判断でした。
東京から百八十キロ、名古屋から百三十キロ。東海地震想定域の真上の浜岡原発は「世界で最も危険な原発」と呼ばれてきました。事故の場合の被害は福島原発の比ではなく、首都圏の一千万人の避難や首都喪失も想定されました。
*やむをえぬ浜岡の停止
マグニチュード9・0の巨大地震は、日本列島を東西に数メートル引き伸ばし、首都直下型や東海、東南海・南海地震誘発が憂慮されます。浜岡原発停止はやむをえぬ判断でしょう。全原発に及ぼすべきかどうか、そこが問題です。
浜岡を含め日本の原発は五十四基、電力の30%を占めるようになっています。すでに原油枯渇の兆候があり、太陽光や風力のクリーンエネルギーへ転換させるにしろ、先行きはなお不透明です。電力の安定供給のためには原発は不可欠という状況です。
原発停止による生活レベルの一九七〇年代への後退は許容できるにしても、グローバル競争の落後者になる恐怖に打ち勝てるかどうか。私たちは無限の成長を前提にした近代世界の住人。文明転換の勇気をもてるかどうかです。
地質学の石橋克彦神戸大名誉教授は、地震と原発が複合する破局的災害・「原発震災」の概念や言葉を提唱、浜岡原発の廃炉を訴えるなど警告を発してきました。
「世界」や「中央公論」の誌上には「日本列島全域が今世紀半ばごろまで大地震活動期」「原発は完成された技術ではない」「人間の地震に関する理解は不十分」「地震列島に五十基以上の大型原子炉を林立させることは暴挙」とも書いています。警告通り、福島原発の大損傷が発生してしまいました。
「原発震災」は人間存在への問いかけだったのでしょう。教授が提言したように原発総点検、リスクが高い順の段階的閉鎖・縮小が現実路線のように映ります。世界観を変えるには覚悟と決意、気概がいります。
日本を代表する東北の農漁業。その被害も甚大でした。食料問題も原発に劣らない不安で重大な問題。世界の食料品価格が高騰、二〇〇八年のリーマン・ショック時を上回っているからです。
食料価格高騰は投機と「将来の供給不足懸念」が要因とされるだけに深刻です。コメと野菜こそ90%台と80%台の自給率を保っているものの、小麦は10%台、大豆やトウモロコシはほとんど輸入しています。命にかかわる問題です。農業の復興と立て直し、食料の自給は急務です。
*新しい幸せと充実が
失われたコミュニティーの復元や修復も大切なテーマ。震災は、私たちがそれぞれが独立しながらも、結局は支え合い、助け合って生きていくものだ、ということをあらためて気づかせてくれました。それは、ボランティアに向かう若者の行動にも表れました。
極限状況にあっても、人間はなお優しさや思いやり、勇気や忍耐を示す存在でした。献身や自己犠牲も。それは私たちの未来へ向けての大きな希望でした。
経済的繁栄や快適な生活とは別次元の幸せと充実。それが追い求める内容かもしれません。私たちは歴史の転換点に立っているのかもしれません。 *背景色着色は来栖
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使用済み燃料 大量に
中日新聞2011/5/7Sat.夕刊
政府の要請を受けて浜岡原発が全面停止しても、建屋内には使用済み燃料が大量に残る。このため、想定外の地震や津波が起きた際の危険性はすぐには去らない。
核燃料は、燃料棒を束ねた燃料集合体を一体とし、使用後も原子炉建屋内のプールで貯蔵される。冷却のために最低でも2年弱は保管され、青森県六ヶ所村の再処理工場や海外などに運ばれる。
中電によると、3月末時点で浜岡原発1〜5号機に保管されている使用済み核燃料は計6625体。福島原発の事故を受け、中電は緊急対策として冷却機能を保つための非常用ディーゼル発電機を建屋屋上に設置した。(略)
榎田洋一名大院教授(原子力工学)は「原発を全面停止しても、使用済み燃料は発熱が続く。外部に移すにも、安全性が整った施設に限られており、簡単に運び出せない。国内の原発からは、六ヶ所村だけで処理しきれない量の使用済み燃料が出ており、長期的に手だてを考えなければならない」と話している。
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◆原発の「ごみ」行き場なく/「核半島」六ヶ所村再処理工場/東通原発/大間原発/核燃料 中間貯蔵施設2011-04-28
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◆原発保有国は潜在的核武装国/保有31カ国の下心/日本の原発による発電量は世界第3位2011-05-14 | 政治〈国防/安全保障/領土〉
東西対立の遺物、原発よさらば 福島の事故が証明した、効果絶大なるテロの標的
JB PRESS 2011.05.14(Sat)川嶋 諭
たとえ思いつきであろうと、地に落ちた人気をわずかでも回復させたいという政治パフォーマンスであろうと、菅直人首相が中部電力浜岡原子力発電所の運転停止を要請し、政府のエネルギー計画の撤回に踏み切ったことは、全くもって喜ばしい。
原子力発電所は安全だと言い張ってきた政府と電力会社の嘘がばれたいま、福島第一原発の二の舞いは起こり得る。
いったん事故を起こせばこれだけの被害(まだ拡大する)を引き起こす原発を彼らの手に委ねるのは国民の選択肢としてあり得ないからだ。
もし、福島第一原発の後に続く原発事故が日本のどこかで起きれば、もはや完全に取り返しのつかないことになってしまう。
その意味で、瓢箪から駒とはいえ、菅首相の決断は歓迎されるべきものだろう。
実際、5月11日には今回の震災で茨城県にある日本原子力発電の東海第二原発で、あわや大惨事を引き起こしかねない状況だったことが明らかになった。
朝日新聞の報道によると、震災後の停電とその後の高さ5.4メートルの津波の影響で非常用発電機1台と非常用炉心冷却装置1系統が使用不能になって炉心温度が上がり、炉心内で発生した水蒸気を圧力容器に逃がす作業で、何とか急場をしのいだという。
停電と5メートルの津波でも、危機が目の前に来ていたわけである。想定される東海沖地震の震源地付近に建ち、かねて危険が指摘されている浜岡原発の一時停止は、日本国の未来を懸けたリスクマネジメント上、当然の判断と言える。
この菅首相の行動に対し、密室での決定で意思決定のプロセスが明確でない、浜岡を特別視する判断基準が分からないとの批判が相次いでいて、それはその通りだと思う(「密室で決まった浜岡原発の停止要請をどうして賞賛できるのか」)。手続きとしては明らかに間違っている。
しかし、仮に中部地区で夏場に電力が足りない状況になったり電気料金が上がったりしても、万が一の原発事故の大きさに比べたら比較対象とはならない。
5月11日には、神奈川県の南足柄市で栽培されていたお茶畑から政府の基準を上回る放射能(セシウム)が検出されている。また、ある食品メーカーが独自に調査した結果では、福島第一原発から50キロ以上離れた水田の土から、政府が発表している数値よりケタ違いに高い放射線が検出されたという。
*原発から50キロ以上離れた田んぼの土から高濃度のプルトニウム
この食品メーカーによると、現時点でその結果を公表するのは影響が大きすぎるため発表は控えているとのことだが、その田んぼの土からは高い濃度のプルトニウムも検出されたそうだ。
一方、5月12日になって、東京電力は福島第一原発の1号機の原子炉に穴が開いている可能性があると発表した。
それが事実だとすれば、燃料棒を冷やすための水を常に供給し続けなければならず、それが高濃度の放射能に汚染された排水となって海に流れ出続ける危険性がある。
福島第一原発の放射能汚染は、水蒸気爆発以降収まっているように見えるが、実際には汚染を続けている。新たな水蒸気爆発の危険性も高い確率で残っている。
プルサーマル運転をしていた福島第一原発3号機では、燃料に高い比率でプルトニウムを混ぜていたため、チェルノブイリやスリーマイル島の事故とは別に半減期が2万4000年と目が飛び出るほど長いプルトニウムによる汚染が広がる危険性がある。
*半減期が2万4000年の怖い汚染の静かなる広がり
新聞やテレビの解説者によれば、プルトニウムは万が一人体に取り込まれても異物として排除されやすいので心配はいらないという。
しかし、プルトニウムが大気や土壌、そして海水へと撒き散らされ続ければ、再び人体に濃縮された形で取り込まれる危険性は十分にある。何しろ半減期が2万4000年なのである。紙や木が燃えるようにはなくなってくれないのだ。
プルトニウムはα線(陽子2つと中性子2つのヘリウムの原子核)を放出する。α線は紙1枚でも防げるので人体の奥深い組織には悪影響はないとされるが、一方で肺に吸い込むと肺胞の表皮組織を集中的に傷つけて肺ガンを引き起こすとも言われている。
原発は、いったん事故を引き起こせば、地元の住民に、そして日本人全体に甚大な被害をもたらし、また地球を非常に長い期間汚染し続けるリスクを背負っている。
福島第一原発の事故で、目の前に終わりなき大きなリスクをまざまざと見せられたいま、最も不安を感じ始めているのは原発を持たない沖縄電力を除く電力会社の経営陣ではないだろうか。東京電力のようにはなりたくないと考えるのが自然だろう。
*13日の金曜日、浜岡原発が停止
中部電力の水野明久社長が菅総理の要請を受け入れて、5月13日の金曜日に浜岡原発の運転を中止したのには、そんな計算も働いているはずだ。
首相の要請を受け入れるかを議論した取締役会では激論が交わされたと報道されているが、法的根拠のない首相の要請を結局受け入れることにしたのは、明日発生するかもしれない巨大地震への恐怖ではなかったか。
この決断は、水野社長にとって敗軍の将になる危険性がなくなるばかりか、ヒーローになれる絶好の機会と言えるのだ。
産経新聞は中部電力の事実上の創業者で戦後の9電力体制を築いた松永安左エ門を引き合いに出して、菅首相の要請は突っぱねるべきだったと言う(産経抄)。
しかし、死ぬまで勲章の受け取りを拒否し自立と日本のためを行動原理とした松永安左エ門だったら、日本のため世界のために浜岡原発を自ら停止したのではないか。そもそも動機不純の原発は建設しなかったかもしれない。
*菅首相の要請は渡りに船?
中部電力の清水社長にすれば、菅総理からの要請を内心、待ってました、渡りに船だと喜んだとしても全くおかしくないと私は思う。
ほかの電力会社のトップも内心ではそう考えている可能性もある。何しろ、原発は今の日本の環境では電力会社に富をもたらしてくれる宝の山ではなくなってきたからだ。
日本が現在の中国のように高度経済成長の最中にあって電力供給が決定的に足りない状況だった時代は、国策もあって確かに原発への投資は利益を生んだ。しかし、日本の電力需要がピークアウトした今は、設備負担の重い原発は旨みが少なくなっているのだ。
地域独占で料金が認可制の電力会社にとって、巨大な設備投資が必要な原発を建設すれば、その償却分や核燃料の所有額を電気代に加算できたうえに償却後は大きな利益を享受できた。しかし、それは電力消費が右肩上がりであることが前提だ。
現在のように電力需要が下がり始めれば収益モデルは過去のものとなり巨大な設備負担がのしかかる。さらには、稼働から年月が経った原発では、地震以外にも原子炉容器や配管の応力腐食割れなど様々な事故のリスクに怯えなければならない。
*デフレ経済が好きな民主党政権では原発は儲からない
どうしたことかデフレ政策を掲げて実践している今の民主党政権が続けば、経済はますます冷えて電力需要は下がる一方だ。
さらに増税で企業の海外移転も進めばさらに電力消費は減る。日本の経済政策上から見ても原発は電力会社にとって経営リスクなのである。
また、原子力発電のコストは決して安くない。それどころか、福島第一原発の事故で巨額の賠償金が必要になる以前の段階で、最も発電コストの高い方法になっているのだ(「高すぎる原発の発電コスト、LNG火力で代替せよ」)。
この記事によれば、電力会社の業界団体である電気事業連合会などが発表している“粉飾”されたデータではなく、実態に近い発電コストは、1KWh当たり火力発電が9.9円。原子力の場合には12.23円もかかるという。
一方、原子力が環境に優しいという触れ込みにしても、確かに二酸化炭素は出さないものの、大量の熱エネルギーを海水に放出している。何しろ、原発は蒸気機関で発電するので熱効率が悪い。タービンの性能が上がった現在でも30%台そこそこ。
*原発は蒸気機関車時代の技術
原子炉で発生する熱の3分の2は海水に放出されている。二酸化炭素は放出しなくても地球を温めているわけで、決して環境に優しいわけではない。さらに、発電所の立地が消費地から遠いため、高圧線を通るうちに電力の半分近くが熱となって大気中に放出されてしまう。
つまり、核分裂で得たエネルギーで最終消費者が電力消費として回収できているのはわずか6分の1。残りの6分の5は熱エネルギーとして放出している勘定になる。やはりシュッシュポッポ時代の技術でしかない。
一方、火力発電所の方は、ガスタービンを使ったコンバインドサイクルという発電方法によって、日増しに熱効率が上がっている。最高効率のものは60%を超える。また、立地も消費地に近いため、送電ロスは小さい。
ガスタービンというのは、言ってみればジェットエンジンである。燃料に圧力をかけて噴射させて燃やし、燃焼ガスが一気に膨張したその勢いでタービンを回す(ジェット機の場合は推力となる)。燃焼の際の温度を高めれば高めるほど、燃やしたガスの膨張度が高まるので効率が高くなる。
すでに1500度を超える高い温度で使用できるガスタービンが実用化されている。高い温度のガスタービンは廃熱の温度も高くなるので、その廃熱を使って水を沸騰させて蒸気にして蒸気タービンを回せば、さらに効率が高くなる。これがコンバインドサイクルである。
*蒸気機関車VSジェットエンジン
ジェットエンジンのハイブリッドシステムと考えていい。電力を発生させる仕組みそのものでは、シュッシュポッポの蒸気機関車時代の技術である原発に比べ、超音速時代の高効率な技術であり、はるかにハイテクだ。
以前、このコンバインドサイクルを作っている三菱重工業の高砂製作所に取材に行ったことがある。
タービンブレードの耐熱性、軽量化のための材料開発、燃焼ガスの流れを効率的にブレードに伝える空力設計など、日本の技術の粋を集めたものだった。
技術の進歩も目覚ましく、最近では1600度以上のガスタービンも開発されていて、その場合には燃料に水素を使うという。燃焼で二酸化炭素を生まず、熱効率も60%以上となり、極めて環境に優しい発電方式となる。
今の日本が置かれた環境にどういった発電方式が電力会社の経営にふさわしいのかという観点から、株主総会を控えているいま、電力会社の株主の皆さんは経営をチェックした方がいいのではないか。
*原発はテロリスト最大のターゲットに
さて、日本が原発を導入するに当たってはコストや環境以外の動機もあったはずである。国防だ。しかし、日本の再軍備と核武装をこっそり視野に入れていたこの不純な動機も今となっては全くの的外れとなった。
福島第一原発の事故が国防の観点からはっきりと示したのは、テロあるいは仮想敵国から原発に何らかの攻撃がされたら、とんでもない被害をほぼ永遠にもたらすということだろう。
日本を滅ぼすのに原爆は不要。日本中に散らばっている54基の原発をロケットで攻撃すれば、日本全土はたちまち永遠に生物が住めない世界に変わる。カルタゴがローマ帝国に滅ぼされた時、作物が二度と生えないように塩をまかれたどころの騒ぎではない。
中曽根康弘元総理と初代の科学技術庁長官だった正力松太郎・読売新聞社主が1955年に二人三脚でスタートさせた日本の原子力産業育成は、米国のアイゼンハワー大統領による「平和のための核利用:Atoms for peace」という見せかけの看板につられたものだった。
実はソ連に対抗するために核による軍拡のお先棒を担がされたことが明らかだった。それについては有馬哲夫・早稲田大学教授の『原発・正力・CIA』(新潮新書、2008年)に詳しい。若く血気盛んな中曽根元総理と野望ある正力氏は、米国の術中にはまっていく。
*読売新聞が牽引した日本の原発建設
もちろん、米国が正力氏を見込んだのにはわけがある。日本国内だけで1000万部という世界最大部数にまで育てた新聞事業と日本初の民放、日本テレビの影響力だ。結局、それらをフル活用されて日本は原発大国へと大きく歩を進めていく。
米国に招待されて核施設を見に行った中曽根元総理は、自著『自省録』(新潮社、2004年)の中で、次のように書いている。「日本もこの流れに乗らないとたちまち取り残されると、多いに焦燥感に駆られます」
帰国した中曽根元総理は居ても立ってもいられず、当時予算委員会の筆頭理事だった立場を最大限に利用して原子力の調査費を予算計上する。その額は2億3500万円だったという。この数字に具体的な意味はなく、熱中性子を受けて核分裂するウラン235の235をただ取っただけだった。
このようにして日本が米国から原子力技術の供与を受けられるようになる前、米国はすでにアジアでもイラン、イラク、インド、パキスタンなどに原子力技術を供与していた。米国に滅ぼされたイラクを除けば、これらの国は今や原爆保有国である。
原発を持った一国の権力者が原爆を持ちたくなるのは道理。隣国などと紛争を抱えていればなおさらだ。現在、原発を持っている国を調べると、その下心が透けてくる。それをデータで示してくれたのがこの記事(「知らないのは日本人だけ? 世界の原発保有国の語られざる本音」)だ。
*原発を保有している31カ国の下心
「現在、31カ国が原発を所有している。原発による発電量が最も多い国は米国であり、その発電量は石油換算(TOE)で年に2億1800万トンにもなる(2008年)」
「それにフランスの1億1500万トン、日本の6730万トン、ロシアの4280万トン、韓国の3930万トン、ドイツの3870万トン、カナダの2450万トンが続く。日本は世界第3位だが、韓国も第5位につけており、ドイツを上回っている」
「その他を見ると、意外にも旧共産圏に多い。チェルノブイリを抱えるウクライナは今でも原発保有国だ。石油換算で2340万トンもの発電を行っている。その他でも、チェコが694万トン、スロバキアが440万トン、ブルガリアが413万トン、ハンガリーが388万トン、ルーマニアが293万トン、リトアニアが262万トン、スロベニアが164万トン、アルメニアが64万トンとなっている」
「旧共産圏以外では、中国が1780万トン、台湾が1060万トン、インドが383万トン、ブラジルが364万トン、南アフリカが339万トン、メキシコが256万トン、アルゼンチンが191万トン、パキスタンが42万トンである」
「その他では、環境問題に関心が深いとされるスウェーデンが意外にも1670万トンと原発大国になっている。また、スペインが1540万トン、イギリスが1370万トン、ベルギーが1190万トン、スイスが725万トン、フィンランドが598万トン、オランダが109万トンとなっている」
*原爆を作りたいがための原発は最大の弱点に
「ある国が原発を所有する理由を明確に知ることは難しい。その国の人に聞いても、明確な答えは返ってこないと思う。しかし、原発を持っている国名を列記すると、その理由がおぼろげながら見えてくる。原発は国家の安全保障政策に関係している」
「原子力による発電は原子力の平和利用であるが、ウランを燃焼させることにより生じるプルトニウムは原子爆弾の原料になる。また、原発を製造しそれを維持する技術は、原爆を製造する技術につながる。原発を持っている国は、何かの際に短時間で原爆を作ることができるのである」
日本と同じ愚かな轍を踏んでしまった国が何と多いことだろう。これらの国のいくつに原爆を作れるという下心があるかは分からない。しかし、そのために原発を建設してしまったとすれば、攻めばかり考えて守りを全く考えていないことになる。
日本の現状を見ればそれは明らかだ。日本の原発はテロに対して全くと言っていいほど無防備である。その点はこの記事「北朝鮮が狙う日本海側の原発、守備は万全?」が警鐘を鳴らしている。
「日本の原発の多くは日本海沿岸に集中しています。潜水艦で攻撃されたらひとたまりもないでしょう。今ごろ北朝鮮と仲良くしようとか話し合おうとか言う人には、そろそろ北の正体を思い知れと言いたいです」
*東西対決が終わってみれば、原発はただの遺物に
世界に原発が広がったのは、米国とソ連という東西対立の賜物だった。東西対立が終わったいま、この副産物は国家を守るという意味でも大変危険な存在になっている。地域紛争やテロによる明確なターゲットになるからだ。
建設・運営コストも高く、環境にも優しくなく、国防上からも危険極まる原発は、本来、東西対決の終わりとともに棄てていくのが正しい姿ではないか。できれば一気にすべての原子炉を廃炉にしてほしいところだが、電力供給の事情もあるから簡単にはいかないだろう。
世界の原子力関連市場で、日本の技術や製品はその中核を占めるまでになっているという。地震国の少ない国で原子力の安全利用を進めたい国があるとすれば、そうした国に安全でできるだけコストの安い部品や機器を供給し、原発の安全度を高めるのは、福島第一原発の事故で地球を汚染してしまった国の責任でもある。
また、万が一の場合には、徹底支援するためにも原子力技術から逃れることは許されない。
しかし、世界最大の地震大国である日本では、浜岡原発を皮切りに危険度の高いところから廃止して、コンバインドサイクルや風力、太陽光、燃料電池、地熱発電などに切り替えていくことは、東西対決が終わったいま、明らかな時代の要請である。 *強調(着色・太字)は、来栖
〈筆者プロフィール〉
川嶋 諭 Satoshi Kawashima
・早稲田大学理工学部卒、同大学院修了。日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1988年に「日経ビジネス」に異動後20年間在籍した。副編集長、米シリコンバレー支局長、編集部長、日経ビジネスオンライン編集長、発行人を務めた後、2008年に日本ビジネスプレス設立。
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